渡辺志保 Cardi B『Invasion of Privacy』リリック解説

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渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でカーディ・Bのアルバム『Invasion of Privacy』を解説。自身が選んだ7つのパンチラインを中心に、カーディ・Bのリリック世界を紹介していました。

Invasion of Privacy [Explicit]

(渡辺志保)というわけで、今日はカーディ・Bちゃんのデビューアルバム『Invasion of Privacy』発売おめでとう記念! 私、渡辺志保が選ぶパンチライン7選と題してお送りしたいと思います。みなさん、めちゃめちゃ期待していたんじゃないでしょうか? 私はめちゃめちゃ期待していました。そりゃ、出てすぐ聞く。それでね、「本当に女の子がほしいものが全部入っている!」みたいな(笑)。でもね、女の子がほしいものが全部入っているのがこの『Invasion of Privacy』なんですね。男性がどう思うかはわからないけど。

で、アルバム発売直前にリリースされたのが『Drip feat. Migos』だったけど、その前が『Be Careful』っていうシングルで。あれはハードなカーディっていうよりはちょっと女らしいソフトなカーディなところもあって。で、「あれっ? ちょっと心配……ちょっとポップなコーラスだし、こんな曲がたくさんアルバムに入っていたらそれはそれでうれしいけど、ちょっと嫌だな……」って思っていたんですけど。まあ、そんなことは杞憂に終わったというか、めちゃめちゃ120%ハードに攻めるカーディちゃんが入っているという感じですし。

で、1曲目は『Get Up 10』っていう曲で始まるんですけど。よくね、ミーク・ミルのアルバムとかもそうなんですけど、まず1曲目に「俺はいままでこんなに苦労してきてここまで勝ち上がってきたんだ!」みたいな、そういう成り上がりストーリーをラップしたがるラッパーってたくさんいるんですけど。カーディ・Bも同じような感じでして。この最初の『Get Up 10』においては「あんなに苦労してきたけど、いまではこんなに羽振りよく暮らしている」っていう。「Look, they gave a bitch two options: strippin’ or lose(神は1人のビッチに2つの選択を与えた。ストリップするか、もしくは負け犬になるか)」っていう印象的なラインでこのアルバムは始まるんですけど。

いろいろと私もみなさんと一緒にパンチラインを共有したいなと思って。で、頼まれもしないのに全曲訳したいとかも思ったんですけど、まあちょっと時間もないのでいま、この『INSIDE OUT』を借りてみなさんといろんな思いをシェアしていきたいと思います。で、まず1曲目に紹介したいのは『Best Life feat. Chance The Rapper』。

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『Best Life feat. Chance The Rapper』

もうチャンス・ザ・ラッパーですら、カーディ・Bにはひれ伏すしかないっていう感じですけども。この『Best Life』っていう曲なんですが、まず1行目。「I’m like Big Pop’ mixed with 2Pac, I’m like Makaveli」ということで1行目から物騒というか。「私はビギーと2パックをミックスしたような女。まるでマキャヴェリね」っていう。「マキャヴェリ」っていうのは2パックが自分のオルターエゴ的な感じでラップしていた名前ですけども。

その中には「Hit the Tay-K, I hit the race, hit the dash dash」って、『The Race』が去年ヒットしましたけどもテイ・Kの名前なんかも用いている。

で、私が好きなラインはここからです。「Went from small-ass apartments to walkin’ red carpets(クソ小せえアパートから、いまじゃレッドカーペット歩いている)」「Pissy elevators, now every dress is tailored(おしっこ臭いエレベーターに乗っていたけど、いまは仕立てたドレスばっかり着ている)」「This some real-life fairy tale Binderella shit(おとぎ話みたいなリアルライフ、これがビンデレラ・シットだよ!)」っつって。で、カーディ・Bってとにかく自分の……名前に「B」ってつけているぐらいなんですけど、なんでも頭文字を「C」から「B」に変えたり、「K」から「B」に変えたり。なので『Bodak Yellow』の「Bodak」も本当は「Kodak」なんだけど、それを「Bodak」って言ったり。ブランドの「Cartier(カルティエ)」の「C」を「B」に変えて「Bartier」って言っていたりしますけども。

ここでは「まるでおとぎ話みたいなリアルライフ」。その後に「Cinderella(シンデレラ)」の「C」を「B」に変えて「Binderella shitだよ!」っていう風に言っています。その後にちょっと置いて、「I took pictures with Beyonce, I met Mama Knowles(ビヨンセと写真も撮ったし、ママ・ノウルズ[ビヨンセの母、ティナ・ノウルズ]にも会った)」と。で、最後ですね、「I’m the rose that came from the concrete in the Rolls」。「In the Rolls」で「ロールス・ロイスの乗っている」ってことなんですけど、「私はロールス・ロイスに乗ったコンクリートに咲いたバラ」っていうところで終わるんですけど。

これ、いちばん最初の「ビギーと2パックをミックスしたのが私」っていうその2パックもね、『コンクリートに咲いたバラ(The Rose That Grew From Concrete)』っていう詩集を出していましたので、そこにきれいにつながるのかなと。

ゲットーに咲くバラ 2 パック詩集【新訳版】
Posted at 2018.4.10
トゥパック アマル・シャクール
パルコ

まあ、狙ってやったとしたらかなりカーディちゃんはテクニシャンだなって思った次第なんですけども。これ、いま後ろでかかっているのがその『Best Life feat. Chance The Rapper』です。

ここ、チャンス・ザ・ラッパーのバースですけども。チャンス・ザ・ラッパーもね、「俺は友達と一緒にミリオンマネーを稼いでるんだ(Made a couple M’s with my best friends)」みたいな景気のいいラップでして。で、カーディのバースの中にもビヨンセの名前が出てくるんですけど、この曲はチャンス・ザ・ラッパーのバースの中にもビヨンセの名前が出てきて。すごくビヨンセ愛にあふれた内容になっているという感じです。では、2曲目を紹介していきましょう。次の曲は先ほども少し触れましたが、アルバムの冒頭を飾る『Get Up 10』という曲ですね。

『Get Up 10』

はい。こちらもすごく勢いのいい曲なんですけども。私が好きなラインを紹介しましょう。「Bitches hated my guts, now they swear we was cool(ビッチたちは私のやる気が嫌いだった。でもいまは『ウチらいい感じだったよね』なんて、前は悪口言っていたくせにそんな態度なんだよね)」「Went from makin’ tuna sandwiches to makin’ the news(昔はツナサンド作っていたけど、いまじゃあニュースを作っているのが私)」「I started speakin’ my mind and tripled my views(自分の胸の内を晒して、閲覧数を3倍にしてやった)」。ここでの閲覧数はたぶんInstagramのビューアー数とかそういうことだと思うんですけども。

その次。「Real bitch, only thing fake is the boobs(私はリアルビッチ。フェイクなのはおっぱいだけ)」っていう。で、もともとカーディ・Bはストリップ嬢として生計を立てていて。それからだんだんInstagramで赤裸々な自分の胸の内をさらけ出すような感じでいろんなプロップスを集めていったんですけども。そのストリップ嬢として成功するためにはやっぱりおっぱいがないといけないってことで、結構早い段階から自分のおっぱいは豊胸手術したんだということを晒していたんですけども。

まあ、カーディ・Bはどこまでもリアルな女だけども、おっぱいだけはフェイク。でも逆に言うとフェイクなのはおっぱいだけで、あとは全部リアルっていうことですけども。これもすごく気っ風のいいラインとして私の胸に残っていますんで。ちょっとこのアルバム1曲目の『Get Up 10』を聞いていただきましょう。

(渡辺志保)はい。というわけでいま聞いていただいておりますのはカーディ・Bのデビューアルバム『Invasion of Privacy』の1曲目、『Get Up 10』。あともう1個、私がこの曲ですごく好きなラインがありまして。「And I got enough bras, y’all ain’t gotta support me(もうブラは十分あるから、あなたたち私のことをサポートしなくていいわよ)」っていうラインがありまして。「サポート」ってブラジャーは胸をサポートするものですから。「私にはサポートしてくれるブラジャーがいっぱいあるから、あんたたちのサポートなんかいらないわ。もうヘイターたちは逝ってよし!」みたいなラインでして。そこも上手いなと思った次第です。

では、どんどん紹介したいと思います。次の紹介したいのは『Thru Your Phone』っていう曲でして。

『Thru Your Phone』

これね、一聴するとすごくカーディが歌っているようなフロウで、おとなしいロマンチックな曲なのかな?って思うほどなんですけども。私はアルバムを通してこの楽曲のストーリーがいちばん好きで。どんなことを歌っているか? というと、私もTwitterに書いたんですけども、『Thru Your Phone(あなたの電話を通して知った)』っていうことなんですが、なにを知ったのか?っていうと、彼氏の携帯を盗み見て、彼氏が浮気してるのを知ったという。

で、結構最初の方からパンチラインがすっごい飛び出してまして。「And fuck your little fake ass friends」って。で、「I seen y’all little group texts(お前らのどうでもいい友達のとのグループLINE、全部見えてるからね!)」って。で、「And you can tell your little bitch I screenshotted all her naked pics(浮気相手の女から送られてきたヌード写真も全部スクショ撮りましたから!)」っていうところから始まります。

で、いちばん最初のラインも「あんたのお母さんに電話して『申し訳ないけどあんたが産んだのはビッチ野郎だったわ』と言ってやりたい(Look, I just want to break up all your shit, call your mama phone Let her know that she raised a bitch, then dial tone, click)」っていうね、そういう内容からスタートする歌なんですけども。この中で、結構やっぱりヒートアップしてくるのはバース2なんすよ。

バース1の最後の方で「You gon’ turn me into into Left Eye I don’t wanna hear ’bout invasion of privacy(あんたのせいで私、レフト・アイになっちゃったわ。プライバシーの侵害なんて聞きたくねえわ!)」っていう。「あんたのせいでレフト・アイになっちゃった」ってどういうことかというと、レフト・アイっていうのはTLCのラップ担当の女の子。事故で亡くなってしまいましたけども、レフト・アイってもともと自分の付き合っていたスポーツ選手の彼が浮気をしたっていうので彼の家に放火しちゃったっていう過去があるんですよ。それ以来、炎上っていうか怒らせるとガチ怖いみたいなキャラになってしまったんですけども。

なんで、カーディも自分の彼氏が浮気しちゃったんで、「私もレフト・アイみたいにあんたの家に火をつけるところだわ」みたいな話になるわけですね。で、2バース目なんですけども、「Beyonce on my stereo, “Resentment” on repeat(ステレオでビヨンセを流して、『Resentment』を繰り返している)」っていう。『Resentment』は『B’Day』というアルバムに収録されている曲。で、この『Resentment』は「恨み」っていう意味なんですけども、この曲もビヨンセがすごい静かな曲調なんですけど、彼氏が浮気しているのを発見してしまってそれをどうしてもどうしても許すことができないっていう曲なんですよ。

で、それを聞きながらカーディ・Bが復讐に燃えるわけなんですけども、どんな風に復讐をするのか? 「I’ma make a bowl of cereal with a teaspoon of bleach(漂白剤入りのシリアルを作ってあげる)」「Serve it to you like, “Here you go, nigga, bon appetit”(『ボナペティ!(召し上がれ!)』と差し出してあげるわよ)」という感じで彼氏に復讐心をメラメラと燃やす。あと、「This shit is eatin’ me, you sleepin’ peacefully Gettin’ more mad at you, thinkin’ ’bout stabbin’ you(あんたは平和な顔して寝てるけど、私は心の中でめちゃめちゃ怒っていて、背中からお前を刺してやりたいと思っているわ!)」とか。

あと、細かくていいなと思ったんですけど、「I might just cut all the tongues out your sneakers(あんたが持っているスニーカーのタンを全部切ってやりたい)」とかね、そういった表現なんかも飛び出してきまして。わかる、わかる! みたいな感じがして。で、これフックはどのクレジットがいちばん正しいのかわからないんですけど。フックの部分もカーディちゃんが歌っていると自分でもツイートもしていて。「結構エグい内容の歌なんですけど、この曲を歌っているのも私だからみんな気に入ってくれるといいな」っていうのをTwitterでも言ってましたけども。ということで、『Thru Your Phone』はそういう曲です。

まあ結構ね、カーディ・Bもこのアルバムが出るちょっと前に婚約者のオフセットが婚約した時の動画なんかがInstagramで出回ったりしましたけども。まあ果たしてそれを受けて書いたリリックなのかどうかっていうのはちょっと、ゴシップ的に気になるところでもあります。これもちょっと聞いていただこうかな。『Thru Your Phone』です。

(渡辺志保)はい。『Thru Your Phone』を聞いていただいております。いま、直前に聞いていただいたのがバース2で、すごい漂白剤入りのシリアルを作って[お前、食べろや!」ってキレているところですね(笑)。本当にやっぱり、いいね。こういう復讐心に燃える曲、すごい私は個人的に好きで。かつ、そこでもビヨンセのレファレンスを持ってくるカーディ・Bにすごい拍手を送りたいみたいな。巻き戻して言いますけど、最初の1行目。「彼氏の母ちゃんに電話したい」って言っているところもすげーわかる! みたいな感じするし。

(DJ YANATAKE)フハハハハハッ!

(渡辺志保)私、自分の旦那さんでちょっと悩んでいるところがあって。それをお姑さんに相談したことがあるんです。「あなたの倅が帰ってこないんですよ」って結構真剣にお姑さんに相談をしたら、「あの子はハイハイを始めた時から家にいないから……」って言われて。「ああ、そうなんだ……」みたいな。私が悪かったみたいな感じの気持ちをすごくこの『Thru Your Phone』を聞いた時に思い出したし、やっぱりカーディ・B天才!っていう風に思った次第ですね。

(中略)

(渡辺志保)あのね、本当にカーディ・Bの良さってこういう、誰の目も恐れずに言いたいことを言ってくれるところに彼女の魅力がすごいあるなと思っていて。それで先週、お腹に赤ちゃんがいることも『サタデーナイトライブ』で発表したし。で、アルバムが出たその日にもう50万枚、ゴールドディスクに認定されたっていうニュースもありましたし。オプラ・ウィンフリーとかエリカ・バドゥとかミッシー・エリオットとか、もう本当にみんなが拍手、拍手でカーディのデビューをこんなに祝っているわけじゃないですか。

だから私も彼女のアルバムを聞いてすごい思いますけども、「よくぞ言ってくれました!」みたいなのがすごく多いし。で、今日の放送にあたっていろいろと参考させていただいたんですが、ざっと調べてもカーディ・Bのナイスなパンチライン25選とか10選とか。あと、アメリカの女性のライターさんが書いたやつで「こういう時に聞いた方がいいカーディ・Bのナイスなリリック」みたいな感じで。「彼氏にギャフンと言わせたい時」とか「女の子同士でヘイター(嫌なやつ)がいる時」とか。そういう場面別のね、カーディ・Bのパンチライン特集なんかもやっているメディアもありまして。やっぱりみなさん、楽しむ方法は同じなんだなって感じた次第ですね。

というわけで、どんどん続けていきたいと思います。次は『She Bad』っていう曲がありまして。まあ、タイトルの通り「あの子、ヤバいよね」っていう曲なんですけども。

『She Bad』

(渡辺志保)たぶんこれがいま、インターネット上ですごい話題になっている曲だと思うんですよ。この曲ね、最後の方のリリックになるんですけど。「I need Chrissy Teigen Know a bad bitch when I see one Tell Rih-Rih I need a threesome」っていうところがあって。ここだけすっごいバズってるんですけど、どういう意味か?っていいますと、「Chrissy Teigen(クリッシー・テイゲン)」はジョン・レジェンドの奥さんなんですね。すっごいきれいなモデルさんで。あと、自分でもレシピ本を何冊か出していてすごくお料理上手ないい女で知られているんですよ。かつ、キム・カーダシアンなんかともすごく中がいいのがクリッシー・テイゲン。

(渡辺志保)で、その後に「Know a bad bitch when I see one(バッドビッチって言ったらあの子でしょ)」って。「Rih-Rih」は「リアーナ」のことですね。「Tell Rih-Rih I need a threesome(リリに言ってくれない? 私、スリーサムが必要なの)」っていう歌詞で。「threesome」っていうのは「3P」のことなんですよ。なので、「クリッシー・テイゲンと自分とリアーナで3Pしたい」って言っている曲なんですけども(笑)。それがいま、ネットですごいバズってて。クリッシー・テイゲンは「はっ、なんてことを!」みたいな感じでビスケットを落としたみたいな感じでTwitterですぐに反応していて。

で、みんなそれを面白がって。「クリッシーは嫌じゃないらしい」みたいな感じで報じられているんですけど。なので、まあクリッシーは嫌じゃないらしい。カーディ・Bはぜひにと言っている。というわけで、次はリアーナがいったいなんて返すのか? みたいな感じのところでゴシップストーリーが流れているわけなんですけども。まあリアーナもカーディ・Bのご懐妊ニュースをすごくおめでとう!っていう感じでInstagramでも祝福の言葉を述べていたぐらいですから、そんなに嫌じゃないとは思うんですけどもね。まあ、カーディ・Bの夢の3Pっていうのが自分とクリッシー・テイゲンとリアーナだと。まあ、それだけです。はい。というのが『She Bad』という曲でして。

あと、私が『Thru Your Phone』と同じぐらい好きな曲がアルバムの最後に入っている『I Do feat. SZA』っていう曲。これ、SZAを呼んでいるぐらいだから本当に「バッドビッチたるや……」みたいな。「あたいら、バッドビッチたちの教えを聞いときな」みたいな感じの曲なんですよ。で、このアルバム1枚を通して「バッドビッチたる者」みたいな。バッドビッチの教えみたいなものが懇懇と、とうとうと語られているアルバムでもあるんですけども。

『I Do feat. SZA』

で、たとえば1行目。「I think us bad bitches is a gift from God I think you broke hoes need to get a job(ウチらバッドビッチたちは神様からの贈り物。お前ら貧乏なヤリマンたちは仕事でも見つけな!)」っていうすごい痛烈な1行目で始まるんですけども。たとえば2バース目の最初。「Look, broke hoes do what they can Good girls do what they told Bad bitches do what they want」っていうところがありまして。「金のない女(broke hoes)たちはやれることをやるまでよ。グッドガールたちは言われたことをやる。そしてウチらバッドビッチたちはやりたいようにやるのよ!」っていう。

で、その後に続くのが「Leave his texts on read」。これ、「既読スルー」のことなんですよ。なんで「あの男からテキスト(LINEとか)が来ても既読スルーでいいっしょ」と。で、「leave his balls on blue(キンタマ青ざめたままにしていいっしょ)」っていう。これ、Rap Geniusで調べたら「キンタマが青ざめる」っていうのはイキたくてもイケない状況のことを指すらしいんですって。本当にそんなこと言うのかわからないですけども、そんな風に書いてあって。「Put it on airplane mode so none of those calls come through(飛行機モードにしておけば、あいつらの電話もずっと無視したままだからね)」っていうところなんですけど。

結構こういうなんかちょっと、本当にリアルな、たぶんカーディ・Bとかも常にスマホを片手に生活をしているような感じだと思うんですけども。そういうところで出てきそうな言葉がポンポンポンポン出てくる。で、かつこの曲はSZAと一緒に「あたしら、やりたいようにやってやんのよ!」っていう曲ですから、聞いていて痛快なことこの上なしという感じなんで。ここでもうちょっとみなさまに聞いていただきたいなと思います。

(渡辺志保)というわけで聞いていただいておりますのはカーディ・B『I Do feat. SZA』。この曲で締めるのもなかなか粋だなと思っている次第です。では、次に紹介したいのはリードシングルとしても紹介されました『Drip』という曲ですね。

『Drip feat. Migos』

(渡辺志保)で、この曲はフックでも「Drip, Drip」って言っていて、フィーチャリングもミーゴスで、ミーゴスの3人を召喚しているんですけども。「Drip」っていうのはどういう状態なの?っていう感じなんですが、「宝石が滴るぐらい、もうダイヤが盛れて盛れてしょうがない=金持ちでしょうがない、イケててしょうがない」みたいな状態のことをたぶん「Drip」っていう風に言うと思うんだけど。宝石とかダイヤのことを「Ice」っていう風にスラングで言うんですけども、たぶんその「Ice(氷)」が溶けちゃって滴っているのを「Drip, Drip」っていう状態なのかなと。なんで、宝石があふれすぎちゃってしょうがないみたいな感じなのかなと思っているんですけども。

ここでも「Won MVP, and I’m still a rookie」っていうところがあって。たしかにカーディ・BってMVP級のアーティストだけど、でもまだ新人じゃないですか。これがデビュー・アルバムだし、なんならメジャーレーベルと契約したのも去年の6月とか7月ぐらいだから、本当に目の回るような、1年未満で……何度も『INSIDE OUT』でも言っていますけども。もう何もかも手に入れた女みたいな。それこそシンデレラならぬビンデレラみたいな感じがしますけども。

ここでもやっぱり強気なカーディちゃんですから、「Is she a stripper, a rapper or a singer?(あの子ってストリッパーなの? ラッパーなの? それともシンガーなの?)」「I’m busting bucks in a Bentley Bentayga(ベントレーのベンテイガに乗って札をばら撒く)」「Ride through your hood like “Bitch, I’m the mayor!”(あんたの地元を走り回って『ビッチ、私が市長よ!』って叫んでやんのさ!)」っていうのが『Drip』の歌詞です。とにかく本当にブイブイで自分のイケてるヴァイブスが滴り落ちちゃってしょうがないわっていうのがこの『Drip』ですので、ぜひ聞いてほしいと思うし。クラブでもガンガンにかけてほしいと思うし。

やっぱりいま、この時代にミーゴスの3人を引き連れて存在が霞まないのはカーディ・Bだけだなとも思う次第なので。ちょっとここでも『Drip』を聞いていただきましょう。

(渡辺志保)はい。「Came through drippin’ (drip drip)」っていうことでね、『Drip』を聞いていただきました。すごく駆け足でカーディ・B特集をお送りしているんですけど、私が選ぶパンチライン。これで最後の曲になります。今日、7つ、7曲持ってきたんで。『Money Bag』っていう曲で最後にしようと思うんですけども。

『Money Bag』

(渡辺志保)ここでもフックが「I do the Maybach on Monday, Ferrari Friday(月曜日はマイバッハ、金曜日はフェラーリ)」「This is sweet pussy Saturday, that’s just what Plies say(土曜日はスイートプッシーの日。プライズがそう言っていたんだもん)」っていう。で、これは『Bust It Baby』っていう曲が流行りましたフロリダのラッパー、プライズがInstagramで「Sweet Pussy Saturday」って言ったそうなんですね。


で、私去年アトランタに遊びに行った時、イーストアトランタの方にあるストリップクラブに行ったんですけど、そこでプライズの曲ですっごいストリップ嬢が踊っていたんですよ。それを見て、いまプライズって日本にいるとなかなか人気があるのかどうか、ちょっとよくわからないけどこういうところに来るとすっごい人気があるっていうのを実感したんですね。なのでこういうところで、まあもともとストリップバーで働いていたカーディ・Bがここでプライズの言葉を引用してくるのはすっごくいいなと思っていて。

で、その後。「With them pretty ass twins, you look like Beyonce」って、またビヨンセの名前が出てくる!っていう。で、ここで「pretty ass twins, you look like Beyonce(すっごいかわいい双子ちゃん、まるでビヨンセみたい)」っていうね。ビヨンセはサーくんとルミちゃんっていう双子を産みましたから。「まるでビヨンセみたい」って言っているんですけども。なぜビヨンセみたいに見えるのか?っていうと、この「twins」がなにを指すのか? これは「おっぱい」を指しているんですね。なので「かわいいおっぱいを2つ抱えて、まるで双子を抱えたビヨンセみたいだね」っていう、まあそれだけのリリックなんですけども。

本当にね、このアルバムはまるっと通してビヨンセの名前がすっごく出てくるんですよ。で、『Bartier Cardi』を21サヴェージと一緒にシングルで出した時。あの時もフックにオフセットの名前をすっごい入れていて。で、外野から「お前、それ彼氏の名前に便乗してるだけじゃねえの? 逆売名行為なんじゃねえの?」みたいなことを言われていて。その時にカーディ・Bが「私もオフセットが大好きだから、何万回でもオフセットの名前を入れたいし!」みたいなことを言っていたから、私はこのアルバムの中に、たとえば全曲にオフセットの名前が入っているとか、そういうトリックがあるんじゃないか?って思ったんですけど、フタを開けてみたら結構そんなことはなくて。かわりにビヨンセの名前がすごい入っているっていう。私はそれですごいハッピーなんですけどね。そういうトリックもちょっと面白いなと思った次第です。

で、この曲はその後に「These bitches salty, they sodium, they jelly, petroleum(あいつらビッチは塩っぱくてナトリウムみたい、ゼリーみたい。っていうか、石油みたいな味、臭いビッチじゃね?)」って。で、「jelly」は「jealous(嫉妬)」のことでもあるけど。なので、このアルバムを通して何度も繰り返しますけども、「ウチらバッドビッチの教え」っていうのと、あとは同性のヘイターに対するヘイトというか、「お前ら、マジでそんなちっちぇえ女なんて私は気にしねえし」みたいなところがすごく多くて。なので本当にスカッとするって言うと変かもしれないですけど、とにかくスカッとするし。もう、かゆいところに手が届くみたいな、非常にそういうヴァイブスに満ちたアルバムにもなっていますし。

かつ、これを本当にさっきも言ったように、いろんな方が諸手を挙げて「カーディ、おめでとう! アルバム、最高だよ!」って言っているシーンがすごくいいなと思いましたね。今日はちゃんと紹介していないけど、『I Like It』っていう曲があって。それはここでも何度も紹介しているバッド・バニーとJ・バルヴィンをフィーチャーしていて。ラテンの名曲をサンプリングしているっていう、そういうカーディ・Bはもともと両親が南米からの移民だったりもしますから。そういうところでもちゃんとレプリゼントしているし。

(渡辺志保)で、先週出演した『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』でも生ライブ、1曲目で『Bodak Yellow』をやっていましたけども。そこの最初の数ラインだけをスペイン語でやっていたんですよ。それもたぶん、自分の出自をちゃんと明確にしたいから、「私はちゃんとスペイン語で自分のフッドをレペゼンしてるわよ!」っていうところだったと思うし。結構タイムライン上でも「カーディ・Bが『SNL』でスペイン語でラップしていて、すごく私は彼女のことを誇りに思う!」みたいな、そういう女の子のツイートなんかもワーッとあふれていましたし。

もういま、アメリカ中、そして世界中の女の子の夢と希望を背負っている爆裂ビンデレラガールがこのカーディ・Bというところになると思うんですよ。で、彼女はなんせいま妊娠中。結構、6月か7月ぐらいに赤ちゃんが生まれるんじゃないかっていま、言われてますけども。私もちょっと気になって調べたら、カーディ・Bちゃんは5月半ばの『Rolling Loud Festival』以降、まるまる2ヶ月ぐらい仕事が入っていない状態らしいんですね。なので、次の仕事の復帰が7月半ばぐらいになっていたと思うんですけど。その間に赤ちゃんを無事に産んで、その後にすぐにフェスの仕事に戻り、そして今年の後半はずっとブルーノ・マーズとのツアーもありますから。それで忙しくなるみたいで。

もしかしたら今年の年末ぐらいからこのアルバム『Invasion of Privacy』のツアーに出るんじゃないかっていう風に踏んでいるんですが。ちょっと個人的にはこのツアーが開始されましたらぜひぜひ、アメリカまで見に行きたいなという風に思っていますので。もう今年いっぱいぐらいはね、みなさんと一緒にカーディ・Bの話をわちゃわちゃしたいなと思っております。というわけですごくすごく駆け足でお届けしましたが、カーディ・Bの『Invasion of Privacy』、渡辺志保が選ぶパンチライン7曲をお届けしました!

(DJ YANATAKE)おおーっ!

(渡辺志保)しゃべっているだけだから、聞いているみなさんも当惑しながら聞いてらっしゃったんじゃないかと思うんですけども。

(DJ YANATAKE)いやいや、でも最速解説っていう感じだよね。ありがとうございました。まだまだでも、志保的にはたぶんカーディ・Bを語る機会はいっぱいあると思うんでね。

(渡辺志保)語らせてほしいっすね。

(DJ YANATAKE)いろんな、WEBメディアや雑誌とか、ひょっとしたらラジオとかね。また他の番組でもいろいろと語ると思うんで、みんな志保さんをチェックしながらカーディ・Bのアルバムをね。

(渡辺志保)みんなで楽しもう!っていう感じでね。

(DJ YANATAKE)さっきちょっと来ていたけど、アメリカでもCDはまだ出る予定はないんだね。

(渡辺志保)ないんですかね? どうなんだろう。でも、今週の金曜日にザ・ウィーケンドのアルバムはCDが出るみたいなんで、もしかしたらカーディちゃんも来週ぐらいに輸入盤とかは……国内盤も出たらいいっすけどおね。

(DJ YANATAKE)いいですね。なるほど。わかりました。で、さっきの1日でゴールド認定がどれぐらいすごいのか?ってことなんだけど、さっき教えてもらったんだけど、G・イージーの『The Beautiful & Damned』っていうこの間出たアルバムが4ヶ月たってやっと昨日ゴールドだって。

(渡辺志保)おおっ、そうなんだ。私もこの間ニュースを見て。先週、ロジックの去年出たアルバム『Everybody』がようやくプラチナムに。丸1年かけてプラチナムになったっていうことだからね。

(DJ YANATAKE)なんで、それを1日でゴールド、50万枚以上って認定されたカーディ・Bの人気がいかにいますごいかっていうことがね、数字の上でもおわかりいただけたんじゃないでしょうか。俺も家に帰ってもう1回、この同録を聞いてからカーディ・Bのアルバムを聞き直したいと思います。

(渡辺志保)もうろくでもないリリックばっかりなんで(笑)。

(DJ YANATAKE)ありがとうございました。

(渡辺志保)ありがとうございました。

<書き起こしおわり>

Invasion of Privacy [Explicit]
Posted at 2018.4.11
カーディ・B
Atlantic/KSR
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