渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でスウィズ・ビーツの来日ライブの模様について話していました。
(渡辺志保)いま、後ろで鳴っていますけども先週、スウィズ・ビーツさんが来日されたということで。ファッションブランドのBALLYさんのパーティーも兼ねて来日された。そしてスペシャルゲストになんとナズっていう。スウィズ・ビーツとナズが東京で一緒に見れる。しかも近距離で見れるっていうことで興奮しましたね。
私、アフターパーティーの1 OAK TOKYOにうかがったんですけども。スウィズがすごい大盤振る舞いでライブをしてくれて。で、何年か前にスウィズ……ちょこちょこハーレムとかにDJで来日していたじゃないですか。だから今回もDJプレイなのかしら?って思ったら、バックDJの方は別にいて、基本的にはスウィズ・ビーツさんがご自身でマイクを握って客を煽りながらライブをするっていう感じだったんですけども。
でもさ、ちょっとWikipediaでわざわざ調べちゃったんですけども。スウィズ・ビーツといえば本当にヒット曲がたくさんあるじゃん? 自分がプロデュースした。自分がラップした曲でもあるけど。で、DMXの『Ruff Ryders’ Anthem』。あれが98年なんですって。20年前! 恐ろしい! だからね、最近の若いヘッズはね、自分が生まれた頃にはもうすでにDMXの『Ruff Ryders’ Anthem』の方が先に産み落とされていたという方もたくさんいるんだろうなと思いながら合唱しちゃったし。
私がいちばん上がったのはレミー・マーティンの『Whuteva』のサビ、フックの部分をかけてスウィズが歌ってらっしゃったんだけど。それとかもすっごいブチ上がったんだけどさ。
「Whuteva, Whuteva, It’s whuteva♪」っていうすっごい単純なフックじゃん? でもあそこまでガチで盛り上がるのってすっげー!って思ったし。あとスウィズがいちいちさ、「Show Time!」って言うたびにお客さんが「ウワーッ!」ってなって。もう本当にやっぱり、そういう自分のシグニチャーななにか一言があるラッパーとかDJ、まあプロデューサーも含めですけども。威力がすごいなと思いました。で、本当に当たり前だけどね、ヒット曲に継ぐヒット曲っていう感じで。
で、彼はもうすぐ『Poison』という自分の新しいアルバムをリリース準備中ということで。シングルがすでに数曲お披露目されていますけども。いま、後ろで鳴っているのはリル・ウェインの最新アルバム『Tha Carter V』に収録された『Uproar』という曲ですね。
『Uproar』もこれは『Special Delivery』をそのままサンプリングしているのか、ちょっと弾き直しているのか、Rap Genius上でプチ論争みたいになっていたんですけども。まあ、そういう曲がある。で、スウィズ・ビーツも結構ライブをしながら常に「俺が久しぶりにリアル・ヒップホップを持ってきたぜ!」「マジでリアル・ミュージック持って帰ったぜ!」みたいなことを盛んにおっしゃっていまして。
1 OAKさんが本当に「スウィズ、おめでとう!」みたいな意味を込めてグリーティングのね、意味を込めてシャンパンをシャンパンガールたちがステージ上に持ち込んでくださったんですけど。そしたらスウィズが「No Champagne, No Champagne!」っつって(笑)。「今日はトゥルーヒップホップだからノー・シャンパンだ!」って言ってヘナヘナ~っていう一幕もあってなかなかおもしろかったです。
「リアルヒップホップはノー・シャンパン」
(DJ YANATAKE)「リアルヒップホップはノー・シャンパン」なのね?
(渡辺志保)みたいですよ。あと、スウィズさんはわかんないけど宗教の問題もあって。もしかしたらお酒をあんまり嗜まれないのかもしれない。でもさ、改めて調べたらすごいね。サザビーズのオークションのキュレーターとかもやってらっしゃって。本当にもうアリシア・キーズの旦那さんとしてもすごく……(笑)。ちょっとつながらないですけども。でもね、多方面で活躍をされている。で、「俺が久しぶりにリアルヒップホップを持って帰ったぜ!」って言ってドカーン!ってかけたのがこの『Uproar』だったりしましたし。
あと、私もTwitterに上げたんだけど、「まだどこにもかけてない曲をお前らに聞かせてやるぜ。エクスクルーシブ・ニューシット!」って新曲を……よくわかんないけどすっごいかっこいい曲でした。
Swizz Beatz played his new song exclusively at 1Oak Tokyo stating “The Music Is Back, F**k MAGA hat” pic.twitter.com/QlDDf4OIzk
— Shiho Watanabe (@shiho_wk) 2018年10月10日
新曲をエクスクルーシブでかけてくれたり。などなど、本当に大満足だったし。で、自分でライブもしながら途中でブースに入ってめっちゃこすりながらDJをやっていたの。で、そのDJでかけていた曲がまた、これまたLL・クール・Jからビースティーもかけたかな? ノーティ・バイ・ネイチャーとかさ、ウータン・クランとかさ。本当に日本のヘッズがみんな好きそうな感じのヒップホップのクラシックチューンもかけながら、なんとインクレディブル・ボンゴ・バンドの『Apache』とかまでかけちゃって。なんかすごい本当にね、ヒップホップの歴史をこの60分間ぐらいで総ざらいしたようなスウィズ・ビーツさんのパフォーマンスでした。
で、それを聞きながら私はある1冊の書籍のことを思い出していたんですけども。来る10月30日に『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』という本が……。
(DJ YANATAKE)やったー!(拍手)。
(渡辺志保)やったー! もうね、日米のヒップホップの歴史40年間をまるっと1冊で総ざらいできる素晴らしい、新しいヒップホップの教科書のような書籍が10月30日に発売されますので。まるで『「ラップ史」入門』を聞いているかのようなスウィズ・ビーツさんのパフォーマンスだなと思ったのでした。という感じです。
だってヤナタケさん、『「ラップ史」入門』はいま、音楽本ジャンルのところでAmazonのベストセラーランキング1位なんですよ。
(DJ YANATAKE)ああ、志保さんので知りました。俺もなんかね、どのタイミングで告知していいのかわかんなくなっちゃって。まあヌルッとしてるんですけども。でも月末の発売に向けて、盛り上げていきたいと思いますし。NHK出版ですよ!
(渡辺志保)NHK出版! テイクオーバーしちゃったわね! 本当に(笑)。
(DJ YANATAKE)まあ、それもこれもこのblock.fmをやっているからっていうおかげでございます。ありがとうございます。
(渡辺志保)というわけで今日のオープニングチューンはそのスウィズ・ビーツの来るニューアルバム『Poison』からの最新シングルです。聞いてください。『Preach ft. Jim Jones』。
Swizz Beatz『Preach ft. Jim Jones』
はい。いまお届けしましたのはスウィズ・ビーツ feat. ジム・ジョーンズで『Preach』でした。新しいアルバム『Poison』にはケンドリック・ラマーとかUKのラッパーのギグスとか、あとは2チェインズの名前なんかも加わっておりまして。本当にどんな内容になるのか非常に楽しみなところですし。めっちゃ気合いはいっていたし。あとずっと「ファックMAGA Hat!」って。カニエのかぶっているあの「Make America Great Again」のハットですけども。「ファックMAGA Hat!」ってずっと連呼していて、その後に「I Love You Yeezy」って言いながら『Can’t Tell Me Nothing』をかけて。ちょっと胸アツっていうか一筋の涙が頬を伝いそうな感じでした。そんなスウィズ・ビーツレポートでした。
<書き起こしおわり>