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林剛と松尾潔 ESSENCE Festival 2019を語る

林剛と松尾潔 ESSENCE Festival 2019を語る 松尾潔のメロウな夜
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林剛さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』にゲスト出演。松尾潔さんとニューオリンズで行われたESSENCE Festival 2019について現地の模様などを話していました。

(松尾潔)改めまして、こんばんは。松尾潔のメロウな夜。今夜は音楽評論家、音楽ライター、そして音楽愛好家、偏愛家。このぐらいにしておきましょう。林剛さんをお迎えしております。こんばんは。

(林剛)こんばんは。林剛です。

(松尾潔)フフフ、最初から悪ノリしましたけども。林さん、僕は番組冒頭では「音楽評論家」っていう風にお話したんですけど、ご自身のことは何て言うことが多いですか?

(林剛)難しいですね。「音楽ジャーナリスト」と書いたりもしますけども。まあ、海外に行くと「君はジャーナリストだから」っていう風に言われたりするので。

(松尾潔)たしかに。「ライター」っていう言い方はあまりしませんもんね。「曲を書いているのか?」っていう話になっちゃいますからね。

(林剛)でも「評論家」って名乗るのもな……っていうのもあるんですけど。でも、やっぱりそこに責任を持たなきゃなという気持ちもありますしね。難しいですね。自分ででも「音楽評論家です」という風には言ったことないですね(笑)。

(松尾潔)ああ、そういうものなんですかね。まあ、偽らざるお話を聞かせていただきましたけども。まあ、けど僕にとっては林さんっていうのは「同好の士」と言いますかね。愛好家の方と同好、どちらも「好き」という書きますけれども。まあ同じジャンルの音楽が好きな仲間っていう気持ちが大変に強いんですけども。やっぱり林さんといえばエッセンス、エッセンスといえば林さん。ねえ。本籍地はニューオリンズなんじゃないか?っていうぐらいの。

(林剛)フフフ、本当にアメリカで一番行った都市がニューヨークを超してニューオリンズになってしまいましたね(笑)。

(松尾潔)フフフ、ニューヨークでもニュージャージでもなく、ニューオリンズに(笑)。

(林剛)フィラデルフィアでもなく。15回目。

(松尾潔)15回目。節目の年ですね。そもそもエッセンスというのが今年25周年でしょう? で、林さんにとっても15周年だという。周年だったんですね(笑)。ちょっとまあこの番組ね、ご存知の方も多いのですが、初めて今年お聞きになられる方のためにそのさっきから「ニューオリンズのエッセンス、エッセンス」って言ってますけども。簡単にこのエッセンスフェスティバルについて、ご説明をいただけますか?

(林剛)エッセンス・フェスティバル……もともとはエッセンス・ミュージック・フェスティバルとして94年にニューオリンズのルイジアナ・スーパードームで3日間……最初から3日間だったんですよね。始まりまして。そのエッセンス誌というね、女性誌。アフロアメリカンの女性カルチャー誌、カルチャーマガジンがありまして。そこが主催しているフェスティバルです。

(松尾潔)これ、総動員数っていうのは何十万人になっちゃうわけですよね?

(林剛)何十万人ですね。今年見たところだと50万人という風になってましたね。

(松尾潔)はー! そこまでのイベントになりましたか。僕もこの番組でたびたびお話してますけども。その第1回目から4、5回行ったのかな? 5回ぐらい行ったのか? で、ちょっと間を置いてまた何回か行きましたけども。林さんと同じ年に行ったことは1回もないっていうね。つまり僕は15年間行ってないんですね。

(林剛)ということになりますね。

(松尾潔)だから昔話になっちゃうんだけど、その頃からまあ大きな会場ではやってたけど。いま、逆に言うとその「ミュージック」が抜け落ちて、アフリカンアメリカであることの民族意識を高揚させるようなイベントっていうのもすごく多いんでしょう?

(林剛)そうですね。ただまあ、やっぱり音楽が中心であることには変わりないですけども。たとえば今年だったらそのミシェル・オバマさんのスピーチというかトークショーが……しかもメインステージっていうか一番大きなステージ。何万人が収容されるところ。

(松尾潔)7万人ぐらい入るのかな?

(林剛)そこで、通常ならライブをやる時間にミシェル・オバマさんか1時間半ぐらいお話をするっていう。それでみんなちゃんと座って、そんなに空席が目立たず、みんな聞いているっていう。

(松尾潔)ロックスターみたいなね。

(林剛)今年の一番の目玉はミシェル・オバマさんだったんじゃないか?っていうぐらい。街の人がみんな「オバマさん、来るんでしょう?」「ミシェルさん、来るんでしょう?」みたいなね、そういう「ニューオリンズに来たんだ!」っていうことでなんかみんな誇らしげに語ってましたね。

(松尾潔)へー! 本当に? けどこれ、2019年っぽい話ですね。元ファーストレディという言葉だけで語られないような、人としての魅力というのが……まあ、恋人時代のバラクと一緒に初めてのデートで見に行きった映画が……。

(松尾・林)『ドゥ・ザ・ライト・シング』!

(松尾潔)っていうね。フフフ、これはR&B好きにはたまらないエピソードですけどね。そうか。それでそのスパイク・リーがね、今年悲願のオスカーを獲った年でもあり、そういうことを考えるとね、なんかアメリカにおけるブラックカルチャーっていうもののひとつの成熟の時代でもあるのかなっていう気がしますね。そこにね、エッセンスの25周年が重なったんですね。

(林剛)それでまあ、94年頃がやっぱりね、松尾さんもよく言ってますけども。R&BのいまのR&Bにつながるその原点の年っていうか。という風に言っていたりしますけども。その頃にデビューをした人たちがやっぱり25周年を祝う……たとえばブラウンストーンとか、そういう人たちがまた再結成という形で今回、ステージに上ったりとか。

(松尾潔)なるほどね。まあ90’s R&Bっていうのもこの番組でも繰り返し言ってますけど、もうブームというよりもひとつのアートフォームとして定着した感じですもんね。様式美としてね。

(林剛)あと、いま言い忘れましたけどメアリー・J.ブライジの『My Life』が25周年なんですよね。

(松尾潔)ああ、なるほど。エッセンスと共に……っていう感じだな。

(林剛)そうなんですね。いつもメアリー・J.ブライジがライブやってるんですけども。今年はとにかくその「クイーン」と呼ぶにふさわしい女性というか。アレサ・フランクリン亡き後のね。

(松尾潔)もちろんね、パティ・ラベルっていう人もいるんだけど、やっぱりその、世代の代弁者っていう色合いが強いのはやっぱりメアリー・Jですよね。ヒップホップ世代のね。

(林剛)あと、いまお客さんがね、ちょうどメアリー・J.ブライジを思春期に聞いてきた人たちが多いので、そういう意味でもやっぱり、彼女たちにとっての女王はやっぱりメアリー・J.ブライジになるんですよね。

(松尾潔)なるほど、若き日にメアリー・Jを聞いてた人たちがね、いま40代とかになって、ちょっと金回りも良くなったりして。で、ニューオリンズにバカンスも兼ねて行って……みたいな。そういうところにピタッとはまったりもするんでしょうけども。さて、そんなエッセンス2019、そのいろいろとご覧になった中で、今年一番見たかった女性という風に林さんが断言されてるのがクイーン・ナイジャなんですね。クイーン・ナイジャはもうこの番組ではプッシュしてまいりましたけれども。じゃあまず1曲、聞いてみたいと思います。これはいまのところ最新シングルになるのかな? クイーン・ナイジャで『Away From You』。

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Queen Naija『Away From You』

(松尾潔)お届けしたのは林さんが今年のエッセンス・フェスティバルで最も見たかった女性と断言されてらっしゃいますイーン・ナイジャで『Away From You』。この曲もパフォーマンスしたんですね?

(林剛)この曲もパフォーマンスしました。で、1曲目が『Karma』という曲で。

(松尾潔)この番組でもご紹介しました。いまのところ『Karma』『MEDICINE』っていうのが二大ヒットで、そこに『Away From You』が入ってきたっていう感じですかね?

(林剛)そんな感じですね。で、まあもうとにかく、僕自身もすごく見たかったんですけども。やっぱりみなさんも考えてることが一緒で、人気があるんですね。もともとこの人は某動画サイトから歌手になった方ということで。

(松尾潔)いまっぽい出自ですよね。

(林剛)だからエラ・メイがインスタをきっかけにマスタードに見初められたみたいな話よりさらに進んでいる感じの人なんですけども。

(松尾潔)シンデレラストーリーですよね。

(林剛)で、まあ本当に、そういうこともあっての人気なんですけども。お客さんの歓声だけで言えば去年のエラ・メイをしのぐ人気で。歌も、僕は本当にこのスタジオ録音の音源も大好きなんですけども。どんなもんかなと思って、それも期待してたんですけども、相当に上手いです。声質は若干違うんですけども、SWVのココに近い、通じる感じのパーンと張った声で。

(松尾潔)うんうん。さっきの『Away From You』なんていうのもあれはミニ・リパートンの『Perfect Angel』を換骨奪胎したような曲ですけども。やっぱり相当自信に満ちた歌いっぷりですもんね。いつもね。

(林剛)本当に自信に満ちた歌いっぷりで。ちょっと前にソウル・トレイン・アワードっていうのがありましたよね? そこでソウル・サイファーっていうエリカ・バドゥがDJをやって聞かせる、マイクリレーをしていくっていう……。その時、BJ・ザ・シカゴキッドに続いてクイーン・ナイジャが出て、その次にルーク・ジェイムス、ケリー・プライスへとマイクが渡っていくという。で、そのベースになっている曲というのがパティ・ラベルだったりしたんですけども。

(松尾潔)なるほど。

(林剛)その並びで歌っているぐらいですから、相当なもんですね。

(松尾潔)ちょっと新人としては破格の待遇っていえますよね。

(林剛)まあだから今回人気が、歓声が大きかったって意味ではあのシティガールズっていうね、ラッパーの子たち。彼女たちと張るくらいの人気がありました。

(松尾潔)へー! これはね、やっぱり現地でご覧になった林さんならではのお話ですが。同じく今年一番見たかった男性ということで林さんが名前を挙げてらっしゃるのが、奇しくもクイーン・ナイジャのヒットと同じ『Karma』という曲をモノにしているラッキー・デイ。いかがでしたか? はじめてライブをご覧になったんですよね?

(林剛)ライブ、もちろん初めてです。

(松尾潔)彼はたしかニューオリンズ出身じゃなかったかな?

(林剛)ニューオリンズです。

(松尾潔)もう30代ですもんね。

(林剛)そうですね。で、ニューオリンズっていうのも、毎年なんですが薄くエッセンスのテーマになっていまして。今年は特にそのニューオリンズの若手に光を当てようっていうようなところがあったんですが。彼もね、いわゆるニューオリンズ・サウンドとかっていうことではないんですけども。ニューオーリンズ出身っていうことでステージに上がったわけですけども。

(松尾潔)だって彼が本当にね、子供の頃に始まったフェスですもんね。

(林剛)本当にそうなんですよね。でも、本当にパフォーマンスっていうか、歌もすごいんですけども。彼はとにかく人柄の良さが伝わってくるという。で、地声と裏声をすごい巧みに使い分ける歌い方というか。

(松尾潔)本当に技巧的には大したもんですよね、ラッキー・デイはね。

(林剛)そうなんですよ。だから今年、ルーク・ジェイムスとかメイジャーとかね、そういうシンガーも出て。そのパティ・ラベルのトリビュートをやったりとかもしたんですけども。彼らとやっぱり並ぶというか、それ以上の僕は力強さを感じたし。マイケル・ジャクソンの『Human Nature』なんかおm織り交ぜて歌ったりとか。

(松尾潔)それは聞き物だったでしょうね。じゃあ、ここでラッキー・デイのいまのところの彼の代名詞的な1曲と言えるでしょう。聞いていただきましょう。アルバム『Painted』にも再収録された……じゃあ、林さんからご紹介いただきましょう。

(林剛)ラッキー・デイで『Roll Some Mo』です。

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Lucky Daye『Roll Some Mo』

(松尾潔)ラッキー・デイで『Roll Some Mo』。いや、いい曲だな! しかしまあ、出てくるもんだなって思いますね。南部からこういう才能……よくいままで30年間、無名でいたなって。まあ実際にはいろんな人に曲を提供したりとか、違う名前でやったりとかしてたわけですけど。

(林剛)やっぱり南部っていうかルイジアナというかニューオーリンズというか、そこ出身のシンガーっていうのは何なんでしょうね? たとえばオーガスト・アルシーナなんかもそうですけども。いいシンガーが多いなって。あとはルーク・ジェイムスもそうなんですよね。

(松尾潔)うんうん。ルーク・ジェイムスの話、よく出ますけどもね。たしかに、彼もそうですね。続いて南部の男性をもう1人。この番組ではさんざん、以前に林さんとこの人のことをいじりましたね。「自称キング」という(笑)。

(林剛)フフフ(笑)。

(松尾潔)言うだけ番長みたいなね。

(林剛)それで言っておいて、みんなから批判を浴びると……。

(松尾潔)キース・スウェットに叩かれたっていうね(笑)。

(林剛)タンクとかね。それで「ああ、しまった! すいません!」っていうね。「俺の世代のキングだ」っていう風に言い直したというね(笑)。

(松尾潔)フフフ、ここまで話せばご存知の方も多いと思います。ジャクイースですね。ジャクイースも本当、南部。アトランタですからね。たしかラッキー・デイはさっき、ニューオリンズ出身って言いましたけど。音楽のキャリアを築くにあたってはまず1回、アトランタに出てるんですよね。たしかね。で、あちらの南部の方を旅をした方っていうのはすぐ容易に想像できるでしょうけど、ニューオリンズとアトランタっていうのは人的な交流というものも盛んですもんね。近いですし。

(林剛)そうですね。ニューオリンズとアトランタ、あとはニューオリンズとヒューストン、ダラスとかね、そのへんはもう近いですね。

(松尾潔)そうですね。そんな中でも自称キングのこのジャクイースは?

(林剛)これをね、本当にこれは見たかった。「本当にキングなのか?」っていうね、それをたしかめてみたかったっていうね。

(松尾潔)結論から言ったら、どうですか?

(林剛)結論から言うとですね、うーん。まあみんなに叩かれた理由もわかるかなっていうね(笑)。

(松尾潔)フハハハハハハッ! 本当に?

(林剛)いや、レコードはっていうかCDというかアルバムは、松尾さんと僕も去年1位にしたいぐらい、すごい完成度が高いし素晴らしいんですけども……。

(松尾潔)なんかイメージ的に言うとライブがもっとすごそうなイメージがあるんだけど?

(林剛)彼はね、なんでそう思ったかというとすごい踊るんですよ。で、聞くところによるとそのアトランタスタイルの踊りだっていうんですけど、なんかこう、ニンニン……っていう感じでね、こう(笑)。

(松尾潔)いま、僕は目の前で林さんが踊ってくださっているのを「これ、なんて伝えようか?」って思っているんだけども。両脇、肘を突き出して。それを上下させる。ニンニン……って。なるほど。

(林剛)で、なんかこう、子供。キッズがジェームス・ブラウンの踊りの真似をして、「ちょっとパパ、見て!」みたいな感じで。白い歯をニッと出したまま、それで歌うんですよ(笑)。

(松尾潔)フフフ、子役アイドル?(笑)。かわいらしい感じだ。

(林剛)本当にかわいらしい。だからやっぱり憎めないなっていう。あんな風な発言をしても、やっぱり結局憎まれないで、すごい人気は会場でも高かったんですね。やっぱりそれだけ人気があるっていうのはタンクとかキース・スウェットが笑って許すようなあの感じとか……。

(松尾潔)愛嬌があるんですね。

(林剛)本当に愛嬌があって。でも、子供ですね(笑)。

(松尾潔)流石ですね。長い時間、フライトを乗り換えてニューオリンズまでたどり着いて見て、漏らした感想が「子供ですね」っていう、これは僕、しびれますね! へー! ああ、本当に?

(林剛)という感想しか僕、出てこなかったですね。彼に関しては(笑)。

(松尾潔)それはとりもなおさず、同じ会場でたとPJ・モートンとか、もう成熟の極みみたいな人たちがもごまんといるわけですよね。そんな中でジャクイースはちょっとお子ちゃまな?

(林剛)そんな感じでしたね。

(松尾潔)なるほど。なるほど。けど、それはまた面白い事実でしたね。

(林剛)やっぱりさっきのね、それこそルーク・ジェイムスとかラッキー・デイとかと比べると、うーん……。

(松尾潔)技量的にはちょっと落ちますか?

(林剛)そうですね。「そうですね」ってこれ、ちょっと言いにくいんですけどね。

(松尾潔)けど、それも本当にリアリティーあふれるご報告ですね。

(林剛)でも踊らなければもっとちゃんと歌えたのかなっていうね。

(松尾潔)どんなフォローだよ(笑)。じゃあ、踊らずにマイクに向かったと思しきレコーディング作品をこれから聞いていただきたいと思いますが。その傑作アルバム、それはもう事実ですね。『4275』の中から、今日はこちらを選んできました。ご紹介ください。

(林剛)ジャクイースで『I Know Better』です。

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Jacquees『I Know Better』

(松尾潔)お届けしましたのはジャクイースで『I Know Better』でした。

(林剛)ここまでかけてきたものを含めて、ほとんどラウンジのアーティストの話ばかりをしているんですけども(笑)。

(松尾潔)メインステージじゃなくて。じゃあ、ここで……番組も終盤に近づいてまいりましたけども。エッセンスの王者が今年、カムバックしたという話。この話を僕、待ってましたよ。

(林剛)25周年なんでね、今年は……っていうことだったんでしょうね。メイズ feat. フランキー・ビヴァリー。

(松尾潔)待ってました! 僕に限らず特に初期のエッセンス・フェスティバルに通ってた人たちっていうのはまあ、ニューオリンズに行く。エッセンスに行く。けど、これって要するにフランキー・ビヴァリーを見に行くっていう人が多かったんですよね。

(林剛)らしいですね。

(松尾潔)僕もやっぱりそうでした。

(林剛)だからフランキー・ビヴァリー、メイズが3日間、フェスがあるんですが。そのまあ大トリですよ。最後ですね。そこに15年連続で……初回の94年から。

(松尾潔)だってメイズは最後に出したアルバムが93年ですよ。『Back to Basics』っていう。だから、このフェスが始まった時は割と新譜を出した直後みたいな感じだったのに、それから1枚も出していないんだもん。でも、ずっと最初と同じかそれ以上のね、リスペクト、プロップスを獲得している人たち。今年、その25周年ということで。もうね、年も結構重ねたわけですが。

(林剛)今年73歳ですね。

(松尾潔)そのフランキー・ビヴァリーが戻ってきた!

(林剛)だから2009年までは連続で15年間、大トリを務めていて。その後、2015年かな? 1回、初日のトリかなんかに出たんですよね。特別に。それで今回は25周年っていうことで、アイコンっていうかメイズを呼び戻そうと。

(松尾潔)ミスターエッセンスですからね。

(林剛)やっぱりね、あれがあるのとないのとでは大違い。メイズがトリを務めるかどうかっていうのでずいぶんと印象が変わってくると思うんですけども。

(松尾潔)しかも、そのフランキー・ビヴァリーを迎えるための追い風として、ビヨンセによる『Before I Let Go』のカバーがありましたからね。

(林剛)去年、エラ・メイの『Boo’d Up』が街でかかりまくっていたっていう話をしたと思うんですけども。今年は本当に、いつも『Before I Let Go』ってかかってるんですけども。やっぱりビヨンセのカバーがあったから、もう本当に例年の倍以上かかっていますね。

(松尾潔)へー! まあ、もう会場以外でも街中いろんなエッセンス期間中に大小のイベントとかライブとか、たくさんやっているでしょう? で、いろんな人たちがこのフェスの正式出演じゃなくても、たくさんニューオリンズにやってくるんですよね。

(林剛)そうなんですよ。僕、行きの飛行機でケニー・ラティモアと一緒になったりしてね。彼も出ないのに来ていたりしましたけどもね。

(松尾潔)だってもう飛行機の中から「いま離陸前ですけど、どうやらケニー・ラティモアに似た人が同じ機内にいます」って僕にね、メールをくれましたよね?(笑)。その後に話しかけたら本当にケニーだったっていう?

(林剛)バゲージクレームであって挨拶をしたっていうね(笑)。

(松尾潔)「ずっと俺のこと、見てたのか?」っていう?(笑)。

(林剛)そんなことは言わないですけども。やっぱり何人か気づいた人がいたみたいで。それで、その前日にエッセンスとは関係ないイベントでキッド・カプリがDJをやるっていうオールドスクールのパーティーに行ったんですけども。そこでね、メイズとビヨンセの『Before I Let Go』をマッシュアップというか。それをした上にメイズの『Before I Let Go』をネタに使った、ヴィヴィアン・グリーンの『Get Right Back To My Baby』をかけるとかね。

(松尾潔)プロデュースド・バイ・クワメ、音の科学者ですね。はい。それはけど、もう2019年ならではの……やっぱりビヨンセっていうあれだけの名前のある、影響力のある人がこの『Before I Let Go』を取り上げたことによって蘇生しましたね。

(林剛)本当にそうですね。

(松尾潔)だって81年の曲ですよ。しかもこのね、ニューオリンズを舞台にした大名盤、メイズの『Live in New Orleans』に収められていたという。じゃあ、これで盛り上がらないはずはないという。その曲、現地での壮絶なる盛り上がりを想像しながら聞いてみたいと思います。曲紹介をお願いします。

(林剛)メイズ feat. フランキー・ビヴァリーで『Before I Let Go』。

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Maze feat. Frankie Beverly『Before I Let Go』

(松尾潔)はい。R&Bヒストリーの中ではもう、これを知らなきゃ嘘でしょう?っていうような有名な「オウ」があるんですけども。この「オウ、ウォーウ♪」がね(笑)。まあ、それこそレニー・ウィリアムスの「オ、オ、オ……」とかと並んで。

(林剛)『Cause I Love You』(笑)。

(松尾潔)フフフ、有名な「オウ」ですよね(笑)。

(林剛)レニー・ウィリアムスの『Cause I Love You』とかね、キャメオの『Candy』とかね、そこらへんはもう定番ですよね。

(松尾潔)本当、そうですよね。知らなくても楽しめるけど、知っているとやっぱり現地のお客さんと一体化しやすくなりますよね。

(林剛)今年はね、本当にもうこの曲、『Before I Let Go』を聞いてエレクトリック・スライドっていうステッパーズのダンスを踊ろうという、そういうのが結構メイズを呼んだ理由でもあるというところだったりするようですけどね。

(松尾潔)なんかその、聞いたところによるとフランキー・ビヴァリーというかメイズにトリビュートしたアーティストっていうのもいるそうですが。

(林剛)今回メイズのショーの前に2曲だけ、アンソニー・ハミルトンがメイズの曲、『Can’t Get Over You』とかを歌うっていう。

(松尾潔)それはメイズのいわゆる前座的な感じで?

(林剛)要するにフランキー・ビヴァリーを迎える前に、そのメイズのバンドでアンソニー・ハミルトンが歌っているという。だから、あの2009年に出たトリビュート盤みたいな感じですよね。

(松尾潔)なるほど。そして「親分、あっためときましたよ!」っていう感じでアンソニーがフランキーにマイクを渡すっていう感じですか?

(林剛)まあ、それに近い形なんですけども。それでもう出てきたらね、大歓声で。ちょっとフランキー・ビヴァリーが表彰もされて。

(松尾潔)功労賞的な。

(林剛)もうフランキーおじいちゃんっていう感じでね、声はやっぱりね、もうその年なんで昔のようにはいかないんですけども。でもそれをね、みんなフランキーがちょっと出せない部分をみんな観客がそこを補うようにシング・アロングするっていうね。それがもう僕、ちょっと涙が出ましたね。今回。

(松尾潔)73歳。

(林剛)今年、73歳ですね。

(松尾潔)振り返ってみると、始まった時っていうのはまだ40代の後半だったんですね。

(林剛)ですね。

(松尾潔)その時のフランキーよりも僕たち、いまもう年上じゃない?

(林剛)そういうことになりますよね(笑)。

(松尾・林)はー!(笑)。

(中略)

(松尾潔)さて楽しい時間ほど早く過ぎてしまうもの。今週もそろそろお別れの時が迫ってきました。ということで今週のザ・ナイト・キャップ(寝酒ソング)。先ほどね、ゲストの林剛さんと一緒に「はー!」って言ったのが伏線になってるわけじゃないんですが、H.E.R.とダニエル・シーザーのデュエットで今日はお別れとしたいと思います。『Best Part』ですね。これも……。

(林剛)今回、H.E.R.がメインステージでショーをやったんですけども。去年はラウンジっていうちっちゃいステージだったんですよね。そこから昇格して。

(松尾潔)そう。グラミーも獲りましたしね。

(林剛)今回、この曲をやるイントロにデニース・ウィリアムスの『Free』をプレイしてからこの曲に繋げるというのがね、非常に優美というか美しかったんですよね。

(松尾潔)このね、ああ、H.E.R.流儀っていう感じがするな。

(林剛)さすがにダニエル・シーザーは出なかったんですけどね。コーラスの人が歌い出すたびに「おおーっ!」って歓声が上がったんですけどもね。ダニエル・シーザーじゃないってわかった瞬間にみんな黙りこくっちゃったという(笑)。

(松尾潔)辛辣ですね(笑)。これからお休みになるあなた、どうかメロウな夢を見てくださいね。まだまだお仕事が続くという方、この番組を応援しているのはあなたです。次回は久しぶりのリクエスト特集です。来週、7月29日(月)、夜11時にお会いしましょう。今夜の相手は僕、松尾潔と……。

(林剛)林剛でした。

(松尾潔)それでは……。

(松尾・林)おやすみなさい。

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H.E.R.『Best Part ft. Daniel Caesar』

<書き起こしおわり>

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