プチ鹿島さんがTBSラジオ『ぼんやり審議会』の中で2017年4月のTBSラジオ・スペシャルウィークを振り返り。『荻上チキ Session-22』国会論戦珍プレー好プレーや森友学園・籠池理事長インタビューについて紹介し、そこから見えたラジオのすごさについて話していました。
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— TBSラジオ AM954&FM90.5 (@TBSR_PR) 2017年4月23日
(蓮見孝之)さて、では続いてですけども。プチ鹿島委員が注目した番組ですが、なんでしょうか?
(プチ鹿島)はい。僕は水曜日のチキさんの『Session-22』。国会論戦珍プレー好プレー。これがちょっと面白ろかったですね。
(蓮見孝之)では、これが19日(水)の放送でしたね。『荻上チキ Session-22』、国会論戦珍プレー好プレー2017春の一幕を編集したものをお聞きください。
国会論戦珍プレー好プレー2017春
<放送音源スタート>
(南部広美)民進党・階猛議員と金田法務大臣のやり取りです。
(階猛)実際上の問題として、同じ会社にいる人たちの中でですね、「この人は組織的犯罪集団の構成員」「この人は普通の社員」ということを仕分けするのって、どうやってやっていくんでしょうかね?
(金田法務大臣)最初に申し上げましたようにぜひ、階先生の質問は非常に重要な質問が多いので。事前にご通告いただけるとありがたいというのは最初に申し上げた通りであります。そうしますと、立派な答弁をただちにできるかなあというトライをしてみたいと……。
(荻上チキ)また、今度は事前通告をして質問をして。で、「大臣、『立派な答弁ができる』と言っていたじゃないですか!」って言ったら、大臣は「いや、そんなことを言っていない。自分が言ったのは『立派な答弁ができる』じゃなくて『立派な議論につながる』という風に言ったんだ」みたいな形で言って。
(南部広美)うーん、いま、ねえ?
(荻上チキ)録音にあるように、「いや、言ってるじゃないか!」っていう風に階さんが突っ込んだということがありました。
<放送音源おわり>
(蓮見孝之)こちらはリスナーのみなさんもハッシュタグをつけてつぶやいてくださっているんですが。(ツイートを読む)「国会論戦の特集はすごく面白い。新聞特集の時に感じたのですが、面白がる行為には客観的な視点が必要です。だから、この特集も面白いだけでなく、実はすごく重要な論点を示していておすすめです」など投稿をいただいています。プチ鹿島さんは『デイ・キャッチ!』に出てらっしゃいますけども。同じニュース系の番組として、どうですか? 『Session-22』。
(プチ鹿島)あとまあ、ラジオのすごさですよね。やっぱりいま、音だけじゃないですか。音だけ聞いても、いかにあの大臣がぼんやりしているか?って。それだけで、さっきの人柄がにじみ出る話じゃないですけども。これだけでわかるじゃないですか。
音だけだから見えてくるもの
(吉田豪)はいはい。あっちが『ぼんやり審議会』ですよね。
(一同)(笑)
(プチ鹿島)まあこの政策がどうたらと言う前に、「この人、信用できるかな?」っていうのが声だけでね。普通、珍プレー好プレーっつったら画のインパクトを予想するじゃないですか。みのもんたさんの。だけどこれ、面白いなと思って。逆転の発想で声だけに絞ると、本当にもう必要不可欠な情報しか頭に入ってこない。で、『Session』で言うと籠池さんにね、はじめてインタビューしたのが『Session』だったじゃないですか。
(吉田豪)ああ、あれもよかったですね。
(プチ鹿島)はい。で、その後はやっぱりワイドショーに出てくると、キャラクターのインパクトで引きずられちゃって。面白おかしく相殺されちゃうんですよ。だけど僕、『Session』ではじめて籠池さんのインタビューを声だけで聞いた時って、「ああ、本当に杜撰でヤバいおじさんが出てきたな」って。
(しまおまほ)あれ、ヤバかったですね(笑)。
(プチ鹿島)ヤバかったですよ。それはやっぱり音だけに集中したからこそわかったんだなと思って。だから逆にその後、ワイドショーは楽しめたんですよね。もう『Session』で音を聞いていて、その人となりをわかっているから。まあまあ、あとはワイドショーで楽しめばいいやって思ったんですが。最初からあれ、ワイドショーで籠池劇場だけを見ていると、ちょっと本質がわからないまま埋没しちゃったかな?って思うんですよね。
(蓮見孝之)これがもし、逆で。テレビの映像込みの籠池前理事長を見た後の『Session』だったら、やっぱり印象は変わります?
(プチ鹿島)変わるんじゃないですかね? もしくは、画だけのわかりやすさとは別の、本当にまっさらな状態で一番槍じゃないですけど、つけてくれたのがあの籠池インタビューだったんで。「ああ、こういう……」。たとえばですよ、「全ての敵が朝日新聞だ」とか、やっぱり同じ保守っていろいろいると思いますけど、「まあ杜撰な系統の保守なんだろうな。ここ20年ぐらいの主義に乗っかっているだけなんだろうな」っていうのが、たぶんあのインタビューだけで僕はわかったんですよ。
(蓮見孝之)うん。
(プチ鹿島)だからそれを頭に入れておくと……あのおじさんもフェイクなんですけど、そういうフェイクなおじさんがどんどんもっと大きいフェイクを暴いていくっていういまの構図の面白さっていうのは、まずあの音のインタビューでわかったんですよね。
(吉田豪)『Session』は、ああいう大ネタをやった時の拡散の仕方が上手いですよね。文字に全部起こしたりとか。
(プチ鹿島)書き起こしとかね。
(吉田豪)広がるようにちゃんと作ってくれて。
(プチ鹿島)本当に発信で。『Session』発のニュースっていうのがちゃんと出ていますよね。
(しまおまほ)結構ポイントポイントでそういうインタビュー、あったりしますよね。
(プチ鹿島)あります。あります。これはやっぱりラジオのすごさっていう。キャラクターに引きずられないというところで僕は面白かったですね。
(蓮見孝之)やっぱりインタビューも、豪さん。いろんな方にお話をうかがっていると思うんですけど。当然、まあ映像化するのか、生放送かによって編集の切り貼りとか、いろいろあるじゃないですか。結果的にこういう風に伝わったっていう。やっぱり生放送のインタビューと、そうじゃないインタビューって違います?
(吉田豪)全然違いますよ。テレビとかでたまに頼まれるのって、「5分で面白くしてください」とか。もっとひどいのだと「30秒で面白くしてください」みたいな。「無理ですよ。僕、1時間で面白くする仕事をしてるんですよ」っていう。
(プチ鹿島)そうですよね。チキさんのインタビューだって最初、ずっと泳がせているんですよね。その時間をかけてあぶり出している感じがすごく面白いんですよね。それは5分じゃできないですよ。なかなか。
(三条毅史)あれ、でも籠池さんの側のオファーというか。
(プチ鹿島)しゃべらせてくれと。
籠池理事長インタビューの舞台裏
(三条毅史)しゃべらせてくれっていうか、「出てください」っていうお願いは当然番組の方からしているんだけど、「だったら生放送で、ノーカットで自分の喋りたいことをしゃべらせろ」っていうのが前提としてあって。
(吉田豪)それを飲んだというか……。
(三条毅史)で、そのかわりああいう泳がせ作戦というかね。たくさんしゃべらせて、それからいろいろと見えてくることがあると。
(プチ鹿島)でもそれって、そういう尺を長く取る自体もラジオだからできることですよね。
(三条毅史)だと思いますね。
(プチ鹿島)テレビだとなかなかあのおじさんを自由に泳がせてっていうのは、いろいろ……。
(三条毅史)いや、あれは本当にヒヤヒヤというか、冒険だったと思うんですよね。
直前まで出てくれるかどうか、わからないわけですよね。
(吉田豪)それもわからない。そして、何を言うかもわからない(笑)。
(三条毅史)そうそう。聞くべきことはわかっている、決まっているんだけど。その日ね、籠池さんが急に「やっぱり出ません」って言ったら、2時間の番組をどうするんだ?っていう。
(吉田豪)ですよね。事務所に入っている人じゃないから、懐へのペナルティーもないんでね(笑)。
(しまおまほ)事務所(笑)。
(プチ鹿島)たしかに。
(三条毅史)いや、本当に綱渡りだったんですよ。あれ。
(プチ鹿島)だからあれだけ爆発力があったということですかね。聞いていて。
(蓮見孝之)でもラジオって常にインタビューしているような感じでもありますよね。別の言い方をすると「会話」って言っちゃえば会話なんですけど。相手のことを知りたいとか、それこそインタビュー(interview)って私、局アナを始めた時に世界の松下賢次さんという実況のスペシャリスト、大先輩がいたんですけど。「インタビューっていうのは”into view”なんだ。相手の中に入って覗くからインタビューなんだ」って。つまり、ラジオではそのインタビューを常にするっていうのがイコール会話であって、面白がりの重要なポイントなんじゃないかって私自身も最近なんとなく、察しているんですけども。豪さん、どうですか? プロインタビュアーと名乗って仕事をしてらっしゃるじゃないですか。
(吉田豪)はいはい。
(蓮見孝之)ラジオの放送をしていく中で、まあ『Session-22』がいまひとつね、事例として挙げましたけども。なんか気をつけていることとか、こんなところが面白いっていうのはありますか?
(吉田豪)気をつけていること。僕は本当でも、自分の主張をしないぐらいのやつですから。僕がインタビューで気をつけているのは。インタビューといえばあれ、僕も聞きましたよ。蓮見さんの番組(『蓮見孝之まとめて!土曜日』)に荻上さんが出たやつ。
(しまおまほ)(笑)。あれ、駅を出て右でしたっけ?
(蓮見孝之)あ、そうです。そうです。東浦和駅。JR武蔵野線。
(三条毅史)同じ駅を使っていたという。
(蓮見孝之)同じ駅、改札を使っていまして。はい。
(しまおまほ)「使っていまして」(笑)。なんの話だっていう(笑)。
(蓮見孝之)まさかその東浦和の話が出るとは思いませんでしたけども……。
<書き起こしおわり>
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