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宇多丸とKREVA『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』『無煙狼煙』を語る

宇多丸とKREVA『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』『無煙狼煙』を語る アフター6ジャンクション
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KREVAさんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演。新作ベストアルバム『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』と新曲『無煙狼煙』について宇多丸さんと話していました。

(日比麻音子)ここからは様々なカルチャーの重要人物をお迎えするカルチャートークのコーナー。今夜のゲストはラッパーのKREVAさんです。改めてよろしくお願いします。

(KREVA)お願いします。

(宇多丸)どうも、よろしくお願いします。まあ私の尊敬する大後輩でございます。

(KREVA)あざっす! 「大後輩」って(笑)。

(宇多丸)そうなんですよね。ということで、KREVAさんの紹介を日比さんからお願いします。

(日比麻音子)はい。ご紹介します。日本を代表するヒップホップアーティスト、ラッパーでいらっしゃいます。1997年、LITTLE、MCUと共にKICK THE CAN CREWを結成。2004年のグループ活動休止後にソロとしてメジャーデビュー。今年はソロデビュー15周年のアニバーサリーイヤー。おめでとうございます。

(KREVA)ありがとうございます。

(日比麻音子)ということでソロデビューの日、9月8日、KREVAの日まで9ヶ月連続リリース中。6月19日にその第六弾となる新しいベストアルバム『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』をリリース。さらに第七弾、最新シングル『無煙狼煙』を一昨日、7月1日にリリースされたばかりです。

(KREVA)上手!

(日比麻音子)ありがとうございます(笑)。

(KREVA)上手に読んでいただいて、もう。

(宇多丸)滑舌のよさではKREVAさんもこれは定評がありますけども。

(KREVA)とんでもございません。滞りがなさすぎる!

(日比麻音子)いやいやいや(笑)。

(宇多丸)そんなKREVAさん、いろいろとお世話になっています。今年5月の『人間交差点』でね、ソロでまた出ていただいて。ありがとうございました。とにかくクレちゃんのライブ、相変わらず圧巻で。というかまたあなた、どんどんとラップが上手くなっていて。

(KREVA)アハハハハハハッ! ありがとうございます(笑)。

(宇多丸)でさ、あの日は言ってくれていたけどさ、「上手いラッパーだらけだぜ!」なんて。で、後ろの上手いラッパーたちが画面を見ながら「上手えなー!」って見ていて。で、AKLOとずっとKREVAのステージングを見ながら、AKLOが「こういう動き、気を使ってるんすよね」「そうだよ。見ろ見ろ! AKLO、この指先を見ろ! これ、絶対に練習してるぞ?」とかって。「こういうところまで気を使えるかどうかだよな」なんつって。

(KREVA)いやいや、恐縮ですよ。

(宇多丸)後ろの方でキャッキャキャッキャやっていたわけですけども。あと、この番組では去年7月30日(月)にご出演いただきまして、ヒップホップサウンドの歴史を語る上で欠かせない超重要機材MPCについての特集。MPC4000と3000の……。

(KREVA)グルーヴの違い、ノリの違いをラジオの放送で聞き比べるっていう。

(宇多丸)アンド、表にしてきたら、我々がなんとなく体感で感じている3000と4000のグルーヴ感の違い、モタり感の違いとかクオンタイズのね、分布の仕方が数字上にはっきりと現れていたっていう。あれはね、すごい研究ですよ!

(KREVA)フフフ、でもマニアックすぎる回でしたよね。いつも聞かせていただいているんですけども……。

(宇多丸)そんなことないよ! やっぱり数字にしてみたら本当にそれが裏付けられたっていうことだから。俺らが聞いている音楽のあれですから、俺は全然そんなに難しくないと思っているんだけど。

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KREVA MPC講座

(KREVA)いま、思い出したんだけど。ちなみにその『人間交差点』の時にNORIKIYOのゲストで来ていたAKLOにつかまって。「クレさんの世代は3000だけど、俺たちの世代は2000XLなんだ!」みたいに超力説されて。

(宇多丸)ああ、そう?(笑)。

(KREVA)俺は「いや、3000がキングだ!」って言い張って。言い合いになるっていう(笑)。

(宇多丸)そのグルーヴの違いっていうこと?

(KREVA)それで最終的に「全員MPCを持ってうちのスタジオに来い! 検証だ!」みたいな話になりまして(笑)。

(宇多丸)その変態MPCバトルの模様はちょっとまたね(笑)。

(KREVA)ここでやりたいぐらいですよ(笑)。

(宇多丸)ああ、ぜひこの番組でやらせていただきたい。うん。でも、ちなみに俺、いろんなミュージシャンの人から、あれを聞いていた人が多くてさ。で、やっぱりね、その表にしてきた件はみんなドン引きしていた(笑)。さすがドクターというあたりでございます。ということで、まずはニューベストアルバム『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』についてうかがいたいんだけど。

(KREVA)はい。

(宇多丸)当然、拝聴しまして。で、そのバンドで全曲録り直しっていう時にいろんなアプローチがあると思うんだけど。聞いて「ああ、こう来たか」って思ったのは、これは俺の感想ね。ライブ音源的なアプローチをしてきたなっていうところなんですよ。これはなぜですか?

(KREVA)ああ、そうです。おっしゃる通り。もうアレンジをバンドで録るためにしたっていう曲は1曲もなくて、全曲ライブで披露したことがある、得意なアレンジを作品に落とし込むっていう作業でした。

(宇多丸)だから全体が、ライブも何度も拝見しているから。ライブで見た時のアレンジの感じを思い出して。それを踏まえている。だからこそ、曲によって結構インストゥルメントを変えたりするっていう手もあるけど、あんまりそれはやっていないよね。バンドセットで。

(KREVA)そのままの音を残しているのもありますし。全曲バンドで録り直しなんですけど、全音ではないので。もともとの音をそのまま使っているのもありますし。

(宇多丸)あえて、ライブの再現という形にこだわったのはなぜなんですか?

(KREVA)得意な形を……7年ぐらいバンドでやっていたんですよ。それをそろそろ記録として残してもいいだろうっていうことでトライをしてみたんですよね。

(宇多丸)あと、『成長の記録』って書いてあるけど、やっぱりこれ、ラッパーとか歌手だったら誰でもあるあるだと思うんだけど。「いまの方が上手く歌えるのに」問題ってあるじゃないですか。

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「いまの方が上手く歌えるのに」問題

(KREVA)そう! ラジオとかで昔の曲をかけていただいて。「うわーっ、嬉しい!」って思いつつも、「いまはこう歌っていない……」って思うことが多くて。それを更新するには、新しい記録を出さないとダメだなっていう風には日々、思っていたんですよね。

(宇多丸)よくMummy-Dと言っているのは、「だってさ、新曲を出して。レコーディングって一生残るもんなのにいちばん歌いなれていない状態が永遠に残るんだよ?」って。

(KREVA)そうなんですよね。だから早く更新したいなって思っている部分はいっぱいあったんで、それは全部やったつもりです。

(宇多丸)なるほど。あとは俺、アルバム全体がある種、ライブアルバムぐらいの感じの。一体した……ミックスもたぶんあれでしょう? ライブの場感というか、バンドのいる感、空気感がゼロの場合とある場合とあるけど、ちゃんとそのライブの場の感じを生かしたミックスなりなんなりをしていると思うんだけども。

(KREVA)間違いない。ビクタースタジオっていういいスタジオで録らせてもらったので。そこの鳴りは存分に。みんな入っていると思います。みんな同じ部屋に入って録っているので。

(宇多丸)だからね、なんかライブアルバムを聞くっていう感覚に近かったんだけど。それって、KREVAがこの間で結構舞台物が多かったじゃないですか。音楽劇もやっていたし、あとはディズニークラシックコンサートとか。あれはすごい貴重な経験になったって話していたじゃない? そういうさ、舞台から発するなにか強さみたいなのをこの何年間か、それが多かったからなのかなとも思ったんだけども。

(KREVA)いや、それよりもアウェイの現場っていうか他のバンドでやる経験って言えばいいんですかね? ハウスバンドがいるフェスに出て……たとえば、葉加瀬太郎さんのバンドでやる自分の基準とか。「ああ、こういう感じか。自分の『音色』はこういう感じか」っていうので、自分のクレバンドの『音色』のよさがわかってくるとか。そういう流れはありましたね。それはフィードバックとしてあったかもしれません。

(宇多丸)ああ、だからこそいま、自分たちのバンドの音を残したいっていう、そういう気持ちがむしろ出てきたみたいな感じか。じゃあ、ここで『成長の記録』から1曲、行きましょうかね。どれもいいんだけど……。

(KREVA)やっぱりPVを撮った曲を行ってもいいですか?

(宇多丸)では紹介をお願いします。

(KREVA)KREVAで『音色 ~2019 Ver.~』を聞いてください。

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KREVA『音色 ~2019 Ver.~』

(宇多丸)『音色 ~2019 Ver.~』をお聞きいただいています。いま、曲の合間に聞いていたお話もド変態で面白かったんですけども。

(KREVA)フハハハハハハッ!

(宇多丸)1人ツアーをやって……っていう。

(KREVA)MPC3000と4000、それだけを鳴らすっていうコーナーがあって。

(日比麻音子)「それだけを鳴らすコーナー」(笑)。

(宇多丸)この人、なにを言っているんでしょうか?(笑)。

(KREVA)いや、もう「わかんない人はいいんだよ」って言いつつそれをやって。その時に『存在感』っていうこのアルバムにも入っている曲を1回録ったやつを全部MPC4000の中に取り込み直して組み立て直したんですよ。それがすごくノリがよくなったのを感じたので、そのシークエンスを使ってまたバンドで録り直しました。だから『存在感』は2回、録らせてもらって。このアルバムでいちばん苦労したっていうか。

(宇多丸)でもそこでやっぱりグルーヴの違いっていうのが、少なくともKREVA的にははっきりと出たっていうことだもんね?

(KREVA)もうブチ上がっちゃって。1人でやっているのに。「全然ちがーう!」って思って。

(宇多丸)フハハハハハハッ!

(日比麻音子)「うおおおーっ!」って(笑)。

(KREVA)「研究の成果、あり!」って思って(笑)。

(宇多丸)ドクターが「発見だ!」って喜んでいるのって、傍から見たら「なんだ? あれはなにを騒いでるんだ?」って(笑)。

(KREVA)いやー、いい経験をさせてもらいました。

(宇多丸)でも、まさにこの追求っていうのが現代のポップミュージックっていうか、ヒップホップ以降のポップミュージックの根幹をなしている考え方だから。これ、本当に「変態、変態」って茶化してますけど、すごい大事なことなんですよね。こここそが現代の音楽のキモになっている部分だっていうね。そういう話を前回も聞きましたけどもね。

(KREVA)ありがとうございます。「揺れ」じゃなくて「ゆらぎ」ね。「ズレ」じゃなくて「ゆらぎ」がほしいっていう。

(宇多丸)ということで、『成長の記録』……あとはこの『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』っていうタイトルの付け方のセンスが安定のKREVAセンスだっていう。身も蓋もない!っていう(笑)。

(KREVA)『新人クレバ』。

(宇多丸)『よろしくお願いします』『アグレッシ部』。

(一同)フハハハハハハッ!

(宇多丸)『住所』とかさ。なにを考えているんだ?っていうね(笑)。

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安定のKREVA命名センス

(KREVA)なんかね、コピーライター的な発想なんですかね? ポーンとなんかちょっと笑いたいっていうか。

(宇多丸)でも、やっぱりそういう方が「強え!」っていう感じだよね。たぶんね。

(KREVA)「面白くない?」っていう感じはありますね。

(宇多丸)いや、いいと思います。最初、KREVAは後輩として出会って「お前のタイトルの付けセンスはなんなの?」とかってさ、ずっと言っていたけども。でも、その強みっていうのが長年見ていると私もわかってきました。

(日比麻音子)まさに「成長の記録」。

(KREVA)イエス、ありがとうございます(笑)。いただきました!

(宇多丸)で、もう1曲、連続リリースの『無煙狼煙』の方も聞きたいんですけども。これ、ここに来て、いわゆるセルフボーストっていう……ラッパーが自分の存在証明としてスキルを誇示するみたいなものだけど。ここに来てのその最新版としての『無煙狼煙』っていうことでいいの?

(KREVA)そうですね。「そろそろKREVAのガツンとしたやつ、聞きたい!」とかって言っている人がいて。「すんごいラップしてるやつ、聞きたい!」っていうから「ふっざけんじゃねえ!」って思って(笑)。

(宇多丸)これ、ロングバースだけ、バーッと続くっていうことだよね。

(KREVA)そうそう。一気に書けましたね。

(宇多丸)しかもビートも割とシンプルなっていうか。

(KREVA)そうですね。めっちゃハードっていうか。

(宇多丸)ちょっとファスト寄りっていうのかな? そこまでは行かないけど。

(KREVA)うーん。なんか俺が開拓者なんだけど……っていうような感じ。あと、それこそタイトル先行っていうか。「『無煙』の『狼煙』って面白くね?」みたいな。

(宇多丸)ああ、そう? 一言で……「えっ、どういうこと?」っていうことだよね。

(KREVA)「『狼』に『煙』って書くのに『無煙』か……」みたいな。なんかそれって面白いと思って。でも、俺が作る音楽は誰かのきっかけになるとしたら無煙だよなって。音楽だから。でも、それで煙は上っていなくても音に引き寄せられるような人がいろよっていうようなメッセージですね。

(宇多丸)「火のないところに煙は立たない」って言いますけども。歌詞の中にも出てきますけども「煙のないところに……」って。

(KREVA)そうそう。「立つ狼煙」みたいな。モワモワッと、音から立ち上るパワーみたいな。

(宇多丸)なるほどね。相変わらず面白いことを考えるなって。じゃあ、この流れで『無煙狼煙』も聞いてみますかね。じゃあ、曲紹介をお願いします。

(KREVA)はい。KREVAで『無煙狼煙』を聞いてください!

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KREVA『無煙狼煙』

(宇多丸)はい。KREVAで『無煙狼煙』をお聞きいただきました。1個だけ、メールをご紹介させてください。「先日の武道館ライブで発表されたクレさんの最新曲『無煙狼煙』のリリックの中で『感謝する先人たち だけどその通りには進まない 先人たちだってそれは望まないはずだ』という部分について、宇多丸さんの感想を聞きたいです」。いや、ここのライン、すごい好きですよ。全くその通りだし。

(KREVA)ねえ。なんか同じことをやってもしょうがないっていうのはあるし。それは次の世代へのメッセージでもあるんですけどね。

(宇多丸)うんうん。「俺と同じことをやっても……」っていうかね。「ちゃんと自分たちの戦い方をしろよ」っていうのは全くその通りだと思います。ということでニューベストアルバム『成長の記録~全曲バンドで録り直し~』と現在お聞きいただきました『無煙狼煙』、絶賛発売中です。そしてそこからさらにお知らせごとがドカンドカンと。

(KREVA)来月はJQ from Nulbarichと作った『ONE』とうい曲が8月5日に出て。9月4日にさっきお話した『完全1人ツアー2018』のDVD&Blue-rayが出ます。9月18日にはオリジナルニュー・アルバム『AFTERMIXTAPE』っていう、ちょっとこの番組のタイトルに似ているのが出て。

(宇多丸)すごくない? オリジナルニュー・アルバム。

(KREVA)で、9月26日には『908 FESTIVAL 2019』。横浜アリーナ。

(宇多丸)忙しすぎない? あと、夏フェスもあるんでしょう?

(KREVA)夏フェスは10本ぐらいですね。10本か11本。

(宇多丸)全部読み上げるのも大変だけど……。

(KREVA)あのね、大阪と東京でサマソニに出ますね。あとは『E.YAZAWA FES』に出るんですけども。これ、チケット売り切れていて。あの……見に来てくれる人、たのむ! 察してくれ!(笑)。

(宇多丸)フハハハハハハッ! 「わかるね?」っていう(笑)。

(KREVA)プリーズ(笑)。

(宇多丸)まあ、いろいろとお忙しくされているので、チェックしていただければ。

(KREVA)ホームページをチェックしていただければ、全部わかると思います。

(宇多丸)いやー、すごいね。すいません、そんな中……すいません、本当に(笑)。いや、KREVA……すいません、本当に。ちょっと待って、ちょっと待って……。

(KREVA)いや、もうね、タメ口いけんじゃねえか?って(笑)。いや、無理でした(笑)。

(宇多丸)いや、がんばります(笑)。そんな感じでKREVAさん、ありがとうございました。また番組もいろいろと、忙しい中だけど。音楽特集、よろしくお願いします。KREVAさんでした!

(KREVA)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>

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