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高橋芳朗 黒人差別問題とブラックミュージックを語る

高橋芳朗 黒人差別問題とブラックミュージックを語る 荒川強啓デイ・キャッチ!
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(高橋芳朗)で、ある意味、このキング牧師の暗殺を契機にしてですね、より運動がアグレッシブになるというかですね、ちょっと戦闘態勢に入るというか。ちょっと物騒な言い方をしますと。そういうところがあると思います。で、そんな運動のモードが切り替わったことを象徴する曲がですね、これから紹介しますこれ。ジェイムズ・ブラウン(James Brown)。

(荒川強啓)おおー!

(高橋芳朗)ファンクミュージックの帝王ですね。ジェイムズ・ブラウンの『Say it Loud, I’m Black and I’m Proud』。これは『声を上げよ、私たちは黒人でそれを誇りにしている』っていう。直訳するとそういう意味になるんですけども。で、これはキング牧師の暗殺から4ヶ月後の1968年8月7日。夏にレコーディングされた曲なんですけども。

(片桐千晶)ええ。

(高橋芳朗)まあ、歌詞はタイトルからお分かりいただけるかと思うんですけども。黒人を鼓舞する。黒人のアイデンティティーを強烈に刺激するような内容になっております。歌詞の要約を紹介するとですね、『声を上げろ。俺は黒人であることを誇りにしている。俺たちはこれまでさんざん不当な扱いを受けてきた。まともな扱いを受けるまで俺たちは決して諦めない。声を上げるんだ。俺は黒人であることを誇りにしている』というような内容になります。

(荒川強啓)うん・・・

(高橋芳朗)で、今日はですね、この曲がリリースされた直後の1968年8月26日にテキサス州ダラスで行われたコンサートのライブバージョンを聞いていただきたいと思います。オーディエンスを、先に曲が入る前に、ちょっと1分半ぐらいのジェイムズ・ブラウンのスピーチがあるんですけども。そのオーディエンスをアジテイトするジェイムズ・ブラウンのスピーチの熱さと、JBに煽られたお客さんの熱いリアクション。その熱狂ぶりも一緒に注目して聞いていただけたらと思います。ジェイムズ・ブラウンの1968年のライブパフォーマンスで『Say it Loud, I’m Black and I’m Proud』。

James Brown『Say it Loud, I’m Black and I’m Proud』

(荒川強啓)いやー、高橋さん・・・

(高橋芳朗)強啓さん、足でリズムを取りながら(笑)。

(片桐千晶)身悶え(笑)。

(荒川強啓)染みますねえ!

(高橋芳朗)かっこいいですね!強啓さんがこんなにブラックミュージックを好きだと思わなかったので。すごいうれしいです。

(荒川強啓)ええ。もう久しぶりに。もう3、40年ぐらい前に戻りました(笑)。

(高橋芳朗)(笑)

(片桐千晶)その頃に。

(高橋芳朗)曲がかかっている間もずっとリズムの解説をね(笑)。

(荒川強啓)すいません。なんか、申し訳ない(笑)。

(片桐千晶)味わい方をね、教わりました。

(高橋芳朗)というわけで、ジェイムズ・ブラウンの『Say it Loud, I’m Black and I’m Proud』を聞いていただきました。

(荒川強啓)今日は黒人の差別というところから、1968年、2015年のアメリカ、ブラックミュージックが歌ったものとはなにか?。1968年の前半をお聞きいただきましたが。ここでコマーシャルを挟み、交通情報をお伝えした後で、後半、またお楽しみいただきます。

(中略)

(荒川強啓)『荒川強啓デイ・キャッチ!』、今日はニュースランキングをお休みして、音楽ジャーナリスト高橋芳朗さんの音楽コラム『1968年と2015年のアメリカ、ブラックミュージックが歌ったものとは?』というテーマでお送りしております。後半もよろしくお願いいたします。

(高橋芳朗)では、1968年に続いて2015年の状況を見ていきたいと思います。特集の冒頭でもお話しましたけども、アメリカでは2014年の夏ぐらいからですね、黒人に対する白人警官の不当な暴力が相次いで起こってまして。人種間の軋轢が強まってきているんですね。そんな中、全米各地で抗議デモが行われるようになってですね。『Black Lives Matter(黒人の命だって大切だ)』というスローガンのもとに、新しい公民権運動とも言えるような動きが生まれています。そんな『Black Lives Matter』のムーブメントに音楽界からいち早く反応を示したのは、カリスマ的な人気を誇るR&Bシンガーのディアンジェロ(D’angelo)。

(荒川強啓)うん。

(高橋芳朗)という歌手になります。こちら、ジャケットを持ってきました。彼はですね、2014年の12月。ちょうど1年前ですね。16年ぶりになるアルバムをリリースするんですけども。このタイトルが『Black Messiah(黒い救世主)』って名付けられているんですね。で、このアルバムのリリースにあたってディアンジェロがこのタイトルについてこんな声明文を発表してるんですね。ちょっと読み上げます。『「Black Messiah(黒い救世主)」というタイトルは俺たちみんなを意味している。俺たちの誰もがBlack Messiahになれるよう志すべきなんだ。それはファーガソンの黒人青年射殺事件や、エジプト革命、オキュパイ・ウォールストリートなど、これ以上我慢しがたい状況に対して変化を求めるべく決起している、全ての場所の全ての人々を指している。1人のカリスマ性のあるリーダーを賞賛するのではなく、大勢のそういった人々を讃えるということなんだ』と。

(荒川強啓)うーん・・・

(高橋芳朗)だからこれは『Black Lives Matter』のムーブメントをすごく強力に後押しする、非常に力強いメッセージであるとともにですね、そもそも民主運動とはなんぞや?という核心に触れるようなメッセージなんじゃないかな?と思います。なのでちょっとこの『Black Messiah』というアルバムから特にメッセージ色の強い曲を聞いていただけたらと思います。ディアンジェロで『The Charade』です。

D’Angelo and The Vanguard『The Charade』

(高橋芳朗)ディアンジェロの最新アルバム『Black Messiah』から『The Charade』を聞いていただきました。

(荒川強啓)それぞれ勝手に歌っているようでいて、ちゃーんと合っているんですよね。

(片桐千晶)重なりが。

(高橋芳朗)気に入っていただけましたでしょうか?

(荒川強啓)うーん!しかもこのベースがビシーッ!っとリードしているところがね。

(高橋芳朗)そうですね。やっぱりブラックミュージックを好きな方はベースに耳がいきますよね(笑)。

(荒川強啓)いきますね!これ、変わってませんねえ!

(高橋芳朗)(笑)。で、ですね、この現代版の公民権運動に対する音楽界からのリアクションとしては、いま紹介しましたディアンジェロの『Black Messiah』という作品がひとつの起点になっているようなところがあるんですけども。この『Black Messiah』とほぼ同時期に。2014年12月。ちょうど1年前ですね。に、リリースされたラッパーのコモン(Common)とR&Bシンガーのジョン・レジェンド(John Legend)っていう男の共演によるですね、『Glory』という曲も非常に無視できない重要な作品になっております。

(荒川強啓)はい。

(高橋芳朗)で、これから紹介するこの『Glory』という曲はですね、日本では今年6月に公開されたキング牧師の伝記映画の『グローリー 明日への行進』のテーマソングになります。アカデミー賞とゴールデングローブ賞の両方で主題歌賞を受賞した、非常に高い評価を受けた楽曲になるんですけども。で、歌詞がまさに現代版の『We Shall Overcome』。68年のパートの2曲目に紹介した曲に通ずるところがありまして。

(荒川強啓)ええ、ええ。

(高橋芳朗)『いつの日か、きっとグローリー(栄光)の日が訪れる』みたいな内容の曲なんですけども。この『Glory』に関してですね、アカデミー賞を受賞した時にコモンとジョン・レジェンドのスピーチが非常に感動的な内容でですね。ちょっとジョン・レジェンドのスピーチの一部をいま、紹介したいと思います。こんな内容になっております。『ニーナ・シモンはかつて、こう言っていました。「いま我々が生きている時代を反映させることは、アーティストの責務である」と。私たちがこの曲をよせた「グローリー」という映画は50年前に起こった実話をもとにした作品です。しかし、「グローリー」で描かれていることはいまもなお、起こっています。公正を求める闘争はいま、まさに起こっているのです』と。

(片桐千晶)うーん・・・

(高橋芳朗)だからキング牧師の死後、まっさきにリアクションを起こした、先ほどご紹介したニーナ・シモンのスピリットがしっかりと、いま現代に活躍するアーティストに受け継がれていることを証明するようなスピーチなんじゃないかな?と思います。

(片桐千晶)変わっていないっていうことですね。

(高橋芳朗)じゃあ、曲の方を聞いていただきましょう。コモン&ジョン・レジェンドで『Glory』です。

Common, John Legend『Glory』

(高橋芳朗)映画『グローリー 明日への行進』の主題歌でコモン&ジョン・レジェンドの『Glory』を聞いていただきました。

(荒川強啓)高橋さん!ぜんっぜん変わってません。

(高橋芳朗)そうですね。黒人音楽は芯にあるものがずっと受け継がれてるなっていう感じがしますね。

(荒川強啓)見事に受け継がれていますね。そしてこの、俗に『ソウルフル』という、この声の出し方といい、それからそこにメッセージ性を込めながらも、泣いているようでいて、またなにかを訴えているようでいて。どこかで、自分たちの叫びと言いましょうか。そこまでも、スーッと出してくるあたりが、もうたまりませんね。

(高橋芳朗)(笑)。もう強啓さんに解説していただいた方が、もうばっちりなんじゃないか?っていう。

(荒川強啓)あの、ここがアメリカのミュージックシーンのいいところなんでしょうね。

(高橋芳朗)奥深さと言いますか。

(荒川強啓)なにかあった時に、パッと誰かが号令を出すのではなく、スパッと・・・

(高橋芳朗)立ち上がりますよね。早いですよね。レスポンスが。

(荒川強啓)ですね。これが反応しているっていうところが力強さであり、彼らの長い虐げられた歴史の中から、そこが込められた歌になっているっていう、この背景に触れることがなんとも深刻ですよね。

(高橋芳朗)ありがとうございます。強啓さんにこんなに熱く語ってもらえるとは、本当に光栄でございます。

(荒川強啓)本当、久しぶりに震えております。

(片桐千晶)聞き入ってますもんね。

(荒川強啓)はい。ここで一旦コマーシャルを挟みまして、そのアメリカのミュージックシーン。ブラックミュージックがどのように受け継がれ、そしていま新たなメッセージを我々に捧げてくれているのか、伝えているのか。最後のシーンに行こうと思います。コマーシャルです。

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