吉田豪 和製アイリッシュパンク特集 16TONS アーマーガールズ

吉田豪 和製アイリッシュパンク特集 16TONSとアーマーガールズ bayfm with you

吉田豪さんがbay fm『with you』に出演。和製アイリッシュパンク楽曲特集と題して、仮面女子のアーマーガールズと16TONSの楽曲を紹介していました。

(松本ともこ)では、特集。さっそくお願いします。なんでしょうか?

(吉田豪)はい。和製アイリッシュパンク紅白歌合戦といいますかね。

(松本ともこ)一応、カギカッコで囲ってみたんだけど(笑)。

(吉田豪)いつまで年末気分でいるんだ?っていうね。もうね(笑)。

(松本ともこ)ええと、年明け1回目。いま、聞こえてきてるのは?

(吉田豪)ええとですね、ポーグス(The Pogues)というアイリッシュパンク的な音楽の元祖といわれるようなね。もともと、根がパンクバンドだった人が、アイリッシュトラッド的な音を入れてやり始めたバンドで。これの影響でどんどんどんどん、こういう路線のバンドが増え。で、最近はこういう感じにハードコア・パンク的なスピード感が加わったりとかで。まあね、全国各地にこういうバンドがいるわけですけど。

(松本ともこ)うん。

(吉田豪)それがですね、アイドルの世界にこの音楽性が初めて入ってきて。僕、結構衝撃を受けたんですよ。アイドルに、メタルだ、ラップだとか、相当増えてますけど。これは隙間だったと(笑)。で、それがようやく、インディーで一応、1枚だけ盤を出してるんですけど。ようやくちゃんと入手しやすい形で全国流通で出たので、それを流そうかなと。そして、それに便乗して、僕の大好きなそっちのジャンルのバンドがあるので、この隙にこそっと流そうかなと。そういう感じです。

(松本ともこ)いやいや、そうは言っても、このアイリッシュトラッドっていうのを、アイドルに歌わせたいななんて思うのは吉田豪世代から上?

(吉田豪)そうですね。あの、最近ちょっと話題になった仮面女子という。

(松本ともこ)仮面女子。テレビなんかでもちょっと見ました。

(吉田豪)出ましたよね。インディーズの女性グループとして、史上初のオリコン1位を獲得したっていうので話題になって。オリコン1位になり、地上波で冠番組が始まり、そのタイミングで週刊文春がスキャンダルを暴き・・・

(松本ともこ)ああ、そう。

(吉田豪)そしてずっと仮面女子とタッグを組んでいろいろやっていたはずの東スポまでそこのスキャンダルに乗っかり・・・

(松本ともこ)東スポさーん!(笑)。

(吉田豪)たいへんな波乱になっていることでお馴染みの仮面女子ですけども。

(松本ともこ)仮面女子、時々パッ!なんて仮面を外したりなんかして。上手いなって思うし。プロデューサーさんも40代で・・・

(吉田豪)いちばん僕、上手いなと思うのが、結局ライブとか見に行くと、メタルとか取り込んだ音楽性なのに、正直口パクだと物足りないじゃないですか。でも、その口パクを感じさせないための仮面なんですよ。

(松本ともこ)本当ですよね!

(吉田豪)口パクに・・・だから仮面があることによって、そして仮面の取り外しがすごいスムーズだから。口でくわえているわけですよ。で、物理的に口パクできない状況にするっていうね。これは上手いなって思ったですけどね。

(松本ともこ)上手い。これ、思いつかなかったって言ったらあれだけど、アイデア。アイデア。なるほど。でも、ちょっと今日はwith youではですね、残念ながら一度もかけたことはありませんので。ちょっとご紹介をしていただいて。

(吉田豪)その仮面女子の『元気種☆』っていうシングルがオリコン1位って言ったってね、12種類同時発売で。しかも、500円で。ここのレーベル、アリプロジェクトっていうのは、1曲入りシングル1000円とかで売っていたから、たぶんファンも完全に麻痺してるんですよ。ずっと1000円でシングル買っていた人が、『えっ?500円で4曲も入ってるの!?』みたいな感じで(笑)。

(松本ともこ)(笑)。それもすごい作戦。

(吉田豪)だから、カップリングが1曲だけ違うようなのが入ってるんですけども。

(松本ともこ)12種類も?

(吉田豪)そうです、そうです。だから、みんなシングル感覚で買うわけですよ。全部。

(松本ともこ)『やった!ちょっとお得?』みたいな。

(吉田豪)それによってこの枚数になるという。

(松本ともこ)もう、やー!みんな戦略がすごい。

(吉田豪)仮面女子っていうのはアリス十番とスチームガールズとアーマーガールズがコラボしたユニットで。

(松本ともこ)もう、そこから知らなかったもん。私。

(吉田豪)そうなんです。で、これがまた雑なんですけど。カップリングの曲を誰がやってるか?とかがCDに一切書いてないんですよ。

(松本ともこ)なんだ、本当だね。

(吉田豪)曲名しか書いてなくて。タワーレコードは親切に、どのグループがやってるか?をちゃんと書いてくれていて。

(松本ともこ)さすがタワー。

(吉田豪)そうなんですよ。そのおかげで僕、アーマーガールズ盤だけ2枚買ったんですけどね。

(松本ともこ)なるほど。ちゃんと選べたってことですね。

(吉田豪)アーマーガールズ推しというか、曲的にアーマーガールズがいちばん好きなんで。

(松本ともこ)そのへんは任せるよ。だってどのグループがいいか、わからないもん。

(吉田豪)はいはい。

(松本ともこ)じゃあ、1曲お届けしましょうか。

(吉田豪)アーマーガールズで、『A!chu! A!chu!↑』。

アーマーガールズ『A!chu! A!chu!↑』

(松本ともこ)『A!chu! A!chu!↑』。アーマーガールズ。これ、このコーナー最初から聞いてないと、『えっ?これ、なに?この曲?』と思うんですけども。まあ、紅組代表ということで。まず1曲、聞かせてもらいました。

(吉田豪)これが、Type-H収録ですね。

(松本ともこ)だから12種類あるわけですもんね。いや、でもどれがどうなってるか、わからないですもんね。

(吉田豪)ジャケに一切ヒントないのでね。みなさん(笑)。曲名だけをヒントに探し出してください。

(松本ともこ)あ、でもこの『A!chu! A!chu!↑』はわかりやすいので。でもまあ、吉田豪がこれがいいよって言うから、もし買うならこっから入った方がいいんじゃないの?で、一応紅白歌合戦ですから。白組代表は?

(吉田豪)白組は16TONSというバンドがありまして。僕、本当に大好きで。ええと、ポーグスがメジャーな世界で売れ始めた頃に脚光を浴びて、この人たちもソニーでメジャーデビューとかしてるんですけど。ポーグスがまだ84年結成とかで地味なパンクバンドみたいな感じで活動してた頃から、実はこの人たちも地味なパンクバンドって感じで。

(松本ともこ)へー!

(吉田豪)だから本当、ほぼ同時期にほぼ同じ音楽性でやってたんですよ。カウパンクって呼ばれるようなジャンルで登場して、みたいな。で、僕ライブとかも普通に行っていて。

(松本ともこ)時はだから、学生?

(吉田豪)学生ですね。高校時代とか行ってましたよ。普通に。ライブハウス行って。で、僕、他のハードコア・パンクバンドの取材で、打ち上げまで行ってて。で、『お前、どうせ16TONSとか好きだろ?あっちに行きたいんだろ?』って言われて、『そ、そんなことないですよ!』って言いながら、ハードコア・パンクの人たちと一緒にいた、みたいな(笑)。『僕、本当はあっちに行きたいんだけどなー』みたいな(笑)。

(松本ともこ)すごい。その頃の吉田豪の思い出もありながら、今日かけちゃおうと。

(吉田豪)はい。その16TONSのインディーズデビューのアルバムですね。『冒険者たち』っていうのに入っている・・・89年ですね。それの1曲を聞いてみましょう。『白銀を越えて』。

『白銀を越えて』

(松本ともこ)へー。私はなんか、当時はライブハウスなんか、まだぜんぜん行ったことないし。この人たちのライブを見ていた吉田豪さんが羨ましい。

(吉田豪)ライブバージョンの方が実はかっこ良くて。そっちを流そうかと思ったんですけど。勝手にライブ音源を流すのもな・・・っていう(笑)。それは自粛しましたけど。88年のライブ音源の方がかっこ良かったですね。自分で録ったやつ。

(松本ともこ)自分で録った。時代ですねー。

(吉田豪)時代ですね。

(松本ともこ)なんか最近、また活動してるって本当ですか?

(吉田豪)そうなんですよ。ええと、2年ぐらい前に復活して。アルバム1枚、シングル1枚出してて。実はbay fmにも出てますね。

(松本ともこ)すごーい!bay fmと縁があるなんて、ちょっとうれしい気もするし。実際にインタビューしたこともあるんですか?

(吉田豪)実はぜんぜん交流もないです。面識もないです。ただのファン(笑)。

(松本ともこ)豪青年、ファン。ファンです。

(吉田豪)ただのファンでーす。

(松本ともこ)いやいや、つながってますね。アーマーガールズ、16TONSと来て、で、紅組に。

(吉田豪)もう1回、繰り返します(笑)。

(松本ともこ)あ、戻るんだ(笑)。

(吉田豪)再びアーマーガールズで、『元気種☆』のType-Lのカップリング曲ですね。

(松本ともこ)さっきType-Lじゃなかったんだっけ?Hか。

(吉田豪)Type-Hですね。今度はType-Lです。いってみましょう。アーマーガールズで『祭・アドベンチャー』。

『祭・アドベンチャー』

(松本ともこ)私がアーマーガールズを今日知ったんですけど、『祭・アドベンチャー』と、先ほどの『白銀を越えて』がつながっていくという奇跡。

(吉田豪)ね。

(松本ともこ)だから大ベテランと・・・たとえばKISSとももクロみたいに共演してもいいんじゃないかな?みたいな。

(吉田豪)KISSとももクロより近いはずですよ。確実に(笑)。あれ、かなり遠いですからね。まあ今度の曲でようやくね、KISSが作るってことで接点できるでしょうけど。こっちは意外と対バン、ハマりますよ(笑)。

(松本ともこ)なんか対バンしてほしい。じゃあ、白組に戻りますよ。

(吉田豪)本当、この機会でしか流せないような、16TONSのデモテープがあるんですよ(笑)。

(松本ともこ)あ、懐かしい!このカセットテープのデモテープ!うわー、よくちゃんと取ってありますね。

(吉田豪)世界でたぶん僕が多く聞いていると思うぐらい聞いてるんですよ(笑)。

(松本ともこ)このテープを大事に大事に(笑)。

(吉田豪)そう。いまだに聞いていて。なおかつ、6曲入りなんですけど、この残っている部分に、他の16TONSのアナログとかの曲とか、僕がライブで録った曲とかを入れて。

(松本ともこ)すごい!オリジナル!

(吉田豪)46分フルにして。ずっと聞いてるんですよね。

(松本ともこ)カセットテープ持っていない人が、だいたいそこで買うと、残りのテープが余っていると。隙がある。

(吉田豪)デモテープなんか特にね、6曲しか入ってないんで。

(松本ともこ)そこに好きなものを入れてるっていう(笑)。本当に音楽ファンなんですね。

(吉田豪)これの収録曲を聞いてみましょう。16TONSで『銃殺の朝』。

『銃殺の朝』


※デモテープバージョンではありません

(松本ともこ)カセットテープからかけるって、すごく味がある。with youだとこういうスタイル、なかなかないんですけど。

(吉田豪)このぐらいの音質の曲が流れるのが新鮮じゃないですか?(笑)。

(松本ともこ)ねえ。いま、なんでもクリアクリアですけど。これまた自分のお部屋で持っている方もいっぱいいるわけだし。カセット感をちょっと今日は出してみました。でも、タイトルがすごかったな。『銃殺の朝』。吉田豪さんの大好きな私物です。紅白歌合戦ですよ。さあ、審査員のみなさん。テレビの前のみなさん、ぜひボタンをお願いしますということで(笑)。

(吉田豪)白組、勝ちですね。これ(笑)。

(松本ともこ)これ、白だね。いや、私わからないけど、アーマーガールズはいま話題の仮面女子?なんかこの、急にな感じがするんだけど。やっぱりこう、地下でがんばってきていま、人気が出てきているわけですよね?吉田豪さんの引っかかるところはアーマーガールズ。他の2チームはそんななんですか?イマイチなんですか?

(吉田豪)そうですね。音楽的にはアーマーガールズが図抜けてますね。面白い。

(松本ともこ)へー。ということで、今日はですね、アーマーガールズ VS 16TONS。bay fmでもしかしたら、なにかきっかけがあるかもしれないので、みなさんチェックしておいてください。

<書き起こしおわり>

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