ジェーン・スーさんがTBSラジオ『Fine music』にゲスト出演。「偏差値30からのスロウ・ジャム」と題して、初心者向けのR&Bバラード(スロウ・ジャム)を11曲、紹介していました。
(駒田健吾)今朝はですね、ジェーン・スーさんをゲストにお迎えしておりますが。さて、私が普段あまりかけないようなジャンルというのはなんでしょうか?
(ジェーン・スー)今日はですね、スロウ・ジャムをメインで持ってきました。
(駒田健吾)スロウ・ジャム?
(ジェーン・スー)つまりですね、R&B系のバラードですね。
(駒田健吾)R&Bかー……
(ジェーン・スー)全くたぶん興味のない方は聞いてない、通っていないっていうジャンルだと思うんですけど。
(駒田健吾)でも、たとえば日本だとそれを昇華させたのが安室奈美恵さんだったりとか。耳にしていないっていうことはあまりないと思うんですよ。
(ジェーン・スー)ゴスペラーズとかお好きな方だったら、素直に聞いていただけるかなとも思うんですけど。
(駒田健吾)ただ、洋楽ということで。
(ジェーン・スー)そうです。偏差値30からのスロウ・ジャムということでですね、今日はそんな感じで持ってきたんですけども。もともと私、大学の時にソウルミュージック研究会(GALAXY)というサークルに入っていたんですよ。で、そこのサークルの入部した時の部長がいま、土曜日の『ウィークエンドシャッフル』をやってらっしゃる宇多丸さんで。で、RHYMESTERがいて、DJ JINと私が同期なんですよ。
ソウルミュージック研究会OG
(駒田健吾)そうなんですか?
(ジェーン・スー)なんで、結構ソウルミュージックとかR&B、ヒップホップなんかをよく聞いていたんですけども。その中でもやっぱり、ベタなR&B。日本で言うところの、なんて言うんですかね? 演歌っていうほどシニア層の方が好んで聞いているっていうわけではないんですけども。ベタな歌謡曲みたいなのがありまして。
(駒田健吾)じゃあ、R&Bが好きな方は「ああ、これは有名でしょ」と?
(ジェーン・スー)そうですね。たぶん「なんでこんなベタな選曲したんだ?」と。好きな人にとってはたぶんお腹を抱えてしまうかもしれませんし、これから朝目覚めてどこかへ行くという人には、「ちょっと……これ、もう朝じゃないんじゃないの?」って言われちゃうかもしれないですけども。まあ、一方で夜勤明け。帰ってきてこれから寝るっていう人もいるわけじゃないですか。そんな方にですね、届いたらいいなとも思って……
(駒田健吾)ありがたいですね。
(ジェーン・スー)それでちょっと駒田さんも選曲困って。最近ね、「菊池さんと一緒に交代で……」なんて言っていたんで。たまにはこうやって、全然違うのを持ってきてもいいかなと思って。まあ1曲目からかけたいんですけども。まずですね、シルク(Silk)というグループ。
(駒田健吾)知らない……
(ジェーン・スー)あのですね、90年代から2000年代前半ぐらいまでにアメリカの男性コーラスグループっていうのがものすごい流行ったんですよ。そのもともとの種火は80年代後半からもちろん来ていますし。もっとたどればドゥーワップだ何だって言って、1950年代とかからいるんですけど。まあ、とにかくですね、ヒットチャートがほとんどブラックミュージックで占められた時期っていうのが90年代後半、2000年代前半ぐらいから……90年代後半はまだロックとかあったんですけど。一時期、2000年代とかにありまして。
(駒田健吾)うん。
(ジェーン・スー)アラ21世紀みたいなところにありまして。で、わかりやすく言うならば、1位から10位まで全部EXILE TRIBEみたいな感じなわけですよ。
(駒田健吾)おっと!
(ジェーン・スー)三代目J Soul Brothersと四代目と五代目と……別に同じグループじゃないんですけど、基本的にパッと聞き、そんなに差が……
(駒田健吾)美声系で?
(ジェーン・スー)そうです。で、美声。コーラスがものすごく気持ちいい。ハーモニーがうっとりする。そして、歌っていることのテーマは基本、性愛っていう。
(駒田健吾)愛じゃなくて、性愛。
(ジェーン・スー)愛と性のバランスが多少変わるんですけど、基本その2つが一緒になっている感じで。その中で、今日1曲目にかけるのはシルクの『Freak Me』という曲で。これもほぼ一発屋。1.5発屋ぐらいの。
(駒田健吾)ワンヒットワンダー。
(ジェーン・スー)ちょっと聞いていただきたいと思います。
Silk『Freak Me』
(駒田健吾)1992年のアルバム『Lose Control』からのシングル。
(ジェーン・スー)おいくつでした?
(駒田健吾)92年。24年前。恐ろしい。18才ですね。
(ジェーン・スー)ですよね。高校生の時、私たちこんなエロティックなサウンド、聞いてなかったですよね? サウンドは涼やかなんですけどね。声にやっぱりなかなか粘りがある。
(駒田健吾)この時は、そうね。私はもう個人的に浪人中でしたからね。がんばれロックばっかり聞いてましたね。わかりやすいやつ。
(ジェーン・スー)ああー。時代的にはそうですよね。私はこれはもうちょっと後に知ったんですよね。オンタイムというよりは。18ど真ん中の時はガンズ(Guns N’ Roses)を聞いてました。
(駒田健吾)ああ、そうなんですか?
(ジェーン・スー)受験の前日にガンズのライブに行って親に死ぬほど怒られて。
(駒田健吾)CDを聞くとかじゃなくて、ライブに行った?
(ジェーン・スー)行きました。ドーム。アクセル、全然出てこなくて。
(駒田健吾)(笑)。待たせ屋ですからね。
(ジェーン・スー)落ちました。知ってます? 24年ぶりに再結成で日本に来ますよ。
(駒田健吾)はいはい。
(ジェーン・スー)来年。行きますか?
(駒田健吾)アクセル・ローズ(Axl Rose)も大変でね。AC/DCのボーカルもやったりして。
(ジェーン・スー)なんでこの曲に乗せてガンズの話をしてるんだ?っていう(笑)。まあ、こういう涼やかな。
(駒田健吾)いいですよ、いいですよ。4時台にぴったり。
(ジェーン・スー)ぴったり。
(駒田健吾)続いては?
(ジェーン・スー)次が、LSGの『My Body』。
LSG『My Body』
(駒田健吾)LSG。
(ジェーン・スー)これですね、キース・スウェット(Keith Sweat)、ジョニー・ギル(Johnny Gill)、ジェラルド・リヴァート(Gerald Levert)という、まあ日本で言ったらそうですね。サブちゃん、鳥羽一郎、山本譲二みたいな……
(駒田健吾)スーパーグループですね。
(ジェーン・スー)それだけで伝わるじゃないですか。その3人がギュッと集まって、「僕たちにしかできない濃いR&Bをやろう!」と。
(駒田健吾)えっ、LSGってそんなすごいグループなんですか?
(ジェーン・スー)そうなんですよ。
(駒田健吾)はー! 知らなかった!
(ジェーン・スー)本当にね、こんな濃い3人。でもこの中のメンバーのキース・スウェットは、さっき1曲目にかけたシルクを発掘してたりとか。そのあたり、お互いにフックアップするっていうカルチャーがR&B、ヒップホップの世界は多いので。
(駒田健吾)またタイトルが『My Body』でね、性愛を。
(ジェーン・スー)もう完全に性愛ですよ。
(駒田健吾)へー、なるほど。これ、シルク、LSGと来ましたけども。次も?
(ジェーン・スー)そうなんです。次はですね、こちらも訳あってワンヒットワンダー。Hタウン(H-Town)というグループの『Knockin’ Da Boots』。
(駒田健吾)Hタウン?
(ジェーン・スー)これ、たぶん10年ぐらい日本でかかってないんじゃないかな? と思うんですけども。
(駒田健吾)これね、うちの菊池ディレクター。この当時、バリバリのFM局のディレクターだったんですよ。だからたぶんよく知っている……
(ジェーン・スー)10年ぐらいかかっていない可能性はありますよね? 当時はすごいかかっていたと思いますけども。
(駒田健吾)うなずいているわー。
(ジェーン・スー)これ、双子の男の子2人ともう1人、ボーカルがいたんですけど。メインのボーカルの子が交通事故で死んじゃったんですね。だからなかなか、その後が続かなかったんですけど。まあ『Knockin’ Da Boots』。先ほどから性愛と話しておりますが……まさにその意味ですね。
(駒田健吾)ブーツを、なに?
(ジェーン・スー)曲がかかっている間に説明しましょう。
(駒田健吾)わかりました!
H-town『Knockin’ Da Boots』
(駒田健吾)『Knockin’ Da Boots』。ああ、そういう……俗語ね。
(ジェーン・スー)「I’m so addicted to makin’ love to you」ですから。
(駒田健吾)あ、それはわかる。
(ジェーン・スー)「ブーツをノックする」っていうのがそのまま……
(駒田健吾)「ブーツをノック」がイメージわかないんだなー。
(ジェーン・スー)まあ、あんまりその形態を脳に模写しない方がいいとは思うんですけども(笑)。まあ、ブーツをコンコンと……ノッキング。
(駒田健吾)なんとなくわかるけど。はい。
(ジェーン・スー)これはね、テキサス州ヒューストン(Houston)出身。それでHタウンなんですよ。
(駒田健吾)あ、Houston TownでH-Town。
(ジェーン・スー)R&Bとかヒップホップにおいてやっぱりヒューストンってすごく大きいひとつの勢力の土地で。それを代表してHタウンなんですね。
(駒田健吾)なんか勉強になる。
(ジェーン・スー)まあ3曲ここで、あまりにも性愛じみた曲をかけてしまったんで、次はちょっとここで一瞬息を抜こうかなと思います。ネクスト(Next)というグループの『Too Close』。こちらをご紹介します。
Next『Too Close』
(駒田健吾)ちょっとハネた感じ。イントロなんかはファンキーな感じが……
(ジェーン・スー)そうですね。私ね、ミネアポリスから1時間ぐらいのところに大学時代、1年留学していたんですよ。で、このグループはミネアポリスのグループなんですけど。97年だからちょっと後か。私がいたのは95、6ぐらいだったんですけど。プリンス(Prince)の出身地ですよ。ミネアポリス。
(駒田健吾)ああ、そうだ。
(ジェーン・スー)プリンスとボブ・ディラン(Bob Dylan)っていう完全に混沌とした……っていう時点で、ある種いろんなものが混ざるという。
(駒田健吾)そうですね。ノージャンルですね。
(ジェーン・スー)っていう土地なんですけど、まあこういうグループもいましたよということで。これ、全米一位になりましたね。
(駒田健吾)まさにこれ、ベタっていうところですけども。私、これも知らなかったな。
(ジェーン・スー)ちょっとおしゃれベタな感じでございます。で、ちょっとここで1回、自ら顔を出して空気を吸ったところで、また水中に潜っていただきます。というわけで、次はケイシー&ジョジョ(K-Ci & JoJo)で『Tell Me It’s Real』。
K-Ci & JoJo『Tell Me It’s Real』
(駒田健吾)なんか全部ボーイズIIメン(Boyz II Men)に聞こえてくるというか……
(ジェーン・スー)正しい。同じ時期に活躍していたんですよ。だいたい。だけど、ボーイズIIメンがなんであんなに売れたか?っていうと、「性愛」の「性」を抜いたんですね。
(駒田健吾)ほう。
(ジェーン・スー)恋愛にしたことによって、たぶんあれだけ広くの人種、人々に世界中で受け入れられたと思うんですけど。彼らはですね、ジョデシ(Jodeci)という4人組……2人組の兄弟が2個で1セットだったボーカルグループ。まあ、見た目もよし、歌も勢いもあって踊りも上手くてっていう。
(駒田健吾)まだ活動はしているんですか?
(ジェーン・スー)よくある、やめたりまた復活したりですけど。ケイシー&ジョジョはそのうちの鳥羽一郎と山川豊が独立してやっているグループですね。
(駒田健吾)なるほど。だんだんなんかわかりにくくなってくる可能性が……(笑)。
(ジェーン・スー)まあまあまあ。それは濃いよっていうことです。
(駒田健吾)なるほど(笑)。
(ジェーン・スー)まあ、濃い話をするにおいてはこの人を忘れちゃいけないっていうことで、次がR.ケリー(R.Kelly)で『Bump N’ Grind』。
R. Kelly『Bump N’ Grind』
(駒田健吾)この曲調、大好き!
(ジェーン・スー)びっくり。完全にこの人、性愛の「性」が80の人なのに(笑)。
(駒田健吾)性の部分が80の方。
(ジェーン・スー)そうです。全般的にね。この曲だけじゃないんですけど。
(駒田健吾)R.ケリー。
(ジェーン・スー)そうなんですよ。ただ、天才は天才で、詞、曲、編曲、演奏、プロデュースみたいなの、ほぼ1人でやるマルチプレイヤーで。ゴスペルとかそういう教会系音楽の造詣も深いんですよ。ただ、それをなぜか性とくっつけちゃうんですね。
(駒田健吾)まあ、才能ですよね。
(ジェーン・スー)そうですね。やっぱり普通の人にはできないことっていうことで。
(駒田健吾)いや、歌詞がわかんないから普通に曲調だけで僕、この時間には合うし。
(ジェーン・スー)爽やかですよね。
(駒田健吾)ちょっとR.ケリー、聞きたいなと思います。
(ジェーン・スー)これ、ビデオを見ていただければ完全に「バンピングラインド」っていう感じの振りをしているので。見ていただければいいと思います。
(駒田健吾)わかりました。
(ジェーン・スー)まあ男性をこうやってバーッとかけてきまして。じゃあ、その当時ガールズグループはなにをしていたんだよ?っていうのがあると思うんですよ。まあ、これもすっごい量が出ていたんですよ。たぶん一番有名なのがSWVとかアン・ヴォーグ(En Vogue)とかなんですけど、あえてその影に、ものすっごい歌の上手い女の子たちがいたよということで。こちらもアトランタからですね、ご紹介したいと思います。エクスケイプ(Xscape)で『Who Can I Run To』。
Xscape『Who Can I Run To』
(駒田健吾)エクスケイプ。たしかに歌、聞かせますよね。
(ジェーン・スー)もともとこれ、1979年のザ・ジョーンズガールズのカバーなんですけど。
(駒田健吾)あ、そうなんだ。ちょっとレトロな雰囲気もただよっているなと思いながら聞いてましたけど。
(ジェーン・スー)まあ、この子たちが出た前後かな? これ、93年にデビューしてるんですけど。この前後ぐらいにたぶんデスチャ(Destiny’s Child)とかが出てくるんですけども。
(駒田健吾)うん。
(ジェーン・スー)もっと濃い感じですね。この子たちは。
(駒田健吾)いいですね。これ、1人きりで繰り返し聞きたいですね。
(ジェーン・スー)わかるわかる。これ、家族と聞く曲じゃないですね。たしかにね(笑)。この曲を聞くためだけの部屋とかほしいですよね。
(駒田健吾)そうそうそう。
(ジェーン・スー)一人暮らし部屋みたいな。
(駒田健吾)エクスケイプね。はい。
(ジェーン・スー)そしてもう1人なんですけど、この時期本当にたくさんいたんで、選ぶのに非常に頭を悩ましたんですが。まあ歌の上手さということだけで選ばせていただきました。個人的に、エクスケイプみたいなアメリカの土着的なソウルフルなものとはまた別にですね、個人でやっている人で歌が上手い人はハウスとの相性がいいという持論がありまして。持論っていうか、まあ誰かが言ったのを私が記憶してパクッているだけなんですけど。デボラ・コックス(Deborah Cox)。
(駒田健吾)あ、はじめて知っている!っていうのが……
(ジェーン・スー)よかった。そうなんですよね。広くいける才能を持った人だと思うんですけど。まあこの人、これは98年ですね。なんか知らないけど、聞くと涙が出てきちゃうっていうぐらいの。『Nobody’s Supposed To Be Here』。
Deborah Cox『Nobody’s Supposed To Be Here』
(駒田健吾)自由自在に声を操れる。本当にいいですね。
(ジェーン・スー)これだけ歌えたら、人生楽しいですよね。
(駒田健吾)コントロールがすごくいいピッチャーみたいに高低も深い浅いも全部できるっていうかね。
(ジェーン・スー)まあゴスペルの雰囲気も漂わせながら、彼女が歌っているのは「もう愛なんて諦めた。本当の愛をずっと探し続けて、そういうのはないと思ったのに、なぜこの部屋にあなたがいるの? またドアをノックする人が現れたのね!」みたいな。きゃー!
(駒田健吾)ああ、戻りたい! 独身時代に。いますぐ、独身時代に戻りたい!
(ジェーン・スー)(笑)
(駒田健吾)いや、そんなことを言ったら怒られますけどね(笑)。そういう欲求が心の底から沸き上げてくるようなね。いやー、いいわ。この曲、いいっすわ。
(ジェーン・スー)これ、大人の女の歌ですけども。まあ次は、早熟なシンガーということでテヴィン・キャンベル(Tevin Campbell)。『Can We Talk』を聞いてください。
Tevin Campbell『Can We Talk』
(駒田健吾)なんかいきなり有名な曲がかかると、面食らいますね。今日は。
(ジェーン・スー)いや、このへんでみんなが知ってる曲をかけとかないとマズいかな? と思って。でもこれは私、本当に好きな曲で。なんだろう? やっぱりクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)が見出して、まず彼のアルバムでフィーチャーして。その後、満を持して……2年後ぐらいでしたかね? ベイビーフェイス(Babyface)プロデュースで。
(駒田健吾)完璧。
(ジェーン・スー)こんな王道な人がいるか?っていう。
(駒田健吾)そりゃ売れるわと。
(ジェーン・スー)これもやっぱりオーバーグラウンドで、ちゃんとポップチャートで一位をとったと思うんですけども。やっぱり性愛の「性」を抜くと売れるっていうね(笑)。気がしてまいりましたけども。まあ、そんな中で、誰か忘れていないか? と。もしかしたら、聞いてらっしゃる方は思っているかもしれません。ボビー・ブラウン(Bobby Brown)です。
(駒田健吾)ああっ!
(ジェーン・スー)でも、ボビー・ブラウンって言えばみんな、ボビ男くんっていう髪型だとかね。いつの話をしてるんだ?っていう。
(駒田健吾)ボビ男と、あとホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)。この2つのワードが。
(ジェーン・スー)ねえ。あとやっぱりランニングマン的なダンスだったりとか言われますけど、なにを言ってるんだと。スロウ・ジャム、バラードにおいてもあんなに甘い声を出す人はいませんよということで、ボビー・ブラウンで『Roni』。
Bobby Brown『Roni』
(駒田健吾)ボビ男。
(ジェーン・スー)ボビ男。まあ、ボビ男とかホイットニー・ヒューストンの旦那さんでいろいろ問題があったとかいう情報ばっかり入ってきますけども、もともとはニュー・エディション(New Edition)というボーカルグループ。男の子5人? 4人? ちょっと出入りが激しいんでざっくり忘れましたけども……
(駒田健吾)懐かしすぎるワードが。ええ。
(ジェーン・スー)まあ、看板ボーイだったですけども。それこそさっき話していた、いちばん最初の方にかけたLSG。サブちゃん、鳥羽一郎、山本譲二ですね。の、3人がやっていたグループのジョニー・ギルは途中からニュー・エディションに入ってます。
(駒田健吾)あ、そうなんだ。へー!
(ジェーン・スー)やっぱりどっかでつながっているんですね。このシーンというか、この時期のものは。これ、結構あっさりしてかわいらしくていいなと思って。単純に自分の好きな女の子について歌ってるだけの曲で、そんなに性愛もないし。
(駒田健吾)これ、なに? めっちゃ売れたんですね。
(ジェーン・スー)これ、めちゃめちゃ売れましたよ。『Don’t Be Cruel』っていうアルバムは88年……そうだ。私、高校生だったんですよ。ボビー・ブラウンが来日して、大変でしたよ。単独公演がたぶんどっかでやったんだと思うんですけど行けなくて、対バンのやつしか行けなかったんだけど。対バン相手がカルロス・トシキ&オメガトライブ。そりゃ、カルロスの時はもう全然……
(駒田健吾)僕は絶対そっちですよ!
(ジェーン・スー)私はちょっと見ましたけども。オメガトライブかわいそうだったなっていう記憶でした。
(駒田健吾)ええーっ! そうなんだ。
(ジェーン・スー)ボビ男くんたちがだっていっぱい来ているわけですから。いい歌だよ。
(駒田健吾)久しぶりに聞いた。ボビー・ブラウン。
(ジェーン・スー)これ、88年で。今日かけた中でもひとつだけ時代が後ろなんですけど。いろいろね、30曲ぐらい選曲している時に、これだけは90年代、2000年代のものと混ぜてかけてもそんなに音色が遜色がないと思ってこれを選びました。
(駒田健吾)じゃあ、この後のお知らせの後はですね、「これはフルコーラスでかけてくれ」というスーさんの曲をご紹介しましょう。
(CM明け)
(駒田健吾)TBSラジオのスタジオから駒田健吾がお送りしてまいりました『Fine music』。最後にジェーン・スーさんが選んでくださった曲は何でしょうか?
(ジェーン・スー)トニ・トニ・トニ(Tony! Toni! Tone!)の『(Lay Your Head On My)Pillow』です。これから起きるという人も、これから寝るっていう人もいると思うんですけど。どちらも枕に頭をつけているかな? なんて思いまして。まあ、「寝ろ!」っていう歌なんですけど。これも爽やかに聞こえて、完全に性愛の歌ですね。
(駒田健吾)ああ、そうですか(笑)。
(ジェーン・スー)最初から最後まで、お騒がせしました。
(駒田健吾)いや、スーさん。またお待ちしていますよ。
(ジェーン・スー)かならず呼んでくださいね(笑)。毎回駒田さんにカセットテープを作ってくる気持ちで来ますから。「駒田くん、こんなのできたよ!」って。
(駒田健吾)なんかぶつけ合ったりしてもいいですね。得意なところを。
(ジェーン・スー)絶対楽しい! それ。
(駒田健吾)本当に、定期的にお願いします。
(ジェーン・スー)ありがとうございました。
(駒田健吾)ジェーン・スーさんがゲストでした。ありがとうございました。
Tony Toni Tone『Lay Your Head On My Pillow』
<書き起こしおわり>