松尾潔 マリオと稀勢の里を語る

松尾潔 マリオと稀勢の里を語る 松尾潔のメロウな夜

松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でシンガー、マリオの『Goes Like That』を紹介。マリオと実は同い年という元横綱、稀勢の里関についても話していました。

Goes Like That

(松尾潔)続きましてはマリオで『Goes Like That』、お聞きいただきました。

これはね、やっぱり、うん。歌手の歌ですよね。「なに言ってるんだ?」って言われそうですけども(笑)。いや、マリオも長いですからね。マリオが天才少年として世に出てきたのは2002年のことでございまして。2002年の5月に『Just A Friend 2002』っていう曲で出てきて。これはね、当時結構な話題になりました。

『Just A Friend 2002』

ラッパーのビズ・マーキーという人の『Just A Friend』っていう曲があって、それの本歌取りのような曲だったんですが。当時のマリオっていうのはとにかく若かったんですね。マリオというのは86年生まれでございまして。まあシングルが出た時は15歳とか。で、アルバムの時でも16になるかならないかみたいな年齢だったんですね。で、その後はその時は少年っぽい感じ……声はかなり成熟してましたけども。それでもこの人はどういう歌手人生を歩んでいくのかっていうのは未知数だったんですが。

ソングライターであるニーヨがその後に歌手として有名になるきっかけにもなった『Let Me Love You』っていう曲が2004年に大ヒットして。これがまあマリオのシンガーとしての位置を決定付けたんですが。で、まあそれからずっとシーンにいます。で、いまいくつなのかな?って思ったら、32歳ということですよ。86年の8月生まれなので。そうか。男性シンガー、女性シンガーもそうですけど、本当に成熟した味わいってのが出てくるいい年齢だなと思ったんです。僕。

で、15、16ぐらいで有名なって32でね、いまそこにいるっていうことは大変なことだなって。人生の半分以上そこにいるわけだしなって思ったんですよ。「あれ? なんかこういう年の巡りについて番組スタッフとなんかこの間話したぞ? ちょっと待てよ……」と思ってその事実に気づいて僕はちょっと震えましたよ。先ほど引退した稀勢の里。稀勢の里寛。元横綱でございます。86年7月生まれ。ほぼマリオと同じでございます。「ええっ、もしかして?」と思って稀勢の里関の初場所。初土俵はいつだったのかな? 2002年の3月でした。

1ヶ月ぐらいしか変わらないということで、言うなれば同級生で。同じ2002年のまあ3月場所に出てきた稀勢の里関と5月にデビューシングルを出したマリオ。方や「一片の悔いなし」と言って土俵を去らなきゃいけない。もちろんこれからね、親方として第二の相撲人生というのがありますけども。で、方やマリオに対してはシンガーとしてこれから……同じ口で僕、なんて矛盾したことを言ってるんだろう?って思ったんですけど、まあこれは音楽とスポーツの世界の違いということで。それぞれの厳しさがあるということかもしれませんけどね。

何が言いたいかと申しますと、はい。今日はマリオと稀勢の里はタメ。今日はこれを覚えていただければ、後はもうゆっくりと楽しんでいただければと思います(笑)。

<書き起こしおわり>

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