宇多丸 Amazonドラマ『ザ・ボーイズ』を紹介する

宇多丸 Amazonドラマ『ザ・ボーイズ』を紹介する アフター6ジャンクション

宇多丸さんがTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中でAmazonのオリジナルドラマ『ザ・ボーイズ』を紹介していました。

(宇多丸)あとね、カルチャーニュースというかカルチャー情報的にディレクターのいま卓に座っている箕和田くん。彼は特撮とかヒーロー物、アメコミも大好きということですけども。彼情報で「こんなドラマがいま、面白いですよ」っていう情報交換とかをするんだけど。去年の11月7日、カルチャートークでラッパーでプロデューサーのPUNPEEさん。RHYMESTERもプロデュースしてもらっています。まあこの世代の本当にカルチャーヒーローですよ。

(日比麻音子)うんうん。

(宇多丸)PUNPEEさんがですね、彼はアメコミにめちゃめちゃ詳しくて。その時におすすめいただいたのが『ザ・ボーイズ』っていうコミックで。

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(日比麻音子)ああ、去年の11月の時点で?

PUNPEEさんが紹介していたコミック

(宇多丸)はい。コミックを紹介してもらって。まあ、スーパーヒーローがいて、話としてはアラン・ムーアの『ウォッチメン』とかにも近いんですけども。スーパーヒーローの集団がいて、それが世の中を助けているというか活躍をしているんだけども。実はそいつらっていうのが結構なクソ野郎だったりとか、まあちゃんと要するにスーパーヒーローだけども中身なクソ人間。よくも悪くも人間臭くて。

ということで、やっぱりそういう超強い力を持った人たちが、じゃあ『ウォッチメン』で言うそのウォッチメンを誰がウォッチメンするんだ? ヒーローたちをじゃあ誰が止めるんだ?っていうようなところで、実際にそのヒーロー活動の被害にあってしまったような人たちというのが密かにヒーローを狩っていくという、そういうような話、『ザ・ボーイズ』というのがあって。これがなんとドラマ版がサクッと日本では先週末、7月26日(金)からアマゾンプライムビデオで配信開始になっていて。

(日比麻音子)サクッとですね!

(宇多丸)これがね、やっぱりドラマも……まだ、シーズン1しかなくて、その全8話中の6話ぐらいまで僕は見ているんだけども。もう1話だけ、騙されたと思って見てください。本っ当に面白いです!

(日比麻音子)おおーっ、見なきゃ!

ヒーローに対する多層的な視点

(宇多丸)すっごい面白いです。もちろんいまね、MCUとかでアメコミヒーロー物が全盛ですけども。そういう、いわゆるそれこそ『エンドゲーム』とかでドッカンドッカンヒーローたちが地球規模の戦いを繰り広げている時にもう1個、多層な視点というか。「そんないい話なのかな、これ?」っていうようなことをちょっと考えさせられるようなところでもある。あと、エピソードを重ねていくことによってこれが実は「#MeToo」的なというか。いままでは泣き寝入りしてきたたとえば女性とか。性的なハラスメントを受けていたりっていうのに対してどうするか? みたいな。そういう話も実はもう1本、主軸としてドンと来たり。

(日比麻音子)結構ナウな社会問題にも触れつつ。

(宇多丸)そうですね。それとやっぱり現行のアメリカの向かっている方向とかの危うさみたいなものも示唆をするような内容だったりして。本当にめちゃめちゃ面白いので。ちょっとこれはおすすめでございます。ただし、非常に暴力描写、性描写……特に暴力描写とかゴア描写。残酷描写がかなり激しい。

しかも全体としてドシャーッて血が流れたりドサッて内臓が出たりするんだけど。全体にそれがコメディトーンなんですよ。ダークコメディっていうか。すごくひどいことが起こっているのに笑っちゃう。全体のピリリと効いたコメディトーンも大人なスタンスだったりして。なので大人向けだったりするんですけども、見れる方はぜひアマゾンプライムで見てみてくださいっていう感じですかね。

<書き起こしおわり>

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