宇多丸 SMAP『Dear WOMAN』を語る

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宇多丸さんがTBSラジオ『タマフル』の中でSMAP『Dear WOMAN』を紹介。その素晴らしさについて話していました。

Dear WOMAN

(宇多丸)さあ、ということで本日は本当に盛りだくさんになっておりますのでさっそくですが……結構ネットなどでも早くも話題にしていただいているようです。SMAP特集、後ほど11時台にお送りいたします。DJ SEX山口さん。東京ナンバーワン・パーティーDJと言っていいでしょう。SEX山口さん、通称セク山さんによる『踊れるSMAP MIX』をお聞きいただきたいわけなんですが、その前にこの10時台、私、パーソナリティー宇多丸もですね、ぜひなんかSMAPの曲を1個。ベスト曲というか私が選ぶ1曲を選んでくれと言われましてですね、考えたんですね。で、まずセク山さんが後ほどのMIXで入れる予定の曲はやっぱり避けたいじゃないかということで、ちょっと曲目を見たところ……

最初は僕、『雪が降ってきた』っていう曲を、季節的にもぴったりですし、僕、日本語ものDJを『申し訳ないと』というイベントでずっとやってきて。いまはお休みしていますけども、そのDJをする時に冬場の割と鉄板MIXみたいなのがあって。その時はSMAPの『雪が降ってきた』を本当に定番で、かけない年はないという感じでかけていたので『雪が降ってきた』はどうかな? と思ったら、これはセク山さんがかけるということで。

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SMAP『雪が降ってきた』

じゃあどうしようかな? ということでね、まあ知る人ぞ知るような曲なんかを選ぶのもいいかな?って思ったんですけど、やっぱりSMAPっていうのはほら、国民的グループ、国民的アイドルみたいな言い方をされる人ってちょいちょい出てきますけど。まあ、ぶっちゃけSMAPぐらい国民的……要するに存在とか人となりであるとか、それぞれのパーソナリティーとかを含めて、これだけ本当に「国民的」っていう言葉が嘘じゃないグループもそうそういないだろうということで。という、本当に名実ともに国民的アイドルグループSMAPならではの1曲ということで、やっぱりこれかな? と。ちょっと迷ったんですけどね。対照的な曲で『BANG!BANG!バカンス!』というね、曲があるじゃないですか。

クドカンさんの作詞曲で。これはやっぱり小森田実さんという『ダイナマイト』とか『SHAKE』とか『らいおんハート』とかSMAPの代表曲なんかを結構手がけられている方の編曲というのも含めてザ・SMAPというか。ちょっと自己言及的な、メタ的な構造を持った歌詞も含めて、こういう遊び感というか。メンバーそれぞれのキャラクターをみんなが知っているのが前提でないと成り立ちませんから『BANG!BANG!バカンス!』もやっぱりSMAPならではだなと思うんだけど……

でもやっぱりSMAPというグループのある意味の”大きさ”というか、そういうものを体現する1曲として私、今回この時間にかけさせていただくのは、すいませんね。すごい有名曲ですけど、『Dear WOMAN』にします。2006年のシングルになるんですかね。ご存知の通り、資生堂の大型キャンペーン『Tsubaki』という化粧品のキャンペーンで、随分と何年も、長年使われてきましたけども。

これ、もともとCMプランナーの麻生哲朗さんという方が作詞を手がけているということで、非常にCM全体のあれとも合っているんだけど、言っちゃえば70年代のディスカバー・ジャパンとか。要するに、「日本の良さをもう1回再発見しようじゃないか」みたいなテーマなんですよね。「日本の女性たちっていうのは、あなた方、気付いてないかもしれないけど、もうそのままで美しいんだよ」というようなね。で、普通こんな大きな歌詞っていうのは下手な人が歌うと、まあ鼻白らむだけですよ。なにをきれい事をそんな……「日本が」なんて言われるとこっちは身構えちゃいますよね。「美しい日本の……」なんて言われるともうガーッて身構えてね。私なんてもういろんなものをガチャガチャガチャって準備し始めちゃうっていうのがあるけど……やっぱりSMAPが言うと嫌味がないのはなぜなんですかね?

ひとつにはやっぱり、彼らの本当に「人となり」って言ったってね、直接知っているわけじゃないんだけど知っている気になっているところが国民的というか。彼らの言っちゃえば、たとえばスキル的になにか飛び抜けているとか、そういうグループではないないじゃないですか。なんかジャニーズとかが全然冬の時代、ある意味谷間の時代にバラエティーとかで生き残ってきたと。で、なんかSMAPならではの、僕はこのSMAPの『Dear WOMAN』というのを僕の『マブ論』というずっとやってきたアイドルソングの評論の中で評した時に、SMAPっていうのは「普通にかっこいい」みたいなの、あるじゃないですか。「普通にいい」とか。これって要するに「すごくいい」っていう時に使うわけだから「ストレートにいい」っていうことですね。「普通に」っていうのがプラスの表現として使われるようになった時代に相応しいグループというか。

なんかすごく普通の良さという感じかな? なんかすごく気負っていないというかそういうのも含めて、歌唱の感じとかも含めて本当にこれ、SMAPが歌わなければ成り立たない曲なんじゃないかな? ということで、お送りしたいと思います。これ、編曲は平田祥一郎さんという方ですね。楽曲の方向としては小森田さんのダンスチューンの伝統を踏まえたという感じ。平田祥一郎さんの編曲も見事な、非常にゴージャスなサウンドとなっております。お聞きいただきたいと思います。私、宇多丸セレクトです。SMAPで『Dear WOMAN』。

SMAP『Dear WOMAN』

このね、パッパッパラッパッパッ♪っていうシンセベースの感じであるとか、途中のティラリ~ラララ~♪っていうフレーズの感じとかがやっぱり、これは平田祥一郎さんという方の編曲なんですけど。まあ小森田実さんの一連の『SHAKE』とか『ダイナマイト』の音の感じを踏まえているなというのも含めて、要は歴史もこの1曲に感じさせるし。で、まあ本当にしつこいようですけど、こんなデカいテーマを……いま歌詞を聞いていても「ようこそ日本へ」って。これはやっぱり他の下手なグループが歌ったら、これは嫌だよ! なんかヤダ味が勝っちゃうよ。やっぱね、このSMAPのなんて言うか、下からずっと来たというか、上からお仕着せられて出来上がった、最初から人気あるグループとして売り出されたグループじゃないところから、ある意味自然に国民的アイドルグループになっちゃった人たちっていうかね。

その自然体感というか普通さ感というか、そういうのも含めてようやく成り立たっている曲というね。本当に企画した人、作品を作った人、そして歌ったSMAP。全部すべてが見事にハマってというか。CMも素晴らしかったですし。ということで、SMAPのSMAPらしい曲ということで私、1曲選ばせていただきましたのは『Dear WOMAN』。2006年の曲でございました。ちなみにですね、実は今日、普通に頭でSMAPの曲をこうやって選んでいる時に、僕実はいちばんですね、僕の頭に浮かぶ「SMAPのこの1曲」はSMAPの曲ではないんです。

「なにを言ってるんだ?」って思うかもしれないですけど。2007年にキリンジが出した『今日も誰かの誕生日』というアルバムの中の1曲なんですけど。これがですね、僕が考えるさっきから言っているSMAPの国民的アイドル的なスタンス……まあ、みんなのグループとしてのSMAPみたいなのにすごく合っているというか。僕、最初にこのキリンジのアルバムを聞いた時にすごくいい曲なんですけど。あ、こんな曲なんですけど……

これを、とにかくSMAPにカバーしてほしい!っていうね。これはもう長年、私がもう夢として抱いていることで。まあ、キリンジのお二方、特にお兄さんの方とは最近曲も一緒に作ったりなんかして、直接訴えて……まあ、お兄さんに訴えてもしょうがないんですけど(笑)。これ、本当にね……で、俺がこの曲を聞かせながら、「これさ、ちょっとSMAPの歌声で想像してみて。ぴったりだと思わない?」って言うと、これみんなもう深く頷いてくれる素晴らしい曲でございまして。ねえ。どうですかね? いまからでも……いまからでもどうかな? 本当にSMAPのね、下手すると代表曲になるぐらいのぴったり感があると思うんだよな。

ねえ。SMAPファンの方、いまね……あっ、盛り上がっていただいている? ありがとうございます! いまからでも、どうですかね? この曲で紅白なんか、どうですかね? ……ムチャクチャっていうことですけどね(笑)。はい。ということでぜひ、興味があったらキリンジの2007年の『今日も誰かの誕生日』という曲を、SMAPファンの方もそんなSMAPの歌声を思い浮かべながら聞いてみるという、そんな遊びをしてみてはいかがでしょうか? ということでございます。後ほど、11時台。SMAP特集を楽しみにしていてください。

<書き起こしおわり>

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