サンキュータツオ 2018年NBAの注目ポイントを語る

サンキュータツオ 2018年NBAの注目ポイントを語る 荻上チキSession22

サンキュータツオさんがTBSラジオ『荻上チキ Session-22』に電話出演。2018年のNBAの注目ポイントについてトーク。史上最強とも評されるウォリアーズを止めるのはどのチームか? などを話していました。

(荻上チキ)では、お待たせいたしました。この方です。TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』、そして『東京ポッド許可局』にも出演中。お笑いコンビ、米粒写経のサンキュータツオさんです。サンキュータツオ、こんばんは。

(サンキュータツオ)どうも、ごきげんよう。サンキュータツオです。今年もよろしくお願いします。

(荻上チキ)今年もよろしくお願いします。さて、タツオさんといえばNBA。アメリカのプロバスケットリーグなんですけども。今年は注目ポイント、いかがでしょうか?

(サンキュータツオ)まず、以前にスタジオの方でもお話をしたんですけども、いま3ポイントシュートを打ちまくって、パスも回すし、勝負どころでも絶対に負けないというゴールデンステート・ウォリアーズというチームがありまして。ステフィン・カリーという3ポイントシューターが中心選手としているんですけども。

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(荻上チキ)ええ。

(サンキュータツオ)そこにケヴィン・デュランドというオールラウンダーのスターがまさかの加入をしまして。とにかく鬼のように強い。多分NBA史上でも1、2を争う強さだというチームになりまして。昨年、優勝したんですね。

(荻上チキ)はい。

(サンキュータツオ)で、優秀なディフェンダーも揃っているので、攻めあっても勝てない。守りあっても勝てない。もう限りなくパーフェクトに近いチームができあがってしまったんですね。で、これまでのNBAの優勝法則だと、「突出した才能を3人揃えたチームが優勝する」という「ビッグ3」という法則があったんですけども、もうこれが当てはまらなくなったのが去年だったんですよね。

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(荻上チキ)はい。

(サンキュータツオ)なので、とにかくこのゴールデンステート・ウォリアーズに勝つにはどうしたらいいのか?っていうのを全てのチームと全ての選手がいま、頭の中で考えている状態ということですね。

(荻上チキ)うーん。一強状態ということですね。

ゴールデンステート・ウォリアーズをどう止めるのか?

At the half, KD has 16 points, 5 rebounds & 2 assists ??

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(サンキュータツオ)で、このオフシーズンにどういうことが起こったか?っていうと、もうすでにキャリアのある選手が「どうしても優勝したい!」ということで、別のチームのキャリアのある選手たちと組むという、強いチームをもっと強くするというチーム。あるいは、今年優勝はちょっと難しい。だから若手中心で5年後を見据えたチームを作ろうというチームが混在しておりまして、強いチームと、いまは勝てないというチームが混在していてめちゃくちゃ見どころが満載という感じですかね。

(荻上チキ)うん、うん。

(サンキュータツオ)で、これがどういうことを呼び起こしているか?っていうと、プロバスケットの世界はもうお金だけじゃないという感じになってきているんですね。ある程度キャリアを重ねた選手たちは「もう、お金はいい。優勝したい。とにかくあのゴールデンステート・ウォリアーズに勝つしかない!」ということで、自分のお金(年俸)をちょっと我慢してでも優勝できるチームにトレード(移籍)するという人たちが続出しました。

(荻上チキ)ほう!

(サンキュータツオ)で、とにかく今年はプレゼンイヤー。「こいつとこいつとこいつが組んで、こういうチームになるからこのチームに乗っかってくれる人を来年募集」みたいな状態ですね。

(荻上チキ)ほう、なるほど。じゃあ結構激動で入れ替わりといいますか。全体のパワーバランスが……。

(サンキュータツオ)ものすごい選手が移動しました。しかも超主要選手がごっそり、もうチームを解体するレベルで移動しましたね。で、このゴールデンステート・ウォリアーズってそれぐらい圧倒的なチームなんですけども。じゃあ、このチームにどうやったら勝てばいいか?っていう方法論なんですね。

(荻上チキ)はい。

(サンキュータツオ)ひとつはこのゴールデンステート・ウォリアーズよりも3ポイントシュートを打ちまくって。とにかくディフェンスは二の次。バスケットは1点でも多く点を決めるというスポーツなので、ひたすら点を決めまくろうというチームが現れました。これがヒューストン・ロケッツっていうチームなんですけども。

ヒューストン・ロケッツ

(荻上チキ)はい。

(サンキュータツオ)もう3ポイントシュートとダンクしか打たない。とにかく精度が高い。そして1点でも多く取ろうと徹底した、超攻撃的チーム。このチームがシーズン序盤から独走しまして。僕は以前、「ゴールデンステート・ウォリアーズのジェネリックだ」みたいなことを言っていたんですけども、ついにこれが本家を上回ってくるんじゃないか?っていうのが今年のアングルです。

(荻上チキ)はいはい。

(サンキュータツオ)この超攻撃的チームがゴールデンステートをやっつけるかどうか? もうひとつのアングルとしては、もうベテランばかりを集めた……本当にキャリア終盤の選手ばかりを集めて、職人集団としてこのゴールデンステート・ウォリアーズと戦おうとするチーム。それがサンアントニオ・スパーズですね。

サンアントニオ・スパーズ

Manu’s got 15 as we head to the 4th. #GoSpursGo

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(荻上チキ)ええ。

(サンキュータツオ)このチームは30代後半ぐらいの選手がめちゃくちゃ多いんですけど、バスケットの試合は1試合48分あるんですけど、だいたい1人30分未満ぐらいの出場時間で。そんなに出ない。ただひたすら、1軍も2軍もなくみんなで全員バスケットをやってゴールデンステートを抑えまくろうぜっていうディフェンシブなチームです。なので守備で勝とうという。

(荻上チキ)はいはい。

(サンキュータツオ)で、もうひとつがとにかくお金に物を言わせてスター選手を揃えてこのゴールデンステートに勝とうというクリーブランド・キャバリアーズという、今でもNBAの中心にいるレブロン・ジェームズという選手がいるチーム。

クリーブランド・キャバリアーズ

Back in the win column with our 13th straight in The Land! #WelcomeBackIT | #AllForOne

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(荻上チキ)うん。

(サンキュータツオ)だいたいこの3チームぐらいしかゴールデンステート・ウォリアーズには対抗できないと思います。

(荻上チキ)ああー。なるほど。

(サンキュータツオ)上がそういう戦い方をしているという感じですかね。

(荻上チキ)なるほど。それぞれのチームに注目をしながら見ていくことが面白そうですけども。生島さん、いかがですか?

(生島淳)僕は今シーズン、視聴形態がNBAはずいぶん変わって。去年まではWOWOWを中心に僕は見ていたんですよ。で、僕はウォリアーズが好きだから結構カバーできていたんですけど、今年からウォリアーズのユニフォームに楽天のロゴが入ったんですね。

??

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(サンキュータツオ)ええ。

(生島淳)で、楽天がNBAの放映権を日本に関しては持つようになった。で、ウォリアーズの試合はWOWOWではほとんど見られなくなって。結局、リーグパスというNBAの全てのものを見られるようなパッケージか、楽天TV。そちらじゃないとなかなか見られなくなって。楽天TV、僕は実は入っていないんです。

(荻上チキ)楽天TVってどうやって見れるんですか?

(生島淳)アプリで。

(荻上チキ)ああ、アプリ。有料アプリ? 月額の?

(生島淳)月額。なんだと思われます。「思われます」っていうことは、つまり僕にとってもハードルが高くて加入していないんですよ。

(荻上チキ)ああ、プロですら見ていない?

(生島淳)という状況なので、ずいぶん困っている人もいるんじゃないかなと。やっぱりひとつ、視聴形態が変わると「よっこらしょ……」ってやる気力が50を過ぎるとなんか。えのきど(いちろう)さんのフットワークに尊敬の念をいだきますけども、ちょっとそういうテクノロジー系というか、放映権系がずいぶんこれから変わっていくんだろうなと思いました。

(荻上チキ)なるほど。たしかに楽天TV、アプリがありますね。いま、「『ダンケルク』がレンタル開始!」ってデカデカと出ていましたけども。タツオさん、見方が変わる、メディアが変わる。このあたり、いかがですか?

(サンキュータツオ)NHK BSの方ではすでにNBAはこの一件ですでに撤退をしまして、Bリーグの放送に切り替えているんですけども。そうなると、新たにこのジャンルを見ようという人はもう見れなくなっちゃいます。

(荻上チキ)はい。

(サンキュータツオ)すでに知っている人がリーグパスと契約する、あるいは楽天のアプリで見るということしかできなくなるので、先細ってしまうということが非常に心配ですね。

(荻上チキ)なるほど。そうなるとやっぱり今回の見どころというものをより広く、わかりやすく伝えていくとともに……でも、いまこそ見どきなんですよね? それだけスター選手が。

(サンキュータツオ)いまは本当に面白いですね。今年、ルーキーもめちゃくちゃ豊富な年なんで。本当に、Bリーグを見た人はさらにNBAという……日本のバスケが世界につながっていることを体感してもらいたいんですけど。そこにメディアの問題っていうのが引っかかってくるというのが今後、どうなっていくのかな?っていうのはちょっと気になるところですね。

(荻上チキ)なるほど。

<書き起こしおわり>

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