高橋芳朗 ラッパーをフィーチャーした曲のルーツを語る

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

高橋芳朗さんがTBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』の中で、いまでは定番になったラッパーをフィーチャーした楽曲のルーツについて話していました。

(高橋芳朗)水曜日、堀井さんからメールをいただきまして。

(堀井美香)そうなんです。娘が、高橋さんが星野源さんの……

(ジェーン・スー)また星野源話か!

(高橋芳朗)(笑)。ニューシングル。10月5日に出る『恋』っていう曲のライナーノーツっていうか楽曲解説をオフィシャルサイトに上げて。そしたら、堀井さんの娘さんが星野さんの大ファンで。それを読んで……

スポンサーリンク

星野源『恋』高橋芳朗楽曲解説

(堀井美香)「すごーい!」って。

(高橋芳朗)「娘が吠えてます」っていうメールが来ました(笑)。

(ジェーン・スー)「うおおおおーーーっ!」って?(笑)。

(堀井美香)「お母さんって本当にすごい人と仕事しているんだね!って(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(堀井美香)ここに来て、母親の株がガンガンに上がるっていう(笑)。

(ジェーン・スー)いやいや、久米さんとかさ、竹中(直人)さんとかさ、結構な方とお仕事してるのに(笑)。

(高橋芳朗)本当だよね(笑)。

(堀井美香)「すっごい人と仕事してるんだね!」っていう(笑)。

(高橋芳朗)久米さん、ちょっと気分を害するかもしれないですね。はい。

(ジェーン・スー)世が世なら、「今週の第三位、星野源!」とか言ってたのにね。

(高橋芳朗)そうですよ! そうだそうだ。

(堀井美香)(笑)

(ジェーン・スー)じゃあ、テーマソングも終わったところで行きますか……

(高橋芳朗)はい。今日はこんな感じでお送りします。あの宇多田ヒカルのニューアルバムにも入っている! ラッパーの参加した曲のルーツはどれだ? 宇多田ヒカルさんの約8年ぶり、通算6枚目のニューアルバム『Fantome』が今週水曜日、28日にリリースされましたね。オリコンデイリーは当然一位。iTunesでも配信開始10分でアルバム総合一位。

(ジェーン・スー)すごいね!

(高橋芳朗)アメリカのiTunesランキングでも三位ぐらいまで行ってるのかな?

(ジェーン・スー)ええっ! すごいね! なにゆえ?

(高橋芳朗)なんでだろう? なにが起こっているんでしょうか? ねえ。

(ジェーン・スー)だって、誰が買っているんだろうね? アメリカの。

(高橋芳朗)現地の日本人が買っているだけじゃ、そこまでは行かないと思いますからね。

(ジェーン・スー)絶対に行かないから。アジア人だとしても、行かないから。

(高橋芳朗)で、ちょっと話題になっているのがアルバムの収録曲の1曲で『忘却』というトラックがあるんですけども。こちらにKOHHっていう、東京都北区王子出身のラッパーが参加しているんですね。

(ジェーン・スー)日本人の男の子ですね。

(高橋芳朗)そうそう。まあ、ワールドワイドな活躍をしている人でもあるんですけどもね。

(ジェーン・スー)ロンドンでのライブがすごかったっていう話は、私も動画でちょっと見たんですけど。まあ、歌手もそうですけど、ラップは特に言葉がすごく重要なジャンルの音楽なので。日本語以外の国で日本語ラップが流行ることはほとんどないだろうと言われていたんですよね。なかなか難しい壁だろうと言われていたところ、突然超える人が出てきましたね。

DIRT Ⅱ concert in London

KOHH Officialさん(@kohh_t20)が投稿した動画 –

(高橋芳朗)そうですね。アメリカのR&Bシンガー(フランク・オーシャン)とコラボしたりとか。

DJ YANATAKE KOHHのフランク・オーシャン アルバムへの参加を語る
DJ YANATAKEさんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でアメリカの人気R&Bシンガー、フランク・オーシャンのニューアルバム『blonde』にKOHHが参加したニュ...

(ジェーン・スー)そうそう。

(高橋芳朗)韓国のラッパーともコラボしたり。

菊地成孔 日韓合作ラップ Keith Ape『It G Ma』の意義を語る
菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』第9次韓流最高会議で日韓のラッパーの共作曲、Keith Ape『잊지마 (It G Ma) ft. JayAllday, loota, Ok...

(高橋芳朗)いま、後ろでかかっているのがその『忘却』なんですけども。KOHHのラップがそろそろ入ってきます。

宇多田ヒカル『忘却 feat. KOHH』

(高橋芳朗)というわけで宇多田ヒカルさんのニューアルバム『Fantome』からラッパーのKOHHをフィーチャーした『忘却』という曲を聞いてもらいましたけども。こういうシンガーの曲にラッパーがゲストで参加するっていうスタイルも、まあすっかり確立されたと言いますか。確立されて久しいという感じですかね。で、今日は、その歌もの。シンガーの曲にラッパーが参加している曲、そのルーツがどこにあるのか? ということを紹介したいと思うんですけども。

(ジェーン・スー)はい。

(高橋芳朗)ラッパーをゲストに迎えた曲。起源はやっぱりブラックミュージックです。R&Bとかファンクのシンガーの作品にさかのぼっていくと行き当たるんですけども。ラッパーをゲストに起用したはじめての歌もののヒット曲はですね、1984年。チャカ・カーン(Chaka Khan)の『I Feel For You』ですね。これ、今年の4月に亡くなりましたプリンス(Prince)の曲のカバーですけども、当時全米チャートで三位まで上昇しております。

(ジェーン・スー)美香さん、絶対に聞いたことあると思う。

(高橋芳朗)すごい非常に有名なラップパートで。みなさん、きっと聞いたこともあるし、すごい印象的なラップパートなんですけども。これはヒップホップ、ラップのパイオニアでありますグランドマスター・メリー・メル(Grandmaster Melle Mel)という人がラップしているんですけども。スーさん、どんなラップでしたっけ?

(ジェーン・スー)「チャカ・カーン、チャカ・カーン、チャカチャカチャカ・カーン!」。

(高橋芳朗)ちょっと違いますね(笑)。「チャカ・カーン……♪」。

(ジェーン・スー)「(チャッ、チャッ♪)チャカ・カーン、チャカ・カーン、チャカチャカチャカ・カーン……♪」。違う?

(高橋芳朗)(笑)。まあ、そんな感じです。で、このチャカ・カーンの『I Feel For You』でのこのグランドマスター・メリー・メルの起用の背景にはですね、ブレイクダンスの世界的な流行があるんですね。ブレイクダンスの流行を通じてヒップホップカルチャーが世界的に浸透して。ラップとかレコードをガシガシこするスクラッチみたいなヒップホップの要素を取り入れた曲が作られるようになったという感じですかね。だから、ハービー・ハンコックの『Rockit』とかもそういう流れから生まれた曲だと思うんですけどもね。

(高橋芳朗)じゃあ、その曲を聞いてみましょうか。チャカ・カーンで『I Feel For You』です。

Chaka Khan『I Feel for You』

(高橋芳朗)はい。ラッパーをゲストに起用したはじめてのヒット曲として、チャカ・カーンの1984年の大ヒット曲『I Feel For You』を聞いていただいております。「チャカ・カーン♪」。

(ジェーン・スー)「チャカ・カーン♪」。

(堀井美香)「シャケ・カーン♪」。

(ジェーン・スー)……しゃ、鮭缶?

(高橋芳朗)(笑)。「シャケ・カーン♪」。もう、やめましょう! で、このチャカ・カーンの『I Feel For You』はラッパーをゲストに起用したはじめてのヒット曲で。史上はじめてゲストにラッパーを起用した歌もの曲は別に存在するんです。それは、このチャカ・カーンの『I Feel For You』の前年。1983年にリリースされたリック・ジェイムス(Rick James)っていうファンクミュージシャンの『P.I.M.P. The S.I.M.P.』という曲なんですね。

(ジェーン・スー)すごいタイトルですね(笑)。

(高橋芳朗)これもやはりですね、ヒップホップミュージックのパイオニアでありますグランドマスター・フラッシュ(Grandmaster Flash)が、本来はDJの人、レコードをこする人なんですけど、ラッパーとして参加しているんですね。で、チャカ・カーンの『I Feel For You』はさっき話したようにブレイクダンスとかの流行に応じてラップを取り入れたり、ラッパーをゲストに起用しているんですけども。このリック・ジェイムスの『P.I.M.P. The S.I.M.P.』に関してはヒップホップというムーブメント、カルチャーに着目してラップを取り入れたという印象が強くて。というのも、リック・ジェイムスという人はストリート、街中で何が起こっているか?っていう、そのリアルを伝える。そういうシンガーだったわけですけども。ちょうどその頃のヒップホップはゲットーのリアルを伝え始めていたところがあったんです。そのグランドマスターの『The Message』という曲でそういうスタイルを確立したんですけども。

(高橋芳朗)それと非常にリック・ジェイムスがやろうとしていることが相性がよかったという感じですかね。じゃあ、ちょっとその該当部分を聞いてみましょうか。リック・ジェイムスで『P.I.M.P. The S.I.M.P.』です。

Rick James Ft. Grandmaster Flash『P.I.M.P. The S.I.M.P.』

(高橋芳朗)はい。というわけで史上はじめて、ゲストにラッパーを起用した歌ものとしてリック・ジェイムスの1983年の作品『P.I.M.P. The S.I.M.P.』を聞いていただいておりますけども。これね、画期的なのは「Featuring Grandmaster Flash」っていうクレジットがちゃんと載っているの。さっきのチャカ・カーンの『I Feel For You』は「Featuring Grandmaster Melle Mel」とは載っていないんですね。

(ジェーン・スー)だから、フィーチャリングっていう言い方がはじめて出てきたあたりっていうことですね。

(高橋芳朗)そういうことですね。あと、「ラッパーを取り入れてるんだぜ、ヒップホップを取り入れてるんだぜ」っていうことを強調しているっていうところで、重要作になるかなと思います。この後、CMを挟んでですね、ラッパーのゲスト参加を完全に確立しました決定的な1曲を紹介したいと思います。

(CM明け)

(ジェーン・スー)今日は「ラッパーがゲスト参加した曲。そのルーツを探る」と題してお送りしています。

(高橋芳朗)これからご紹介するのは、ラッパーのゲスト参加を完全に確立した曲。まあ、シンガーとラッパーとのコラボレーションを確立した決定的な曲として紹介したいんですけども。ジョディ・ワトリー(Jody Watley)。シャラマー(Shalamar)のボーカリストだった女性シンガーのジョディ・ワトリーの『Friends』という曲です。1989年の作品。

(ジェーン・スー)懐かしいなー!

(高橋芳朗)この曲には、エリック・B&ラキム(Eric B. & Rakim)。DJのエリック・Bとラッパーのラキムっていうヒップホップコンビが参加しているんですけど。このラキムっていうラッパーは言ってみれば、ラップにおける神。ゴッドです。

(ジェーン・スー)ゴッドですね。

(高橋芳朗)史上もっとも強い影響力を持ったラッパーであり……

(ジェーン・スー)堀井さんが「らきむ=ラップにおける神」ってメモしてますよ。「らきむ」ってひらがなで。

(高橋芳朗)(笑)。でも、覚えておく価値はあると思います。ラップのひとつの規範を作ったような人と言っていいと思います。しかも同時に、ラキムは割と硬派なイメージが強いラッパーだったんで、そんな人が歌ものの曲にゲストとして参加するっていうのは当時非常に大きな衝撃だったんですね。アンド、ヒップホップへの理解度が高いなっていうか、わかってらっしゃる感を同時にただよわせていたっていうことですね。で、曲の後半にはラキムのラップ以外にエリック・Bのレコードをゴシゴシこするスクラッチの音も入っていたりして。だから、チャカ・カーンとかリック・ジェイムスのさっき聞いてもらった曲は割とまだスパイスとしてのヒップホップ、ラップ。記号としてのヒップホップ、ラップという感じだったんですけど、このこれから紹介するジョディ・ワトリーの『Friends』に関しては割と、より歌もの、R&Bとヒップホップの有機的なコラボレーションが達成されているという感じで、この曲をきっかけにラッパーのゲスト参加する曲が一気に急増していったという感じですかね。

(ジェーン・スー)うん。たしかにこれ、チャート。ビルボードとかでもかなり上位にきましたもんね。

(高橋芳朗)トップ10で九位ぐらいですかね? 最高位ね。じゃあ、行ってみましょう。ジョディ・ワトリー feat. エリック・B&ラキムで『Friends』です。
Jody Watley『Friends ft. Eric B. & Rakim』

(高橋芳朗)はい。シンガー、歌ものとラッパーとのコラボレーションが確立した曲としてジョディ・ワトリーの1989年のヒット曲『Friends feat. エリック・B&ラキム』を聞いていただきました。

(ジェーン・スー)本当、懐かしい。

(高橋芳朗)いま、「六本木感あるわ!」って踊ってましたね。

(ジェーン・スー)完全にBIOっていう感じですね。

(高橋芳朗)堀井さんもね、ビートに合わせてフリースタイルラップを……

(ジェーン・スー)ちょっとお願いします。ビートに合わせて。

(堀井美香)テレビもねえ、ラジオもねえ……♪

(ジェーン・スー)アーン!

(堀井美香)車もそれほど走ってねえ♪

(ジェーン・スー)ワッ!

(堀井美香)朝起きて、ベコ連れて……♪(笑)。

(ジェーン・スー)2時間ちょっとの……

(堀井・スー)散歩道!

(高橋芳朗)(爆笑)。いまではね、グラミー賞にも最優秀ラップ/サングコラボレーション賞(The Grammy Award for Best Rap/Sung Collaboration)っていう部門があるんです。2002年に設置されたんですかね。はい。

(ジェーン・スー)なるほど。最近ではフィーチャリングっていうのが曲名の方に入っていたりとか。いろいろありますね。またフィーチャリング特集、よろしくお願いします。

(高橋芳朗)わかりました。

(ジェーン・スー)ということで、高橋さん。ありがとうございました。

(高橋芳朗)ありがとうございました!

<書き起こしおわり>




スポンサーリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする