町山智浩 デビッド・ボウイを語る

町山智浩 デビッド・ボウイを語る たまむすび

町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でデビッド・ボウイについて話していました。

(赤江珠緒)それでは、映画評論家の町山智浩さん。アメリカ カリフォルニア州バークレーから電話出演です。もしもし、町山さん。今日は、この曲なんですね。

(町山智浩)はい。これ、デビッド・ボウイの『Ziggy Stardust』ですけどもね。デビッド・ボウイさん、亡くなりまして。昨日ですけども。アメリカでは。

David Bowie『Ziggy Stardust』

(山里亮太)はい。

(町山智浩)僕がちょうどロック雑誌で働き始めた頃、デビッド・ボウイが『Let’s Dance』で大ブームでしたね。だからまあ、いろいろありますが。デビッド・ボウイさんはね、すごく変わり続けた人なんで。この人はこういう人だってことは言いにくい人なんですよ。だからもう、いくつもの側面があるんで。それこそ、1時間ぐらいかかっちゃうんですけど。彼がやってきたことを言うと。ただ、ひとつすごく大きいのは、この『Ziggy Stardust』がヒットした時にですね、彼はたぶん世界のロックで初めてぐらいに、女性のような衣装と女性のような化粧をして歌っていたんですね。

(山里亮太)ふーん。初めて?

(赤江珠緒)それまで、そんなになかったんですか?

(町山智浩)なかったですよ。それまではだって、ビートルズとかスーツを着てたじゃないですか。

(赤江珠緒)ああー、そうか。

(町山智浩)ねえ。で、初めて女の人みたいに化粧をしてですね、キンキラキンの衣装を着て出てきたんですよ。で、いまは結構普通ですよね?

(赤江珠緒)いまは普通ですもんね。

(町山智浩)ぜんぜん普通じゃないですか。まあ、日本にはもともと歌舞伎みたいな伝統があるんで。日本人にとっては結構普通なんですけど。宝塚とかね。こういうのをジェンダーベンダー(Gender Bender)っていうんですけど。ジェンダーを簡単に乗り越えていく感じっていうのは日本人にとってはすごく普通ですが。ヨーロッパとかアメリカにとってはもう大変なショックだったわけですよ。

(赤江珠緒)へー!

(町山智浩)だからもう、『あれは男なの?女なの?』みたいな。それでまた、そういう女性みたいな格好をすると、『ゲイに違いない』って決めつけたりとかですね。そうでもない、女性でも男性でもどっちでもいいじゃないかっていうのを初めて出した人ですね。

(赤江珠緒)あ、そうだったんですか。

(町山智浩)はい。だから、レディ・ガガなんていうのは完全にデビッド・ボウイの女性版なんですよ。別のキャラクターを作って、非常にそのバイ・セクシャルな感じで売っていくっていうのは。

(赤江珠緒)はー。いや、だから影響を受けているっていう方は多いですもんね。

(町山智浩)まあ、日本だとBOOWYがそうですよね(笑)。布袋さんがいたBOOWYはもともとデビッド・ボウイからつけてます。バンド名をね。あと、THE YELLOW MONKEYなんかは曲がもうデビッド・ボウイからすごくインスパイアされてますね。

(赤江珠緒)はー!

(町山智浩)あと、やっぱり女装みたいなことは坂本龍一さんとかね、忌野清志郎さんとかね。

(山里亮太)あ、YMOの時の。

(町山智浩)そう。あのへんですね。あと、YMOは音楽的にも影響をかなりされてますけども。まあ、そういうデビッド・ボウイさんはすごいんですよ。影響力が。

(赤江珠緒)ふーん!

(町山智浩)ただ、まあこの時間にデビッド・ボウイの曲を説明し始めるとちょっと辛いんで。それはまた、違う機会にと思いますが。ただ、今回紹介する映画はですね、デビッド・ボウイがゲイだったら・・・みたいなファンタジーの映画がありましてですね。『ベルベット・ゴールドマイン』という映画なんですが。それの監督だった、トッド・ヘインズ監督の最新作を今回、紹介します。『キャロル』という映画です。

<書き起こしおわり>

町山智浩 映画『キャロル』と原作者パトリシア・ハイスミスを語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で映画『キャロル』を解説。原作者のパトリシア・ハイスミスさんが描き続けたものについて紹介していました。 (町山智浩)ただ、まあこの時間にデビッド・ボウイの曲を説明し始めるとちょっと辛いんで。それは
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