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宇多丸 映画『響 HIBIKI』を語る

宇多丸 映画『響 HIBIKI』を語る アフター6ジャンクション
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宇多丸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で平手友梨奈さん主演の映画『響 HIBIKI』について話していました。

(宇多丸)あとですね、カルチャー的なことと言っていいのかな? この後、ムービーウォッチメンをやりますけど。毎週、ガチャでガチャガチャっとやって。山本さんも目の前でご覧になっていて。ねえ。私、ちゃんと回して本当にリアルにやってんのに。先週私が1万円払ったのもご覧になっていると思いますが。

(山本匠晃)ええ。札も見ましたし。

(宇多丸)毎回、ちゃんとやっていますよね? 毎回、ゲストが僕が回しているのを見て「ああ、本当にやってるんですねー」って言うたび、「殺すぞ、コノヤロー!」って。人がどんだけ苦労してると思ってんだ?っていう。

(山本匠晃)そんな殺気立たなくても(笑)。

(宇多丸)町山さんだって「なに? 本当に1万取るの?」って。取るわ!

(山本匠晃)結構あるあるですよね。CM中に入ってきてね、「あ、本当に回すんだ」みたいなことをみなさん、おっしゃってまして。

(宇多丸)みたいなのがあるんですけど。で、そんな中で、たとえば僕的に、気持ち的には当たってほしいなって思っているのが当たんないなんてことがあるわけです。たとえば、公開規模が昨日ぐらいを境にグッと少なくなっちゃったんですけど『響 HIBIKI』いう作品。監督の月川翔さんという方……この方は割と、『君の膵臓をたべたい』の実写版。あれもすごい評判でしたし。あと、この1個前の『センセイ君主』っていう作品もすごいいいですよって人から勧められたりしていて。結構いま、いい感じの作品を立て続けに撮られている監督さんで。

その月川さんの自薦というか。2、3週にわたってメールをいただきましたよね。要するに彼がご自身でも「キャリア上、ちょっと自信作ができたので……」ということで。主演が平手友梨奈さん。欅坂46。ということで非常に話題になって、評判も聞いていたで、見たいな、見たいなと思いながら、ガチャが当たらず……で。なかなかガチャが当たらないと、僕も他の仕事とかこの番組もあったりするんで、なかなか行けなかったりするんですけど、昨日で公開規模がグッと少なくなっちゃうっていうんで、放送前に『響 HIBIKI』、行ってきたんですよ。

(山本匠晃)おおっ!

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噂に違わずおもしろかった

(宇多丸)それで「見てきました」みたいなお話で。で、これはやっぱり噂に違わず、めちゃめちゃおもしろかった。すっげーおもしろかったっす! で、ちょっと僕は原作の漫画を読んでいないんで、そういう部分で「えっ、これはどういうことなの?」とか「なんでそこの描写はないの?」とか、そういうちょっと疑問に思う部分とか言いたい部分がゼロではないんだけど、まずもって皆さんおっしゃる通り、平手友梨奈さんという欅坂とかでもカリスマティックな存在感を発揮している非常に特異な存在感ですよね。

アイドルっていう意味ではもう、10年前はおろか5年前でも考えられないぐらいの存在感でやられていますけども。平手友梨奈さん。彼女のいまの感じがあればこその……役柄がものすごい得意な役柄なのね。天才小説家。で、そのその小説の出来っていうのは正直さ、映画ではなんとでも言えるじゃないですか。「た、大変な傑作だ!」とか言えばさ、済んじゃうわけで。それをいいことに、ある意味もうなんていうか、創作者として理想化された存在っていうのかな? 絶対に世間の常識に妥協しないし、自分なりの倫理っていうのを押し通すし。それでいて、書く作品はもう絶対的に圧倒的にすごいという。

でも同時に15歳の少女なんだけど、15歳になりのかわいらしさとかも垣間見えたりもするというような、非常にこのメインのキャラクターがおもしろくて。それをいまの平手さんならではの……決して、ちょっと不器用な感じも込みですごいこれ以上ないハマりっぷりで。はっきり言って彼女じゃないとこの特異なキャラクターをいまやれる人はいないんじゃないかな?っていうね。

(山本匠晃)はー!

(宇多丸)もちろん芸達者な方がやればそれなりになるとは思うけど、「あっ、響だ!」っていう感じがするのはいまの彼女の存在感でしょうし。

(山本匠晃)いまの平手友梨奈さんが演じるべきというか、演じてバチッとハマる。

(宇多丸)で、問題は非常に理想化された、もうある意味スーパーヒーロー的な理想化された表現者としての響っていう主人公を中心に、周りに要は努力している秀才型もいれば、努力てもなかなかうまくいかない人がいたりとか。才能はあるのに世間になかなか出られない人がいたりとかっていう、何て言うかな? 才能論ですね。全体として才能論なんですよ。才能のあり方、才能と世間とどう折り合いをつけるか。そして自分のやりたいことっていうのと、才能と世間。社会性っていうこの3つの軸をどうバランスを取ってやっていくか?っていう、ある意味すべての物を表現して世に問うたりしてる人だったら全部に共通する問題意識がいくつも散りばめられていて。その真ん中にいる、ある意味自然なというか天然な存在。天才としてドンといる平手さん演じる響を中心に、周りがすごい芸達者で固めてあって、これがね……たとえば柳楽優弥くんが演じる、最近のあの『ディストラクション・ベイビーズ』とかもそうだけど、ちょっと汚れた感じというか。

(山本匠晃)バイオレンスで。

(宇多丸)その柳楽くん演じるピザ屋でバイトして、バイトくんとしてめちゃめちゃ不遜な態度で怒られている小説家を目指している青年とか、めちゃめちゃいいし。あとね、小栗旬さんがいいですねー! 小栗さんがすごーく、「ああ、この人、一歩間違うとすごい危ういところに行っちゃうな。なんとかうまく行ってほしいな!」っていう、最後の最後までハラハラするような思いで見守るようなね、キャラクターを見事に演じていて。僕、小栗さんのベストアクトだと思っているぐらいですね。素晴らしいと思うし。他の方も本当に素晴らしくて。

あと、アヤカ・ウィルソンさんって、中島哲也監督の『パコと魔法の絵本』で出てきたすごいかわいらしい少女だった子が、やっぱりその響の親友の女の子なんだけど、彼女の才能に嫉妬しながらも、なんか2人の、でもはじめて分かりあえる人と出会えたっていう2人の、危ういんだけどでも、この友情を本当は大事にしたいんだっていう感じとかがお互いに出ていてね。でも、不思議な映画でもあって。柳楽さんと響が対決……いろんな人と対決するんだけど、その対決の場面になるたびにものすごい不穏な空気が流れて。

(山本匠晃)ものすごく不穏?

(宇多丸)不穏。とにかく不穏なの。まあ、っていうのは響っていう人が突発的に暴力を振るうんですよ。突発的にっていうか、まあ彼女なりの正義なんだけど。だから本当、ある意味宇垣総裁を思い出すところもありました。小説がすごい好きで、自分の正義を貫き通す。で、彼女は言っていましたね。「暴力を振るうことに躊躇はない」って(笑)。

(山本匠晃)フハハハハハッ!

(宇多丸)宇垣さんもでも見て、すごい感情移入していたみたいですね。

(山本匠晃)響は宇垣に重なる?

(宇多丸)そうかもしれない。ということで、めちゃめちゃおもしろかったです。月川さん、拝見しました。素晴らしかったです!

<書き起こしおわり>

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