松尾潔 Bluff City『Let Me Show You』を語る

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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で112フォロワーともいえるメンフィスのボーカルグループ、Bluff City『Let Me Show You』を紹介していました。



こういうフレッシュさというか、青っぽさ、甘酸っぱさを売りにした人たちとはちょっと違う、より正統派。よりメロウな色合いの強いボーカルグループをここで紹介したいと思います。ブラフ・シティー(Bluff City)です。「Bluff City」っていうのはメンフィスの地名ですね。テネシー州メンフィスといえば、サザン・ソウルのメッカのひとつですが。そこを拠点として……とは言っても、いまはやっぱり南部の音楽のより巨大な発信地はジョージアのアトランタということになるでしょうから。まあ、アトランタにいま軸足も置いてるという人たちもあるんですが。

このブラフ・シティーは4人組のボーカルグループでございます。「アトランタだから」というわけじゃなくて、ハイトーンボーカル。聞けばもう耳に残るハイトーンボーカルのメンバーがいまして、この人の存在がこのブラフ・シティーを112の後継者と思わせるに値すると言うか。そうですね。アトランタというイメージとハイトーンというイメージで112を思い出してしまいますし、オリジナルの曲であっても、やっぱり90’s R&Bのコーラスワーク。もっと言うと、その美学みたいなものをいま、21世紀に再び花開かせようとしているんだなという、そういう態度は見て取ることができます。口上はこれぐらいにして聞いていただきましょう。ブラフ・シティーで『Let Me Show You』。

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Bluff City『Let Me Show You』


Public Announcement『Wrong』



(松尾潔)本格派男性ボーカルグループを2組を紹介いたしましたね。まずはブラフ・シティーで『Let Me Show You』。これは今年の頭にリリースされたシングルですね。先ほどもお話しましたように、テネシー州メンフィスから出てきた人たちで、いまはジョージア州アトランタをビジネスの拠点にしてるようですが。この番組で、この人のプロデュース作品をいったい何曲応援してきたでしょうという、まあトレイ・ソングスですとかキーシャ・コール。そんな人たちの仕掛人としても知られております、トロイ・テイラーが手がけている。90年代からR&Bを聞いてる人がすると、「ああ、トロイ・テイラーがやっているんだったら、そりゃあいいわ」っていうぐらいで。そんなに派手な名前じゃないかもしれませんけれども、いつも滋味深い、タイムレスなメロウR&Bを作ってきた人ですね。ブラフ・シティーで『Let Me Show You』。これからもずっと長く聞き続けていきたい、そんな1曲でございます。

そしてもう1曲、この人たちはベテランですよ。パブリック・アナウンスメントの『Wrong』。「パブリック・アナウンスメント……ええっ?」っていう方、いらっしゃるかもしれません。そうです。90’s R&Bのもっとも大きなアイコンの1人、R.ケリー。R.ケリーがジャイヴレコードから最初に出したアルバムはR.ケリー&パブリック・アナウンスメントって名義だったこと、どれぐらいの人が記憶されているでしょうか? 『She’s Got That Vibe』とかっていうのは、あれはあくまでもボーカルグループの作品として世に出たものだったのですが。



まあすぐにR.ケリーは次の『12 Play』というアルバムでソロに転じますし、最初の時からソロプロジェクトのようなものでもありましたが……どっこい生きてるパブリック・アナウンスメントですよ。実はアルバムも何枚かリリースしてますし、いまもこうやって新曲を出している。パブリック・アナウンスメントの『Wrong』という曲をお届けいたしました。これもある意味、最近のR.ケリーサウンドよりも滋味深いという印象さえございますが。ただ何回も聞かずとも、最初から「あれ? これってあれに似てない?」と思って、思い出した曲がR.ケリーの曲であるという、こういうオチがついてますね。R.ケリーの『Keep Searchin’』っていう曲。



これは2015年のメロウトップ20にもランクインした曲ですけども。R.ケリーの『Keep Searchin’』っていう曲を下敷きにして作られた、R.ケリーの元仲間の曲っていう、ややこしい構造なんですが。けど、そもそもR.ケリーの『Keep Searchin’』っていう曲が2015年に出た時も、「あれ? これ、似てない?」ってマイケル・ジャクソンの『The Lady In My Life』に似ているということが取り沙汰されたので(笑)。



まあ、誰がオリジナルというわけでもなく、僕がよく言うんですけど「R&Bっていうのは誰が原作者か不詳の壮大な物語が延々と続いている」ということでありまして。「これは誰に似ているからアウト」とかっていうのはそもそも野暮な話じゃないかなという気もいたします。もう変わりゆく、変わらないものを集団で追い求める。そういう集合知がいまのR&B最前線じゃないかなという風に思っております。そしてそれが、アフリカン・アメリカンからいろんな民族ですとか、いろんな人種に拡散しているというのが、いまの音楽シーンじゃないでしょうか。

<書き起こしおわり>

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