高橋芳朗 R師匠『Black Panties』の海外メディアの扱い方を語る

高橋芳朗 R師匠『Black Panties』の海外メディアの扱い方を語る 宇多丸のウィークエンド・シャッフル

TBSラジオ『タマフル』でR師匠ことR.KELLYの最新アルバム大特集!音楽ライターの高橋芳朗さんが最近の欧米メディアがR師匠をどのように扱っているのか?を話していました。

(宇多丸)さあ、じゃあ行ってみましょうか。今夜紹介するのは今週水曜、日本盤が発売されたばかりのR師匠・R.KELLY最新アルバム、その名もブラックパンティーズということなんですが。なんかこのアルバムが発売される前後でですね、我々R師匠!R師匠!なんて言ってますけど、アメリカでもR.KELLYさんを取り巻く状況、ここに来て変化が訪れている。25年間ね、トップを走っているR.KELLYさん。

(高橋芳朗)番組で名づけたR師匠という呼び方がですね、名づけの発端となった我々のR.KELLY観がですね、世界的に共有されつつある。

(宇多丸)R.KELLY観(笑)。

(高橋芳朗)なんて言うんですかね?世界がタマフルに追いついた。まあ、我々はR師匠評論の最先端を行っていたと言ってもいいんじゃないかと。

(古川耕)どういうことなんですか?

(高橋芳朗)順を追って説明しますと、前回。2011年2月5日の馬鹿リリック特集では、R師匠の全キャリアを総括したんですね。その時、まさかの事態が起こりました。みなさん、覚えてらっしゃいますでしょうか?あの、R師匠サイドにですね、馬鹿リリック特集をやることがバレたんです。

(一同)(爆笑)

(高橋芳朗)R師匠がtwitterで橋本名誉Pをフォローして。

(宇多丸)フォローしたんですよね!

(高橋芳朗)で、直接、『今夜、俺の特集やるんだろ?楽しみにしてるぜ!』とツイートする異常事態が発生しました。

(宇多丸)ヤバいぜ!これは起こりましたね。たしかに。

(高橋芳朗)その後、twitterのフォローはすぐに外された模様なんですけど(笑)。

(一同)(爆笑)

(高橋芳朗)でね、これはマズい!ということで、急遽馬鹿リリック特集からですね、馬鹿に良いリリック特集という体に変更して放送した、非常にスリリングな。

(宇多丸)そん時はそうだった!

(高橋芳朗)『英語でツイートするな!』とか、『ニコ動に上げるな!』とか。

(宇多丸)さっきのR師匠のね、俺たちのさ、『プッシーぐらいわかるよ、バカヤロウ!』じゃないけど。『馬鹿ぐらいわかるよ、バカヤロウ!』ってことになりかねない。

(古川耕)ゲラゲラ笑ってるからね。

(高橋芳朗)スリリングな放送だったんですけど。ところがですね、あれから約3年経過した現在、欧米メディアの今回のブラックパンティーズの扱い方。完全に、我々がやってきたのをなぞった感じになっているんです。ちょっと順を追って説明しましょう。たとえばRolling Stone誌。天下のRolling Stone誌ですよ。Rolling Stone誌のWEBサイトがですね、11月19日にアップしたR師匠のインタビュー動画。これ、見出しがですね、いいですか?『R. Kelly Sing Ridiculous Sex Songs』。これ、直訳すると『R師匠、バカげたセックスソングを歌う』。

(一同)(爆笑)

(宇多丸)Ridiculousですからね。

(高橋芳朗)で、その動画を見てみると、完全にインタビュアーの方がですね、R師匠を面白がっていて。師匠にですね、ドルフィンとかですね、イルカですね。あと、イタリアンサンドイッチとか。アイスホッケーとかお題を与えて、即興でセックスソングを作らせてるんです。

(宇多丸)おおーっ!!あのR師匠、たとえでね。なんか『ドルフィンたとえで行けますか?』みたいな。

(高橋芳朗)で、イルカの鳴き声とかを交えながら、R師匠即興で歌ってるんです。まあ、『らくごのご』みたいなことをやらせてるんです。まあ、『セックスのス』ですかね。らくごのごになぞらえるとしたら。で、R師匠もまんざらでもないというかですね、動画見ていただければわかると思いますけど。

(宇多丸)キャッキャキャッキャやってんだ。

(高橋芳朗)明らかに楽しんでるんです。あとですね、COMPLEX.comという人気カルチャーサイトがあるんですけど、こちらでもですね、Black Pantiesのリリースに合わせて、こんな記事を上げてます。『The Most Ridiculous Sex Lyrics From R. Kelly’s “Black Panties”』という記事をアップしてる。

(宇多丸)もう、Ridiculousと言われちゃっている。これ、訳せば・・・

(高橋芳朗)いま、言いますよ。これ、訳したらこんな感じですよ。『馬鹿リリック大行進 Black Panties大特集』ですよ。

(一同)(爆笑+拍手)

(古川耕)なんの拍手だ、これ(笑)。

(宇多丸)いやいや、我が意を得たりの拍手ですよ。

(高橋芳朗)パクリですよ、これ!あとね、我々馬鹿リリック特集を通じて、ずっとR師匠、比喩・メタファーの切れ味が最高という評価をしてましたよね?訴え続けてきましたけど。Slate magazineというサイトでですね、R師匠のセクシャルメタファーカタログ。

(宇多丸・古川)おー!

(高橋芳朗)まあ、R師匠のエロ比喩辞典(笑)。なる記事を掲載しております。これですね。

(宇多丸)へー!でも、セクシャルメタファー、性的なたとえみたいなところが注目されている。

(高橋芳朗)で、Aの項目に『アナコンダ』とかですね・・・

(宇多丸・古川)(笑)

(高橋芳朗)Bには『ブラックホール』。Gには『ゴリラ』などですね、我々が指摘したところを全部フォローしてるんですよ!

(宇多丸)じゃあ、Uには『ユラーヌス(Uranus)』。

(高橋芳朗)そうですね。そのへんもあります。これね、仕事早くて。ドルフィンとかも入ってます(笑)。

(宇多丸)もう!新作としてカウントされてる!

(古川耕)あ、ウラーヌス、ありますね。

(宇多丸)ウラーヌス!アーヌス!(歌う)

(高橋芳朗)忘れたくても忘れられない。ウラーヌス(笑)。でですね、R師匠もこの状況をやっぱり楽しんでるんですよ。今回もね、本当水を得た魚のようにイキイキしてます。『SEXを得たR』になってます(笑)。

(古川耕)(笑)。なんだそれ。

(宇多丸)まあ、最近セックス足りなかったからね!

(高橋芳朗)この男、ノリノリである!みたいになってるんですけど。

(一同)(爆笑)

(高橋芳朗)あの、11月16日、国民的コメディー番組『Saturday Night Live』にですね、レディー・ガガと出演してます。ガガ様の新作に収録のR.KELLYが参加している『Do What U Want』というのをパフォーマンスしました。これ、動画があるんですけど。ちょっと見てもらえますか?

(宇多丸)まあ、ガガが踊ってますよ。白い服着て。で、後ろから・・・

(高橋芳朗)師匠が。

(宇多丸)後ろから遠巻きに見て、モゾモゾしてますね。と、思ったら!持ち上げて、ガガのケツのところを持ち上げて、持ち上げたまま歌う!

(古川耕)持ち上げて、担いでいる。

(宇多丸)人をさらう時の格好っていうかね。で、ガガが・・・またケツ向けたり、いろいろ・・・

(高橋芳朗)いわゆる、スパンクですね。ケツを叩いたりして。

(古川耕)師匠、歌ってますねー。

(宇多丸)大真面目にやるなー。こいつらも。後ろでガガが腰を抱いて・・・

(高橋芳朗)この後ですかね?

(宇多丸)ん?で、ガガの後ろに回って、腕を回し・・・

(古川耕)ちょっと離れて・・・

(宇多丸)歌ってますよ。ここまではとは言えね・・・まだ常識の範囲。えっ、あっ!?

(高橋芳朗)来てますね。

(宇多丸)ガガが下に這いつくばり・・・

(高橋芳朗)ガガ様、寝そべるんですね。この後。

(宇多丸)うん。っていうかこいつら、音なしだとかっこいいの?っていう状態にすでになってきてますけど。

(古川耕)アメリカのショービズって・・・っていう気がしますけどね。

(宇多丸)あっ!あっ!あっ!ガガが、寝っ転がって・・・R.KELLYが上に乗っかって、要は普通に・・・

(高橋芳朗)あの、セックスです。

(一同)(笑)

(高橋芳朗)サタデー・ナイト・ライブ上でですね、セックスを。

(古川耕)ああー、これは・・・

(高橋芳朗)で、最終的にこれです。

(宇多丸)いわゆる、駅弁。

(古川耕)なにやってんの!?(笑)。

(宇多丸)最近、こういう駅弁から女の人がグーッと後ろに倒れるようなの、ありますよね。

(高橋芳朗)あの、アメリカ全土にガガ様との駅弁フ◯ックを披露したと。

(宇多丸)で、プチャヘンザ!みたいなことを言ってますね。

(高橋芳朗)現在ね、この曲のミュージックビデオを制作中だそうです(笑)。

(宇多丸)じゃあ、ポルノ化必至の。

(高橋芳朗)楽しみですね。あと、さらにですね、Jimmy Kimmel Liveというアメリカで有名なトークショーがあるんですけど、こちらに出演した時は、今回のブラックパンティーズの通常版のジャケット。R師匠が女性を膝に乗せて抱きかかえて。

(宇多丸)バイオリンを弾いている風というか。

(高橋芳朗)チェロに見立てて弓を当てているという図なんですけど。これを生で再現してくれました。

(一同)(爆笑)

(高橋芳朗)これもかなりシュールな画になっていて。

(宇多丸)もうさ、コントですよ、これ!完全に。

(古川耕)これで歌ってるんですよね?

(宇多丸)真顔でよくできるね、これ!すげーな、本当この男。

(高橋芳朗)で、まあまとめますと、もうなにも臆することはないんですよ!僕たち。

(宇多丸)つまり、半笑いでね、馬鹿だなんていうフレーズをつけてますけど。もうRidiculousもついてるし、インタビュアーも半笑いなら、本人がここまで大コントショーをやっているということなので、もう臆することはないと。

(高橋芳朗)そう。堂々と馬鹿リリックを歌っていいし、R師匠もそう扱われることを望んでいるだろ?と。もしかしたらですよ、R師匠が橋本名誉Pのtwitterをリムったのは、前回の我々の腰の引けた態度に失望したからかもしれない。

(一同)(笑)

(宇多丸)なにが『馬鹿いい』だと。

(高橋芳朗)そう!お前ら、ちょっとなにやってんだよ!?と。見損なったってことだと思いますよ。

(宇多丸)なるほどなるほど。そうかそうか。

(古川耕)これは失態ですね。我々のね。

(高橋芳朗)だから今回、バーカ!バーカ!っていう感じでやりましょうよ。

(一同)(爆笑)

(宇多丸)いや、見下げなくていいから!罵らなくていいんだから。わかりました。でも勇気が湧いてきました。といったあたりで、現在の世界的R師匠状況、みなさんお分かりいただいたところで、いよいよ最新アルバム『Black Panties』の中身ですね。パンティーの中身を覗いていきましょう!

<書き起こしおわり>

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