町山智浩と山里亮太『グリーンブック』感想トーク

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で映画『グリーンブック』の感想トークを山里亮太さんとしていました。

(町山智浩)いま、アラバマというところにいるんですけども。

(赤江珠緒)アラバマ?

(町山智浩)ご存知でしょうか? 

(赤江珠緒)アラバマ州……アラバマといえばなんでしょうかね?

(町山智浩)フフフ、全然ない?

山里亮太:引き出しが全然ないです(笑)。

(町山智浩)わかりました。取材に来ているのは1965年にマーティン・ルーサー・キング牧師が行ったセルマという街からアラバマの州都モンゴメリーまでの行進があるんですね。それは『Selma』という映画……日本だと『グローリー/明日への行進』っていうタイトルで公開されたんですが。

(赤江珠緒)ねえ、町山さんにもご紹介いただきました。

町山智浩 キング牧師を描く映画『グローリー/明日への行進』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でマーティン・ルーサー・キング牧師の誹謗力闘争と血の日曜日事件を描いた映画『グローリー/明日への行進(原題:Selma)』を紹介していま...

(町山智浩)はいはい。それをね、毎年再現しているんですよ。橋のところで。で、みんなでその橋を行進するんですけども。その時、警官隊が殴り込みを書けて、「血の日曜日」という大変な大惨事になったんですけどね。

(赤江珠緒)ええ。

(町山智浩)その頃、アメリカ南部この黒人には投票権、選挙権がなかったので、その権利を奪い取るためにまあキング牧師が行進をする。それに対して警官隊は騎馬警官が橋の上で徹底的に弾圧を加えた事件がありまして。

(赤江珠緒)あの有名なスピーチをされた時ですか?

(町山智浩)スピーチじゃないんですけども……。

(赤江珠緒)あ、違うんですか?

(町山智浩)違います。キング牧師はその時、現場にはいなかったんですよ。その大事件があった時には。だからスピーチはしていないんですけども。まあ、大変な……けが人が出たり、死者も出ています。何人も殺されているんですよ。警官たちに。射殺をされたり、その行進って結局州都まで4日かけて歩いて。で、90キロぐらい離れているんですよね。で、州都の前でキング牧師が「我々に投票権を返してください」という風に州知事がいる州議会に対して訴えたんですけども。その後、そこに来た、行進をした人たちはその90キロをまた歩いて帰らなきゃいけないじゃないですか。

(赤江珠緒)うん。

(町山智浩)だから、これはあまりにも大変だということで、白人・黒人関係無くその運動を支援している人たちが車を出してピストン運動で帰るのを手伝ってあげていたんですよ。自家用車に乗せてね。そしたらイタリア系の白人の女性がそれにボランティアとして参加したら、「白人のくせに黒人に味方しやがって!」ってKKKという白人至上主義のやつらが3人で車に乗ってその黒人を乗せている女性の車に並走して、走っている彼女を銃撃して殺したっていう事件があって。

(赤江珠緒)ええっ?

(町山智浩)そういうようなことがあった土地なんですよ。まあ、ひどいんですよ。で、まあ僕がそこに参加したら……大変な嵐になったんですよ(笑)。で、嵐で竜巻も発生して、20人以上死んだりする事態になりまして。このへんは。

山里亮太:ねえ。いまニュースになっていますね。

(町山智浩)その現場にいましたよ(笑)。

山里亮太:えっ、大丈夫でしたか?

(町山智浩)大丈夫じゃないですよ。ビショビショですよ。頭のてっぺんからつま先まで(笑)。大変でした。あまりにも頭に来たんでその現場をツイートしていますけども。そこから(笑)。

山里亮太:あ、じゃあその写真とかも撮って?

(町山智浩)もう嵐がブワーッと来たんでビデオを撮って。そしたら電話がいきなりビービーッ!って鳴り始めて、なんだろうと思ったら竜巻発生警報って出てきて。大変でしたけども。でね、なんで竜巻が起こったかっていうと、ものすごい寒波が北極の方から来ているんですよ。南部の方に向かって。で、そうすると南部って基本的には暖かいじゃないですか。で、暖かい空気のところにものすごい冷たい空気が流れ込んできたので。その零下の空気が。そうすると、冷たい空気は暖かい空気の下になだれ込もうとするんですよ。ぶつかったところで。

(赤江珠緒)うんうん。

(町山智浩)そうすると、渦になるんですよ。下に入ろう、下に入ろうとするから。で、竜巻が発生するんですよ。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)で、結局いま、寒い寒波が勝ちましてここアラバマはいま零下なんですよ。外は。南部なのに(笑)。

(赤江珠緒)いや、ちょっともう気候が……アメリカも大変なことになっている。

(町山智浩)僕、南部に行くって思ったんで、全然あたたかい服を持ってこなかったんですよ。だからいま、死にそうに寒いんですけども。

山里亮太:お体に気をつけて。でもね、それこそいま南部にいらっしゃるということで。あの僕、昨日町山さんに教えてもらった『グリーンブック』を見てきまして。まさにね、さっきおっしゃったようなこともたくさんあったじゃないですか。あの映画の中に。

(町山智浩)そうそう。『グリーンブック』っていう映画は差別がひどかった60年代前半の南部に黒人のジャズミュージシャンがツアーに行くっていう話ですよね。あの中で、ひどいでしょう? 黒人のミュージシャンでコンサートに呼ばれていくのに、コンサート会場に入れないとかね(笑)。

山里亮太:ご飯も食べさせてくれないんだよ。

(赤江珠緒)めちゃくちゃですね、それね。そんな?

(町山智浩)そう。呼んでるんですよ。演奏家としてその場所に。

(赤江珠緒)どういうこと?

山里亮太:「しきたりなんで」って言われるんですよね。

(町山智浩)そうなんですよ。で、「控室も白人用なんで……」っていうことで、とんでもないところに入れられたりとか。

山里亮太:そんなことが実際にあったんだっていう。

(赤江珠緒)ねえ。『グリーンブック』は日本でもすごいお客さんが入っているみたいですね。

(町山智浩)『グリーンブック』、いい映画ですよ。本当に。

山里亮太:いい映画でした。本当に見て。

(町山智浩)あのマフィアの用心棒の人がピザを一気に食べるじゃないですか。あのパーティーピザを丸めて一気に食べるっていうシーンがあってワンカットで撮っているんですけど、役者って大変だなと思いましたね(笑)。

(赤江珠緒)フフフ(笑)。

山里亮太:あと、めちゃくちゃケンタッキー・フライドチキンが食べたくなりますね(笑)。

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フライドチキンの意味

(町山智浩)ケンタッキー、食べたくなる! ただね、アラバマもフライドチキンの本場なんですよ。フライドチキンってあの映画の中では説明されていなかったけど、もともと南部の白人はフォークとナイフでしかご飯をその当時、食べなかったんですね。だからももとかあばらのところとか、骨の多いところは捨てられるというか、奴隷にあげていたんですよ。だからフライドチキンっていうのはフォークとナイフで食べれない骨の近くの部分を奴隷に対してあげていたというところから、奴隷の人たちが作り上げた料理なんですよ。

山里亮太:だからか。すごいそこが立っているシーンがあって。「なんでなんだろう?」っていうのがいまので解明されました。ああ、なるほど。

(町山智浩)そうなんですよ。だから「黒人なのにフライドチキンを食べたことがないのか?」っていうようなシーンがあって。それは実はそういう背景があって。まあ、カーネル・サンダースが有名なんでケンタッキー・フライドチキンって白人のイメージがあるんですけど、あれこそがまさに文化の盗用という。黒人が作り上げた文化を白人が横から奪い取った典型なので。

(赤江珠緒)そうか。

山里亮太:ああ、あのシーンがそうだったんだ。

(町山智浩)そうなんですよ。でもいまはアラバマの高級レストランのメインディッシュがフライドチキンになっていますけどね(笑)。

(赤江珠緒)フフフ(笑)。

(町山智浩)そう。そういう時代なんです。

<書き起こしおわり>

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