ジェーン・スーと高橋芳朗 2016年グラミー賞を振り返る

ジェーン・スーと高橋芳朗 2016年グラミー賞を振り返る ジェーン・スー 相談は踊る

ジェーン・スーさんと高橋芳朗さんがTBSラジオ『グラミー賞でも踊る』で2016年2月15日に開催された第58回グラミー賞を振り返り。パフォーマンスの音源を聞きながら解説をしていました。

(ジェーン・スー)こんばんは。2月21日日曜日、夜7時になりました。作詞家でコラムニスト、アラフォー、生粋の日本人。人生の酸いも甘いも踊り食いしてきたジェーン・スーです!この番組『ジェーン・スーと高橋芳朗 グラミー賞でも踊る』は毎週土曜日、夜7時からTBSラジオで放送している週末お悩み解消系ラジオ『ジェーン・スー相談は踊る』のスピンオフ番組でございます。今週のアメリカ現地時間15日月曜日の夜。日本時間では火曜日の午前10時。アメリカ、ロスアンゼルスのステイプルズセンターで第58回グラミー賞が発表されました。このグラミー賞のステージで行われたライブ。その実際の音源をバンバン流していくという、まさにスペシャルウィークに相応しい、スペシャルな試みです。それが、この『グラミー賞でも踊る』。今夜グラミー賞について私にビシッと解説してくれるのは、もちろんこの方です!

(高橋芳朗)こんばんは!音楽ジャーナリストの高橋芳朗です。

(ジェーン・スー)イエイイエーイ!

(高橋芳朗)イエーイ!Don’t believe me just watch!

(ジェーン・スー)ジャカジャカッ♪ジャカジャカッ♪

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)ぴったり息もあっておりますけども。私ども。今夜は、グラミー賞のステージでバンバン演奏された曲。そして、そもそもグラミー賞とは何なのか?そのあたりを全部解説してもらおうと思うんですが。さっそくヨシくん、お願いします。グラミー賞、これなんですか?

(高橋芳朗)グラミー賞はですね、1959年に始まった、世界最高峰の音楽賞ですね。映画で言うアカデミー賞ですよ。で、これ、カテゴリーが毎年見直しが行われてですね。今年はトータルで83部門ですか。その中で、年間最優秀アルバム、年間最優秀レコード、年間最優秀楽曲、年間最優秀新人賞。こちら、主要4部門と言われて、まあいちばん注目されているカテゴリーですね。で、グラミー賞。もう単なる授賞式セレモニーじゃありません。これ、やっぱりね、ライブパフォーマンスも非常に見応えがあってですね。まあ、この場限りのスペシャルなコラボレーションがたくさん楽しめる。

(ジェーン・スー)ありますね。それ、楽しみですね。

(高橋芳朗)豪華なライブが見られます。そんな感じですかね?

(ジェーン・スー)そんな感じでいいですか?わかりました。さっそくでは、今年のグラミー賞のライブ音源、聞いてみましょうか。

(高橋芳朗)はい。まず一発目はですね、現地グラミー賞のステージでもオープニングを飾りましたこの人のパフォーマンスから行ってみましょう。テイラー・スウィフト(Taylor Swift)で『Out Of The Woods』です。

Taylor Swift『Out Of The Woods』

(高橋芳朗)はい。というわけで1曲目はテイラー・スウィフトで『Out Of The Woods』。聞いていただきました。

(ジェーン・スー)はい。こちらパフォーマンスの方でも、黒いピタッとしたジャンプスーツのような。

(高橋芳朗)なんかブルース・リーのね、トラックスーツの黒バージョンみたいなやつですね。

(ジェーン・スー)その、ジャンプスーツとトラックスーツの間みたいな、よくわからないような。とにかく、スタイルがいい。顔がかわいい。そして、この直前に髪をパスッとボブにしてきましたね。

(高橋芳朗)ああ、ショートヘア。結構似合って、素敵でしたね。

(ジェーン・スー)久しぶりでしたね。この顎のラインで。あ、初めてか?あんな短いの。

(高橋芳朗)じゃない?

(ジェーン・スー)そうですよね。だけどさ、いきなりこんなことを言うのもなんだけどさ。もう誰もが知ってるテイラー・スウィフト。日本だったらそれこそ、『テラスハウス』の主題歌。

(高橋芳朗)はいはい。『We Are Never Ever Getting Back Together』です。これ、見ないとわかんないですね。

(ジェーン・スー)『私たちは絶対に絶対に寄りを戻したりなんかしない』っていう。あの曲でドーン!とメジャーになりましたけど。

(高橋芳朗)そうですね。

(ジェーン・スー)あの時には、すでにおしゃれなテイラーさんでしたけど。もともとはカントリー歌手ですよね。

(高橋芳朗)でもまさにその、『私たちは絶対に絶対に寄りを戻したりなんかしない』ぐらいからポップに振れたんですよ。だからあの曲は、彼氏との決別でもあるし。カントリーとの決別でもある。

(ジェーン・スー)『寄りを戻さない』っていうことだ。

(高橋芳朗)ダブルミーニングとも言える。

(ジェーン・スー)なるほど。『Taylor Swift Debut(テイラー・スウィフト デビュー)』って書いてこれ、画像検索するとみなさん、びっくりしますよ。知らない人が出てきます。

(高橋芳朗)(笑)。そんなこと、やってんの!?

(ジェーン・スー)そう。やってる。私、性格悪いんだ。まあ、いまは本当に飛ぶ鳥を落とす勢いの。ディーヴァ感が出てきたね。やっぱ売れてきて。ポップ界を背負うっていう感じになってきてましたけども。

(高橋芳朗)この人、すぐね、彼氏と別れた曲を題材にしちゃうんだけど。このいまお送りした『Out Of The Woods』はですね、ワン・ダイレクション(One Direction)のハリー・スタイルズ(Harry Styles)。ちょっと強風に吹かれたみたいな頭の人、いるでしょ?あの人とのことを歌っていると言われています。

(ジェーン・スー)あ、そうなんですね。

(高橋芳朗)そんな曲を、こんなね、国民的セレモニーのオープニングでやるっていうのがね。

(ジェーン・スー)すっごい。カマキリみたいですね。

(高橋芳朗)ですね(笑)。

(ジェーン・スー)コトを起こした後に、食っちゃうっていうね。見習いたい。

(高橋芳朗)カマキリばりに細いしね。

(ジェーン・スー)さあ、このテイラー・スウィフトもノミネートされていました今年のグラミー賞。どんな結果になったんでしょうか?

(高橋芳朗)はい。じゃあ、主要4部門。結果をちょっと発表しますね。まず、年間最優秀レコード。レコード・オブ・ジ・イヤーはマーク・ロンソン(Mark Ronson) feat.ブルーノマーズ(Bruno Mars)の『Uptown Funk』。これ、先日のスーパーボウルのハーフタイムショーでも披露していましたけども。

(ジェーン・スー)やってましたねー。流行りましたねー。

(高橋芳朗)で、年間最優秀アルバム。アルバム・オブ・ジ・イヤーはいま聞いていただきました、テイラー・スウィフト『Out Of The Woods』も入っています、彼女の『1989』。これ、テイラーは女性アーティストとして史上初の2度目のアルバム・オブ・ジ・イヤー受賞になります。

(ジェーン・スー)まだデビューして10年もたってないのに、すごいよね。本当。

(高橋芳朗)まあ、出すたびにノミネートされてますからね。はい。で、年間最優秀楽曲賞。ソング・オブ・ジ・イヤーはエド・シーラン(Ed Sheeran)『Thinking Out Loud』。これ、いまね、もう世界各国的にウェディングソングの定番となっておりますロマンティックなバラードですよね。本当に素敵な曲でございます。

(ジェーン・スー)エド・シーランの顔を見てもわからない。名前を聞いてもわからないっていう人も、曲を聞いたら、『あっ、この人だ!』って思うかもしれないですよね。しかも、エド・シーラン。結構何年もエントリーだけされていたんですよね。

(高橋芳朗)そうなんです。ずーっとノミネートされて、とれなくて、とれなくて。やっととれた。

(ジェーン・スー)よかったねー。

(高橋芳朗)今回、しかもお父さんお母さんも呼んでいたっていう(笑)。

(ジェーン・スー)そうそう。そういう時にやっぱりとれるといいですよね。

(高橋芳朗)おめでとうございます。で、最優秀新人賞。ベスト・ニュー・アーティストはメーガン・トレーナー(Meghan Trainor)。ぽっちゃり女子応援ソングとして日本でも話題になりました『All About That Bass』という曲で脚光を浴びた・・・

(ジェーン・スー)はい。チャビーな女の子でございますけども。彼女に対してはちょっと言いたいことがひとつあるけど。後で、追い追い話すよ。

(高橋芳朗)そういうセクションがありますから(笑)。

(ジェーン・スー)さあ、我々2人はこの受賞結果、そして授賞式自体をどう見たか?ということなんですけども。ヨシくん、どうでした?今年のグラミー。

(高橋芳朗)あのねー、まあ、とるべき人がとったところもあるとは思うんですけど。いまの主要4部門を見ても。なんかね、大見出しになるようなトピックがちょっとないかな?っていう気がしますね。

(ジェーン・スー)たしかに。去年で言ったら、どんなことがあったんでしたっけ?

(高橋芳朗)たとえば去年は『Black Lives Matter』って言ってさ、黒人の人種差別に抗議するムーブメントがセレモニーを通してあったり。

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(ジェーン・スー)はい。

(高橋芳朗)一昨年も、LGBTですか。性的マイノリティーを支援しようみたいな、そういうトーンがあったんですけども。今年はちょっと、そういうズシッと来るようなものが・・・

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(ジェーン・スー)なかったよね。その、トリビュートということはテーマとしてあった気がしたけど。

(高橋芳朗)そうですね。レジェンドが結構去年の年末から今年の頭にかけてバタバタッと亡くなっちゃったんで。それに対するトリビュートパフォーマンスが多かったっていうのはあるけれども。なんかね、パンチがないというか。

(ジェーン・スー)地味でしたね。正直、私の印象では。

(高橋芳朗)僕もいままで、ずっとそのフレーズを避けてたんですけども。地味でしたね。

(ジェーン・スー)はっきり私は言ってしまいましたけど。地味でしたね。悪くないんですよ。もちろん。何様だ?っていう話しですよ。どこ目線で話してるんだ?っていう話で。悪くはないんですけど、たとえば、あれは何年前だったかな?ブルーノ・マーズが初めて大きい舞台でグラミーでやった時の、エンターテイメントとして新しいものがドーン!と出てきたっていうあの高揚感とか。

(高橋芳朗)はいはいはい。

(ジェーン・スー)後は一昨年、マックルモア&ライアン・ルイス(Macklemore & Ryan Lewis)のやった、LGBTの100人ぐらいですか?一般人の合同結婚式。で、マドンナがサプライズにほぼ近い形で出てきて。

(高橋芳朗)『Open Your Heart』ね。

(ジェーン・スー)そう。ずーっとそういう、弱者の地位っていうのを確立するために偏見をどれだけ取り除くか?っていうことに、ずーっとエンターテイメントを通して尽力してきた人が出てきた時のあのカタルシスみたいな、グラミーだから!っていうのが実はなかったんですよね。

(高橋芳朗)そうなのよ。だから僕も一昨年と去年は荻上チキさんの『Sessin22』に出させていただいて、グラミーレポートみたいなのをやったんだけど。今年はこれ、ちょっとやりづらいですね。

(ジェーン・スー)たしかに。そんな時に私たち、特番でございますけども。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)まあ、アメリカの世相みたいなものを如実に反映するじゃないですか。グラミーって。それこそ、2年ぐらい前には同性婚っていうのが各州で結構、メジャーとは言わないけども議題に上り・・・

(高橋芳朗)まあ、オバマもそれについてステートメントを発表してたりしたしさ。

(ジェーン・スー)去年は『Black Lives Matter』っていうのがありましたけど。今年は大統領選挙とかがあるから、もっと何かあるか?と思ったら・・・

(高橋芳朗)そうですね。もうちょっと政治的な・・・まあ、そういうパフォーマンスもね、これから紹介する中にはあるんですけども。なんか1本筋の通ったものはなかったかな?うん。アメリカではどんな反応だったか?っていうと、そうなんです。これもちょっと言っておかなくちゃいけないんですよね。あの、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)。

(ジェーン・スー)はい。

(高橋芳朗)今回ですね、最多ノミネートだったんですね。11部門。これは1983年のマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の12部門ノミネートに次ぐ快挙で。まあ彼がどれぐらいとるか?っていうのがひとつの焦点にはなっていたんですけども。まあ結果、最多の5部門はとっているんですよ。5部門とっているんですけど、主要部門を逃したと。

(ジェーン・スー)これさ、私たち、パッと聞きだとわからないと思いますけど。『主要部門を逃したって、別にいいじゃない』って思うかもしれないけど、どういう影響差があるんですか?

(高橋芳朗)やっぱね、ケンドリック・ラマーで言うと、最優秀ラップ部門ではとっているんですよ。でも、やっぱりヒップホップフィールド内だけでの評価よりも、そこから出て、ポップミュージック全体で評価されてこその、ヒップホップの広まりとか、メッセージがどんどん拡散していくじゃないですか。

(ジェーン・スー)これ、オリコン10位内に入らなかったみたいなもんだよね。

(高橋芳朗)もっとじゃないですか?

(ジェーン・スー)いや、オリコンって10位内に入らないと、いろんな番組で紹介とかしてもらえないんですよ。

(高橋芳朗)そうか。そこで切られちゃうわけだ。

(ジェーン・スー)だから10位と11位に雲泥の差があって。私、レコード会社の時に結構それでみんな大変だったんですけど。10位内だったら、あの番組でも、この番組でも紹介される。ネットでもニュースになる。だから、拡散力がぜんぜん違うの。11位になった瞬間に、誰も知らないっていうね。

(高橋芳朗)そっか。だから、ケンドリック・ラマーも5部門をとっているんですけども、主要部門でとれなかったことによって、それこそ、主要部門をとっていれば見出しになったんですよ。『今年はケンドリック・ラマーの年だった』みたいなことになったんですけど。そこがちょっと残念だったな。

(ジェーン・スー)なるほどね。じゃあちょっとこのへんで、グラミーのライブ音源。そのケンドリック・ラマーを聞きましょうよ。

(高橋芳朗)行ってみましょうか。これ、要説明ですね。かなりね、シアトリカルなパフォーマンス。かつ、メッセージ色が濃厚だったんで。ちょっと説明させてください。まあ今回のグラミー賞のベストパフォーマンスであり、グラミーの歴史に残る素晴らしいパフォーマンスだったと言っていいと思います。

(ジェーン・スー)私は結構びっくりしました。これ、やるか!?と思って。ただ、アメリカすごいなと思うのは、この演出やりますって言った時に止められないっていうのが。『いや、さすがにそれはダメですよ』とは誰も言わないところがアメリカのエンターテイメントの強さだなとも思いましたね。

(高橋芳朗)まあ、懐の深さですよね。

(ジェーン・スー)いま、やるべきだと思ったんでしょうね。

(高橋芳朗)そうそう。アメリカでは、ここ数年ね、無抵抗の黒人が白人警官によって殺害されたり暴行されたりするような事件が相次いでいて。その抗議運動が、さっきからたびたび出てきている『Black Lives Matter(黒人の命だって大切なんだ』っていうムーブメントで。これが全米各地で起こっていると。で、ケンドリック・ラマーはその『Black Lives Matter』のムーブメントを音楽側から引っ張っていった急先鋒みたいな存在で。このステージでも、黒人差別問題を強烈に打ち出しつつ、自分たちのルーツですか。アフリカ系アメリカ人としてのアイデンティティーというか、帰属意識みたいなものを再確認するような、メッセージ性の強いパフォーマンスを披露したわけですね。で、パフォーマンス自体は非常に演劇的と言いますか。

(ジェーン・スー)そうですね。

(高橋芳朗)最初は刑務所をイメージしたセットの中で、ケンドリックは囚人服姿で。で、手足を鎖でつながれた状態で登場して。『The Blacker The Berry』という曲をまずパフォーマンスするんですね。で、その後、燃え盛る巨大な炎をバックに、アフリカ民族調のダンサーを従えて、『Alright』という曲をやる。その後、最後にアフリカ大陸が描かれたでっかいバックドロップを背に、新曲の『Untitled 3』という曲をパフォームするわけですけども。じゃあこれをさっそく、行っちゃいましょうか。

(ジェーン・スー)そうですね。

(高橋芳朗)じゃあケンドリック・ラマーでこれ、メドレーですね。『The Blacker The Berry』『Alright』『Untitled 3』。聞いてください。

Kendrick Lamar Grammy Performance

(ジェーン・スー)今週月曜の夜にアメリカで発表された第58回グラミー賞。その授賞式でのライブ音源をお聞きいただいております。お送りしたのは、ケンドリック・ラマーで『The Blacker The Berry』『Alright』『Untitled 3』。続けてお聞きいただきました。私、この映像を見て、『うわーっ!』ってなったんですけど。このすごさって音源だけでも伝わるのかな?ってちょっと実は心配だったんですが。ガチガチに伝わるね。

(高橋芳朗)うわーっ!かっこいいですね。

(ジェーン・スー)あまりの説得力にびっくりして。

(高橋芳朗)逆に音源だからこそわかる、新たな魅力みたいなのも・・・

(ジェーン・スー)どうですか?映像があるのとないのとで、なんか違いはありました?はっきり。

(高橋芳朗)やっぱりね、ジャズな魅力が音源だけで聞いている方がより明確に伝わってくるかな?と思いますけどね。

(ジェーン・スー)『Alright』のあたり、映像だとかなりアフリカを感じさせる演出になっているんですけど。

(高橋芳朗)そうですね。トライバルな感じだったけれども。

(ジェーン・スー)音だけで聞くと、もう完全にジャズ・インプロビゼーションのような。

(高橋芳朗)あと、言葉が溢れ出てくるようなラップパフォーマンスの強さみたいなところもね。

(ジェーン・スー)そして最後。『Untitled3』を歌った後に、ケンドリックの後ろにバーン!と白いアフリカの地図。そして真ん中に『Compton(コンプトン)』。このコンプトンというのをですね、ヒップホップに親しみがない人にとっては何のこっちゃ?だと思うんですけども。どんな地域なんでしょうか?

(高橋芳朗)コンプトンはアメリカでも有数の犯罪多発地域なんですけども。

(ジェーン・スー)ロスの方ですよね。西海岸ですよね。

(高橋芳朗)そうですね。アメリカの西海岸なんですけども。特に、ヒップホップファンの間では悪名高い街として知られているんですが。それはなぜか?っていうと、N.W.A.っていう、ギャングスタラップのゴッドファーザーみたいなグループの出身がそのコンプトンなんですね。

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(ジェーン・スー)そうだ。

(高橋芳朗)で、ケンドリック・ラマーはその最悪の犯罪都市コンプトンから出てきた優等生。グッドキッドとして出てきたところがまた面白いバックグラウンドなんですよね。

(ジェーン・スー)それがアルバムのタイトルになってましたよね?

(高橋芳朗)メジャーデビューアルバムが『Good Kid, M.A.A.D City』。『イカれた街からやってきた優等生』みたいな。

(ジェーン・スー)パッと見も、だから怖い感じじゃ全くないんですよね。

(高橋芳朗)そうですね。

(ジェーン・スー)そこが新しいなと思う。まあ、そういう人はね、コンプトン以外ではいっぱいいるんですけどね(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)パッと見が怖くない人はコンプトン以外ではいっぱいいるんですけど。いままで、私たちが知っているコンプトンだと、いちばんがN.W.A.。そしてその次がやっぱりスヌープとかあっち系なので。なかなか、ギャングスタというところと・・・

(高橋芳朗)そう。ギャングスタラップの街っていうイメージがあるから。そこからこういうね、社会派メッセージを打ち出してくるラッパーが出てきたっていうのはそれだけでまあ、結構ショッキングだった。

(ジェーン・スー)ディレクターには『次にそろそろ行け』って言われてるんですけど。実は私たち、このケンドリック・ラマーだけで1時間、番組ができるぞ!と。

(高橋芳朗)なんなら2時間やっちゃいたいぐらい(笑)。

(ジェーン・スー)やっちゃうぞ!っていうぐらい、思うところはあるんですよ。まあしかし、他にもいっぱい紹介しなきゃいけないのはありますから。そろそろ次に行きましょうか。

(高橋芳朗)行きましょうか。

(ジェーン・スー)さあ、続いての今年のグラミーライブ。どれをかけましょうかね?

(高橋芳朗)続いては、じゃあアラバマ・シェイクス(Alabama Shakes)の『Don’t Wanna Fight』って曲、行ってみましょうかね。アラバマ・シェイクスはアメリカ南部、アラバマ出身のブルースロックバンドで。2013年のグラミー賞では最優秀新人賞にノミネートされていたんですけど、今回初受賞で。最優秀ロックソング賞など、4部門、受賞しております。結構ファンキー&ヘビーでダークなブルースロックですね。

(ジェーン・スー)これはね、本当に日本ではそんなに知名度が高くないと思うんですけど。聞き応えったらないわよ、あなた!っていうぐらいの重厚なサウンドですね。

(高橋芳朗)そうですね。あの、まあとにかくボーカルのブリタニー・ハワード(Brittany Howard)っていう女性の迫力がすごいんで。そちらを注目して聞いてください。アラバマ・シェイクスで『Don’t Wanna Fight』です。

Alabama Shakes『Don’t Wanna Fight』

(高橋芳朗)アラバマ・シェイクスで『Don’t Wanna Fight』、聞いていただきました。

(ジェーン・スー)私、初めてこのアラバマ・シェイクスのライブを見たんですけども。迫力あったねー!

(高橋芳朗)さっきも言いましたけど、ボーカルのブリタニー・ハワードさん。もう肝っ玉母さん系だよね。完全にね。

(ジェーン・スー)もう、大きさに親近感だよね。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)アデル(Adelle)とかさ、メーガン・トレーナーとかさ、ちょいちょい痩せやがってさ!

(高橋芳朗)痩せたね!メーガン・トレーナーもね。

(ジェーン・スー)痩せたね!

(高橋芳朗)アデルもきれいになったよな。本当に。

(ジェーン・スー)本当。裏切りだよ。チーム裏切りだよ。

(高橋芳朗)その中でも、やっぱアラバマ・シェイクスね、信頼できるよ(笑)。

(ジェーン・スー)信頼できる。でも、誰もがここから抜けようとしてるんだ。騙し合いなんだ!

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)まあ、それは置いておいて。次の今年のグラミー賞ライブは、何にしましょうか?

(高橋芳朗)はい。次はザ・ウィークエンド(The Weeknd)で『Can’t Feel My Face』と『In The Night』をメドレーで聞いていただきたいんですけども。ザ・ウィークエンドはカナダ出身のR&Bシンガーで、今回、テイラー・スウィフトと並ぶ7部門にノミネートされて、結果、最優秀R&Bパフォーマンス賞など2部門を受賞しております。

(ジェーン・スー)結構注目のアーティストとしてここ1、2年、ザワザワしてますけども。実体がわかんないみたいなところ、多いですよね。

(高橋芳朗)あのね、もともと結構耽美的な、結構ゴスい、ダークなR&Bをやっていたんですけど。このアルバムから、テイラー・スウィフトとかケイティ・ペリー(Katy Perry)とかを手がけているようなプロデューサーを起用して、ちょっとポップ志向になって。そしたら、ドカン!と大ブレイクしたんですけども。このメドレーはね、モロに2曲とも、マイケル・ジャクソンオマージュです。

(ジェーン・スー)うん。

(高橋芳朗)『Can’t Feel My Face』は『Rock With You』とか『Bad』みたいなマイケルのダンスチューンのいいとこ取りみたいな曲で。『In The Night』はモロ、『The Way You Make Me Feel』のオマージュとなっておりますので、そのへん、注目して聞いてください。ザ・ウィークエンドで『Can’t Feel My Face』『In The Night』。メドレーでお聞きください。

The Weeknd『Can’t Feel My Face』『In The Night』

(高橋芳朗)はい。ザ・ウィークエンドで『Can’t Feel My Face』『In The Night』。聞いていただきました。

(ジェーン・スー)あの、ザ・ウィークエンドって、ビジュアルで見ると結構耽美的な要素だったりとか、ちょっとダークな感じとかがあって。

(高橋芳朗)ちょっと奇抜なヘアスタイルだったりするから。

(ジェーン・スー)そうそうそう。そういうのが印象に残っちゃうっていうのがあるけど。こうやってライブ音源をラジオで聞くと、マイケル感ってめちゃめちゃあるんだね。

(高橋芳朗)そうですね。めっちゃマイケルフォロワーっていう感じですけどね。

(ジェーン・スー)ねえ。ぜんぜん気がつかなかった。

(高橋芳朗)そうですか。

(ジェーン・スー)ラジオで聞いてわかったっていう感じ、ありますね。

(高橋芳朗)たしかに。そこがちょっと強調されますね。

(ジェーン・スー)に、しても、2曲。ずいぶん・・・新人に近いじゃん?ほぼ。野面で2曲やらされて、ちょっと荷が重かったんじゃないの?っていう気がしますけどね。

(高橋芳朗)さすが!鋭い!ジェーン・スー、鋭い!

(ジェーン・スー)と、言うと?

(高橋芳朗)本来はですね、このパフォーマンスにローリン・ヒル(Lauryn Hill)がゲスト参加するはずだったんです。ローリン・ヒル、ジェーン・スー世代にはたまらないラッパー、シンガーですよね?

(ジェーン・スー)そうですね。女優さんでもありましたし。

(高橋芳朗)グラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞した、初のヒップホップアーティストですね。

(ジェーン・スー)そうだ。『Doo-Wop』の時だ。

(高橋芳朗)彼女が参加するはずだったんです。しかも、リハーサルもやったんです。

(ジェーン・スー)えっ?そこまでやったの?

(高橋芳朗)でも、来ない(笑)。

(ジェーン・スー)あのね、ローリンは数ヶ月前に日本のビルボードでめちゃめちゃ高い値段のライブをやったんですよ。5万だか8万だか忘れましたけど。

(高橋芳朗)半年ぐらい前かな?

(ジェーン・スー)半年ぐらい前でしたっけ?あん時、よくやったね。グラミーに遅れて、ビルボードに来るってどういうことよ?

(高橋芳朗)(笑)。あん時もみなさん、警戒してましたからね。本当に来るんだろうか?やるんだろうか?ってね。

(ジェーン・スー)うん。この人と言えば、やっぱり遅刻っていうぐらいのね。ありますよね。マドンナの2時間遅れなんて、かわいいもんだっていうね。

(高橋芳朗)来ないからね(笑)。

(ジェーン・スー)来ない!基本、ローリン・ヒルは来ないから。だからグラミーね。これさ、ザ・ウィークエンド、かわいそうだね。ローリン・ヒルをやれたら、結構これ、一面よ。

(高橋芳朗)そうそう。もしかしたらね、それこそケンドリックと並ぶ、今年の重要パフォーマンスと言われたかもしれないのにね。

(ジェーン・スー)それが、野面で。しかも普通に2曲メドレー。かわいそう!本当に。

(高橋芳朗)話が違う!っていうことになってますよ。きっとね。

(ジェーン・スー)はい。まあ、そんな感じでケンドリック・ラマー、ザ・ウィークエンドというね、新しい人たちがどんどん出てきた年でもあったんですが。その、対称的にもうひとつ、今年のグラミーのテーマがありましたよね。トリビュート。

(高橋芳朗)そうですね。今年はトリビュートパフォーマンスが多かったんです。去年の年末から今年にかけて、結構亡くなったアーティストが多かったこともあって。その追悼パフォーマンスが結構ありましたね。ちょっとざっと挙げて行きましょうか。アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)のモーリス・ホワイト(Maurice White)。

(ジェーン・スー)結構グラミー直前に亡くなってましたね。

(高橋芳朗)そうでしたね。あと、イーグルス(The Eagles)のグレン・フライ(Glenn Frey)。あと、デビッド・ボウイ(David Bowie)。あと、去年亡くなってますけども、B.B.キング(B. B. King)。あと、モーターヘッド(Motorhead)のレミー・キルミスター(Lemmy Kilmister)。あと、ちょっと亡くなってから時間がたってますけども、マイケル・ジャクソン。

(ジェーン・スー)たしかに。

(高橋芳朗)あとちょっと、これはまだ存命なんですけども、ライオネル・リッチー(Lionel Richie)のトリビュート。

(ジェーン・スー)私、これすっごいびっくりしました。今回、亡くなった方たちを・・・っていう印象がすごく強かったので。『えっ?ライオネル・リッチー、いつの間に死んだの!?』って思ったら・・・

(高橋芳朗)でもグラミー賞は毎年、レジェンドにトリビュートを捧げるっていうセクションがあるんです。それでだからライオネル・リッチーはもともと決まっていて。最近、ちょっとお亡くなりになった方が多いから、そこに一緒に。

(ジェーン・スー)びっくりしたよ。だから本人が出てきて、『あ、よかった!』と思って。

(高橋芳朗)(笑)。ちょっとハッとしますよね。

(ジェーン・スー)ちょっとハッとしました。じゃあ、この中から、何かライブ、聞きましょうよ。

(高橋芳朗)行ってみますか。じゃあ、まず一発目はこちら、行ってみましょうか。1月10日にお亡くなりになりました、デビッド・ボウイの追悼パフォーマンス、聞いてみたいと思います。パフォーマンスを行ったのはレディ・ガガ(Lady GaGa)でございます。で、これ、レディ・ガガ、めちゃくちゃ気合い入っておりました。授賞式前日に脇腹にですね、デビッド・ボウイのタトゥーを入れて挑んだという。

(ジェーン・スー)すごいよね。一生のことを一瞬で決める女だね(笑)。

(高橋芳朗)(笑)。それでね、ステージのオープニングでは、インテルの技術協力でガガの顔にボウイの稲妻のメイクが。

(ジェーン・スー)あれ、すごかったですね。

(高橋芳朗)入ったり。クモが這いまわったり。プロジェクションマッピングの演出があったり。他には、山本寛斎さんがデザインしました、有名な漢字で『出火吐暴威(デビッド・ボウイ)』と書かれた白いマントを羽織って。

(ジェーン・スー)ホタテみたいだったよね。

(高橋芳朗)えっ?

(ジェーン・スー)『ホタテをナメるなよ♪』っていうのを思っちゃったけどね。

(高橋芳朗)(笑)。それはまあね・・・

(ジェーン・スー)ホタテマン感、あったよ。ごめんごめん。私、マドンナ原理主義者だから、ちょっとね、ガガに対しては当たりがキツいところが、自覚としてある。すいません。すいません。

(高橋芳朗)で、レディ・ガガ。これ、メドレー形式でトータル10曲披露したんですけど。ここではダイジェストで7曲、聞いていただこうと思います。じゃあ行ってみましょう。レディ・ガガのデビッド・ボウイの追悼パフォーマンスで『Ziggy Stardust』『Suffragette City』『Rebel Rebel』『Fashion』『Fame』『Under Pressure』『Let’s Dance』です。

Lady GaGa David Bowie Tribute

(ジェーン・スー)お送りしたのはレディ・ガガのデビッド・ボウイメドレーの一部でございます。

(高橋芳朗)そうだ。さっき言い忘れましたけども。このデビッド・ボウイのトリビュートパフォーマンス。監修してるのはですね、いまかかっていました、デビッド・ボウイの『Let’s Dance』をプロデュースしていたシック(Chic)のナイル・ロジャース(Nile Rodgers)でございます。一昨年のグラミー賞でダフト・パンク(Daft Punk)の『Get Lucky』をね、パフォーマンス。素晴らしいパフォーマンスがありましたけども。はい。

(ジェーン・スー)そこからの、ナイル・ロジャースということですね。ナイル・ロジャース、最近すごいいろんなところに出てますよね。

(高橋芳朗)いやー、アヴィーチー(Avicii)とかともね、コラボしたりね。

(ジェーン・スー)びっくりするよね!まさかのここで完全復活でございます。さあ、というわけで、じゃんじゃん行きたいわけですけども。続いてのグラミー賞ライブ。何をかけましょうか?

(高橋芳朗)続いてはですね、昨年12月に亡くなりましたモーターヘッドのレミー・キルミスターの追悼パフォーマンスでですね、ハリウッド・ヴァンパイアズ(Hollywood Vampires)の『Ace of Spades』を聞いていただきたいんですけども。モーターヘッドはスラッシュメタルとかスピードメタルとかの元祖と言われているような存在で。ヘルズ・エンジェルスみたいなバイカーの人たちが聞いているロックバンドみたいなイメージが強いですかね。ワイルドなバッドボーイロックのアイコンみたいなところがあると思うんですけど。まあ、そういう人たちですから。ハリウッド・ヴァンパイアズみたいな昔ながらのセックス、ドラッグ、ロックンロールみたいな世界観を標榜している人たちがトリビュートするにはまあ、バッチリかな?という。

(ジェーン・スー)ハリウッド・ヴァンパイアズ。これ、初めて聞いた人は何ぞや?と思うかもしれないですけども。メンバー、すごいんだよね。

(高橋芳朗)すごい。メンバーはですね、俳優のジョニー・デップ(Johnny Depp)を中心に・・・

(ジェーン・スー)なんだよ、それ?っていう話ですけど。そこから、なんだよ?っていう話ですけどね。

(高橋芳朗)結構ね、アメリカのハードロックアーティストの重鎮。エアロスミス(Aerosmith)のジョー・ペリー(Joe Perry)だったり、アリス・クーパー(Alice Cooper)とかが顔を並べていると。

(ジェーン・スー)そうなのよ。あと、AC/DCのブライアン・ジョンソン(Brian Johnson)とか、フー・ファイターズ(Foo Fighters)のデイヴ・グロール(Dave Grohl)とか、イーグルスのジョー・ウォルシュ(Joe Walsh)なんかも録音には参加してたりして。ライブはね、別のメンバーがやっていたりするんですけども。

(高橋芳朗)で、このパフォーマンスでは、ガンズ・アンド・ローゼズ(Guns N’ Roses)、ベルベット・リボルバー(Velvet Revolver)のダフ・マッケイガン(Duff McKagan)とマット・ソーラム(Matt Sorum)も参加していますね。

(ジェーン・スー)来た!ガンズの中で二大尻の軽い男!

(高橋芳朗)(笑)。大丈夫ですか?大丈夫ですか?

(ジェーン・スー)いやいや、スラッシュ(Slash)は、まあ私、ガンズが大好きなんですけど。スラッシュはフィーチャリングされる時に『Feat. Slash』って名前で金が取れる男なんだけど。この2人はね、気づくとやってんだよ。

(高橋芳朗)(笑)

(ジェーン・スー)マット・ソーラム、ドラム上手いのはわかってんだけど。で、アクセル・ローズ(Axl Rose)に対してすごくコンプレックスがあった、スラッシュにもコンプレックスがあったダフがですね、まさかの、ガンズで儲けた金をスターバックスに投資して。いま、いちばん金持ちっていう。人間万事塞翁が馬って言いますけども。

(高橋芳朗)ここ、がんばって歌ってますから。

(ジェーン・スー)顔つき違うんだよね。ちょっとね。

(高橋芳朗)ちょっと変わったね。なんかね、びっくりしましたけど。

(ジェーン・スー)そして、アリス・クーパーの全く変わっていないパフォーマンス。

(高橋芳朗)(笑)。まあ、メイクしてますから。あの人はね。

(ジェーン・スー)そうですね。お聞きいただきましょう。

(高橋芳朗)じゃあ、モーターヘッドのレミー・キルミスターの追悼パフォーマンスでハリウッド・・ヴァンパイアズ『Ace Of Spades』です。

Hollywood Vampires『Ace Of Spades』

(高橋芳朗)モーターヘッドのレミー・キルミスターの追悼パフォーマンスですね。ハリウッド・ヴァンパイアズで『Ace Of Spades』、聞いてもらいました。

(ジェーン・スー)さあ、あっという間に番組ももう最後の方になったんですけども。今年の第58回グラミー賞。最後のライブ音源、何にする?

(高橋芳朗)これで行きますか。今年2月3日に亡くなりましたアース・ウィンド・アンド・ファイアーのリーダー、モーリス・ホワイトの追悼パフォーマンスで、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)とペンタトニックス(Pentatonix)の『That’s The Way Of The World』を聞いていただきたいと思います。これ、モーリス・ホワイトさ、もちろん追悼に値するレジェンドなんですけども。まあもう、なんせ亡くなったタイミングが授賞式まで2週間を切ったような、そんなタイミングだったんで。ちょっとさすがに追悼パフォーマンスするのは厳しいかな?と思ったら、ねじ込んで来ましたね。

(ジェーン・スー)まさかのこういう形でね。

(高橋芳朗)まあ、急遽最優秀楽曲賞のプレゼンターだったスティービー・ワンダーと、アカペラグループのペンタトニックスによる、アカペラでのアースの『That’s The Way Of The World』カバー。

(ジェーン・スー)これはね、こういう形で来る。さすが、技を持っている人たちは違うなっていう。とっさにこういうことができるんだなと思って。グッと感動しましたけども。

(高橋芳朗)もう、本当に急に決まったんだろうね。なんの演出もないしさ。まあある種、苦肉の策という感じなのかもしれないけど、逆にそれがよかったというか。シンプルな歌の良さ、曲の良さが際立ったパフォーマンスだったんじゃないかと思います。じゃあ、聞いてください。アース・ウィンド・アンド・ファイアーのモーリス・ホワイトの追悼パフォーマンスですね。スティービー・ワンダーとペンタトニックスで『That’s The Way Of The World』です。

Pentatonix & Stevie Wonder『That’s The Way Of The World』

(高橋芳朗)アース・ウィンド・アンド・ファイアー、モーリス・ホワイトの追悼パフォーマンスでスティービー・ワンダーとペンタトニックスによる『That’s The Way Of The World』を聞いていただきました。そういえばね、最優秀アルバム賞のプレゼンターとしてテイラー・スウィフトにトロフィーを渡したのは、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのメンバーでした。

(ジェーン・スー)そうだったんだ!

(高橋芳朗)うん。会場に来てたんですね。

(ジェーン・スー)アース・ウィンド・アンド・ファイアーはこの番組、スピンオフですけども。元番組の『相談は踊る』でもダンクラとして何度もかけてますけども。

(高橋芳朗)ダンクラのアイコンみたいな、ダンクラのシンボルですよ。

(ジェーン・スー)まさかこういうことになるとは・・・ということで。なかなか貴重なパフォーマンスだったと思います。というわけで、ヨシくん。あっという間だよ。

(高橋芳朗)もうちょっとやりたかったですね。

(ジェーン・スー)エンディングだって。あと1時間、2時間はできるね。

(高橋芳朗)いけます!曲はいくらでもあるからね。

(ジェーン・スー)グラミーってさ、テレビで見て、『ああ、なるほどね。今年、こういう感じだったんだ』って思ってから、音だけでまた聞くと、ぜんぜん印象が変わるね。びっくりした

(高橋芳朗)ちょっと印象が変わりますね。テレビで見ているだけじゃ汲み取れないところに気づいたりとか、ありますね。

(ジェーン・スー)ケンドリック・ラマーなんか特にそうでしたね。

(高橋芳朗)たしかに。

(ジェーン・スー)目で見て、その後で音で聞いて、印象を二重にするっていうのはなかなかね、いい方法だなと思いました。

(高橋芳朗)いや、ちょっとびっくりしました。

(ジェーン・スー)これ、毎年やりたいね。

(高橋芳朗)やりたい!お願いします!

(ジェーン・スー)お願いします!

<書き起こしおわり>

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