ピエール瀧さんと玉袋筋太郎さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で北野武監督の映画『アウトレイジ最終章』の撮影現場の模様について話していました。
(外山惠理)瀧さん、山ちゃんの朝の『スッキリ!!』で発表したのを見ちゃった。『アウトレイジ』。
(ピエール瀧)ああ、『アウトレイジ』。はいはい。
(外山惠理)肩にすっごいのが……入れ墨。
(玉袋筋太郎)あれ、自前でしょう?
(ピエール瀧)あれ、自前です(笑)。
『アウトレイジ最終章』ピエール瀧
(外山惠理)(笑)
(ピエール瀧)だからいつも、肌色のシールを上に貼っているんだけど。
(玉袋筋太郎)(爆笑)
(外山惠理)絶対に嘘(笑)。
(ピエール瀧)剥がしてね(笑)。ようやく。
(玉袋筋太郎)自前(笑)。これ、悪そうな男だよ(笑)。
(ピエール瀧)昨日、玉ちゃんのMXのやつ(『バラいろダンディ』)でもいじってくれて。
(玉袋筋太郎)そうそう。紹介させてもらって。まあ、これはいやー、ご立派ご立派。やっぱりうちの師匠の監督、どうでした? 北野組。
(ピエール瀧)ねえ。どこまでしゃべっていいんだろう?
(玉袋筋太郎)どこまでだろうな?
(ピエール瀧)どこまでしゃべっていいのか、俺、それで怒られるの嫌だな(笑)。
(玉袋筋太郎)まあ、場の雰囲気作り的な。空気、空気。
(ピエール瀧)場の雰囲気はでも、すごいですよ。やっぱり。現場入って、まあ僕ら支度するじゃないですか。で、支度をして全部セッティングも終わっていると、後から監督がいらっしゃって。たけしさんがいらっしゃって。そしたらみんなバッと立って「おはようございます!」って入って。で、そこから「場当たりをやろう」って。どんな風にやるか、そのシーンのやつをやるじゃないですか。で、一通りやって決まったなと思ったら、「じゃあ1回リハーサル」ってカメラも全部、1回リハーサルやって。「よし、見切れもない。なにもないぞ」ってことになったら、「よし、じゃあ本番!」。で、本番を1回しかやらせてくれないんです。
(玉袋筋太郎)これだよな!
(外山惠理)ええっ?
本番1回だけ
(ピエール瀧)すごいですよ。たけしさん、本当に。たとえば、なんでしょうね。段取りを忘れて、本来出てくるところから出ないとか、前後入れ替わっちゃうとか。向こうに明らかに映ってはいけないものが見切れているっていうことがない限り、ちょっとぐらいセリフ噛んだりとか、セリフが聞こえづらいぐらいだったらもうダメです。1回しかやらせてくれないです。
(外山惠理)ええっ!
(玉袋筋太郎)うわーっ、一発勝負。
(ピエール瀧)一発勝負っすよ。もう誰でもそうです。西田(敏行)さんであろうが、僕であろうが。どんな人であろうが、1回しかやらせてくれないです。
(玉袋筋太郎)うーん。
(ピエール瀧)だから緊張感がものすごいです。
(外山惠理)本当ですね。間違えちゃったりする人、いないんですか?
(ピエール瀧)だからそこも……噛んだりして、「あっ……もう、すいません! もう1回、お願いします!」っていう風になる時もあるじゃないですか。
(玉袋筋太郎)あるある。
(ピエール瀧)その時の……「噛むなんていう大それたことをしてしまうなんて……」っていうぐらいの感じなんですよ。でも、その代わり1回しかやらないんで、どんどん進んでいくんです。
(玉袋筋太郎)そうね。進み、進行早いよね。北野監督のね。
(ピエール瀧)進行早いですよ。だからもう、緊張感もありますし。それでね、僕はもう初号試写っていってもう全部つながったやつ、見ましたけども。1回しかやっていないから、どうなのかな?って思うじゃないですか。やっぱり、そこは。で、つながっているのを見たら、ちゃんとつながっているんで。
(玉袋筋太郎)かーっ! 会話はどうだったの? 殿と、会話。
(ピエール瀧)ええと、会話は現場では、ほぼしないです。っていうか、監督はずっと奥の方のブースというか、そのところにいらっしゃるんで。で、僕らがちょっと聞くわけにもいかず、全部助監を通してお話というか。指示は全部助監を通してくるので。で、それを見て、「ああ、なるほど」っつって。1回で……1回だけなんです。本当に。
(外山惠理)うわー……。
(玉袋筋太郎)映画のさ、普段よくある現場の風景で、「よーい、スタート!」とか監督が言うじゃん? それ、ないよね。
(ピエール瀧)ああ、そうね。
(外山惠理)えっ、ないんですか?
(玉袋筋太郎)言わないよね。殿は。
(ピエール瀧)ああ、そう。そうね!
(玉袋筋太郎)言わないでしょう。
(ピエール瀧)「じゃあ、スタート」っていうと……「よーい、スタート!」っていうのは全部助監さんが言うっていう。「カット」も「OK」も全部、それですね。でね、それでどうなんだろう?って、つながっているのを見るとちゃんとつながっているし。北野映画の雰囲気もちゃんと込められているんですよね。
(外山惠理)へー、いいなー。そうか。瀧さん、もう見たから。
(ピエール瀧)あの、やっぱりたけしさんの映画って何か雰囲気が込もっているじゃないですか。なんすかね? まあ、お話はもちろん荒唐無稽なんだけれども、その荒唐無稽な話が起きそうな世界観ってあるじゃないですか。画面の中というか、世界の中って。やっぱりあれはちゃんと入っているし、それってやっぱり1回しかやらないとかっていうところの緊張感も込みなのかな?っていう風に思いましたけどね。
(外山惠理)そうかー。
(玉袋筋太郎)もうラジオだってそうですよ。生放送だって1回だけですからね。
(外山惠理)そうですね。本当、毎週ね、痩せる思いですよね。
(ピエール瀧)あとね、たけしさんの映画ね、現場の怒声が飛ばないです。
(玉袋筋太郎)うん。ああ、飛ばないね。そう、だからさ、若い助監さんが殴られるとか、そういうシーンがない。
(ピエール瀧)とか、あとそれこそいろんな各セクションの上の人。カメラさんとか撮影部とか照明とかいろんな人が下のやつに「何やってんだ、お前! 早くしろ、コノヤロー!」とかいうのがたまにあるんですよね。「いい加減にしろ! もういいよ、俺がやるよ!」っていうようなザワッとする瞬間がやっぱりあるんですよ。
(玉袋筋太郎)「ザワッと」。あるよ(笑)。
(ピエール瀧)結局、まあ映画とか撮影の現場ってほぼみんな海賊なんで。で、海賊のやり取りの中でそういうのがあるんですけど、たけしさんの現場はそういうのは一切……みんな穏やかに。
(玉袋筋太郎)北野組はそうなんですよ。
(ピエール瀧)たぶんたけしさんが嫌いなんでしょうね。その感じが、やっぱり。
(玉袋筋太郎)うん。嫌いみたいね。自分も散々そういう現場を見てきたっつってたからね。
(ピエール瀧)だからピリッとした緊張感はあるんですけど、怖くはないです。別に。
(外山惠理)ああ、そこはね。それでさらにだったらもうね。
(玉袋筋太郎)いやー、楽しみだなー!
(外山惠理)ねえ。楽しみ。10月7日公開ですって。えっ、まだ10月かー。
(ピエール瀧)はい。っていうことをいま俺、ペラペラと玉ちゃんの前だから雰囲気でしゃべっちゃったけど……大丈夫かな?(笑)。
(玉袋筋太郎)大丈夫。オフィス北野の映画部の人が飛んでくっから。すぐ裏だから、大丈夫。
(外山惠理)内容はまだ言ってないから大丈夫。
(ピエール瀧)内容は、そうですね。
(外山惠理)内容はまだしゃべってないから。
(玉袋筋太郎)現場のメイキングの風景を知りたいんだもん。やっぱファンは。そこを伝えたよ。お見事。ギャラクシー賞。
(ピエール瀧)でもね、いいですよ。いい現場に参加させてもらった感はありますよ。
(玉袋筋太郎)やっぱり他の役者さんもみんな言ってるもんね。「北野組に参加できたことがうれしい。それだけでうれしい」とかさ。
(ピエール瀧)やっぱ時間がそれで1テイクしか撮らないし……。
(玉袋筋太郎)あれ、なんで弟子を出してくれねえんだろうな?
(ピエール瀧)弟子は。
(玉袋筋太郎)弟子、ねえ。俺だって立派なね、三下ぐらいはできそうな感じもするけどね。やっぱクラスが違うんだね。上のクラスだからね。『アウトレイジ』で描いている世界は。
(瀧・外山)(笑)
(玉袋筋太郎)末端の枝じゃねえから。やっぱり俺と貫目が違うっていうかね。みんな。
(ピエール瀧)そんなことはないでしょ(笑)。
(玉袋筋太郎)1回出たことあるけどね。『HANA-BI』っていう映画で出てさ。
(ピエール瀧)その時もその感じなの?
(玉袋筋太郎)そんな感じ。そうだった、そうだった。「お前、勝手にやれよ、これ。お前、今日チンピラだからよ」って。「で、タクシーの運転手さんにちょっとこうやって怒鳴りつけて。やれ。うん、適当でいいから」って。
(ピエール瀧)っていうのは、たけしさんが玉ちゃんに直接言って?
(玉袋筋太郎)俺に言ってきた。
(ピエール瀧)いや、言ってくれるだけいいよね(笑)。
(玉袋筋太郎)言われない不安(笑)。
(ピエール瀧)そうそうそう。そうでしたね。まあでも、最後はちゃんと監督からクランクアップの時も花束をもらって。
(玉袋筋太郎)ええーっ!
(ピエール瀧)もう、俺があげる方だっつーの!っていう話じゃん?
(玉袋筋太郎)俺だってもらったことねえよ。花束なんて。こんな汚え芸名をつけやがって(笑)。
(瀧・外山)(爆笑)
(玉袋筋太郎)たまったもんじゃねえな、おい。
(ピエール瀧)そうね。NHKに出れるまで、何年かかったと思ってんの?って(笑)。
ホーリーネーム「玉袋筋太郎」
(玉袋筋太郎)何年かかってんだよ、俺が。だからセミだって言ってんの。
(ピエール瀧)ああ、セミだ。そうだ。
(玉袋筋太郎)それかもう、深海魚ですよ。珍しく発見された。
(ピエール瀧)たまに上がってきちゃってね。タツノオトシゴみたいに。腹パンパンで上がってきちゃって。
(玉袋筋太郎)目玉出ちゃって(笑)。もう本当だよ。
(外山惠理)やだ、もう!(笑)。
(ピエール瀧)いやー、まあもうね、本当すごいっすよ。
(外山惠理)楽しみにしております。本当に。『アウトレイジ最終章』ですよ。
(玉袋筋太郎)最高ですよ。
(外山惠理)10月7日ですから、みなさんカレンダーに丸をつけておいてください。
(ピエール瀧)ねえ。お願いしますということですよ。はい。
(外山惠理)で、今日はあの、ここからですよ(笑)。
(ピエール瀧)うん。
(玉袋筋太郎)こっからなのね。はい。
(外山惠理)こういう時に曲、かかんないのね。いまね(笑)。
(ピエール瀧)外山さんさ、毎回軽々手ぶらで来ますよね?(笑)。
(外山惠理)えっ、どういうことなんですか?(笑)。
(ピエール瀧)一応オープニングトーク、20分ぐらいあるじゃないですか。
(外山惠理)あ、20分もあるんだ。
(玉袋筋太郎)想定。想定して。
(ピエール瀧)20分もあるんだ。
(外山惠理)いっつもあっという間に終わっちゃいますもんね。
(ピエール瀧)そうね。それは俺が毎回話を持ってきてるからですよ、それ。
(玉袋・外山)(笑)
(外山惠理)そう。毎週聞くのを楽しみにしてる感じだもん(笑)。
(ピエール瀧)一応、『外山惠理のたまむすび』なんで。
(外山惠理)そんなことないです。普通の『たまむすび』になってますよ。だから瀧さんのですよ。
(ピエール瀧)瀧さんの? 瀧さんのじゃない。
(玉袋筋太郎)俺は傍観者でいい?
(ピエール瀧)まあまあまあね。毎回、軽々手ぶらで来るなと思って(笑)。
(玉袋筋太郎)いや、俺、瀧も手ぶらだと思ったけどね。
(ピエール瀧)俺も毎回手ぶらなのよ。
(玉袋筋太郎)いや、外山さんの手ぶらぶりはすごいね! ハンズフリー。
(ピエール瀧)すごいでしょう? 「次のお皿はいつ出てくるのかしら?」みたいな感じで。
(外山惠理)(笑)。「で?」みたいな(笑)。
(ピエール瀧)すげー口開けて待っていたもんね。厨房の方をチラチラ見ながら。
(外山惠理)えっ、バレてました?(笑)。さすが。
(ピエール瀧)そうでしょう。一品出しなさいよ、本当に。外山さんも。
(外山惠理)素晴らしい。もうツーカーですね。本当に。
<書き起こしおわり>