TBSラジオ『タマフル』の名物企画、R&B馬鹿リリック大行進でR.ケリーを猛追する若手ホープ、トレイ・ソングスの下ネタ満載の歌詞について紹介していました。
(BGM R.Kelly『Marching Band』)
(一同)(笑)
(宇多丸)TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』。この時間はR&B馬鹿リリック大行進 New Beginning 本当はウットリできない海外R&Bの世界として、海外R&Bの歌詞世界を紹介する特集をお送りしています。案内しているのは音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんでーす。
(高橋芳朗)よろしくお願いします。
(宇多丸)進行は番組構成作家、古川耕さんです。
(古川耕)はい。よろしくお願いします。
(宇多丸)さあ、ということで後半。
(古川耕)はい。いま最もR師匠に近い男と言われている・・・まあ、こっちが勝手に言っているだけなんですが。の、トレイ・ソングス(Trey Songz)くんの歌詞を紹介したいと思います。
(宇多丸)トレイ・ソングスさんはまあ、そのね、『Store Run』もそうですし、『さくっと行ってくる』。もしくは、『ガール、思っちまうだろうな』で有名なというか。まあ、結構この特集ではアイコン的な存在ですよね。なおかつ、あれですよね。(番組の)ジングルもいただいちゃったんですもんね。
(古川耕)ジングルも、そうですね。いただきました。
(宇多丸)自分がなにを言わされているか、わかっていないっていう。『ガール、オモッチマウダロウナ』みたいなね。
(古川耕)聞く方が気まずいっていう。
(宇多丸)本当に申し訳ないというのがありましたけども(笑)。さあ、ということでトレイ・ソングスさん。改めて、アーティスト紹介を。
(高橋芳朗)ええと、1984年生まれの31才。アメリカ、バージニア州出身でもう、完全なR師匠フォロワーです。
(宇多丸)どの部分が?という。
(高橋芳朗)あのー、まあ完全にボーカルのフロウもそうだし。歌詞の世界観とかもそうですね。
(宇多丸)まあヒップホップ以降のR&Bという。
(高橋芳朗)よりヒップホップ色の強いR師匠みたいな。
(宇多丸)もうほとんど節のついたラップみたいなニュアンスもあったり。で、その上内容も、まあ馬鹿リリック。リディキュラス・セックス・ソング(Ridiculous Sex Song)。
(高橋芳朗)リディキュラス路線を邁進しております。
(古川耕)リディキュラス路線(笑)。
(宇多丸)リディキュラスであることが目的ではないと思いますよ!まあまあまあ・・・
(高橋芳朗)で、2005年にデビューして、いままで6枚のアルバムをリリースしておりまして。2013年には、グラミー賞で最優秀R&B楽曲賞を受賞しているという。
(宇多丸)もう立派な、一流アーティスト。
(高橋芳朗)ぜんぜん人気シンガーです。で、今回はトレイ・ソングスの直近の3枚のアルバムの中から、ちょっとリリックを。
(宇多丸)まあキャリアが重なってきてね、若い頃はブイブイ言わせててもですよ、グラミー賞なんかとっちゃって、ちょっとアーティスト化してね。なんか、リディキュラス度が落ちてくる。こんな可能性もありますよ?丸くなってくるなんてところ、ありますけども、そんなことは、このトレイ・ソングスくんに限ってはないと?
(高橋芳朗)ぜんぜんないです。しかもこれ、めちゃくちゃ売れていて。直近3枚のうち、直近の2枚は全米チャート一位です。
(宇多丸)普通にポップチャートで。つまり、マジョリティーの支持を得ているッて言うことですね。たまにありますからね。ポップチャートではむちゃくちゃ下みたいな。
(古川耕)56位とか。R&Bチャート一位なのに・・・っていうのがありますけども、彼はポップチャートでもちゃんと評価されているという。
(高橋芳朗)じゃあ、さっそく行ってみましょうかね?
(古川耕)ですね。4枚目のアルバムから行きましょうか。『Passion, Pain & Pleasure』という2010年のアルバムですね。なんという曲でしょうか?芳朗さん。
(高橋芳朗)『Unusual』という曲ですね。
(宇多丸)『普通じゃない』?
(高橋芳朗)『普通じゃない』という曲です。
『Unusual』
(古川耕)まあ、彼が実際にじゃあ、キャリアをへて、売れて結果も伴って、丸くなっているのかどうか?っていうのを歌詞で確認してみましょうか。聞いてください。じゃあ、どうぞ。
(小倉弘子 朗読)バッコンバッコンの後
すぐ寝るのは好きじゃない
バッコンバッコンの後
もう1回、ヤリたいんでしょ?
見ててくれ 熱いのをブチこんであげる
(宇多丸)なるほどねー。
(高橋芳朗)やっぱR師匠に比べると若いですね。
(古川耕)若いですね。ソリッドですね。
(宇多丸)そう。だから『すぐ寝るのは好きじゃない』って言うから、僕はまた、講義的なことかと思ったんですよ。『優しく僕はピロートークしてやるぜ』みたいなことかと思ったら・・・やるのかい!っていう(笑)。
(古川耕)若いから(笑)。
(宇多丸)お前がやりてーだけじゃねーか!みたいな。
(高橋芳朗)あと、例によって人のせいにしてるっていうね。『もう1回、ヤリたいんでしょ?』っていう。
(宇多丸)あっ、出ました!馬鹿リリックのひとつの傾向として、『エロいのはあくまでお前である』(笑)。
(古川耕)(笑)。俺ではなくて、お前だと。
(宇多丸)俺ではなくてお前である。これはやっぱり、定番的な。
(古川耕)師匠譲りのレトリックっていうね。
(宇多丸)『バッコンバッコン』は・・・ええと、『bump bump』ね。
(古川耕)まあ、訳としてもそんな離れてはいないですね。じゃあ、このアルバムからもう1曲、聞きましょうかね。どの曲、行きましょうか?
(高橋芳朗)ええと、『Doorbell』っていう曲を・・・(笑)。
(宇多丸)(笑)
(古川耕)このへん、やっぱり師匠の遺伝子をかなり上手く・・・『Doorbell』(笑)。
『Doorbell』
(宇多丸)あの、そうですね。なんだろうな?ストレートな一般名詞。あんまり歌の歌詞で聞いたことがないタイプの一般名詞。それが特徴かもしれないな。
(古川耕)そうですね。その単語をチョイスしてくるっていうあたりに、やっぱり師匠感は。
(宇多丸)ドアベル。でも、ドアベルはさ、ある種のドラマ感もあるじゃない?鳴らすことによって、なにかが始まるわけだからさ。
(古川耕)じゃあこれはですね、この曲から3ヶ所、引用したんで。割とテンポよく聞いていこうかな?朗読はTBSアナウンサーの小倉弘子さんです。そうぞ。
(小倉弘子 朗読)ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
今夜の夕食を当ててみて
君のフルコースだよ
そのかわいいボディーをかじってみたい
トレンチコートの下は、素っ裸
ベイビー、謎解きじゃないよ
(宇多丸)メタファーじゃないよと(笑)。まんまだよと。
(古川耕)『not a mystery』って言ってますね。この曲からもう1回、別の場所を聞いてもらいましょうか。どうぞ。
(小倉弘子 朗読)僕のドアベル、鳴らして
僕のドアベル、聞こえるかい?
ピンポーン、ピンポーン
鳴らしてあげる
ピンポーン、ピンポーン
(古川耕)『ピンポーン』が何回も聞くと面白くなってくるっていうやつでもありますね。
(宇多丸)まあね。これ、でもだいぶ、あれですよ。ドアベルっていうのがね、そのどっちなのか?っていう。どっちがどっとの何でっていう。だって最初さ、『今夜の夕食を当ててみて。君のフルコースだよ』って。お前が食うんだろ?っていうね。
(古川耕)訪ねる側なの?訪ねられる側なの?っていうことですよね。
(宇多丸)『トレンチコートの下は素っ裸』って、これはまあわかりやすいね。だからピンポーンって鳴らしたら、トレンチコートの下は素っ裸。この順番ならわかりやすいんだけどね。これね。
(高橋芳朗)このメタファーの設定がブレるのはR師匠ゆずり。
(宇多丸)で、ほら。『僕のドアベルを鳴らして。聞こえるかい?』。つまりこう、わかんないよ?なにかをしたら、体が反応しちゃう。ピンポーンって。ここまではわかるけど。『鳴らしてあげる』。お互い?
(古川耕)お互いのドアベルを・・・
(高橋芳朗)鳴らしまくっているんだ(笑)。
(宇多丸)ピンポーン!ピンポーン!って(笑)。
(古川耕)2人でやってるピンポンダッシュみたいな。
(宇多丸)これ、ちなみに『ピンポーン』は『Ding, Dong, Ding Dong』。ああ、なるほどね。
(古川耕)この曲、もう1ヶ所あるんで。それも聞いてもらいましょうか。
(小倉弘子 朗読)今日の朝食を当ててみて
かわいい足して踊りまわる
目玉焼き 卵をパクッと食べちゃうよ
モーニングSexほど最高のものはない
謎解きじゃないよ
(古川耕)謎解きじゃないです。
(宇多丸)要するに、なぞなぞじゃないよってことね。うん。でも・・・やっぱりなんかよくわかんない。『モーニングSexほど最高のものはない』っていうその結論がね。そのものズバリの結論が出ましたんでね。ここでようやくわかりますけど。俺さ、一瞬考えちゃったもん。『かわいい足して踊りまわる 目玉焼き 卵をパクッと食べちゃうものってなあに?』って思って考えたら・・・『モーニングSexほど最高のものはない 謎解きじゃない』ってこれ、考えて損したよ、バカヤロー!っていう(笑)。
(古川耕)『謎解きじゃない』っていう言葉が繰り返されますからね。謎解きのように聞いちゃいけないってことですね。
(宇多丸)まあ『Guess who’s・・・』みたいなところと、『it ain’t a mystery』がかかっているって見りゃあ、まあね。曲の形式はわかりますけどね。はいはい。
(古川耕)という感じでですね、このアルバム、結構他にもお宝がいっぱい、ザクザクとあってですね。中でも、これ決定版的な曲ですね。曲名をじゃあ、芳朗さん。
(高橋芳朗)ええとですね、『Panty Droppa』っていう曲です。
(宇多丸)ええと、待ってください?もう1回、聞いていいですか?タイトルを。
『Panty Droppa』
(高橋芳朗)『Panty Droppa』です(笑)。まあ、訳すと『パンティー脱がせ野郎』です(笑)。
(宇多丸・古川)(笑)
(古川耕)景気いいですね~!
(宇多丸)俺はPanty Droppa!いいね!いや、もうすでにかっこいい・・・けど、かっこ悪い感じが。
(高橋芳朗)しかもこの曲ですね、この『Passion, Pain & Pleasure』の前のアルバム。『Ready』っていうアルバムにイントロで『Panty Droppa』っていう曲があったんですね。で、それの完全版です。すごいそれが評判がよかったから、ちょっとじゃあ丸ごと1曲作っちゃおう!っていうね。
(宇多丸)ああー。まずこのパンティーという言葉を、怖気づかずに使う感じ。これがやっぱりR師匠譲り。
(古川耕)同じ目線にもうすでに立っているということですよね。
(宇多丸)『Panty Droppa』(笑)。
(古川耕)じゃあ、この曲をまた3ヶ所ほど聞いていただきましょうかね。彼がいかに音楽の力を信じているか?ってことがよく分かる歌詞でございますので。お聞きください。
(小倉弘子 朗読)この曲でパンティー、脱げていく
Wow・・・この曲でパンティー、脱げていく
Wow・・・この曲でベイビー作り、歌わせて
(宇多丸)なるほどねー。
(古川耕)ねえ。この曲がかかったら脱げるぞ!ッて言うことですね。
(宇多丸)すごい。『この曲でパンティーが脱げていくー!』(笑)。
(古川耕)催眠ですね(笑)。
(宇多丸)『脱げていくー!』。まあでもさ、ミュージシャンとか、ライブとかだとパンティーとかブラジャーを脱いで投げるみたいなね。昔からありますから。『パンティーが脱げていく Wow・・・』。で、この曲で、ねえ。『This right here’s a baby maker.
Can I sing my song?』。まあまあまあ、そういうことですよ。ベイビー作りですよ。
(古川耕)じゃあ、残りの2ヶ所を続けてポンポンと聞いてもらいましょうか。
(小倉弘子 朗読)君を抱かせて
この曲でパンティー、脱げていく
パンティーの脱げるラブソング
ヒール以外は素っ裸
君を抱いて この曲でベイビー作り
今夜は2人でベイビー作り
(古川耕)同じ曲からもう1ヶ所、聞いてもらっていいですか?すいません。
(宇多丸)さっきから同じ場所をグルグル・・・なんか森の中を迷っていてですね、『あれっ?さっき通った場所じゃないかな?』って。
(古川耕)ちょっとずつ違うんだけど、同じ所をグルグル回っている感じっていうね。
(宇多丸)続けて。他の場所ね。
(小倉弘子 朗読)この曲でパンティー、脱げていく
バッグ、シャツ、スカート。何もかも、脱げていく
君を抱いて、2人でベイビー作り
(古川耕)すごいね、この曲。やっぱ。
(宇多丸)だからやっぱ、森を迷っているじゃないですか。ちょっと、どこ行くかな?って思っていると、『あっ、さっき脱いだパンティーがかかっている!』って(笑)。
(古川耕)目印にしてたのね(笑)。
(宇多丸)で、『おい!また同じところ、来ちまったぞ!パンティーがかかっている!』『いや、違うぞ!パンティー・・・バッグとシャツとスカートがあるから、今度は違う。パンティーもかかっているけど、違うぞ!同じに見えるけど、違うぞ!』っていう。
(古川耕)気づいたら全裸っていう。
(宇多丸)でも結局森からは出れない!っていう(笑)。そんな感じですよ、これ。
(高橋芳朗)呪文みたいだよね。『パンティー脱げていく、パンティー脱げていく、パンティー脱げていく・・・』って。
(古川耕)迷宮に迷い込んだ感、半端ないっていう。
(宇多丸)歌詞上の『パンティー』って言ってるの?これ。
(高橋芳朗)もちろんです。
(宇多丸)俺、英語でパンティーって言ってるの、聞きたいよね。これ、聞かないの?曲は。
(古川耕)これは曲は用意してないです。
(宇多丸)ああ、そうですか。
(古川耕)まあ、バックでずっと流れている曲なんで。あ、行けますか?じゃあ、該当箇所を聞いてみましょうか。
(宇多丸)どんな面してパンティーって言ってるのか、聞きたいよ。
※動画3:20からスタートします
(宇多丸)『パンティドロパッ!』ってやってるんだね。『ペンティドロパッ♪』。
(古川耕)すげーな、やっぱり・・・(笑)。
(高橋芳朗)行きますか?次に。
(古川耕)行きますか?
(宇多丸)はい。ということで『Panty Droppa』。さすが。
(古川耕)『Panty Droppa』をモノにしたトレイ・ソングスくんなんですけど、5枚目のアルバムを2012年に発表します。
(高橋芳朗)『Chapter V』。
(宇多丸)まあタイトルはね、『Chapter V』。5枚目だから、普通だよ。
(高橋芳朗)で、この『Chapter V』から次に紹介する曲はですね、いま聞いていただいた『Panty Droppa』の続編になります。
(宇多丸)続編!?おっ!『Panty Droppa』の続編!なんだなんだ?
(高橋芳朗)でね、この曲、僕、TBSラジオ『ザ・トップ5』セカンドシーズンをやっていた時に、相方だったフリーアナウンサーの小林麻耶さんに『世の中にはこんなタイトルの曲があるんですよ』ってCDを渡したんですよ。したら、曲名を見て、『キャーッ!』っつってCD投げたんですよ(笑)。
(宇多丸・古川)(笑)
(高橋芳朗)『キャーッ!』って(笑)。
(古川耕)それはすごいね(笑)。
(宇多丸)英語の曲のタイトルを見ただけで、『キャーッ!』と言って・・・
(高橋芳朗)CDを投げたんです。小林麻耶さん。
(宇多丸)汚らわしい物っていう感じで投げたぐらい。そんなタイトルは一体!?
(高橋芳朗)『Panty Wetter』です(笑)。
(宇多丸・古川)(爆笑)
『Panty Wetter』
(古川耕)『Wetter』っていうのはどういうことですか?
(高橋芳朗)『パンティー濡らせ野郎』。
(宇多丸)(笑)。『パンティー脱がせ野郎』がついに今度は、『Panty Wetter』として帰ってきた!俺はPanty Wetter!Panty Droppa&Panty Wetter!じゃあ、『Panty Wetter』、行きましょうかね。
(古川耕)じゃあ、彼が勇ましく帰ってきたと。
(宇多丸)意外とこれね、嫌らしい歌じゃない可能性だってあるからね!
(古川耕)(笑)
(高橋芳朗)ありますかね?(笑)。
(宇多丸)奥さんのパンティーもちゃんと洗っているとか。
(古川耕)ああ、その可能性もあるかもしれません。聞いてみましょう。じゃあ、歌詞の朗読は小倉弘子アナウンサーです。
(小倉弘子 朗読)君のパンティードロッパーが戻ってきたぜ
身体を沈めて。君の身体を喜ばせるのが俺の使命
ゆっくり、時間をかけてやろうぜ
まず、服を脱げよ
でも、パンティーは脱がないでくれ
以前もそうだっただろ?
そう。俺がそれをビショ濡れにするんだ
(古川耕)あれっ?ドロッパーじゃなかったの?っていう。
(高橋芳朗)ウェッターです(笑)。
(宇多丸)しかもね、『これからは』じゃないんだね。『前からそうだっただろ?』みたいな。
(古川耕)歴史の改変が行われたっていうことですね。
(宇多丸)あとさ、『まず服を脱げよ』っていうさ(笑)。この、『勝手にやれよ』みたいな感じね。
(古川耕)『勝手にやれよ。ただ、パンティーは脱ぐな』っていう(笑)。この曲、全編ひどいんですよね。
(宇多丸)なるほどね。
(古川耕)なんか、具体的な歌詞、いま出せます?
(高橋芳朗)具体的な歌詞、ちょっといま探してますけども。
(宇多丸)だって、『I ‘bout to make you soak』だからもう、ひたひたですよね。浸っちゃってる。
(高橋芳朗)なんで脱がないでほしいか?っていうと、まあ濡らしたいっていうのもあるんだけど。ちょっと読みますね。『君のパンティーウェッター それは履いたままにしておいてくれ ただ、横にずらしてくれ』って(笑)。
(宇多丸)(笑)。『ただ・・・』じゃねーよ!
(高橋芳朗)もう最悪(笑)。『ただ、横にずらしてくれ』って(笑)。
(宇多丸)ずらせよ!お前がやれ!やらせんなよ!全部、こうやって。ねえ。
(古川耕)ひでーなー。
(宇多丸)これは、あれですね。小林麻耶さんは正直、甘く見てると思いますね。ここまでの内容とは知らずに、キャーッ!ですからね。
(高橋芳朗)CDのケース、割れましたからね(笑)。
(古川耕)汚れっていうね。
(宇多丸)汚れですね。ガンガン行きましょう。
(古川耕)じゃあ、6枚目のアルバム『Trigga』っていうアルバムがこれ、最新作ですか。現状の。2014年にあるんですが。この中から、『All We Do』という曲をちょっと聞いてみましょうかね。どういう曲か?って簡単に芳朗さん、説明できますかね?『All We Do』。
(高橋芳朗)これはね、なんて言えばいいんですかね?これ、聞いてもらった方がいいな(笑)。
『All We Do』
(古川耕)じゃあちょっと、長い尺なんでね。『All We Do』からこんな場所を聞いてください。どうぞ。
(小倉弘子 朗読)マイアミに遊びに行ったら、エッチな女に出会った
最高の女友達3人もいて、みんなで俺にベタベタ
俺は彼女とずっと1週間、チルしたのさ
唯一やったのは
ファック、ドリンク、スリープ
それしかやっていない
ファック、ドリンク、スリープ
唯一やっていたのは
ファック、ドリンク、スリープ
マイアミに遊びに行ったら、エッチな女に出会った
俺たちがやったのは
ファック、ドリンク、スリープだけ
(宇多丸)まあね。やって、飲んで、寝て。やって、飲んで、寝て。
(古川耕)非常にやっぱり若さを感じられるところですね。トレイ・ソングスくんね。
(宇多丸)まあでも、なんだっけ?女友達3人も交えてだから、実質5Pか?5Pってことですよね?その、マイアミで出会ったエロい女と、女友達3人。5Pですから!これはね、正直みなさん、大変ですよ。
(古川耕)いわゆる、乾く暇がないってやつですね。これは。
(宇多丸)だって女の人4人をですよ、同時に相手にするって・・・だって、手足全部使わないと・・・
(古川耕)また・・・(笑)。
(宇多丸)大変ですからね。
(高橋芳朗)そりゃ、ファック、ドリンク、スリープになりますよね。
(宇多丸)くったくたですよ。
(古川耕)この曲の最後。同じ曲からもう1ヶ所、聞いてもらおうかな?非常に人間の原始的な暮らしが出てきます。
(小倉弘子 朗読)星空の下で、太陽が昇るまでやりまくるのさ
ハメて、ハメて、酒飲んで、寝る
(一同)(笑)
(宇多丸)これ、たしかにマイアミだしさ。マイアミだし、あったかいから星の下で。さぞかしまあ、気持ちいいと思いますよね。海辺かなんかで、波の音なんか聞きながら。ただ、なんかたしかにちょっと哲学的な領域?なんか、感じがしますよ。酒飲んで、寝る。それ以上、なにがいるだろうか?っていうね。そんな人間に、私はなりたい(笑)。
(古川耕)宮沢賢治的世界観に近づいてるっていうですね(笑)。
(宇多丸)ねえ!ただ、ちょっと気になるのはトレイ・ソングスくんね、『Store Run』の時はやっぱりね、そのシチュエーションも凝っていたしね。あとほら、キッチンでとかさ。若干の時間経過表現があったり、なんか技巧を感じられたんですよね。あと、青春感。なんですかね?やっぱり成功した後の、なんて言うの?平板感?
(高橋芳朗)(笑)
(古川耕)目先の下ネタに食いついてる感ですかね?いわゆる。
(宇多丸)ええ。なんか・・・平板な(笑)。
(古川耕)これ、並べてみると、芳朗さんとも言ってたんですけど。やっぱりね、こう振り返ってみると師匠は何かしら、何かがあったんですよ。
(宇多丸)ちょっとやっぱね、トレイ・ソングスくんはもう一歩、師匠まで抜けてほしい感じ・・・なんだろうな?下品表現にしても、やっぱね、師匠は本気で引くところまで行きますよね。で、今回はね、そんなに引く曲ねえな?と思ったら、『ジュルルルルー・・・』って。
(古川耕)すすり音を入れて来ますからね。
(宇多丸)ちなみに僕の周りの人間で、実際にこういう音を立てるギャグみたいなのをやるの、K DUB SHINEだけですからね(笑)。
(古川・高橋)(爆笑)
(宇多丸)あの人は本当・・・だからね、アメリカ人っぽいのかもしれない。こいつ、すぐこういうことやるのね。
(高橋芳朗)まあ『Panty Wetter』はいい線、行ってたけどね。
(古川耕)『Panty Wetter』は行ってましたけどね。ということで、この2人の対比も非常に楽しかったということで。こんな感じのパンチラインだったりとか、会話が含まれている『R&B馬鹿リリック大行進~本当はウットリできない海外R&B歌詞の世界~』がなんと、単行本になって本日、発売されております。スモール出版さんより1728円で書店さんとかネットストアなんかにもバーッと出てますんで。みなさん、関心など沸いた方はぜひ、お求めになっていただいてですね。
(宇多丸)夜寝る前とか、トイレの中で読んでププッ・・・こんなのがいいですね。ただし、電車の中はおすすめできません!
(高橋芳朗)ぜったいにやめた方がいいと思います。
(宇多丸)みたいな感じですね。以上、祝!単行本発売記念。あっ、(ムービーガチャの)一万円の件、もうだいぶ・・・やってよかった!思い出しちゃった・・・R&B馬鹿リリック大行進New Beggining 本当はウットリできない海外R&Bの世界特集でした。高橋芳朗さん、ありがとうございました。
(高橋芳朗)ありがとうございました。
(古川耕)ありがとうございました。
<書き起こしおわり>
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