サイプレス上野さんがTBSラジオ『ザ・トップ5』の中でフリースタイルラップの魅力トップ5を紹介していました。
(外山惠理)それではさっそく、サイプレス上野さんご提供。こちらのランキングからスタートです。『ここに注目!フリースタイルの魅力トップ5』。
第五位:いまこの瞬間にできる手軽さ
第四位:バトルMCとして強い人たちの音源評価の低さ
第三位:相手とひとつの物語を作り上げることができる
第二位:バトルで判定勝ちした後の爽快感
第一位:バトルで判定を聞いて勝つまでのソワソワ感
(中略)
第五位:『いまこの瞬間にできる手軽さ』
(外山惠理)さあさあ、行ってみますか。サ上さんのランキング。『ここに注目!フリースタイルの魅力トップ5』。第五位が『いまこの瞬間にできる手軽さ』っていうことで。
(サイプレス上野)そうですね。やっぱりフリースタイルがいま、すごいブームというか。結構きてるんですよ。
(外山惠理)すごいよね。
(サイプレス上野)それで、フリースタイルっていうのはMCバトルっていうのもあるんですけど、フリースタイルっていうのは本当に即興でやるだけなんで。いま本当にここでやってきて・・・
1回以来 やってるフリースタイル
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まですべてまとめて 上げるぜ トップ5
これが最後の放送 ネット局はマジ明日からも忘れんなよ!
YO!今日のゲストはもちろん マイメンNONKEY
呑気な俺でも 今日だけは本気
なわけねえぜ トップ5
(外山惠理)すごーい!(拍手)
(サイプレス上野)みたいな感じで。いま、瞬間にできるんで。
(外山惠理)すごい!ねえ。この前『たまむすび』でやったやつよりいいよ。いまの方が。
(サイプレス上野)(笑)。いまの方がよかったんすね?
(外山惠理)うん。いまのがいいよ。
(サイプレス上野)俺自身も、よかったなと思ったっす。いまの方が。
(外山惠理)やっぱり緊張しちゃったのかな?なんだろうね?なんか空気だな。
(サイプレス上野)あの、圧にのまれましたね。
(外山惠理)やっぱりホームとアウェイっていう感じだよね。
(サイプレス上野)竹山さんの好きすぎる感じにちょっとのまれて。
(外山惠理)(笑)。いまのはいいよ!すごいね!こういう感じの手軽さで。だから二度と同じことはできないっていうのがね。
(サイプレス上野)できない。できない。もう覚えてないですから。あんまり。もう。『あったなー』みたいな感じで。で、それを、『たまむすび』の時に話して。駅前でみんなで『サイファー』っていうのをやってるんですよ。みんなで暖を取るような感じで。
(外山惠理)はいはい。教えてくれたよね。
(サイプレス上野)はい。ラジカセの前にいて、みんなで。若い子たちがやっていたり、おっさんが混ざってやったりとかもするんですよ。で、それが、だからみんな手軽にできるっていう。
(外山惠理)八王子の駅前だったら八王子サイファー。
(サイプレス上野)戸塚駅なら戸塚駅サイファー。で、赤坂駅だったら赤坂駅サイファーとか。まあ、『あんまり人の迷惑のかかる場所ではやるなよ』っていう文化なんですけども。まあ、ダンサーが街で踊っているのと同じような感じで、いま増えているので。
(外山惠理)へー!
(サイプレス上野)それぐらい簡単にできるっていう。
四位:『バトルMCとして強い人たちの音源評価の低さ』
(外山惠理)いいですね。で、四位。『バトルMCとして強い人たちの音源評価の低さ』。
(サイプレス上野)まあ、これは本当に俺の嫌らしい部分が出てるんですけども。まあ、天はふたつのいいものを与えない、二物を与えないっていうことで、バトルMCで優勝を繰り返したりとか有名になった人たちって、結構音源でつまづくんですよ。
(外山惠理)ふーん。
(サイプレス上野)本っ当、俺、嫌なこと言ってますけども(笑)。
(外山惠理)『音源でつまづく』っていうのはどういうことなんですか?
(サイプレス上野)音源。CDとかで出すじゃないですか。そん時に、バトルMCとしてのかっこよさをみんな求めちゃうから、聞いた時に、『あれ?なんかバトルと違うじゃん?』っていう。そういう評判とかが結構多くて。だから俺たちみたいに、現役でCDも出してて、バトルも出ているやつらとしたら、バトルでかっこいいんだから、音源もよかったらもうキーッ!ってなっちゃうんで。まだこの文化残っていていいなっていう(笑)。なんか本当、俺・・・最低なことを言ってるんですね。いま(笑)。
(外山惠理)なるほど。
(サイプレス上野)最低なんすけど。ここをちゃんとね、第五位につなげるとしたら、サイファーやってる子にわかってほしいのは、音源もちゃんとしたの作れるようになんないと、こうなっちゃうよっていう。
(外山惠理)ちゃんとしたのか。
(サイプレス上野)そうなんですよ。それだけやってても・・・
(外山惠理)バトルMCっていうのは即興が上手っていうことになるわけですよね?
(サイプレス上野)そうですね。相手の言葉を聞いて倒すのが上手かったりとか、なってくるんですけど。
(外山惠理)そういう人たちって、CDとかを出すと、同じ繰り返しになっちゃうわけじゃないですか。ちょっと、あんまり面白くないなって思っちゃうのはしょうがない気がするけど。
(サイプレス上野)はい。結構求められちゃって。やっぱりそれが、悲しいかな、バトルMCとしてすごい上位にいる人たちが、意外にそれだけでやっぱり食えないんで。そこを改善していかなくちゃいけないっていう。これは問題提起でありますから。俺からの。決してイヤミではないです。
(外山惠理)そうですね。どうすればかっこよくなるのか?っていうことですよね。
(サイプレス上野)よくなるのか?っていう。そう。サイファーだけをやっていても、ヒップホップとかラップだけではメシは食えないよっていう。そういうことをちょっとずつ変えていかないとっていう。
(外山惠理)これ、難しいところですね。本当に。
(サイプレス上野)そうなんです。だから、めっちゃ強い人たちにもっとがんばってほしいっていう。
(外山惠理)うんうんうん。へー!いまの、深いですね。
(サイプレス上野)そうっす。これ、単純にイヤミなだけではなくて。仲間だからこそ。はい。たくさんいるんでね。
三位:『相手とひとつの物語を作り上げることができる』
(外山惠理)へー。で、三位。『相手とひとつの物語を作り上げることができる』。
(サイプレス上野)はい。これがバトルとかでもそうなんですけども。フリースタイルをやっていて、相手の言葉を・・・まあ、俺と惠理ちゃんがいま、話していて。会話をしてるのをビートに乗っけてやっていくっていう。韻を踏むとか、フロウとか、グルーヴとかあるんですけど。やっているうちに、本当にすげー楽しいやつだな!ってなってきたら、永遠に続きそうになるんですよ。もう。
(外山惠理)へー!
(サイプレス上野)バトルでも、会話がずっと続いていて。
(外山惠理)バトルって割と短いじゃない?
(サイプレス上野)短いです。
(外山惠理)あれ、辛いよね。なんか。
(サイプレス上野)辛いですね。それが、けど、本当にウマが合う相手っていうか。もともとはバチバチにやってるんだけど、当たったやつとは4回とか延長しますからね。4回ぐらいは延長当たり前でやっているから。もうゼエゼエお互いいってるんだけど・・・なんか、あれですよ。男同士、漫画とかでよくあった、殴り合っていて最後笑うみたいなの、あるじゃないですか。
(外山惠理)ああ、あるある。
(サイプレス上野)『お前、強えな!』みたいな感じに。本当、その状態に入るんですね。ゾーンに入るみたいな感じで。
(外山惠理)かっこいいね!
(サイプレス上野)『お前、すげえ上手えな!けど、俺も負けないよ』みたいになって、永遠に続きそうみたいな。で、ちょっと折れたところが見えちゃうと、やっぱり判定とかで負けちゃったりするんですけど。お客さんもやっぱり続きが見たいから、『延長!』みたいになっちゃって。
(外山惠理)見たいもん。あれ、途中でだから終わっちゃうの・・・なんか決まっているじゃないですか。たとえば、『フリースタイルダンジョン』とかだと。
(サイプレス上野)あれ、もう決めなきゃいけないんで。引き分けがないんで。それでだいぶ俺は苦渋を飲まされてますけどね。本当に。
(外山惠理)(笑)
(サイプレス上野)本当に、ねえ。もう、マストシステム、やめてよ!みたいな話で。本当(笑)。
二位:『バトルで判定勝ちした後の爽快感』
(外山惠理)(笑)。で、二位ね、つながっているかもしれないけど、『バトルで判定勝ちした後の爽快感』。これ、爽快感ってさっきのね、男の子同士のっていう、さっきの話もそうだけど。
(サイプレス上野)気持ちよさがあって。やっぱりこれは勝った後がまあ、いちばんうれしいかな?と思いきや、まだ二位なんですよね。勝っただけがうれしくないみたいな。まあ、勝ったのはめっちゃくちゃうれしいですよ。けど、本当にその時に、もう一位につながるんですけど。一位が『バトルで判定を聞いて勝つまでのソワソワ感』っていう。
(外山惠理)はいはい。
一位:『バトルで判定を聞いて勝つまでのソワソワ感』
(サイプレス上野)もうそん時の、2人並んでいて、判定はお客さんと陪審員とかそういう人たちに任せる。委ねるだけなんで。どうにもできないじゃないですか。どの戦いにしてもそうかもしれないですけど。そん時の、なんかソワソワ感。ジェットコースター乗って、下腹部がフワッと来るような。
(外山惠理)ああー!
(サイプレス上野)『はぁぁぁー!』って。が、ずっと続くんですよ。『はぁぁぁー!』みたいな(笑)。『俺、この先どうなっちゃうんだろう?』みたいな気持ちで判定を待っていて。『勝者、サイプレス上野!』って言われた時とか、もう『ボォォォォーッ!』って。天にも昇る気持ち。昇天している俺、みたいな。
(外山惠理)へー!
(サイプレス上野)で、負けた時のその悔しさもあるんですけど。ただ悔しがるだけじゃつまらないから、やっぱりそこで受け止めて。ちゃんとエンターテイメントしなきゃいけないっていうのもあるんですよね。ただ負けて、チッ!とか言ってたら、そんなのは見えても『態度悪いな』ってなっちゃうんで。まあ、相手を讃えながら・・・みたいな。
(外山惠理)ものすごいいいバトルだったとしても、負けたらやっぱり悔しいは悔しい?
(サイプレス上野)めちゃめちゃ悔しいですね。いや、その時は悔しいけど、握手したら、『次、がんばってね』みたいな。決勝とかだったら、『いや、もうお前の勝ちだね』みたいになったりとか。けど、本当に握手したくないやつもいますよ。やっていて。
(外山惠理)ああ、そう?
(サイプレス上野)ぜんぜん。もう爽快感ないやつ、いますから。『いや、やっぱりお前とはウマが合わないな』とか、たくさんあります。本当。
(外山惠理)ああ、そう?
(サイプレス上野)で、昔はそれで結構モメてたんですよ。本気で。
(外山惠理)そういうウマが合わない人っていうのは私生活でも合わないの?
(サイプレス上野)たぶん合わないんだろうなっていう。本当にたとえば『殺しに来る』っていう言葉の言い方としては、MCバトルとして倒しに来るっていうのを『殺しに来る』とか言ったりするんで。来たなっていう時に、相手として受け止めて返しても、なんか全然違うこととか言ってくるんですよ。で、それが上手いとか。それはテクニックだからもちろんそうなんですけど。俺はあんまりそういうやつとはやりたくないなって。
(外山惠理)ちゃんと向き合ってほしいっていう?
(サイプレス上野)そうなんですよね。本当。プライドの高山対ドン・フライみたいな感じで。プロレスラー同士が殴り合って。格闘技をやっている人からしてみたら、すごい滑稽な総合格闘技なんですけど。男同士が殴り合って顔をパンパンに腫らしているって、やっぱりかっこいいじゃないですか。もうそれだけで。
(外山惠理)うんうん。
(サイプレス上野)そういうのがいいなっていう風に思うんですよね。だからここのやっぱり、爽快感とソワソワ感は同時に来ているんで。もうどうかしちゃいそうになってルンですよ。本当に。
(外山惠理)そうなんだ。すごいですよね。
(サイプレス上野)そうなんすよね。だからこれを、すごい乗り越えている四位のバトルMCとして強い人っていうのはすさまじいんですよ。本当に。それを何百本とやっているんで。考えられないところでやっているから。
(外山惠理)そうか。でも音源を出そうってなるとさ、自分の好きにできなかったりとかもあるんじゃないの?いろいろ。しがらみみたいなのとか。
(サイプレス上野)けど、いまって、手軽にインターネットとかにもアップできるんで。だからそういうのをやった方がいいっていう。もう決勝大会に残っていても、音源を1曲も作ったことがないっていう子たちもいるんで。
(外山惠理)ああ、そうなの?やっちゃえばいいじゃんんえ。
(サイプレス上野)やっちゃえばいいんすよ。そのままの勢いで。
(外山惠理)別にどこに入っているとか、所属してなくてもいいじゃん。ねえ。
(サイプレス上野)してないですよ。それぐらいなんで。
(外山惠理)やっちゃえ!やっちゃえ!
(サイプレス上野)いや、本当言ってほしいですよ。会場に来て。『お前、やっちまえよ!』っつって。『出せよ、おめー!四の五の言ってねえで』っていう。
(外山惠理)ねえ。それでいいのができたら、ねえ。最高じゃん。
(サイプレス上野)そうなんですよ。俺とかが言うじゃないですか。『いいから出せばいいじゃん』っつったら、『いや、上野さんに俺、勝ってるじゃないですか』って言われて。もう、価値がよくわかんなくなって(笑)。
(外山惠理)(笑)
(サイプレス上野)『お前、ふざけんなよ!こっち、アルバム5枚以上出してんだぞ!』っていう(笑)。
(外山惠理)(笑)
(サイプレス上野)いろいろあるんすよ。いま、もう。
(外山惠理)へー!今夜はね、サイプレス上野さんご提供『ここに注目!フリースタイルの魅力トップ5』、うかがっていきました。
<書き起こしおわり>