ジェーン・スー恋愛通信講座「久々の恋のアプローチ法(43才バツイチ女性)」

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ジェーン・スーさんがTBSラジオ『ジェーン・スー生活は踊る』の悩み相談コーナーで43才バツイチ女性からの「久しぶりの恋のアプローチ方法がわからない」という相談に回答。「思い込みが激しい」という相談者に具体的で実践的な対策を紹介していました。

([し]10-2)ジェーン・スー 相談は踊る (ポプラ文庫)

(杉山真也)それでは今日の相談です。通算1146件目のお悩み。ラジオネーム「レモンサブレ」さん。43才女性からの相談です。「スーさん、杉山さん、こんにちは。土曜の『相談は踊る』の頃から楽しく拝聴しています。相談内容は仕事で知り合った方を好きになったのですがどうやってアプローチをしたらいいかアドバイスをいただきたいです。私は43才バツイチ、フリーランスでグラフィックデザイナーをしています。お相手の方は少し年上のクリエイターさんです。知り合った仕事というのは相手の方がメインで製作をしているものに私がデザインで関わったという感じです。

依頼を受けた際、仲介の方から他の作品を見せてもらい、私はこの方の作品が大好きだと感じ、会ったことも話したこともないのにこの方が好きだと思うようになってしまいました。こんなことははじめてです。とはいえ、現実はね……と日々自分に言い聞かせつつ、一度会ってみたいなと思っていたところ先日、偶然その方にお会いすることができたのです。そして幻滅するどころか、ますます好きになってしまいました。数人での飲み会に混ぜてもらい、とはいえどうにかなることもなくその日は終わり、今後会うこともなくこのまま仕事も終わりそうです。

話の様子からご結婚はされていないようですが、お付き合いされている方がいるかは不明です。中間でやり取りをしてくださった方とも仕事以外の話をするほどの仲ではないため、相談しづらいです。その方とのつながりがあるとすれば、TwitterやInstagramぐらいでしょうか。時々いいねをしたり、もらったりするぐらいです。実は心配していることが2つあります。ひとつ目は、私はここ10年ぐらいお付き合いをしたり、誰かに好かれたりしたことがありません。私から好きになった人は2人いたのですが、素振りを見せただけでどちらも露骨に避けられてしまいました。

なので、私に好かれたら相手は気持ち悪いと思うのでは? と考えるとなかなか行動に踏み出せません。もうひとつは私がなにか行動を起こすことで今回の作品がこの方にとって思い出したくもないものになるのだけは絶対に避けたいです。そんな状態ですが、とりあえず相手と普通に話せる間柄になれたらと思っているところです。40代モテない女が好きな相手にアプローチする際、なにを大事にしたらいいのか、アドバイスをいただけたら幸いです。また、文面でお気づきかと思いますが、私は思い込みが激しいところがあり、『お前、ここ気をつけろよ』的な客観的なご意見もお聞かせいただけたらと思っております」。

(ジェーン・スー)まるほど、43才、恋しちゃいました。10年ぶりに誰かと付き合いたい。まあ、「10年の間に2人ほど好きな人はできて、好意を見せたら露骨に逃げられた」って、これも思い込みでしょうね。すでにね。そこまで露骨じゃあなかったんじゃないかな? もしくは、好意の見せ方が思い込みの激しさで、よっぽどね、家の前で待っていたとかじゃない限り露骨に嫌な顔っていうのはなかなかされないとは思うんですけども……ただですね、私はこの方に一筋の光を見ています。

(杉山真也)はい。

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相談者に一筋の光を見る

(ジェーン・スー)それは、「バツイチ」。つまり、一度は誰かに「一生を共にしよう」という前提のもと、求められて承諾し、世の中に夫婦としてデビューしたことがあるということです。

(杉山真也)ええ。

(ジェーン・スー)これはですね、なにをおっしゃっているんだ。別に他の人と比較して自分を安心させる必要もないですけども……43才。誰ともお付き合いをしたことがいままでない。そしてはじめて恋をしたっていう人だって世の中にはいるわけですよ。それから考えたら、あんたはもう中級ぐらいの山登れるよっていう話なわけですよ。

(杉山真也)うんうん。

(ジェーン・スー)で、バツイチっていうことをもう少し自信につなげてほしいですね。私は過去に結婚をしていたことがある。男性に求められていたこともちゃんとあるんだって。ここ10年が上手くいっていなかったとしても、その結婚生活が散々だったとしても、43才未婚よりは43才バツイチの方が絶対にモテるから。女の人の場合。まあ、男もそうなんだけどねー。

(杉山真也)未婚のプロがそう話している。

(ジェーン・スー)そうそうそう。大変だよ、こっちなんて。もし私がこれから新しい出会いでも始めることになった「大丈夫、大丈夫。全然……責任とか全然とらないでいいから。大丈夫、もっと軽い感じで行こう!」っていう。最初からそれをすごい出していかないと相手にしてもらえないですからね。ビビられちゃってね。ロープを常に相手に……「ロープ、手の届くところに置いておいていいよ。ロープ、ロープ。いいよー」っていう。そういうリングの上がり方をしなくちゃいけないんで大変なんですけど。

(杉山真也)フフフ(笑)。

(ジェーン・スー)もうインスタとTwitterでつながっているんだから、ほぼほぼチャンスありですよ、これ。

(杉山真也)これ、私も相当チャンスありだと思いますよ。

(ジェーン・スー)ねえ。「スーパーチャーンス♪」だよね。

(杉山真也)「時々いいねをしたり、もらったりするぐらいです」って結構……。

(ジェーン・スー)これ、すごいことよ。で、思い込みが激しいということで、たぶん作品を見た途端に「この人の作品大好き!」。さらに会って「もっと好き!」って、これも思い込みですからね。でも、このぐらいの思い込みがないと40代の恋愛って始まらないんで。みんな恋をしていない子たちは「いやー、なんか腰が重くなっちゃって」ってみんな言っているんで。この腰の軽さはグー! バツイチもグー! フリーランスでグラフィックデザイナーもグー! じゃあ、なにに気をつければいいか? なにを大事にしたらいいのか? まあ、相手を追い詰めないことですよね。

(杉山真也)ほう。

(ジェーン・スー)「好きなんです!」みたいなことを過剰に出しすぎないようにすること。そのためにはどうしたらいいのか? 相手のことを好きだということを生活の最優先順位に持ってこないことです。

(杉山真也)はー、なるほど。

(ジェーン・スー)思い込みが激しい人が相手の男の人を好きだという気持ちをいちばんにしちゃうと、どんな美女だろうと若かろうが、金持ちだろうがなんだろうが、世の中でモテるとされる要素をどれだけ持っていても絶対に相手は怖くなるんですよ。

(杉山真也)うーん。男は若干それから逃れたくなってしまうみたいな?

(ジェーン・スー)そうそう。引かれちゃうんですよね。だからやっぱりそれ以外のことに意識を集中させるべきなんですが、じゃあなにをすればいいのか? 43才です。女です。あなたとお会いしたこともないけれど、私たちに必要なのは清潔感。

(杉山真也)ほう。

40代女性に必要なのは「清潔感」

(ジェーン・スー)40代女、なかなか清潔感をキープするのが大変なんですよ。ですから、まあ半年ぐらいのスパンで仲良くなるぐらいのつもりでいてください。この半年間であなたが具体的になにをするかを言います。まず、美容院に行く頻度をアップしてください。1ヶ月半とか2ヶ月に1回とかだったとしたら、1ヶ月に1回。4週間に1回、かならず美容院に行ってください。そして、洋服。もし自分の着ている服とかに自信がなかったら、パーソナルのスタイリストとかを1回でもいいからたのんで、自分に似合う服っていうのを客観的に選んでもらいます。

(杉山真也)うんうん。

(ジェーン・スー)自分の好きな服からそんなに乖離していなかったら、それを試す。あとはネイルに行く。それからエステに行く。なにをするか?っていうと、他の人から大事にされる時間をブワーッと増やすんですよ。他者から……これも金で解決なんですよ。

(杉山真也)来たっ!

今夜もカネで解決だ
Posted at 2018.6.5
ジェーン・スー
朝日新聞出版

(ジェーン・スー)そう。金で解決。他者から「あなたが1番。いま、この時間はあなたのことを大事にして、あなたをもっと良くするためにすごく尽力しているよ!」って人にやってもらう時間をブワーッて増やすんですよ。貯金がガーッて減っていきますけど、まあ一時の問題だ。その分、働け。

(杉山真也)ええ。

(ジェーン・スー)で、ブワーッて自分が大切にしてもらう時間を人工的に増やすと、これはやっぱり様子に出てくるんですね。清潔感も上がるし、なんとなく自分に自信も出てくる。これ、明らかに自分に自信がない人っていうのが出てくるんですけど、それこそちょっと昨日より髪のツヤがいいかなとか、昨日よりちょっと肌ツヤがいいかなっていうだけで気持ちは上がっていきますから。

(杉山真也)ええ。

(ジェーン・スー)で、エステに行ったりとか体のマッサージ……マッサージって言っても凝っている/凝っていないとかじゃなくて。まあ、グラフィックデザインやっているぐらいだから凝っていないわけはないと思うんだけど。40代になってくると首とかが埋まってくるんですよ。凝りで。あと背中の後ろが盛り上がってきたり。リンパドレナージュに行ってください。あ、大丈夫。40代になったらだいたい女同士「リンパを流す」で通じるんで。

(杉山真也)リンパをね。はい(笑)。

(ジェーン・スー)で、体を大事にする。ファッションを大事にする。いわゆる外側をまず誰かに大事にしてもらうことで「あっ、先月よりもちょっと私、マシじゃない?」みたいな感じに自分を持っていってください。と、同時にこれが大事ですよ。それとはパチッとスイッチを切り替えて、向こうとSNSがつながっているんだったら全部見てください。どんどんさかのぼる。SNSほど饒舌にその人の人柄を語るものはない!

(杉山真也)ああー。

(ジェーン・スー)更新頻度がそんなに頻繁じゃなければ、SNS以外の生活が充実しているっていうことがわかるし。なんでもかんでもアップしているようなのであれば写真とかをよく見て、なにが好きなのかとか、どういうところに行くと楽しそうなのかとか。この人はこういうのを褒められると喜ぶんだなとか。こういうのが信条なんだなっていうのは全部わかりますから。全部さかのぼって見る。

(杉山真也)ええ。

(ジェーン・スー)40の目薬をさして、目をシバシバさせながらチェックして。で、だいたいわかります。軽くメモを取っていけば。ただ、それは絶対に相手にバレないようにしてください。「ああ、3年前の投稿であそこの喫茶店に行ってましたよね」は超怖いから。

(杉山真也)フハハハハッ! それはね。

(ジェーン・スー)まず自分をきれいにして、彼以外の人に大事にしてもらうという時間をブワーッと作って。だってさ、自分に好意を持っているかどうかわからない相手がさ、自分に好意を持つかどうかって考えた時、「あなたからの愛がほしいの!」って渇望している相手と、「あ、なんかこの人、満たされている感じがするな。ゆったりしてる感じがするな」っていう相手だったら、後者の方が好感は持たれると思うんですよ。

(杉山真也)うんうん。

(ジェーン・スー)そういうことを考えると……自分を大事にされて、同時に相手を観察してなんとなく相手の性格とかを知った時に、ここで問題。「意外と好きじゃないかもしれない」とか「意外と気が合わないかもしれない」とかってことがわかることもあるわけですよ。

(杉山真也)ああ、なんか映画っぽい感じ。

(ジェーン・スー)「あれーっ? 知れば知るほど思い込みだったかもしれないー」っていう可能性があるんですよ。

(杉山真也)フハハハハハッ! 百人一首みたい(笑)。

(ジェーン・スー)そうそうそう。パーン! 「知れば知るほど……」「パーン! 思い込み!」っていう。あるんです。本当にあるんです。仕事に対してのやり方とか、なんかいろいろと。「あれっ? ちょっと鼻につく」とか「部下を大事にしていない」とかいろいろと出てくるんですよ。

(杉山真也)アハハハハハッ!

(ジェーン・スー)もしかしたらますます好きになるかもしれないけど。いまね、思い込みが強い人ってなにが問題か?っていうと、エビデンス(根拠・証拠)が全く足りない状態で自分の推察だけでどんどん実体を固めていくんですよ。それを世の中では「思い込み」と言うんです。大事なのは「エビデンス」。だから向こうをエビデンス……つまり論より証拠ですね。あなたは1人で論を立てすぎているんで、証拠としてのSNSを見ながらそれをやっていく。そうすると同時に、それでも彼のことが好きだったら「こういうのをやったら向こうが好きになる」みたいなのもわかるんですよ。

(杉山真也)ほう。

大事なのは「エビデンス」

(ジェーン・スー)「たぶんこういうの、好きだな」とかっていうのがだいたいわかるようになっていくんで。その打率を上げていく。写真とか書くこととかなんでもいいんですけど。ただ、「クレクレ」になっちゃダメですよ。絶対に。「こういうのを欲しがってるうな」ってならないようにしながら、ちょっとそういうので自分の生活とかを写真をアップしてみたりとか。なにかしてみたりして向こうのいいねの頻度が上がってきたなと感じたら、今度は向こうがどっかで飲んだ黒ビールとかあるじゃん? 「美味しそう。今度、連れて行ってください」って。

(杉山真也)ああ、そこではじめて仕掛ける?

(ジェーン・スー)そうです。そこまでの間にたぶんお仕事が終わると思うので。そのお仕事が終わった時には「本当にありがとうございました。とても素敵な作品にかかわれて私もとても光栄でした。よかったらどこかで打ち上げとかできたらうれしいですね。じゃあ」みたいな感じでサラッとしておいて……そこから向こうが誘ってこなくても気にしない。SNSでやり取りしているうちに「いいですね」って。

(杉山真也)じゃあメッセージのやり取りはしているけど、あんまり早まらない方がいいよっていう?

(ジェーン・スー)絶対に早まらない方がいい。好意を伝えるのも早まらない方がいい。とにかく自分自身を人の手を借りて、金の力を借りてアップリフトした後、自分の気持ちをグッと上げた後、観察したところから甲冑と甲冑の隙間からスッと刀を入れる。

(杉山真也)くはっ!

(ジェーン・スー)スッ……ブスッ!

(杉山真也)急所、入った!

(ジェーン・スー)そう。まず足から動けなくするみたいなことで。

(杉山真也)フハハハハハッ!

(ジェーン・スー)あの、「どうしよう、スーさん。私、久しぶりに好きな人ができちゃったんだけど。でも、私に好かれたら相手は気持ち悪いと思うのでは?」とか言っている暇はないんです。マジで。あのね、「相手は私に好かれたら気持ち悪いと思うのでは?」っていうのがまず仮定じゃん? で、そっからの推察は全部仮定じゃん? 仮定の上に仮定を並べて……曲芸? だってグラッグラの仮定の上にグラグラの仮定を乗せてまたその上にグラグラのグラグラの……もう思い込みサルティンバンコみたいになっているの!

(杉山真也)フハハハハハッ! 何重にもね。

(ジェーン・スー)そう。曲芸。それはやめてください。

(杉山真也)曲芸師は引退してください。

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Posted at 2018.6.5
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

(ジェーン・スー)「思い出したくない作品になる」とか、ないから!

(杉山真也)絶対にないです。それは。

(ジェーン・スー)みんなそこまで考えてないから。なので、思い込みをし始めたなと自分で思ったら、証拠、証拠。まずは観察。エビデンス。それで自分を正気に戻して、半年かけて向こうに誘いをかけて1回飲みに行って、そこからだね。その時、また連絡ください。また、指示を出す!

赤江珠緒も相談回答を絶賛

番組終了間際、赤江珠緒さんとのクロストークの中で赤江さんもスーさんの回答を絶賛していました。

(赤江珠緒)いやー、今日のスーさんの悩み相談の回答が素晴らしかったですね。「思い込みのサルティンバンコ」って(笑)。

(ジェーン・スー)思い込みのサルティンバンコ(笑)。だって、仮定に仮定をどんどん不安定な形で足されていって。

(赤江珠緒)曲芸ね、本当。

(ジェーン・スー)曲芸ですよ!

(赤江珠緒)本当ですよ。あと「リンパを流せ」ね。「うんうん!」って思いました。

(ジェーン・スー)だいたいの問題はリンパを流せば解決するっていう(笑)。

(赤江珠緒)アハハハハハッ! 面白かったですわ(笑)。

<書き起こしおわり>



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