安住紳一郎 長時間番組の疲労と逆BPO・闇BPOを語る

安住紳一郎『出演番組を見る際は自分自身を全力で応援する』 安住紳一郎の日曜天国

安住紳一郎さんがTBSラジオ『日曜天国』の中で長時間番組収録の影響についてトーク。疲労のために上手く口が回らなかった話や死屍累々となっている放送局の様子などについて話していました。

局アナ 安住紳一郎

(安住紳一郎)私、昨日長時間の音楽番組を担当して、その後に情報番組の担当もありましたので、少し勤務が続いておりまして。最後の方はちょっと集中力が切れちゃって。昨日、情報番組の中でヒアリの情報の中で「アナフィラキシーショック」ですよね。「アナフィラキシーショック」って読もうと思っても、「アナフィラキーショック」って何回も言っちゃって。もう倒れちゃうんじゃないかと思って。

(中澤有美子)ああ、あれは。見ていました。ご自分でも直したくてもできなかったんだ。

言い直したくても言えない

(安住紳一郎)自分でも直したくて。そうです。それで、最初に「アナフィラキシーショック」って言いたかったんですけど、なんか口が回らなくて「アナフィラキーショック」って言っちゃったなって自分でも自覚しているんですよ。だからもう1回言い直そうと思って「アナフィラキシー」って言おうと思ったのにまた「アナフィラキーショック」って言っちゃって。「ああ、また言っちゃったよ。これじゃあ俺が『アナフィラキシーショック』を『アナフィラキーショック』と間違っている人だと思われちゃうから、もう1回……」と思ったら、もう1回「アナフィラキーショック」って言っちゃって。

(中澤有美子)(笑)。ダメ押しのダメ押し。

(安住紳一郎)もうダメ押しのダメ押しで。そういうこと、あるんですねー。読み直そうと思っても、読み直せない。「ああっ!」っていう。諦めるしかないという。

(中澤有美子)痛恨(笑)。

(安住紳一郎)「はい……もうこれは間違って覚えたということにしてもらって結構です!」っていう。

(中澤有美子)もういいですか(笑)。

(安住紳一郎)「もういいです……」って。そしたらやっぱりね、当然ですけどね。全国から何件ぐらいかな? 60件ぐらい来たのかな? 「アナフィラキシーです!」みたいな。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)いや、気づかない場合はね、ご指摘いただくと「ああ、そうか。失礼しました」っていうことになるんだけど、わかっていてできていないから「わかってます!」っていうことですよね(笑)。

(中澤有美子)アハハ!(笑)。

(安住紳一郎)もう開き直れる立場ではないんだけど……。

(中澤有美子)「知ってます~!」っていう(笑)。

(安住紳一郎)何回もやろうと思ったんですから……みたいなことなんですよね。これは辛いところで。

(中澤有美子)痛いですねー(笑)。

(安住紳一郎)そうですよね。それもね、「言い訳だ」って言われるかもしれないんですけど。いや、まあちょっと新しいね、いろいろな手段。うーん。

(中澤有美子)そうでしたか。

(安住紳一郎)そうなんですね。まあ当然ね、そういういちばん最後のところなので、そういうことになるんですけど。ちょっと心の中的なものはそういうことですよね。ええ。これは逆BPO案件。

(中澤有美子)いやいや(笑)。間違っているのは事実ですから(笑)。

(安住紳一郎)間違っているのは事実ですね(笑)。逆BPOじゃないね、これは。

(中澤有美子)まだまだ、その案件には至らない。

(安住紳一郎)これは闇BPOに行かないといけない。正規では取り扱ってはいけないところに行かないと。

(中澤有美子)非正規(笑)。

逆BPOと闇BPO

(安住紳一郎)非正規のね、闇ルートの方のBPOに行かないといけない。難しいですよね。正規の逆BPOと闇BPOがありますからね。

(中澤有美子)へっ? はい、うん……。はい(笑)。

(安住紳一郎)ええと、逆BPOは何でしたっけ? あんまりこの話もしちゃいけないんだけど、そうですよね。

(中澤有美子)傷つけられた放送人が訴える機関。

(安住紳一郎)そうです、そうです。もちろんね、BPOはみなさんも知っていると思いますけども。放送人権委員会ですか? 放送によって傷つけられた人たちなどが救済を訴える機関ということで。一方でこう、放送で傷ついてしまった放送人たちの救済機関を私、「逆BPO」って呼んでいますけども。

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(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)「わかっているのに、疲労のために上手く読めなかったことで『事実誤認をしている低能なアナウンサーだ』と思われた案件に関して、救済をお願いしたい!」って。……どうでもいいですよね。

(中澤有美子)(笑)

(安住紳一郎)「ああ、知ってたんだね」っていうね。

(中澤有美子)言ってほしいんですね(笑)。

(安住紳一郎)多くの人に「ああ、知っていたんだけど言い間違え続けちゃったんだね」っていうことですよね。ええ。申し訳ない。本当に申し訳ない。すっごい来た。「いや、何回も言い直そうと思ったんだよ。でも、口が回らなかったんだよ……」っていうことですよね。

(中澤有美子)そうですかー。

(安住紳一郎)そういうことがいっぱいありますね。本当に。長時間番組をやりますと、ちょうど放送センターは放送が終わって間もなく5時間ちょっとたっていますけども。もう、屍が累々としてあちらこちらに積まれていますからね。

(中澤有美子)そうですかー!

(安住紳一郎)もう、本当に。そりゃそうですよね。

(中澤有美子)力尽きて。うん。

(安住紳一郎)あと昨日で行方不明が3人ぐらいですからね。面白いって言ったら怒られますけどね。起きられず、朝の集合時間に来れないですもんね。そして電話がガンガン鳴るんだけども、やっぱり人間は弱いから。1回ちょっとね、そこの遅刻を1時間して迷惑をかけたって思って電話が40件ぐらい、たぶん鳴っているわけでしょう? そうするともう怖くなって、電話が出られないって、身動きが取れなくなっちゃって。蒸発しちゃう人がいるんですよね。やっぱり。何百人かいるスタッフの中で。

(中澤有美子)そうですかー。

(安住紳一郎)気持ちはわかりますよね。「ちょっともう……ああ、叱られるし……」って。で、自分が抱えている案件も途中で。「ああ……ああ……」みたいな。で、瞬間的蒸発と永久的蒸発っていうのがあるんだけれども。まあ、だいたいは瞬間的蒸発なんですけど、行方不明っていうことになって。ええ。1週間後ぐらいにまた、一緒に働くことになるんですけどもね。大変ですね。

(中澤有美子)そうですかー……。

(安住紳一郎)あと、トイレから出てこないっていう人もいるしね。トイレの個室に……どれだけブラックなんだ?っていう話なんだけれども。ちょっと、パッカーン! になっちゃってね。あまりにも要件を抱えすぎて、頭がパーン!ってなっちゃって。正常に……私のアナフィラキシーショックと一緒だけども。そうするともう、ちょっとね、人前に出られないということになっちゃって、トイレの個室にこもったまま扉を開けられないっていうような、そういう人たちもいて。前もこれ、話したと思いますけども。入れ替わり立ち替わり、出て来るように同僚が説得に回るというね(笑)。笑っちゃいけないけどね。

(中澤有美子)扉のこちらから?

(安住紳一郎)扉のこちら側から要するに、仲のいい同僚が説得して、無理だったら次の人、次の人、さらに次の人って、どんどん呼ばれて。

(中澤有美子)そうですか。

(安住紳一郎)最強交渉人なんてね。「もうヒロタさんを呼ぶしかないですね!」みたいな。「誰ですか?」「最強の交渉人ですよ!」って。

(中澤有美子)へー!(笑)。

(安住紳一郎)「かつて、扉を6回開けさせたことがあるんですよ。その人にお願いするしかないんじゃないですか?」みたいな。「呼んじゃう?」「呼ぼう!」なんつって。「えっ、誰? 誰なの? 情報、ちょっと教えて。どんな状況? わかったわ、やるわ!」なんつって。

(中澤有美子)ええ。

(安住紳一郎)「シミズさん? みんな怒っているわけじゃないんですよ」なんつって。ずっと交渉して。「(カチャ……)もう1回、がんばります」「そう!」なんつって。すごいよね。最強交渉人。大丈夫ですかね? こんなブラック案件。

(中澤有美子)そうですね(笑)。いやいやいや、すっごいですねー。

(安住紳一郎)いいえ。まあ全体的にね、ちょっと大変だなということになっております。

<書き起こしおわり>

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