えなりかずきさんが2018年10月にTBSラジオ『日曜天国』にゲスト出演。安住紳一郎さんと海外ひとり旅での忘れられないハプニングの数々について話していました。
(安住紳一郎)さて、今日はえなりかずきさんに海外ひとり旅・忘れられないハプニングというテーマでお話をいただきます。まずは一気に紹介します。えなりかずきさん、海外ひとり旅・忘れられないハプニングその1、ウォール街のサンドイッチ屋。その2、スコットランド。その3、ロサンゼルス国際空港。以上の3つです。年に2、3回、見聞を広めるために海外に行くということですが。ウォール街のサンドイッチ屋。なんでしょうか?
(えなりかずき)はい。まあ、ウォール街に3年ぐらい前に観光に行ったんですけども。
(安住紳一郎)ニューヨークですね。
(えなりかずき)これがはじめての自力で行く海外と言いますか。それまではロケでしか行ったことがなくて、コーディネーターさん、通訳さんがいるというような。もう自分でチケットを取って、自分で地下鉄に乗って、ウォール街に行って……っていう。英語は本当にしゃべれないんです。僕。聞けないし、しゃべれないという。で、トイレを借りたくていろいろと探したんですけども、まあ貸してくれるところなんてないんですよ。まず。
(安住紳一郎)そうですね。
(えなりかずき)日本だとオフィスビル、どこかに入ると誰でも入れるトイレがあったりするんですけども。
(安住紳一郎)ロビー横にあったりしますよね。
ウォール街のカフェでトイレを借りる
(えなりかずき)でもウォール街はまず入れないので。ちょうどコーヒーショップというか、サンドイッチ屋さんがあって。そこに飛び込んだわけです。お客さんが1人しかいなくて。で、「とりあえずトイレ貸してくれ」はダメだと思って。コーヒーを注文して。で、「別にまあ、いま行かなくてもいいんだけど、トイレ貸してくれる?」みたいなニュアンスを出してですね。
(安住紳一郎)わかる! 傷つきたくないしね(笑)。
(えなりかずき)はい、そうなんです。自分を守るために。
(安住紳一郎)「ノー、ノー!」とか言われたら、嫌だもんね(笑)。
(えなりかずき)「まあ、別にいま行きたくもないんだけど、トイレ貸して?」って言ったら「ああ、どうぞ」って。で、無事トイレは済んだんです。そしたら、カウンターに戻るじゃないですか。出されたのがコーヒーカップだったんですよ。なんか、いわゆるテイクアウトできるものじゃないのかって思って。そしたらすごい大量に「ワーワーワーワー……」ってしゃべられて。「その横にあるコーヒーベンダーで自分で出せ」みたいなことを言っているんですけど、なにを言っているのかわかんないんですよ。結構な長文をしゃべっているんですよ。
(安住紳一郎)ええ、ええ。
(えなりかずき)でも、「Ah, Oh, OK!」みたいな、わかっている風をまた装ってコーヒーベンダーの前に行きましたら、ボタンが4つぐらいあって。なんだかわからないんですよ。でも、ちょっとわかった風で言っちゃったし、もう1回聞くのは癪だなって思って、いちばん目立つ赤いボタンを押したら、まあコーヒーが出てきて。それでカップで受けていたんですけど……溢れ出したんです。全く止まらないんですよ。
(中澤有美子)怖い!
(えなりかずき)「あれ?」って思ってなんかいろいろとやっていたら、どうやら洗浄用のボタンだったらしく、「中のコーヒーを全部出します」っていうボタンだったらしくて。で、「うわーっ!」ってパニックになっていたらお姉さんがもう飛び出してきて。「ベラベラベラベラッ!」ってしゃべって。もう明らかに怒っている。
(安住紳一郎)「なにやってんだ?」って。
(えなりかずき)で、1人いたお客さんのおじさんも出てきてくれて、なんかたぶん「バケツ持ってこい!」みたいなことを言っているんですよ。で、バケツ一杯分ぐらい、全部出ちゃったんですけども。その間にもう僕は「手伝いますよ」みたいなニュアンスを出しても、「いや、英語もしゃべれないやつは引っ込んでろ!」みたいな感じで。ただ見ているだけしかないという。
(安住紳一郎)それが1回目のひとり旅? かなり強烈な洗礼を受けてますね!
(えなりかずき)あの、「海外旅行って1人1人が日本の外交官なんだよ」みたいなことを言われて。やっぱり日本の外交官として失礼をしたからお詫びをしなければいけないと思って。心を込めて「Sorry.」って言ったんですけど、もうきれいに無視をサれましてですね。で、ウォール街に出てから……。
(中澤有美子)トイレも行きたかったんですよね、まず。
(えなりかずき)でもそれは無事に済んだから、ギリギリよかったんですけども。まあ、やっぱり涙が出ましたよね。ウォール街の空を見ながら。
(安住紳一郎)出ますね。
(えなりかずき)泣いちゃうんですよね、僕。海外で(笑)。
(安住紳一郎)いや、それはね、涙が出ますよ。そう。で、ニューヨークの人はとにかく英語をしゃべれない人にちょっと意地悪なんだよね。
(えなりかずき)意地悪!
(安住紳一郎)そう。あれはみんな努力して英語を習得したっていうような、そういう自負があるから。「しゃべれないお前もこういう思いをして苦労しろ!」みたいな結構強烈な野球部の先輩みたいなやり方をするよね。俺もニューヨークのホットドッグ屋ですっごい意地悪をされたもん!
(えなりかずき)ああ、そうですか?
安住紳一郎・ホットドッグ屋のトラウマ
(安住紳一郎)だって商品が3つしかないからどれかわかるはずなのにさ、もう「全然わかんない」みたいな。「オニオンクランチホットドッグをくれ!」ってずっと言っていたんだけど、「うーん、わからない?」みたいな。
(えなりかずき)そうなんですよ! わかるはずなのに。
(安住紳一郎)そう。ずっと、もう恥ずかしいぐらい「エニヨン! エィニヨン!」みたいな(笑)。
(えなりかずき)フハハハハハハッ?
(安住紳一郎)「アとエの中間音じゃないのか? じゃあオの口でアなのか?……アェニオン!」とかって言ってるのに(笑)。
(えなりかずき)そうなんです。僕はもう悔しすぎて翌年からすっごい高いプロナンシエーションスクール、発音学校というのに行き始めまして。英語もしゃべれないのに発音をまず直そうと思って。
(安住紳一郎)わかるわかる! 俺もそのオニオンクランチホットドッグ屋に3日続けて行ったんだもん!
(えなりかずき)フハハハハハハッ!
(安住紳一郎)通じなかったから!
(えなりかずき)意地悪なんですよ。もうニューヨークのスーパーで、いま大きい通販会社が買った有名なスーパーですけども。全部持っていったら「ウッザッピョン? ウッザッピョン?」って言われてまして。
(中澤有美子)フハハハハハハッ! なんだろう? 「ウッザッピョン」(笑)。
(えなりかずき)もう全然……「アーハン、アーハン」とかって言ってるんですけど。よく考えたら「Would that be all?」って言っていたらしいんですよ。でもそれを「アーハン」って言っているから成立してるじゃないですか。要は「これで全部ですか?」って聞いているわけで、「アーハン」って言ったら成立してるじゃないですか。でも、こちらが英語を理解してないのわかるから、何回も言うんですよ。「ウッザッピョン? ウッザッピョン?」みたいに。
(中澤有美子)「わかってないだろ?」って。
(えなりかずき)そうです。
(安住紳一郎)ねえ。違う言い方にしてくれればいいのにね。
(えなりかずき)そうなんですよ。わかんないのを前提に来ますからね。でも、まあこうやって話せたから悔しさを晴らしています。
(安住紳一郎)いやー、みんなね、そういう悔しい思いをして上手になっているんだなって思うんだよね。でも、忘れられないよね。俺もそのホットドッグ屋、29丁目だったんだけども。もう絶対に忘れない! もう本当に悔しい!(笑)。
(えなりかずき)フフフ、29は上の方ですね。
(安住紳一郎)そうです(笑)。さて、えなりかずきさんにお話を聞いています。海外ひとり旅、真夜中のスコットランド。これはイギリスですね。
真夜中のスコットランド
(えなりかずき)そうなんです。これは去年のことなんですけども。ゴルフ雑誌で連載をさせていただいておりまして。まあ、そのページでちょっとスコットランド。ゴルフの聖地に行きたいですっていうことで。「これ、大丈夫です。全部1人で行って、1人でレンタカーを借りて行きますから」って。
(安住紳一郎)ええっ、すごい!
(えなりかずき)「写真も撮ってきます!」って。で、「これが自分を強くするんだ」って追い込んで。で、まあ自分が取った飛行機も悪いんですけど、23時に空港着で23時30分にレンタカーを借りて出発しました。
(安住紳一郎)うわっ、知らない国に夜中に着いたらダメよ! 怖いから。
(えなりかずき)そうなんですよ。怖いんですよ。で、ですね、まず嫌な予感はしていたんです。カーナビを借りて運転し始めたら、案内した道と実際の道がたぶん、カーナビのバージョンとズレていて。ずーっと海の上を走っているんですよ。
(安住紳一郎)うわうわうわっ! 怖い!
(えなりかずき)「怖いな!」って。嫌な予感はしていて。で、まあ100キロぐらい離れていたんですよ。エディンバラ空港とセント・アンドリュースっていうところが。でも一本道だったんですよ。田舎の一本道で周りに何もない感じで自分の車の明かりしかないみたいな。そこで40キロぐらいずーっと走っていたら急に明るいエリアが出てきて。工事で通行止めだったんですよ。
(安住紳一郎)うわっ!
(えなりかずき)で、工事のおじさんに窓を開けて聞いたらまた「ワーワーワーッ」って。なにを言っているのか全然わかんないんですけど、まあ言っている内容は「迂回しろ」みたいな。ゼスチャーも含めて。で、地図を見たら50キロぐらい迂回をしないと……要は幹線道路で行けないんですよ。で、「うーわっ! ここから50キロか……」って。時刻はもう12時も過ぎていて12時半とかかな?
(安住紳一郎)疲れているしね。
(えなりかずき)そうなんです! 海外の飛行機の後で。「ここから50キロか。嫌だな……」って思ったら、その50キロの迂回路につながる、よくカーナビであるじゃないですか。幹線道路が黄色とか赤とかで表示されていて。そこに灰色の謎な道が表示されていたりするじゃないですか。その道が1本だけ登場したんですよ。で、その道で戻ると10キロぐらいの迂回で済むんですよ。「これはちょっと勝負をかけてみよう」って。曲がったところはアスファルトで全然広い道だったんでよかったんですけど、それが砂利道になり、土の道になり……で、途中でドラキュラが住んでいそうなお城をひとつ、通過して。で、また5キロぐらい行ったらぬかるみになって、変な沼にハマって動けなくなって。
(安住紳一郎)フフフ、これは……これはマズい!
(えなりかずき)で、「はっ!」ってなって。飛行機の中でずっと携帯の電源を切っていたんで、携帯の電源をつけても圏外。Wi-Fiルーターももちろん圏外。で、「うわっ、これはどこともつながらない!」って。戻るといっても何キロか手前のドラキュラが住んでいそうなお城に着くとしても1時ごろ。ピンポンをしたとしても、撃たれても何も文句が言えないんじゃないかって思ってですね。また、車の中でずっと2時間ほど泣きましてですね。で、3時ごろになって「どうしよう?」って。全然、眠れもしないんです。
(安住紳一郎)そうですね。
(えなりかずき)で、「星でも見ようかな?」って思ってドアを開けて出たら、ちょっとぬかるみが乾いている気がしたんですよ。「あれっ、これは行けるんじゃないか?」って思って、なんか車の説明書とか、読めない英語をいっぱい読んで「4WD」的なボタン。これであろうというのを押して、思いっきりアクセルを踏んでなんとか抜けたという。
(安住紳一郎)おおーっ!
(えなりかずき)いやー、でも怖かった。でも結局、その道は私有地で。「この先、行き止まり」みたいなのが1キロぐらい先にあって、結局戻らなくちゃいけなくて。
(安住紳一郎)牧場の中みたいな、そういう?
(えなりかずき)そうなんです。私道だったみたいで。
(安住紳一郎)いや、でもよくやっていますよ!
(えなりかずき)はい。でも、あれは本当に怖かったです。
(安住紳一郎)本当、知らない街に夜に着いたらダメね。それはだって栃木の旅館とかでも怖いもんね。夜に着くとね(笑)。で、翌朝に起きると「ああ、なんだ。ここ、こんなに景色がいいの?」みたいな(笑)。
(えなりかずき)そうです(笑)。やっぱり夜はダメですね。海外。怖かった……。
(安住紳一郎)さて、海外ひとり旅、おしまいはロサンゼルス国際空港。
ロサンゼルス国際空港で乗り継ぎ
(えなりかずき)はい。これはつい先月の話なんですけども。ロサンゼルスのトランジットだったんですよ。帰りで、ラスベガスからロサンゼルスに着いて、ロサンゼルスから国際線に乗り換えるっていうことで。僕の記憶が正しければ、いつもアメリカ国内のトランジットっていつも表に出されて。もう1回、チェックインをしていたような気がするんですよ。
それが、なんか「インターナショナルターミナルはこっちだよ」みたいな矢印の通りに進んでいったら、いわゆる「一方通行 ここから進入禁止」みたいな。「Restricted」って書いてあるドアがパンと開いていて。その向こう側にバスがあって。「ああ、これでいいじゃん」って。「自分は矢印のとおりに来た」っていう自負があって。で、それになんの疑問もなく乗って行ったら、まあ周りの人はちょっと怪訝そうな顔をして見ているなとは思ってたんですよ。でも、「負けてはいけない! 1人1人が外交官だ!」っていう。
(中澤有美子)強い気持ちで。
(安住紳一郎)その通り。
(えなりかずき)で、別にその視線を無視して行っていたら、でも明らかに国際線ターミナルじゃないところに着いたんですよ。で、「ああ、これはマズいな」って思って。「ここは国際線ターミナルか?」ってその変な建物の入り口にいた警備員のおばちゃんに聞いたら、「いや、違う」って。で、その後にまた「ワーワーワーワーッ!」ってものすごい言われて。僕も「ああ、わかんない……」みたいなオーラを出したらもう誰にでもわかるようなニュアンスで「Why are you here?」って言われてですね。
(中澤有美子)フフフ(笑)。
(安住紳一郎)「なぜお前はここにいるんだ?」って(笑)。
(えなりかずき)そう(笑)。で、「ああ、これは捕まるかもしれないな」って思って。「Sorry. I’m lost.」って(笑)。「I’d liket to go to international terminal.」とかって(笑)。
(中澤有美子)「悪気はないんです」って(笑)。
(安住紳一郎)わかんないもんね……。
(えなりかずき)だから次、行く前にはちょっと確認をしなきゃいけないんですけど。なんか出国手続きみたいなことをした記憶がなくて。で、そのおばちゃんが無線で呼んでくれて、その間に警備員が何人か来て。「なんだ、こいつは?」みたいな。で、おばちゃんが呼んでくれて、たぶんテロリストではないと思われたんでしょうね。バスを僕のために出してくれて、国際線ターミナルまで送ってくれたんですよ。で、はじめて入る入口から国際線ターミナルに入れられて。で、飛行機は乗れたんですけど、なんかピッてところを自分、通ったかな? みたいな感じで飛行機に乗っちゃって……。
(安住紳一郎)超法規的に出国が認められたのでは?って(笑)。
(えなりかずき)「大丈夫かな?」って。
(中澤有美子)次にアメリカに行く時にですよね。
(えなりかずき)そうなんですよ。だから日本に入国する時は別になんでもなかったんですけど、アメリカに入る時に……。
(安住紳一郎)次にアメリカに行く時に「出国の記録がない!」って(笑)。
(えなりかずき)そういうことになるんじゃないか?って思ってすごい不安ではあるんですけど。
(中澤有美子)まだ心配が続いているんですね(笑)。
(安住紳一郎)それから、ニューヨークでホームステイもしたんですよね?
(えなりかずき)ああ、そうなんですよ。
(安住紳一郎)やってますね。すごい!
(えなりかずき)これはちょっと半分いい、甘酸っぱい思い出なんですが。『ゴシップガール』でよく出てくるアッパーイーストサイド。あそこに僕、海外に行く時には民泊サイトを使ってかならず民泊をするんですよ。
(安住紳一郎)ああ、上級者!
アッパーイーストサイドで民泊
(えなりかずき)いや、その方が英語をしゃべれるかなって思って。でもまあ、相変わらず全くわからないんですが。その民泊サイトを使って何回もやっているんで、評価が高くなっているんですよね。「こいつはいいやつだよ」って。で、その評価を見て予約ができるところにお願いしたらホストの方が「いいよ」って迎えてくれて。いいエリアに泊まることができたんですね。アッパーイーストサイドっていう。
で、そこのお家のご夫婦が住まわれているんですけど、娘さんも同居されていて。で、その娘さんがアパレルメーカーかなんかをやられている、結構商売も成功されているんだろうな、みたいな。お家も立派で。で、そこにホームステイをしたんですけど、娘さんがお酒が好きで。僕がなんかブロードウェイのショーを見て帰ると、「飲んでいく?」みたいな感じで。リビングで毎晩、なんかお酒をごちそうになっていたんです。
(安住紳一郎)へー!
(えなりかずき)で、そしたらまた身の上話みたいなのを娘さんがしているんですけど、なにを言っているのか全然わかんないんです。でも、なんかリアクションはよかったんです。僕、自分でもあれはよかったなって。「Really?」とか「Oh…」とか。なんか「私はこんな少女時代、辛かったの」みたいなことを話しているのに対するリアクションはすごくよくて。気に入られたんでしょうね。
(安住紳一郎)リアクションがよかったっていう自信はあるの?
(えなりかずき)自信はあります。で、たまに「What do you think?」とかっていう風に。「これは意見を求められているぞ」っていう時に「You are good person.」とかって言って、なんか誰にでも当てはまるようなことを言っていたら……。
(安住紳一郎)「それは辛いね」とかね(笑)。
(えなりかずき)そしたら気に入られたらしくって。5日目の時になんか変な雰囲気になってきて。そのお嬢さん、パジャマなんですけどちょっとセクシーな感じになってきて。で、距離も急に近くなってきて。「あれ? これって日本の感じで言うと、いい感じなんじゃないか?」って思うんですけど。まあ、日本語でもそうじゃないですか。ちょっといい雰囲気になった時ってはっきりとしゃべらないじゃないですか。
(安住紳一郎)そうですね。
(えなりかずき)ただでさえ、CDの教材でさえ怪しいのに、ちょっとウィスパー系な「ナントカカントカ……」って英語をしゃべられても全くわからないわけですよ。
(安住紳一郎)もう少しクリアに発音してくれないと……って。
(えなりかずき)そうなんですよ。
(安住紳一郎)いくら甘い雰囲気とはいえね。
(えなりかずき)そう! そうなんです。で、表現もたぶんクリアに発音されたところでちょっと遠回りな表現というか。「私はあなたのこと、好きよ」みたいな言い方はしてくれず、「月がきれいですね」的な感じのすごい遠回りな表現をされているみたいで。まあ、全くわからず。肩に手もかけようかなと思ったけど……「いや、危ない! 1人1人が外交官! 変なことをしたら日本が悪く思われる」って思って。
(安住紳一郎)「スケベの国の人ね!」なんて。
(えなりかずき)そうなんです。「なにするの!? Don’t touch me!」なんて言われたらマズいじゃないですか。だからなにもせずに……でもあれは、うーん。
(安住紳一郎)いけたかもね。いけたね、それはね。
(えなりかずき)でも、わからないんですよ。なんて言っているのかわからないんですもん。
(安住紳一郎)そうだよね。いやー、辛いな。ささやいているからなー。雰囲気を壊すわけにもいかないもんね。
(えなりかずき)そうなんです。「いま、なんて言ったの?」って聞けないじゃないですか。
(安住紳一郎)聞けないよね。こっちも色っぽくね、「I beg your pardon?」なんて……ダメだよね(笑)。
(えなりかずき)フフフ(笑)。「もう1回、言ってくれ?」なんて、いくらささやいても内容がダメだとね。そうなんです。雰囲気は壊したくないっていう。まあ、いい思い出はいい思い出なんですけどもね。
(安住紳一郎)そうですか(笑)。まだ33ですから。まだまだ待っていますよ!
(えなりかずき)いけますかね?
(安住紳一郎)いけます、いけます!
(えなりかずき)がんばります(笑)。
<書き起こしおわり>