(ジェーン・スー)じゃあもし自分が誰かパートナーと一緒に住むってなったら、どっちをやるんですか?
(田中みな実)私は……どっちも。どっちもやって、辛くなっちゃう。
(ジェーン・スー)あ、フフフ(笑)。自分でオチを言っちゃったよ。
(田中みな実)そう。もうね、どっちも……仕事もお互い仕事してて、かつ家事も全部やろうとするから、男の人に期待しないっていう風になっちゃって。なんか期待するとイライラするじゃないですか。「これ、やっといて」って言ったことをやっておいてくれないとイラッとするから。「頼まなきゃいいんだ。全部自分でやればいいんだ」って思って。全て受けて。で、それを完璧に全てやりたいから。お洗濯もお掃除もお料理も。
(ジェーン・スー)無理じゃん。
(田中みな実)寝ないのね。だから。
(ジェーン・スー)えええーっ!
(田中みな実)その時は。
(ジェーン・スー)なんで? 無理じゃん。
(田中みな実)それで彼の気持ちが他の女の人に行くわけじゃない。もうなんか、私もうプルプル震えながら……「私は、家政婦……?」ってもう声にならない声で言ったことがありましたね。
(ジェーン・スー)フフフ、そんな面白い話、しなくていいよ(笑)。
(田中みな実)面白くないわ!(笑)。
(ジェーン・スー)そんなに愉快な話、しなくていいよ(笑)。
(田中みな実)フフフ、だからがんばっちゃうんだと思う。そこも。で、逆に男の人にさせるのが申し訳ないと思っちゃって。まあ、時々洗い物をやってくれたりすると、なんか「ありがとう! すごい助かる、ありがとう!」ってとにかく褒めまくる。
(ジェーン・スー)うん。なんか、「べき論」からどう脱することができるかが次のテーマなのかもしれないですね。
(田中みな実)かもしれないですね。私は割と「女の人はこうあるべき、男の人はこうあるべき」みたいなものにいちばん縛られてるのかもしれない。
(ジェーン・スー)「家族はこうあるべき」とかね。「これぐらいの歳の人はこうあるべき」とかっていうのにね。そこに結構、がんじがらめになってる?
(田中みな実)なっているかもしれないです。
(ジェーン・スー)そうすると、人が逃げていくっていう(笑)。
(田中みな実)胸が苦しい……。
(ジェーン・スー)そんなことないですよ。「そんなことないですよ」って人の胸の苦しさはわかんないわ。ごめんごめん(笑)。
(田中みな実)フフフ、ねえ。
(ジェーン・スー)でも、まあまあ。モテモテでしょうから。あとはどこからどう選ぶか?っていう。
(田中みな実)うん。別にモテてもしょうがないと思いません?
(ジェーン・スー)まあまあ、そうですね。おっしゃる通りですね、そこは。
(田中みな実)なんかさ、もう本当、「モテるでしょう」っていう……あと、モテたい女の人がすごく嫌い。
(ジェーン・スー)アハハハハハハッ!
(田中みな実)なんか「私、モテたい!」みたいな。「どうしたらモテるんですか?」とかって聞いてくる女がいるんですけども。「いやいや、私、モテようとしてないから」って。で、それがまた鼻につくみたいで。で、後から言われるわけ。「なんか『モテたいと思わない』とか言っていた」みたいな。「なんかすごく高飛車」みたいな。
(ジェーン・スー)フフフ、なんでそんな暴走族みたいになっちゃったの?
(田中みな実)アハハハハハハッ!
(ジェーン・スー)暴走しているよ。
(田中みな実)もうブンブン!
なぜか暴走族化した田中みな実
(ジェーン・スー)ブンブン、ブンブン。なんか初めて会った時は40キロぐらいで走っていたのに、もういまは100キロで。動体視力的に追いつかないぐらいね。
(田中みな実)ブーン!ってね。そうなの。なんかこう、ちゃんと1人の人に愛されることに私は特化したい。
(ジェーン・スー)どんな人がタイプなんですか? 過去の傾向から言うと。
(田中みな実)過去の傾向から言うと、最近特にあの橋本環奈ちゃんみたいな子供を産みたいんですよ。
(ジェーン・スー)フハハハハハハッ! そっから逆算する?
(田中みな実)そう。だから、そういう人(笑)。
(ジェーン・スー)ひどい!(笑)。
(田中みな実)あとさ、結局ね、顔が好みの男だったら、何か嫌なことあってもイラッとしても、パッと笑顔を見た時に「ああ、かわいいな。許してやろう」って気持ちになるわけですよ。
(ジェーン・スー)ああー、そっち派だ。そこも私と違うな。
(田中みな実)「こちらが許す」みたいな感覚はもはやないんだけど。許される方。なんかも、どんだけ相手が100:0で相手が悪くても、でもこっちは折れるよね。100%悪いけど「俺は悪くない!」って言ってきたら、「うん……そうだよね。私が悪いよね」ってもう奥歯をこうグシグシいわせながら、ガシガシいわせながら「ごめんなさい」って謝る。
(ジェーン・スー)ああ、本当に? じゃあ顔が好みっていうのは大事なんだ。
(田中みな実)うん。大事。全然?
(ジェーン・スー)全然。
(田中みな実)容姿は全く関係なく?
(ジェーン・スー)付き合った人の容姿、全然違う。
(田中みな実)へー!
(ジェーン・スー)私は好きになった男の顔が全部かわいく見えちゃうんですよ。
(田中みな実)うん。それはある。最初タイプじゃないけど、タイプになるっていうのはある。
(ジェーン・スー)そう。それでだいたい事足りる。便利なんだ、私。
(田中みな実)じゃあ、なにをいちばん重要視しているんですか?
(ジェーン・スー)ええーっ? 「話が続くかどうか」。
(田中みな実)それも大事ね。
(ジェーン・スー)だって話が続かなかったらさ、つまんなかったら辛いじゃん。
(田中みな実)そうですね。あと、これを言うと絶対に語弊があるし、批判されるのは分かってるけど、経済力も多少は私は大事と思っちゃう。
(ジェーン・スー)ああー。私は別にそれはいいんですよね。
(田中みな実)なぜなら私は専業主婦になりたいと思っているから。
(ジェーン・スー)おおーっ、なんでそんなことを?
(田中みな実)ええー、たぶんですけど、やっぱり自分の親がそうだったからかな?
(ジェーン・スー)うちも親、専業主婦だけどね。
(田中みな実)そうか。
(ジェーン・スー)だって他の人になかなかできない仕事っていうのができるわけだから。
(田中みな実)あとはそれをやってる時間がね、心地いい。特に好きな人がいる時に、彼のために食事を作る。彼の洗濯物をすることとか、彼が脱ぎ散らかしたものをひとつひとつ……西野カナみたいでしょう? もう拾い集めることに喜び感じちゃうタイプ。
(ジェーン・スー)フフフ、暑苦しいタイムになってきてるぞ?
(田中みな実)暑苦しい? これが重いんだって。
(ジェーン・スー)そうそう。すごいわかるよ。
(田中みな実)ずっしりタイム。
(ジェーン・スー)いま、小学生でもわかるずっしりタイム。
(田中みな実)そうよね。でもさ、それが愛情だって……付き合って1、2ヶ月とかは「なんていい子なんだろう! もうかわいい! こんなに俺のためにやってくれて、ありがとう! 愛情深い子だね」が、1、2年経つと「重い……」に変わるのって何ですか? それは心境の変化でしょう。あちらの。
(ジェーン・スー)違いますよ。「これって無償の愛ではない」って気づくのにだいたい1、2年っていうことですよ。
(田中みな実)違うの。これが……違うの! いままではたしかに、20代の頃とかは「私、こんなにやったよ! ねえ! 褒めて褒めて!」だったけど、なんだろう? このさり気なさが怖いのかな? さり気なく完璧なのが怖いのかな?
(ジェーン・スー)コンシェルジュに転職したら?
(田中みな実)アハハハハハハッ!
(ジェーン・スー)完璧な。
(田中みな実)そう。コンシェルジュの方がむしろ感謝されるかもね。
(ジェーン・スー)そうそうそう。「重い」って言われるコンシェルジュはいないもん。
(田中みな実)本当、そうよ。感謝の言葉ひとつなくなったからね。もう後半は。
(ジェーン・スー)それはひどいね。
(田中みな実)うん。「ありがとう」もないから。で、やってるところを見ると「ああ、ありがとう」って言うんだけど、完璧すぎてもう最初からずっとそうだったみたいな。お洗濯物とかも干してあるところをたぶん見たことがなかったみたいで。
(ジェーン・スー)ええーっ?
(田中みな実)そうなの。もう朝、洗って。それで夜には全てたたんでサッときれいにアイロンがけして入ってるから。いつもその状態だから。
(ジェーン・スー)じゃあ、いなくなった後に後悔してるよ。全部やってくれてたんだなって。
(田中みな実)そう! そうなの! いなくなってから連絡来る女。
いなくなってから連絡来る女(田中みな実)
(ジェーン・スー)ああ、すごいわかる! それでわかりました。解決! いなくなってから電話が来る女っていうのは、いる時にやりすぎタイムなんですよ。
(田中みな実)ああ、そうなんだー!
(ジェーン・スー)そっから元には戻らないの?
(田中みな実)これが相談なんですよ。
(ジェーン・スー)はい。番組が変わりました。
(田中みな実)戻った場合、これは上手くいくのでしょうか? それともまた同じことの繰り返しになるのでしょうか?
(ジェーン・スー)それはお互いが気をつけないと、同じことになるんじゃないですか?
(田中みな実)そうよね。結局こっちも、なんか私、付き合う前にはすごい強気でいられるのね。「いや、全然好きじゃないし」とかに「興味ない」とか。「ちょっとごめん。『会いたい』って言われてるけど、ごめん。私、占いあるから会えないから」って。
(ジェーン・スー)占いが上なんだ(笑)。
(田中みな実)そうそう(笑)。とかって断れているのに、もう付き合っちゃうと何でも全部べったり合わせちゃうから、うーん。だからそうなっちゃうんだと思うのね。結局、また。
(ジェーン・スー)そこを自分でどれだけ制御できるかじゃない?
(田中みな実)ねえ。別れてから相談とか、「ねえねえ」って連絡がきたら、いい感じに突き放せるんですよね。
(ジェーン・スー)ああ、そうすると向こうはまたまたちょっと燃えちゃうでしょう?
(田中みな実)そうそうそう! 「あっ、付き合う前のあの感じ?」ってなっちゃう。それを持続させることができないのが悩み。
(ジェーン・スー)それ、どうしてだろうね。
(田中みな実)大事になっちゃうんですよ。単純に。
(ジェーン・スー)うん。でも自分のことも大事にしたい方がいいよ。わかった! 2019年、自分のことをいちばん大事にする。
(田中みな実)そしたら、どんどんどんどん美容ババアになっちゃう。
(ジェーン・スー)アハハハハハハッ! いや、そういう「大事」じゃないよ!
(田中みな実)大事にする方向性がわかりやすい方向性しかわかんないから。
(ジェーン・スー)物質的大事になっちゃうの?(笑)。
(田中みな実)もうすっごいエステに通いまくって、「あ、毎日このエステに入っている」みたいな状態になっちゃうと思う。
(ジェーン・スー)フフフ、もうね、エネルギーが有り余っているんだね。
(田中みな実)なのかな? 愛情がちょっといま、あふれちゃって。
(ジェーン・スー)自分自身に対しての愛情っていうのを、その物理的なところにね。物質的なところにいっちゃうから。どうしたらいいかね?
(田中みな実)だから分かりやすく自分を磨く。自分のために何かをするってなったら、「えっ、もうどこのパーツを磨こう? もう磨くところ、ない!」っていうまでいろいろとやっちゃうかも。
(ジェーン・スー)でも、いいと思います。私はすごくいいと思いました。あの、田中みな実さんがぶりっ子キャラって言われながらも、退社して自分で未来を、人生を切り開いていって……まあ、「何様だ」っていう話なんですけど、どんどんと暴走族として速度を上げてる! こんなに勇気づけられる話はなかなかないと思いますよ。
(田中みな実)アハハハハハハッ! もう事故りませんようにっていうことよね。スピード違反で逮捕されちゃったりとかしてね。
(ジェーン・スー)それだけは気を付けましょうね。素晴らしいと思いました。
(田中みな実)ありがとうございます。上手くまとまったのかしら?
(ジェーン・スー)あったかい気持ちになりました。
(田中みな実)あ、よかったです。エンジンはあったまってますからね。
(ジェーン・スー)エンジンはあったまってます。
(中略)
(田中みな実)エンディングのお時間になりました。2週に渡ってジェーン・スーさんにお越しいただきました。スーさん、ありがとうございました。
(ジェーン・スー)ありがとうございました。いや、こんなにあったかい話が聞けるとは思いませんでしたよ。
(田中みな実)どう編集してもそうならないんじゃないかな?
(ジェーン・スー)いやいやいや、あるはず。あったかいところがあるはず。
(田中みな実)そう。あったかいところを見つける番組ですから。
(ジェーン・スー)そうそうそう。あなたのあったか洞察力が試される。そういうことでしょう?
(田中みな実)フフフ、いい番組だ。
(ジェーン・スー)いい番組だ(笑)。
<書き起こしおわり>