渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でBig Tymers『Designer Caskets』を紹介していました。
(渡辺志保)というわけで、今日の1曲目、ここでお届けしたいんですけども。ビッグ・タイマーズが新曲を出しました。これ、もともとキャッシュ・マネーの『Before Anythang』っていうサウンドトラックがあって、そこに収録された楽曲なんですけども。
サントラ自体は3月末に発売されていて、それに伴っていろいろと新曲がポチポチ出ていて。『INSIDE OUT』でもたぶん1曲かけたさせてもらったことがありますね。で、いろんなアーティストが参加しているサントラなんですけど、このたびビッグ・タイマーズがそのサントラの中からミュージックビデオを発表したと。で、このビッグ・タイマーズというのはプロデューサーのマニー・フレッシュとラッパー兼社長のバードマンによるユニットなんですが、この2人が一緒にビデオを撮るのはなんと15年ぶりということで。で、一部のアラサーヒップホップヘッズにとってはすごくたまらないリユニオンなんじゃないかと思います。
で、私の予測なんですけど、なぜいまビッグ・タイマーズがビデオをわざわざ15年ぶりに撮ったか?っていうところなんですが、いま流行っているドレイクの『Nice For What』。ローリン・ヒルの『Ex-Factor』をサンプリングしていますけども。
あの曲、他にももうひとつサンプリングソースがあって、それがこのビッグ・タイマーズによる2000年の名曲『Get Your Roll On』っていう曲なんですよ。
まあ、足繁く六本木あたりのクラブに通っていた方は絶対に聞いたことがある曲だと思うんですけど。2000年のビッグ・タイマーズの『Get Your Roll On』をわざわざドレイクが1バース目のいちばん最初のラインで「Get Your Motherfukin Roll On」っていう過去のビッグ・タイマーズのラインを使用していると。
かつ、このミュージックビデオにもすごく彼らの地元であるニューオリンズのシーンというのがふんだんにフィーチャーされているんですね。で、ニューオリンズって前にもちょっと話したかもしれないけど、ブラスバンドの発祥の地であったり、あとマグノリアプロジェクトっていうプロジェクトもあって。マグノリアロードっていう道路もありまして。まあ、プレイボーイ・カーティも『Magnolia』っていう曲がありますけども。マグノリアっていうのはニューオリンズの別名だったりするんですよね。なので、そういうところもフィーチャーしている。ニューオリンズ色がすごい濃い。
で、さっきも話したけどドレイクの『Nice For What』とかこの間もビヨンセがコーチェラですごくニューオリンズの色を濃く出したステージを披露したところでもありますので。
ここでまたニューオリンズのOGである自分たちが地元を背負って立つみたいな所信表明なのかな?っていう風に思いました。あと、私は広島県広島市の出身なんですけど、なんとマニー・フレッシュのラインの中に「Hiroshima(広島)」が出てくるんですよ。「Went to Hiroshima came back speaking Japanese(広島に行って日本語を喋りながら帰国した)」っていうラインがあるんですけど。なんかびっくりしちゃって。ぜひぜひ広島にいるDJの方はここをエディットして使うのもよしっていう感じがするんだけど。
まあまあ、いままでにも結構エミネムとかいろんなラッパーが広島の名前はラップのリリックに出すんだけど、だいたいが原爆とセットになっているんですよね。なんで「広島みたいにボムを落としてやるぜ!」とか「広島みたいに燃やしてやるよ」とか、ちょっと広島出身の私としては複雑な気分になるような形での登場が多かったんですけど。ここでマニー・フレッシュが本当に広島に行っていたらすごいなと思うんですけども。ちょっと私はそこにもびっくりしたというところなので。2018年、これから下半期もニューオリンズが熱そうな感じがするのでここ『INSIDE OUT』でも逐一ニューオリンズのホットな情報があればお知らせしていきたいと思います。
というわけで今日のオープニングチューンを聞いてください。ビッグ・タイマーズで『Designer Caskets』。
Big Tymers『Designer Caskets』
(渡辺志保)はい。いまお届けしましたのはビッグ・タイマーズで『Designer Caskets』でした。マニー・フレッシュが広島にシャウトアウトという感じでうれしい限りです(笑)。
<書き起こしおわり>