松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でエリック・ベリンジャー『Main Thang feat. Dom Kennedy』を紹介。さらにその曲がサンプルしているエクスケイプ『Who Can I Run To』の話をしていました。
(松尾潔)さて、続いてご紹介しますのはエリック・ベリンジャーです。エリック・ベリンジャーはこの番組でも度々ご紹介してますが客演が多くて。もちろん熱心なファンからすれば好きな曲の名前をスラスラあげることできるでしょうけど、名前の認知度と比べると「この曲!」っていう決定的な曲が何かっていうと、少なくとも僕は「うーん、あれもいいし、これもよかったけど、まだ名刺代わりの一曲っていうのはこの先にできるのではないか?」っていう気持ちにさせてくれる人ですね。
まあ「ポスト・クリス・ブラウン」とかって言われて久しいんですけど。たしかに量をもって質を規定するような、そういう活動のスタンスといえばいいんでしょうかね? 何しろ残した曲が多すぎて、輪郭がちょっと見えづらいところもある人なんですが。今日ご紹介する曲はね、『Eazy Call』という最新作の中の1曲なんですが、まあメロウですよ。この人いくつかある路線のひとつ、メロウですね。ドム・ケネディをフィーチャーしたこちらを聞いてください。エリック・ベリンジャーで『Main Thang』。
Eric Bellinger『Main Thang feat. Dom Kennedy』
Xscape『Who Can I Run To』
エリック・ベリンジャー feat. ドム・ケネディーでエリックのニューアルバム『Eazy Call』の中から『Main Thang』をまずお聞きいただきました。そして、その曲の中で大変効果的にサンプリングされて曲に散りばめられていましたね。エクスケイプで『Who Can I Run To』。『松尾潔のメロウな夜』の常連曲というか、本当にこの番組の大動脈の中にあるような1曲ですが。何度目になるんでしょうね。今夜もオンエアーしちゃいましたね。
1995年にリリースされたエクスケイプの2枚目のアルバム『Off the Hook』の中からの1曲でございました。何度もお話してますように、この『Who Can I Run To』という曲は1979年にフィラデルフィア・インターナショナルからジョーンズ・ガールズという女性グループによってまず世に出ました。
その16年後にエクスケイプが取り上げて、本家をしのぐ大ヒットになりました。それが1995年のことなんですが、その時にね、僕はリリースに先駆けてアトランタに足を運んで取材をしました。後にソロアーティストとしても大成するキャンディ。そしてそれをちょっと何て言うのかな? そのキャンディの優等生的な感じを揶揄せんばかりのちょっと悪ぶったあとの3人っていう構図が大変に印象的だったっていうことを以前に番組でお話したことあるかと思いますが。
松尾潔 Xscape再結成と新曲『Dream Killa』を語る https://t.co/JZ8oQ0E1jQ
(松尾潔)僕はこのエクスケイプ、彼女たちがまだ10代の頃からアトランタに行くたびに会っていましたし見ていましたけど、まあ1人だけ違いましたよ。キャンディさんは。— みやーんZZ (@miyearnzz) 2018年6月10日
いったんは解散した彼女たちがね、いままたもう一度集ったりしてるという、それだけのドラマが起こるためには時間が必要だったわけで。1995年から、もういま23年経ちました。つまりエクスケイプがジョーンズ・ガールズの”懐かしい”曲をカバーしたと言われた時から、それ以上の時間が経ったという。はい。この時を巡るお話、この番組で何度となくやってまいりましたけどもね。この曲もその対象のひとつかと思います。エリック・ベリンジャー、エクスケイプと2曲続けてお聞きいただきながら、R&B、名曲、時間。そういった三題噺を続けてみました。
<書き起こしおわり>