松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でBryson Tiller『Somethin Tells Me』を紹介していました。
(松尾潔)まずご紹介しますのは、この番組で『Don’t』という曲を一時プッシュしておりましたね。ブライソン・ティラーという、まあ昨今のR&Bフィールドにおける一大潮流のひとつ、トラップサウンドの中では有数の歌い手とされております。
Bryson Tiller『Don’t』
「トラップ」とは何か? ということなんですけども、リズムの特徴を捉えてトラップと呼んでいるんですけども。それこそ、文字通り罠があるというか。もっと言いますと、いわゆる規則的な音楽っていうのは「小節」というのでできておりまして。4小節だとか、その倍の8とか16とかっていうその規則性の中の快感を求めるものなんですけども、トラップっていうのはそこにちょっとイレギュラーな感じ……昔から、そのシンコペーションなんていう言葉、ありますよね。変拍子とか、そういう言葉がありますけども、そういったリズムと、あと音色としてチキチキとした、いわゆるハイハットと言われるような音色とか、そういったものを効果的に作った1曲。そういったものをトラップと言ったりしているんですけどもね。なかなか僕、言いながら「ちゃんと表現できているかな?」なんて歯がゆい気持ちもあるんですけども。
まずは聞いていただくのがよいかと思います。ブライソン・ティラー、もうすぐアルバムがリリースされますね。『True to Self』というニューアルバム。こちらの中の1曲を今日はご紹介いたしましょう。ブライソン・ティラーで『Somethin Tells Me』。
Bryson Tiller『Somethin Tells Me』
ブライソン・ティラーで新曲『Somethin Tells Me』をお届けいたしました。基本的にはブライソンが得意とするトラップサウンドを基調にしつつも、よりディープに歌い込んでいるという感じがいたします。まあ、この人の曲のサウンド、そして歌い回し。どちらも不穏な空気が漂いまして。そういうところを楽しむというのがブライソン・ティラーの正しい鑑賞の仕方じゃないかなと思いますね。モヤッとした世界のニューキングだと思いますね。
<書き起こしおわり>