カンニング竹山さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で、永六輔さんのラジオ番組に出演した際に聞いた、ラジオとテレビのメディア特性や、ラジオの未来についての話を紹介していました。
(赤江珠緒)いやー、そんな中、本当いろいろ考える週末だったと思いますが。竹山さんは土曜ワイドにも出演されたと。
(カンニング竹山)そうね。久しぶりにね。1年に1回ね、永さんに会うんですよね。僕の中で、『永さん詣』って言うんですけど。
(赤江珠緒)そっか。土曜ワイドがもうあと2回ですか?
(カンニング竹山)もう終わるでしょう?で、終わるならじゃあ、行きましょうか。呼んでくださいってことで行ったんですけど。元気でしたね。おじいちゃんね。
(赤江珠緒)うん。私も聞かせていただいてましたよ。黒柳徹子さんも出られてね。
(カンニング竹山)ああ、そうですか。早いんだよね。でも、朝8時半ぐらいに行かなきゃいけないから。早いんだよね、ちょっとね。
(赤江珠緒)(笑)
(カンニング竹山)で、やっぱりさ、だからなんて言うの?永六輔さんってすごい人なんだけど。正直言って、俺のじいちゃんじゃん?俺にとっては、じいちゃんみたいな人なわけですよ。オヤジじゃないんだよね。じいちゃんなんだよね。
(赤江珠緒)うん。
(カンニング竹山)で、どっかさ、これ普通の意見で言うとさ、『大丈夫か、じいちゃん?』って思わない?『元気か?』と。
(赤江珠緒)うんうん。そうね。そりゃあもう、大先輩。
(カンニング竹山)普通に自分のじいちゃん家に行ってもさ、『じいちゃん、大丈夫か?』っていう感覚で行くじゃないですか。で、それで行ったんですよね。したら、意外と元気でしたね。
(赤江珠緒)(笑)
(カンニング竹山)バリバリじいちゃんだったけどね(笑)。意外と元気で。ほんで、よくしゃべってくれまして。なに聞こうかな?ってずっと考えてたんですよ。したらさ、これからまた夕方もやるんだけど。永さん。なんかひとつね、聞きたくなったことが、ずっと長年ラジオをやっていて、あの人、テレビ作った人なんですよね。
(赤江珠緒)ああ、そうか。そうですね。
日本のテレビを作った男 永六輔
(カンニング竹山)テレビというメディアができた時に、そこではじめ放送作家として入ってさ。で、いろんな番組を考えて立ち上げてさ。で、最終的にあの人、出るようになってさ。っていう人なわけですよ。で、後半はそこからラジオにシフトするわけじゃないですか。まあまあ、テレビとラジオ、両方やりながらだけど。
(赤江珠緒)うん。
(カンニング竹山)ラジオのパーソナリティーも何十年?3、40年やったんでしょ?あれ、もう。ずーっとやってるわけじゃないですか。ほんでね、いまね、偶然、金曜日の夜だったかな?アップル社のさ、見た?夜中。見てない?
(赤江珠緒)はい。
(カンニング竹山)あの、なんかiPhoneとか新しいの出るわけよ。んで、夜中2時ごろからさ、俺、いっつもその時間、稽古場にいるからさ。夜中の2時ごろね、Twitter見てたらさ、なんかアップル社のそういうのがあるって。パソコン開いてさ、その生中継を流したわけ。
(赤江珠緒)はい。
(カンニング竹山)したら、アップル社が『こんなのを出しますよ。次のiPhoneはこんなんですよ。iPad、こんなんですよ』とか。で、その中に、アップルTVってあるわけ。
(赤江珠緒)アップルTV?うん。
(カンニング竹山)ぜんぜん知らないでしょ?赤江さん。
(赤江珠緒)ぜんぜん知らない。
(カンニング竹山)アップルTV。もういまね、俺たち知らない世界になっているわけ。あの、想像で言いますね。俺が見た限りの想像で。英語だったから。
(赤江珠緒)うん。
(カンニング竹山)アップルTVという機械があるのよ。いま。
(赤江珠緒)テレビとは別に?
(カンニング竹山)うん。テレビとは別に。たぶんテレビとは別と思う。赤江さん家のテレビにアップルTVという機械を、たぶん接続かなん化するのよ。
(赤江珠緒)なるほど、なるほど。わかりやすいよ。わかった。
(カンニング竹山)接続すんの。したらね、アップルTVのリモコンがあるわけよ。それ、なんかやっていたわ。外人の女の人が。で、そのアップルTVをやれば、もうぜーんぶ見れるわけ。アップルTVで。
(赤江珠緒)(笑)
(カンニング竹山)で、テレビも見れるし、Netflixとかネットのあれも全部見れるし、他のネット番組とかも全部ワンタッチで見れるし。ゲームもできるし。ほんで、好きな映画とかもガンガン、ダウンロードできて。
(赤江珠緒)ちょっと待って。そうなると本当、見るものが。チャンネル数どころの話じゃないじゃないですか。
(カンニング竹山)もう話じゃないわけ。で、好きな映画を見ながら、『今日のジャイアンツ、いま何対何かな?』って思うじゃない?したら、リモコンでさ、『いまジャイアンツ、どうなってんの?』って言うのよ。そうするとテレビがウィーン!ってなって、ジャイアンツの結果とかがウワーン!って出てくるのよ。
(赤江珠緒)うわー・・・
(カンニング竹山)『誰が打ってるの?』みたいな。ウィーン!って出てくるの。でも、映画もやっているみたいな。で、そういうことが全部できるわけ。で、ゲームもできたりとか、もちろんインターネットみたいなのもできるし。その、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で見たようなさ、世界にさ、どんどんなってきているわけですよ。
(赤江珠緒)本当ですね。ぜんぜん動かなくても、世界が広がっているという、なんかね。見た感じのね。
(カンニング竹山)そう。で、iPhoneはiPhoneでなんか、また新しいのが出るけど。なんか英語で言っているからよくわかんねーけど、もうすげー機械なわけですよ。で、iPadとかもそんなのがどんどんできてさ。
(赤江珠緒)はい。
(カンニング竹山)で、そういうのを見た後だったから、そうなってくる後に、ラジオってものすごくアナログじゃないですか。
(赤江珠緒)たしかにね。
(カンニング竹山)言ったら。耳で聞くだけのもので。まあいま、Radikoとかポッドキャストとか、いろいろありますよ。そこで、Radikoなんかで今日はデータもいま、番組情報とかさ、曲情報とかもわかるようになっているけど。それでもやっぱりさ、アナログじゃない。
(赤江珠緒)はい。
(カンニング竹山)で、それを何十年とやってきた永六輔という人は、この土曜ワイドは終わるけど、何を考えているんだろう?と思ったわけです。ラジオに関して。どう考えてやってきてるんだろう?
(赤江珠緒)ラジオの立ち位置がずーっとね、長年の間で変わる変遷を全部、ご覧になってきた方ですからね。
(カンニング竹山)そうじゃないですか。で、TBSラジオという看板番組を何十年も。まあ、何人かいらっしゃいますよ。(大沢)悠里さんもそうですし。でも、そのうちの1人じゃないですか。だから『この人、ラジオってどう考えてるんだろう?そして、この先のラジオって、どう考えてるんだろう、この人?』って。すごい気になったわけですよ。で、それを聞いてみようと。
(赤江珠緒)いい質問です!
(カンニング竹山)もうこれ、たぶんね、まあ変な言い方をすると、最後になるかもしれないと(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(カンニング竹山)まあ、冗談としてね。で、聞いてみようと思って聞いたんですよ。そうするとね、たぶんですけど、新しいメディアに関してはあまり、おじいちゃんだから知らない部分もあるけど、何かが変わるっていうのはわかっていると思うのね。けど、一つだけね、いい話が聞けて、『ああ、そうだな』と思ったのは、まあ赤江さん、聞いたらわかると思うんですけど。
(赤江珠緒)はい。
(カンニング竹山)ラジオとテレビの違いっていうか。『テレビは大きく見えてしまう』と。
(赤江珠緒)大きく見える。はい。
テレビは大きく見えてしまう
(カンニング竹山)と、言うわけ。大きく見える。まあ、俺なんか太った人は横に広がるとか言うからさ。テレビって。画の問題で。
(赤江珠緒)見た目?
(カンニング竹山)うん。そういうことかと思ったわけ。『なに言ってんだ?そんなの、知ってるよ、じいちゃん』ぐらいに思っていたわけ。したら、実はそうじゃなくて。テレビはね、結局見てる人がさ、視聴者の方も、どんどんどんどん、想像じゃないけど、その人がどんどんテレビに出れば出ていくほど、一昔前でいまはだいぶなくなりましたど、『この人、偉い』っていうかさ。
(赤江珠緒)はー。
(カンニング竹山)『テレビに出ているから、この人は偉い』とか。冠番組何本も持つようになったりすると、『この人はスターだしテレビで成功しているし。大スターだ』みたいな。わかる?この感覚。そういう風に、目で見えてしまうわけじゃない。
(赤江珠緒)はー。なるほど。
(カンニング竹山)ということは、本人がちゃんとしていないと、出ている本人はさ、そうなるとさ、驕り高ぶる可能性があるよね。勝手に。ぜんぜんメッセージも100%伝えているわけじゃないけど、いつの間にかそうなって。たとえば『カンニング竹山の○○』っていう番組を俺が週に5本ぐらい、テレビで持っている人になると、世間の人は『竹山、司会者だもんな。竹山、重鎮だもんな』とかさ。
(赤江珠緒)はー。そういうことか。
(カンニング竹山)で、俺はそんな気なくても、世間はそう思っちゃったりもするし。あと、俺が変な人間で驕り高ぶっちゃうと、俺も偉そうになっちゃって。でも、それって人間の本質じゃないっていうかさ。中身が何もないところで、ただ偉そうぶってたりとか。視聴者とそういう関係になるっていうことがこれ、『テレビはでっかく見える』っていうことの1個の要因なわけ。
(赤江珠緒)はー、なるほどね。
(カンニング竹山)ちょっと、わかります?これ。
(赤江珠緒)そういうことか。なるほど。私ね、いま聞いていて思ったのが、それこそさっきの災害の話じゃないですけど。テレビってやっぱり、いちばん被害が大きかったところとかを、まず優先的に撮っていくじゃないですか。で、そういうところの映像をこう、つなげて。流すじゃないですか。そうすると、あとでまあ、自分たちも現地に取材に行った時とかに、『あれっ?』って思うぐらい。
(カンニング竹山)うん。何もなかったりする。片付いていたり。
(赤江珠緒)そこだけだったり。その横はぜんぜん大丈夫だったりする時もあるんですよね。けど、受けている印象としては、ものすごい広大な範囲。その大きさのサイズ感はたしかに伝えるのが難しいかもしれない。
(カンニング竹山)そこで見てるとさ、もう錯覚というか、その映像を見ちゃうと、『ああなってるんだ』って思うわけじゃない。でも、テレビ側から言うとさ、それはしょうがないことで。これはもう、テレビって映像を流しているからしょうがないんだけど。よく言われるのはね、『画の強いところを映せ』と。『画の強いところ、どこだ?画の強いところを探せ』『ここ、いま画が強いです。家がちょっと壊れかけてます』『じゃあそれ映せ!横の家は?』『横は、何もないです』『強いところを映せ』っていうのがやっぱりテレビでよくあるあれなんですけど。
(赤江珠緒)まあ、そりゃそうですよね。
(カンニング竹山)だからそうやって視聴者との、誤解というかさ。そういうものが人間に関しても生まれてくるメディアがテレビで。で、一方ラジオは何か?っていうと、ラジオは永さんが言うには、それがないと。要は、ラジオって、昔、俺が教えてもらったのは『ラジオは嘘をつけない』って聞いたことがあるんですよ。
(赤江珠緒)はい。
(カンニング竹山)でも、永さんもやっぱり同じようなことを言っていて。『ラジオはその人がまんま伝わる』と。要はなんでか?って言うと、耳からしかさ、赤江さんという存在はさ、朝、テレビで見たことがない人は、赤江さんのいましゃべっている声しかわからないわけじゃない?
(赤江珠緒)たしかに。
ラジオはその人がまんま伝わる
(カンニング竹山)で、声を受け取るわけじゃない。そうなった時に、それを想像するじゃない?人間って。『ああ、これはこんな人だな』とかさ。で、聞いてる方も、頭が働くわけじゃない。ということで、その人の人間性がよりわかるんだって。で、より伝わるんだって。
(赤江珠緒)まあ、そりゃそうね。服装、どんなに着飾ってもラジオだと映らないもんね。
(カンニング竹山)映らない。視覚がないから。
(赤江珠緒)視覚でちょっと、ぼやかしたりとかもできなですもんね。
(カンニング竹山)だから、そのまま伝わるメディアがラジオだという風に永さんはおっしゃって。それはね、意外と、ちょっと半分・・・
(赤江珠緒)怖いですね。それはそれでね。
(カンニング竹山)いや、怖い。だから半分ね、本当に普通にじいちゃんに挨拶に行くような感じで行ったんだけど、意外といい話が聞けたと思いまして。だから、それで言うと今後ラジオ、どうなるか?っていうと、たぶんそのまま。そのメディアはそのメディアとして、貧乏なメディアにはなるけど。それは残るんじゃないの?やっぱり。
(赤江珠緒)うん。
(カンニング竹山)っていうような感じの話をちょっとしましたけどね。
(赤江珠緒)そうか。だから、私も普通にリスナーとして、いろんな他の番組を聞くとかありますけど。たしかにその人と友達っぽく、等身大みたいな感じのその人が見えているような、聞こえているような気がしますもんね。
(カンニング竹山)そうそうそう。ラジオってね。
(赤江珠緒)ああ、そこがこれからのラジオの利点?
(カンニング竹山)だからやっぱりね、俺、アップルのそれを見ていた時に、やっぱり人間ってさ、我々もそうだけど、どんどん便利になっていくじゃん?俺も、アップルの商品いっぱい使ってますよ。で、ものすごい便利に快適なライフをすごしてますけど。そればっかりじゃ、人間ってダメなんだよね。きっとね、与えられてばっかりじゃダメなんだよね。
(赤江珠緒)うん。
(カンニング竹山)自分で、なんだろう?とかさ。これ、どうなってるんだろう?ってことを常に興味をわくというか。そういう生き方をしていかないと、本質がわかっていかないような気が、俺はなんとなく。この土日のアップルと永六輔で。
(赤江珠緒)(笑)。すごいね!すごいですね、その対比。うん。たしかに。
(カンニング竹山)この対極で。『対極』って怒られるのか?それをちょっと感じましたね。
(赤江珠緒)はー。
(カンニング竹山)あと、永さんとしゃべるの、難しいよ。『永さん、これ、ここどうなんですか?』って。永さんがワーッてしゃべってくれる。『いや、これはね、あれでこうでこうで・・・』って言ってくる。『やっぱりラジオはこういうメディアなんだよ』って。1回、止まるわけ。
(赤江珠緒)ほう。
(カンニング竹山)止まって、ジーッと俺の目を見るっていう。変な間。
(赤江珠緒)へー!
(カンニング竹山)『ん、あ・・・はい』っていう(笑)。
(赤江珠緒)(笑)
(カンニング竹山)まあでも、元気そうでね、よかったですね。夕方やる気、バリバリあったよ。
(赤江珠緒)あ、そうですか。へー。
(カンニング竹山)やる気に満ちあふれているじいさんだったよ(笑)。
(赤江珠緒)そうかそうか。その後のね、久米さんのテーマも、だから永さんだったでしょ?
(カンニング竹山)あ、そうなの?
(赤江珠緒)近所の、少年Aみたいな感じで。中年Aとか、いろんな人の『A』の話。
(カンニング竹山)へー。ああ、そういうことですか。
(赤江珠緒)その流れで、ナイツさんのプレ放送もありましたしね。土曜日のね。
(カンニング竹山)そうですか。まあちょっと俺、自分が出番終わったら、仕事行っちゃったんだけど。
(赤江珠緒)はい。聞かせて頂いておりました。
(カンニング竹山)いや、でもね、やっぱりいいですな。ああいう先輩に話を聞くのは、いいですな。
(赤江珠緒)そうですな。
(カンニング竹山)話を聞くのはいいですわ。
(赤江珠緒)いや、いいお話をありがとうございます。
<書き起こしおわり>
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