ZEEBRAとHAB I SCREAM ブラザー・コーン事件の真相を語る

ZEEBRAとHAB I SCREAM ブラザー・コーン事件の真相を語る WREP

SOUL SCREAMのHAB I SCREAMさんがWREP『LUNCHTIME BREAKS』に出演。ZEEBRAさんと20年以上前に起こった六本木のクラブでのブラザー・コーンさんらとのトラブルの真相について話していました。

BIG S/O to Zeebra 聞いてくれたみんなありがとう!#WREP #lunchtimebreaks

HAB ??????さん(@habiscream)がシェアした投稿 –

(ZEEBRA)ということで、本日スペシャルゲスト。HAB I SCREAM in the building!

(HAB I SCREAM)よろしくお願いします。

(ZEEBRA)よろしくお願いします。先週ちょうどね、光嶋(崇)くんが来て『さんぴんCAMP』特集をやった時に『さんぴんCAMP』のセットリストに準じて……。

(HAB I SCREAM)全然覚えてないんだよね、それ。

(ZEEBRA)アップされているんだよ。どこかに。で、それを発見して、「ああ、こういう感じなんだね」ってなって。

(HAB I SCREAM)俺もそれ、人から聞いて。RHYMESTERの後にソウスクが出て……。

(ZEEBRA)で、ギドラがやって。最後に『口から出まかせ』。

(HAB I SCREAM)全然覚えてない(笑)。

(ZEEBRA)全然覚えてないでしょう? 俺も全然覚えてないけど、どうやらそうだったらしくて。「ああ、そう。こういうことだったんだね」ってなって。で、その中に『フリーウェイ』も入っていたんで。俺もちゃんとね。『さんぴん』を見直して。どっちバージョンかな?って。

(HAB I SCREAM)VHS?

(ZEEBRA)YouTubeで。

(HAB I SCREAM)あ、YouTube(笑)。

さんぴんCAMP Soul Scream『Freeway』

(ZEEBRA)そこの部分を。そしたら、『自由街道』って書いてあったんだけどビートは『フリーウェイ』の方だったのね。まだ。アルバムはリリース、あの直後じゃない?

(HAB I SCREAM)そうそう。ちょうどね、いまヤナタケさんからパソコンを置いてもらったんだけど。E.G.G. MANのエイベックスから出たさんぴんのコンピレーションの『化けの皮』から。E.G.G. MANのソロから始まって、途中から俺が出ていって『フリーウェイ』をやって『字幕』をやったんだ、みたいな。

(ZEEBRA)そうみたい(笑)。

(HAB I SCREAM)そういう感じ(笑)。「そうなんだ」みたいな(笑)。

(ZEEBRA)俺も『Freestyle Dungeon』とか書いてあって。「あ、ダンジョンやったんだ」みたいな(笑)。全然そんな感じなんだけどさ。でもまあ、そんなのでね、1組1曲ずついろいろと追いながらかけていって。で、俺的にはほら、『フリーウェイ』はBちゃん(DJ BEAT)にもともと、あれされた時に……。

(HAB I SCREAM)その経緯も先週、話してくれているんだよね。

(ZEEBRA)そうなの、そんなの。その話。だから俺的にはちょうど『The Best of Japanese Hip Hop Vol.2』を作る時に「なんかギドラ、やんない?」みたいなことを、Bちゃんがほら、Ken-Boを通じてすごい仲良くなっていたから話をしてもらって。で、「やりたい、やりたい」って言っていたら、「俺もビートが1個あってさ。誰かやるやつ、いないかな?」みたいな話になって。「それだったらソウスクとかどうなの?」って言ったら、「ああ、全然。紹介して、紹介して」っていうことになって、紹介してあの曲ができたじゃん。

(HAB I SCREAM)そうですね。

(ZEEBRA)そんなのもあったんで、ちょうど『自由街道』じゃなくて『フリーウェイ』をライブしていたんだったらそっちをかけようということで、そっちをかけたんですよ。

(HAB I SCREAM)先週の金曜日にね。

(ZEEBRA)そしたらやっぱり、光嶋くんと話していたら、「そういえばこの曲のあれでバタバタッとしましたよね」ってなって。「ああ、そうだね」って。で、まあ「ま、いっか……(いかんな!)」のラインのところなんですけどね。

(HAB I SCREAM)ちょっとひとつ、付け足しておくとE.G.G. MANのところ。僕じゃないんですけど(笑)。

(ZEEBRA)そうですよ、もちろん(笑)。E.G.G. MANのラインのところね。

(HAB I SCREAM)僕のマイメンでございます(笑)。

(ZEEBRA)そこにピンピンピンと……(話に)尾ひれがついたので。あと最近ね、YOU THE ROCK★の何かのインタビューで。

(HAB I SCREAM)『SWITCH』ね。

(ZEEBRA)『SWITCH』か。で、ちょっとね、俺もあれマーヤン(G.K.MARYAN)と読んでいて「あれ、これなんか違くね?」みたいな話にもなっていたわけ。だからまあ、そこらへんのことはハブが直接話してくれた方が確実なんじゃないかなということで。今日はしっかり話していただこうと。

(HAB I SCREAM)ありがとうございます。

(ZEEBRA)と、思ってはいるんですけども。せっかくだからいろいろとハブの曲なんかもかけながら楽しくやれたらいいかなと思っておりますので。まずは、自分の名前をアルバム・タイトルにした『HAB I SCREAM』から。

(HAB I SCREAM)2015年の作品です。

(ZEEBRA)あの時はね、GM SHOWなんかでもライブしていただいたりとかね。いろいろありがとうございました。ということで、曲紹介をお願いしてもいいですか?

(HAB I SCREAM)ありがとうございます。82、街中に……『82BARS』!

HAB I SCREAM『82BARS』

(ZEEBRA)WREP『LUNCHTIME BREAKS』、お聞きいただいたのは本日のゲストHAB I SCREAMで『82BARS』でした。ということでこれはもう82小節ラップしっぱなし?

(HAB I SCREAM)うん。そうそう。ちなみにパンチインとかはしていません。

(ZEEBRA)おおーっ、男らしい(笑)。

(HAB I SCREAM)基本僕、やらないタイプです(笑)。

(ZEEBRA)「ヒップホップ愛あふれる曲だな」っていうつぶやき、ありました。ということで、いろいろとお話をと思うんですが。じゃあさっそくその話をしようよ。もともとは、95年? 96年?

(HAB I SCREAM)いや、96年っていうことはないんじゃないかな? たぶんね、時系列的にはちょっと俺も微妙なんだけど。RHYMESTERが『EGOTOPIA』のマスタリングでニューヨークに行っているというタイミングで当時、SOUL SCREAMを結成して1年ぐらいのタイミングでNEXT LEVELの岡田麻起子さんが「SOUL SCREAMもどう? やらない?」ってなって。その一声が俺、すっげーうれしくって。「やった!」って。それまでにも下積み時代じゃないけど、SOUL SCREAMの前にE.G.G. MANと俺とALGでPower Rice Crewっていうのをやっていたから。コンピレーションとかオムニバスみたいな形で作品を世の中に出したというのはあったんだけど。まあ、SOUL SCREAM名義でというのがようやく出せる!って、テンションが正直、上がって。

(ZEEBRA)はいはい。

(HAB I SCREAM)そういうのもあって、そんな時期でした。だから95年なんじゃないかな?

(ZEEBRA)たぶんそんなもんだよね。時期的には年末?

(HAB I SCREAM)いや、覚えていないな。

(ZEEBRA)アルバム『EGOTOPIA』が出たのが……『EGOTOPIA』は95年のはじめの方だった気がする。春とか夏。早め。(※ 1995年6月リリース)。

(HAB I SCREAM)かな? 『口から出まかせ』が入った『EGOTOPIA』なんですが。

(ZEEBRA)で、その後にマスタリングに行っているわけでしょう? それはたぶん『EGOTOPIA』じゃなくて、なんかその後に出したやつのなんじゃないのかな? 『PLUS ALPHA』とか。

(HAB I SCREAM)たぶん『EGOTOPIA』なんじゃないのかな? ごめんなさい。そこもちょっと俺、微妙なんだけど。いまヤナタケさんが調べてくれているんだけど。

(ZEEBRA)『PLUS ALPHA』がね、12月28日に出ているんだよ。もしかするとそれのマスタリングで年末に行っていたとかの可能性があるんじゃない? だって『EGOTOPIA』のマスタリングに行くとしたら、5月ぐらいじゃない?

(HAB I SCREAM)はいはい。だから俺も時系列的には『口から出まかせ』が前なのか後ろなのか、微妙に覚えてなくて。ごめんね。

(ZEEBRA)うんうん。まあでも、そのぐらいの頃ですね。

(HAB I SCREAM)そのぐらいの頃。94、5の頃ですわ。当時ね、コーン(Bro.Korn)さんのイベントにファイルレコードのバリー佐藤さんから「RHYMESTERが出れない代わりにSOUL SCREAM、出てくれないか?」と直々にファイルの事務所でオファーがあって。断る理由もないし。「ライブをやってくれ」っていうことだから、引き受けてやりました。ということで、そこでいろいろと。場所は六本木のジャングルベース。いまはないですけど。

(ZEEBRA)うん。いまで言うと、ミッドタウン付近ですね。

(HAB I SCREAM)そうですね。そこでいろいろとあったわけなんだけども。俺もできたら正直、張本人としてはあんまり話したくもないし。

(ZEEBRA)もう、いまさらだしね。

(HAB I SCREAM)そういうことなの。だけど、その現場にいなかった人らがワイワイワイワイ、ちょっと騒ぎすぎで。ちょっと歪曲されて、盛りすぎで。さっきの『SWITCH』の話もそうなんだけど。Twitterでエゴサとかをしていると、「来週『SWITCH』っていう雑誌が出て、当時の事件のことがトピックとして載っているんだ」っていうことを知って。「あ、そうなんだ」ってなって。「それって誰が書いているの?」って直接『SWITCH』の編集部に直で電話して。「誰だろう?」って聞いたわけですよね。

(ZEEBRA)うん。

(HAB I SCREAM)そしたら、当時……今日、Twitterにも上がっていたりしたんだけど、UAが表紙の……当時のことでインタビューをされていて。それこそZEEBRAも載っているし、俺らもそれに対して当時のアンサー的なことを述べているインタビューが載っているんだけども。そこのやってくれたインタビュアーが時を超えて今年のはじめですかね? 『SWITCH』のヒップホップ特集でYOUちゃんとECDの対談でやっているということを知りまして。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)でも、「俺の知らないところで、それを話されるのはちょっと本意ではない」ということを話したところで、もうその雑誌を止められるわけでもないし。「致し方ないな……」というところで俺はずっと口をつぐんでこの半年間ぐらいいたんだけども、なんかちょっと気持ち悪いなというのが正直なところですよ。

(ZEEBRA)うんうん。まあだったら、自分から話すのがいちばん話が早いから。だから、間違いないのはさ、やったこととか出したことっていうのはもうどうしたって独り歩きしちゃうし。俺もあのMTVをディスったYouTubeは一生残っているし。消しても消してもね。だからまあ、そういうもんでしょうがないなとは思うんだけど、結局は自分がいちばん大きな声で本当のことを言うのが話が早い。

(HAB I SCREAM)そうなの。だから、昨日俺から電話して。「ちょっと、こうなんだ。気持ち悪いから張本人の声を電波に乗せるなり、なにかしたいんだ」っていうのが今回の経緯ですわな。

(ZEEBRA)そういうことですね。なので、どうしましょうか? 全然もう話を、たぶん言いたいだけ話した方がいいと思うんだよね。

(HAB I SCREAM)うん。当時、『フリーウェイ』っていう曲をDJ BEAT feat. SOUL SCREAMっていう名義で『THE BEST OF JAPANESE HIP HOP vol.2』っていうコンピレーションアルバムに……SOUL SCREAM名義としては初の音源が当時。あれは95年ぐらいなのかな?

(ZEEBRA)そんなもん。95年の頭とか94年のケツとか、そんなぐらいだね。

(HAB I SCREAM)それが出まして。それで、さっき言ったイベントで、当時僕らは曲が片手で数えるぐらいしか正直なくって。言ってみたら、世の中ではSOUL SCREAMで知っている曲っつったら『フリーウェイ』ぐらいしか正直なくて。それをやらないっていうのはちょっとよくわかんないし。そのイベントの当日にそれこそ、いまでも覚えているんだけどRIP SLYMEのRYO-Zが「ハブさん、今日はちょっと『フリーウェイ』は止めておいた方がいいっすよ」みたいな(笑)。

(ZEEBRA)(笑)

(HAB I SCREAM)でも、いま話した通り、「いや、俺らその曲しかないからさ。それをやらないっていうのもよくわからないから……まあ、メンバーとも話してみるけど」って。で、話した結果、やることになりまして。

(ZEEBRA)はいはい。

(HAB I SCREAM)で、僕らのステージ横でEAST ENDのGAKU-MCとYOGGYがステージの袖でがっつりと見ているわけですよ。それでステージ終わりまして楽屋に帰る時にGAKUだったかYOGGYだったかちょっと忘れちゃったけど、「あの曲はなんなんだ?」と言われまして。俺らなりの……僕のバースではないんだけども、俺に言われたもんだから、「俺らなりの真実……まさに”魂の叫び”だよ」的なレスポンスを当時返したんだけど、そこに通りかかったブラザー・コーンが「なんだ、お前ら!?」みたいになって。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)で、ちょっといろいろとグチャグチャ、ゴチャゴチャになって。気づいてみたらSOUL SCREAM。俺と当時いたオリジナルMCのSHIKI。当時は3人、MCがいたんで。SHIKIと俺とプラス、最初のSOUL SCREAMって実は6人いたんですよ。その6人目のMIっていうのは俺の中学校の同級生だったりしたやつなんだけど、そいつもいて。「お前ら、なんかクソ生意気だ!」みたいな感じのことを言われて。楽屋で結構……6対50人ぐらいで囲まれたわけなんですよね。

(ZEEBRA)はいはい。

(HAB I SCREAM)言ってみたら、修羅場です。当時、格闘家もいたし。名前は言わないけど著名人もいたし。とにかく囲まれて、本当に修羅場っちゃあ修羅場ですよ。そういう状況があって、収集がつかないと。でもそこで、僕らのライブを最前線で見てくれていたのが「お前らの音源、クソかっこいいよ!」って見てくれていたのがZINGIのMC仁義さんで。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)その楽屋でもめ事になった時も「いや、ちょっと待ってくれ!」みたいな感じで止めてくれたのもMC仁義さん。

(ZEEBRA)シゲルくん。

(HAB I SCREAM)シゲルさんなんですよね。だからもう、俺の中では「いつか一緒に曲をやりましょう!」って言ってるんだけど、なんかそんな簡単にできるものでもないし。俺の中でもリスペクトしすぎちゃっていて。頭が上がらなすぎちゃっていて。いまだにそれは曲としては成立していないんです。正直。だけど、そんな経緯があって。その現場にいた人はK DUB SHINEとか。それこそ体を張って助けてくれたっていうか。K DUB SHINEはそれこそ誰かをぶん殴ったりしてたりとかしたんだよね。

(ZEEBRA)うん(笑)。

(HAB I SCREAM)で、そんなことがあったんだけど……いまとなってはそれが歪曲されて。さっきの『SWITCH』のYOU THE ROCK★の話もそうだけど。だいぶ盛られて……まあ、ユウちゃんは「SOUL SCREAMが芸能人にいじめられちゃって」っていうラインで文章的には書いてあったけど。でも、俺的には、当の本人としてはあんまり話したくないことを、(現場に)いなかった人にあまり話してほしくないなっていう気持ち。ただただ、そこ。だから、「聞いた話、聞いた話……」ってなっちゃうから、伝言ゲームみたいな感じでどんどんどんどん話が歪曲されて。どんどんどんどん話が盛られて。実際に俺が言っておきたいのは、殴られていないんですね。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)その『SWITCH』が出たことがきっかけになって「HAB I SCREAM」ってグーグルとかで半年に1回ぐらい検索とかすると、予測変換で「HAB I SCREAM 殴打事件」とか出てきちゃうっていうのが、「おいおいおい……」っていう。この半年間ぐらい、モヤモヤしていて。それこそ、編集部のやつがうちの近所まで来てくれたけども、別にもう止められないし。この情報っていうのは世の中に流出しちゃうし。だからそのタイミングで、それこそユウちゃんは「それをきっかけにして『証言』が生まれた」って言っているんだけど、それも違うだろって。

(ZEEBRA)それは絶対に違う。あれはね、当時それは……だからユウちゃんがそうだったかもしれない。わかんない。ユウちゃんの中では。だけど、俺らはそれは全く。そこは直接じゃないよね。

(HAB I SCREAM)それこそ当時、僕は下馬に住んでいて。ヒデさん(ZEEBRA)がその事件の後に電話をくれて「大丈夫だった?」って。「いま、こういうのを作っているんだ」って。まだ『証言』の全員が揃っていないバース。ヒデさんのバースもまだ8小節ぐらいしかなかったようなデモ音源を車で聞かせてもらったっていうのもすごい覚えているのね。だから、なにが言いたいかっていうと、当時ヒデさんはそうやって心配してくれたのはありがたいっていまでも思っているし。でも、なんでじゃあユウちゃんはそういう風に違うんだ?ってなると、特に当時「おい、ハブ! 大丈夫だったか?」とかもないし。いまになって、まあ時効的に捉えているのか……俺の中では時効はないと思っているんだけども。でも、いまになって正義漢ぶるんじゃねえよ!っていうのはちょっと思うところなんですよ。

(ZEEBRA)うん。なんかもしかすると、もう結構前の話じゃん? だからユウちゃんも頭の中でこんがらがっちゃっているんじゃないかな?っていう気もちょっとしないでもないですけど。まず、確実にひとつ言えることはたとえば『証言』の俺のバースは、ぶっちゃけると当時、マンハッタンレコードですよ(笑)。まあ、別にそれもいまはもちろん、何もないですし。申し訳ない話なんですけども。当時、それだけじゃなくてね、呼び屋さんがいろいろと向こうから外タレを呼んでらっしゃっていて。そうすると、フロントアクトの話が来るわけですよ。で、もちろんうちらは「前座をやる」というよりも「前座で食ってやるぜ!」ぐらいのつもりで。とにかく、「日本で洋物でも何でもヒップホップが好きなやつの前に出ていってライブをブチかまして、俺らのヤベえところを証明するぜ!」っていう場所なわけで。

(HAB I SCREAM)はい。

(ZEEBRA)そうすると毎回フロントアクトをたのまれれば、なんなら(ギャラが)二束三文でもやるわけですよ。で、それに対して、「いついつ(フロントアクトが)あるから」って周りも盛り上げて。実際にお客さんもパンパンになって。その当時って本当に下手すれば俺が「メインを食った」って言われたことも何度もあるし。そのぐらいみんな本気でやっていたと思うのね。なんだけど……。

(HAB I SCREAM)それはちなみに誰だったの? 外タレ。

(ZEEBRA)誰っていうことじゃなくてね、みんな起きたの。俺もTWIGYもそういうことがあって。自分がよくフロントアクトをふられるところに、自分がふられていない時に外タレが来た時に「ちょっと遊びに行かせてもらっていいですかね?」っつったら門前払いを食らうっていう……。

(HAB I SCREAM)「門前払いも……」。

(ZEEBRA・HAB)「しばしば食う♪」。

(ZEEBRA)ですよ。で、それがやっぱり当時、「なんか俺ら、すげー搾取されてんじゃねえか?」って。だってマジで二束三文でさ、クッソ盛り上げて。で、実際に場を盛り上げるだけじゃなくて、そこにお客さんを呼び込むような盛り上げもすっごいみんなでしていたし。だから、ちょっとおかしくね?っていうのから、「ナメた呼び屋にゃ媚び売らん」っていうことになるわけですね。

(HAB I SCREAM)なるほど。はい。

(ZEEBRA)だから俺とかTWIGYはたぶんそこがいちばんメインで怒っていて。だからまあ、人によってちょっとだけ違うのかもしれない。もしかしたらユウちゃんはそういうところがあったのかもしれない。

(HAB I SCREAM)だからまあ、それぞれの取り方とか。それは俺も重々わかるし。

(ZEEBRA)もしかするとそれは石田さん(ECD)とユウちゃんの話だったんでしょう?

(HAB I SCREAM)そう。

(ZEEBRA)そこが余計にポイントかもしれない。だってさ、『さんぴんCAMP』の時もド頭でさ、「J-RAPは死んだ! 俺が殺した!」って石田さん、言うじゃん? あの時、いわゆる「J-RAP」っていうのはそれこそ、ブラザー・コーンさんたちが夕方の番組でやっていたコーナーで「J-RAPナントカ」っていうコーナーがあって。まあ、うちらの現場系のやつとはちょっと違う感じでやっていたでしょう?

(HAB I SCREAM)まあ「VS日本語ラップ」的なね。

(ZEEBRA)そうそうそう。だから、そういう構図が当時、まあECDもそれを作っていたし。で、YOU THE ROCK★はカッティング・エッジだったから。当時、石田さんのレーベルの方にいたわけじゃない。だから、そっちの方でそういう話を2人はしていたのかもしれない。で、『証言』をやる時に実際にECDがお金を貸してくれてヴァイナルが刷れたっていうのもあったし。

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(HAB I SCREAM)うん。

(ZEEBRA)そういうところだったのかな?って気がする。だから、俺らは逆に知らなかったことだから。俺とマーヤンは「なんかあれ、ちょっとユウちゃん違うこと言ってるよね」っていう風になって。

(HAB I SCREAM)うんうんうん。なんか、そこにひとつ付け加えるとしたら、一方通行な感じじゃなくて、その当事者の話も、『SWITCH』編集部のイノウさんっていうんだけど……もうちょっと実際にどうだったんだ?っていうことを突き詰めてほしかったなっていうのを会った時にも話したんだけど。そうじゃないと、当時に出た『SWITCH』の話で俺が話していることとか、完全に無視されている感じが……「なんなんだよ?」っていう風に俺はなったんだよね。

(ZEEBRA)ふんふんふん。俺、そこのページはちゃんと読んでないかもしれないから、もう1回ちゃんと読み直そう。でも、そうなんだね。やっぱりだから、時を経て新しい情報とかもさ。

(HAB I SCREAM)盛られちゃってるんだよね。

(ZEEBRA)そういうのもあると思うし。なんかどっかとどっかで話がつながっちゃって、「そうかな?」と思ったりとかってこともあるのかな。

(HAB I SCREAM)うん。でもそこに関してはディスじゃなくてこれはラブで。別にYOU THE ROCK★をディスってるとかじゃなくて。そうやって端を発するっていうのはイコール、俺は「ラブ」っていう風に捉えている部分があるんです。っていうことは、リスナーには間違ってほしくないなとひとつ、付け足しておきたいです。

(ZEEBRA)あくまでも事実をしっかりとここではっきりさせたかったということだよね。

(HAB I SCREAM)間違いないです。そのために来ています。

(ZEEBRA)はい! 昨日の晩、電話をもらっていろいろ話した中で、すっごいいい話もいっぱいこれから話すことがあると思うんですけど。1回ここでCMを入れるんで。よろしくお願いします。

(HAB I SCREAM)はい。

(CM明け)

(ZEEBRA)WREP『LUNCHTIME BREAKS』、お聞きいただいたのは本日のゲストHAB I SCREAM『Movie Star feat. YOUNGSHIM』でした!

HAB I SCREAM『Movie Star feat. YOUNGSHIM』

(ZEEBRA)ビートはBACHLOGIC。

(HAB I SCREAM)はい。

(ZEEBRA)これね、超当時出たばっかの時はフロアでかけやすくて。結構かけさせていただいたんですけどね。ということで、先ほどからかなりもう、これは永久保存的なトークをずっとしているんですけども。まあその後ね、やっぱりみんな、そういう時期を経て、いろんなところでいろいろとあるわけじゃないですか。みんないろいろ……たとえば俺もさ、TOKONA-Xと仲良くなったりとかさ。BIGZAMにディスられたけど仲直りしたりとかさ。

(HAB I SCREAM)あ、それ知らなかった(笑)。

(ZEEBRA)なんかいろいろあるじゃん? みんな、なんか。で、そういうのってまあ、時間が経つといろいろなことが起きて。言ってもさ、狭い世界だからさ。もう全く「知らんわ!」っていう風にはなかなかならなかったりするし。お互いにちょっと気になったりとかいろいろとする中で……ほら。昨日電話で聞いた感じだと、あれがあるんだよね?

(HAB I SCREAM)そうなんだよね。そういう事件があって、さっき言った通り修羅場があったんだけども。その場を経て……その後にファイルレコードのバリー佐藤さんからオファーを受けてそういう事件になってしまってね。契約したディールも1回、崩壊してしまったわけなんですよ。だけどそこでNEXT LEVELの岡田麻起子さんが「だったらファイル辞める!」ぐらいのことを言ってくれたりとかして。首の皮一枚でつながったみたいなところがありまして。その後、(SOUL SCREAMのアルバム)『The Deep』が96年に出たわけです。

(ZEEBRA)はい。

(HAB I SCREAM)っていうのがありまして。そういうバイオレンス的なことに対して……俺とかなんかはラン・DMCとかから入っていろいろとヒップホップをディグって。パブリック・エネミーだ何だって入って。やっぱりKRS・ワンの当時、「Stop The Violence」っていうムーブメントがあったりとかして。そういうのを目の当たりにして。当時、VHSとかも出ていたりとかして。

(ZEEBRA)出てたよね。

(HAB I SCREAM)そういうのを見ていて、「ヤベー、このKRS・ワンの革ジャン、かっけー!」みたいになっていて。

(ZEEBRA)あれさ、あれに出ていたKRS・ワンのA&Rがコバラユウスケのおばさんなんだよ。

(HAB I SCREAM)えっ?(笑)。そうなんですか?

(ZEEBRA)そうなの。だから俺、もともとコバラユウスケのおばさんに先に会って。向こうで。まあまあ、いいんだけど。話が逸れるから(笑)。

(HAB I SCREAM)ミス・メロディではなくて?

(ZEEBRA)日本人……東洋人の人でA&Rの人が1人、インタビュー受けていたの。「Stop The Violence」の。その人が実は……。

(HAB I SCREAM)まあ当時、その影響というかインスパイアがすごくデカくて。正直俺は殴られていないんだけど、さっき言った同級生のMIっていう6人目のメンバーが最後まで謝らなかったりとかして。ちょっと収拾がつかないみたいなところがあって。その帰り道に俺はそいつのことをさらにちょっと小突いたりとかしたりもしたんだけど。「お前がそんな感じだから、収拾がつかなくてこんなことになっちまったんだよ!」みたいなこともあったんだけど。でも、時を経て……でも、「俺らは悪くないよ。お前は間違っていなかった」っていうような思いもあって。それは後の、それこそさっきかけてもらった『Movie Star』の入っているアルバムの中で『ソウルメイト』っていう曲があって。その中で「お前の気持ちは間違っていなかったし、それは俺には真似できないし。お前はかっこよかったよ」みたいな。そんな歌を当時、僕の『PALPABLE』というアルバムの中で歌っていたりするんだけど。

(ZEEBRA)うん。

(HAB I SCREAM)それで、さらに時を経て、SNS時代に入りまして。Facebookでさっき言ったYOU THE ROCK★がね、なんの脈絡なのかよくわからないけど、SOUL SCREAMの『黒い月の夜』っていう楽曲、YouTubeに上がっていたもののURLをFacebookに貼り付けて。別にメッセージとか文章はなかったけど、なんかよくわかんないけど貼っていていて。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)で、誰がこれに「いいね」をつけているんだろう?って思って。その100件ぐらいの「いいね」をピコッてクリックして見た時に、そこにブラザー・コーンが「いいね」をつけているんですよ。「ええっ!」って思って。正直……震えた。ブルッとして。だからなんて言うんだろう? 「バイオレンスに対してバイオレンスで返すのはヒップホップじゃねえ」って俺らは当時すごく……それこそ、周りの血の気の荒い仲間とかが「仕返しにいこうぜ!」みたいなやつもいたんだけど。「おい、待て」と。

(ZEEBRA)パトとかな(笑)。

(HAB I SCREAM)(笑)。「Pさん」とかって言おうと思ったけど(笑)。

(ZEEBRA)パトとか、パトとか、パトとかな(笑)。

(HAB I SCREAM)そうそうそう(笑)。「おい、ハブ! なにやってんだよ!」みたいになったりとかして。「おいおい、ちょっと待て。それはまたややこしくなるから……」って。

(ZEEBRA)そうそう。「やめろ、やめろ」って。俺も言った時があったよ(笑)。

(HAB I SCREAM)(笑)。そういうのもあって、時を経て。俺らは音楽、ヒップホップをやりたいからって。さっきのKRS・ワンの「Stop The Violence」じゃないけど。「そうじゃないんだ、ヒップホップは」っていう気持ちがあったから、そういう風なレスポンスは返さずに、俺たちは音楽でっていうところでアルバムを作って、出していって。で、さっきの話の『黒い月の夜』でコーンさんが「いいね」をつけているっていうのは、俺の中で「ああ、ようやくここで終止符を打てた」と。

(ZEEBRA)そうだね。すごい、当人たちの中でいちばん大切な瞬間。ねえ。みんなやっぱりさ、うちらはエンターテイメントだから外に見えるものがやっぱりみんなにとっては全てかもしれないけど、実はその大切なことって自分と相手の間のいろんなことであって。それって本当に……これはこうやって、こういうタイミングがあったから今日たまたま話にして、みんなが聞いたら「いい話!」ってなると思うんだけど。それは別に言わなくてもいい話っていうか。

(HAB I SCREAM)そう。だから俺はその話自体も3、4年前ぐらいの話なんだけど。ここに来て、なんかよくわからない感じで盛られちゃって、ゴシップネタの『週刊文春』みたいになっちゃっているから……「おいおいおい」って。やっぱり、現場にいた人は修羅場すぎちゃって、そのことに関して触れられないんだよね。現場にいた人なんかは。だけど、ケーダブなんかもそれに対して端を発することもなかったと思うし。シゲルさんがそれに対して当時のことを語るっていうこともなかったと思うし。そこにいなかった人が話を盛ってゴシップネタにされちゃうのは、当の本人としてはちょっと面白くないよと。

(ZEEBRA)うん。

(HAB I SCREAM)だけど、こういう経緯があって、さっき話した通り、俺らは音楽で……っていうところで。そのFacebookの「いいね」が果たして、「それで終止符を打てた」と俺は言うけど、それが正解なのか不正解なのかはもうわからないけど。でもSOUL SCREAMのHAB I SCREAM、俺の中の個人的な意見としてはね、息が詰まるというか。終止符というか。「これでいいじゃねえか」っていう風に思っているし。別に俺は「いまになっても根に持っていますよ。あの時のことを恨んでますよ」ってことは特に思ってもいないんだよね。やっぱり過去のことは過去のことで。水に流そうっていう気持ちもあるし。それよりかは、現在進行形で常に走らせている自分でいたいから。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)もう過去のことは水に流して、先に進もうっていうのが俺の本意、気持ちですよっていうのをこの場で伝えたい。だから、もうひとつ付け足しておくと、余計なことをしゃべんじゃねえぞ!っていう(笑)。

(ZEEBRA)(笑)

(HAB I SCREAM)そういうところです(笑)。

(ZEEBRA)そうだね。あの、俺はせっかくこういうところ(WREP)ができたからさ。ハブもどんどんどんどん来て、発信してくれた方が俺はいいと思う。あのね、たぶんどんどん勝手に勝手に人は話すよ。それはしょうがないと思う。その分、自分がやっぱりもっと大きな声でちゃんと言えば俺はいいんだと思うから。そういうことをちょこちょことここに話に来てくれたら。

(HAB I SCREAM)そう。何度もこのことに関してTwitterでつぶやこうかなとか思ったりしたし。セロリ(DJ CELORY)がそのことに対して、さっき言った通り「えっ、その事件がきっかけで『証言』が生まれたんですか?」みたいな感じで言っていて。それに対するレスポンスが、「いや、ユウちゃん盛りすぎだから。鵜呑みにしないで」っていうようなマーヤンがいたりとかして。それは俺は、ある意味外野から見ていたりとかして。ずーっと黙り込んでいて。沈黙を貫き通していたわけ。そこに。なんだけれど、やっぱりどこかで俺も自分の生の声で発信したいという気持ちがずっとこの半年間ぐらいあって。

(ZEEBRA)うんうん。

(HAB I SCREAM)このタイミングでそれが言えてよかったなかという風に思っています。

(ZEEBRA)そうだね。はい。ということで、常日頃こうやっていろんなことが世の中でありながらも、自分たちの立ち位置をしっかりと見極めながらも、これからもがんばっていきたいなと思うんで。それには、方位磁石が必要ですよね?

(HAB I SCREAM)コンパスですか?

(ZEEBRA)はい。ということで、1曲行ってみたいと思います。SOUL SCREAM『コンパス 』。

SOUL SCREAM『コンパス』

(ZEEBRA)WREP『LUNCHTIME BREAKS』。お聞きいただいたのは本日のゲストHAB I SCREAMが所属するSOUL SCREAM『コンパス』でした! はい。ということで、そろそろ番組終了なので……。

(中略)

(ZEEBRA)ということで、ハブ。もうあっという間に1時間なんだけど。また今度、ぜひ遊びに来てください。

(HAB I SCREAM)ありがとうございました。とりあえずスッキリしたというか、この半年間ぐらいずーっとモヤモヤしていてね。YOU THE ROCK★のTwitterとかもブロックしたりしていたんだけどね。

(ZEEBRA)(笑)

(HAB I SCREAM)とりあえず(笑)。

(ZEEBRA)じゃあ、またそろそろ、YOU THE ROCK★のTwitterを復活させてやってくんね?(笑)。

(HAB I SCREAM)ウィッス!

(ZEEBRA)ということで、最後の曲はSOUL SCREAM『蜂と蝶』。Let’s Go!

(HAB I SCREAM)Peace Out!

SOUL SCREAM『蜂と蝶』

<書き起こしおわり>

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