ライターの大山顕さんがTBSラジオ『たまむすび』に出演。自動車のカラーの名称の面白さについて話していました。
(赤江珠緒)さあ、改めて大山顕さんのプロフィールを簡単にご紹介。1972年千葉県船橋市のお生まれです。千葉大学工学部を卒業後、10年のメーカー勤務を経て独立。団地、工場、高速道路のジャンクションなど特徴のある建造物に魅せられまして、『工場萌え』をはじめ、たくさん本を出版されています。また、『共食いキャラ』。これはたとえばとんかつ屋さんの看板にコック帽をかぶった豚が描かれている、などありますね。これの収集にも熱心で、全国の共食いキャラを集めて書籍化。そして去年たまむすびにご出演いただいた時は、電飾された一般のご家庭を、うらやましさを込めて『浮かれ電飾』と命名し、日々の調査報告をしていただいたということでした。
(ピエール瀧)今年はそれこそ、LEDの一件がありましたから。もうみんな、浮かれ電飾していい感じの、ね(笑)。
(大山顕)そうそう。もうLEDを使うのが国民の義務的な雰囲気にもなりかねない感じですね。
(ピエール瀧)っていう感じ。
(大山顕)特に青色で行こう!みたいな感じで。
(赤江珠緒)顕著です?
(大山顕)ここ数年、青色が戻ってきてるんですよ。去年もお話したんですけど、一時期、青とか白のLEDが流行った時、やっぱり青・白がワーッとね。それは10年ぐらい前かな?なったんですけど。一時期、電球色が盛り返してきて。やっぱり温かみのあるクリスマスじゃねーのか?みたいになったんだけど。3年くらい前から、また青白くなってきていまして。なんなのか、よくわかんないですけど。で、今年のノーベル賞のあれで、さらに今年はきっと青が・・・流行色があるんですよ。
(赤江珠緒)ああ、そうですか。
(大山顕)3年くらい前、ピンクが流行っていましたね。
(赤江珠緒)(笑)
(ピエール瀧)あ、浮かれ電飾に流行色がある。
(大山顕)流行色がある。僕、全く知りたくもなにもないのに、10年くらい定点観測してるもんだから、ものすごく詳しくなっちゃって。だって僕、点滅のパターンでメーカーがわかるようになったんです。
(赤江・瀧)(笑)
(ピエール瀧)なるほど。『ははーん、このパターンはあそこだな』と。
(大山顕)『あ、これは中国製のあそこだな』みたいな。そうそうそう。
(赤江珠緒)へー!
(大山顕)わかっちゃう(笑)。
(赤江珠緒)あるんですねー。
(ピエール瀧)まあね、そんないろんなものを収集されている大山さんでございますけども。
(赤江珠緒)いま、いちばん気になって調べていらっしゃるのが、車の色?でも車の色ってそんなにいろいろあります?
(大山顕)いやいやいや、これ、よく見たことないでしょ?実は僕、車の免許持ってないから全く車に興味なかったんですけど。最初は、ガラケーからスマホになって失われた重要な文化があるんですよ。ってことに、ある日気がついて。なにか?って言ったら、携帯の色の名前。昔ね、『サンセットブルー』とか『ロマンチックピンク○○』とか、すごい名前がいっぱいこう・・・
(赤江珠緒)『フェアリーピンク』とか?
(大山顕)そうそうそう!
(赤江珠緒)あった、あった。
(ピエール瀧)はいはいはい。『シャンパンゴールド』みたいなね。
(大山顕)そうそうそう。シャンパンゴールドはまだいい方。
(ピエール瀧)まだいい方ですよね。ションベンゴールドってやつね。
(赤江・大山)(笑)
(大山顕)そう。あれが、スマホになってカラーバリエーションが重要じゃなくなっちゃったんで、なくなっちゃったんですよ。で、そういえば昔あったなと思って、いまでもあれが残っている場所はないか?と思って探したら、車の色だったんです。
(赤江・瀧)あー。
(大山顕)車の色の名前ね、すごいですよ。ボディカラー。あのね、『ブラッキッシュアゲハガラスフレーク』。
(赤江珠緒)ええっ!?
(ピエール瀧)何色?それ。ブラッキッシュアゲハガラス・・・?
(大山顕)まあ、なんかこう、ブラッキッシュなんでしょうね。
(ピエール瀧)パールブラックみたいなもんなのかな?黒?
(大山顕)ああ、ええとね、全体的にパール。キラキラしてる。やっぱり車を改めて見たら、車のキラキラ具合ってすごいですよね。あんなキラキラしたものが町中走っているってちょっと・・・
(赤江珠緒)そうか。よく見たらそうか・・・
(ピエール瀧)ここ数年じゃないですけど、パール入れるとちょっと高級っぽく見えるっていうか。今っぽいっていうのはありますよね。
(大山顕)技術的にはすごいらしいんですけど。そこまで調べたんですけど、とはいえ、この名前はどうなんだ?みたいな。
(赤江珠緒)そうか。瀧さん、自分の家の車の色、わかります?
(ピエール瀧)僕、だから前も言いましたけど、映画賞で車をいただいたじゃないですか。で、車をいただいた時に、『色、選んでいいですよ』って言われて。いろんな色を見ていたら、ほぼ黒に見える紺なんですけども。それの色が『ウォーターフォールブルー』っていうのがあって。
(赤江・大山)あー。
(ピエール瀧)で、僕、瀧じゃないですか。ウォーターフォールって滝じゃないですか。滝ブルーってことなんで、ディーラーの方と、『まあ、これってことですよね?』って。
(赤江・大山)(笑)
(大山顕)ああ、まあそうですね(笑)。
(ピエール瀧)『これあんのに、他の色選べないですわー!』っつって、その色を選ばせていただきました。
(赤江珠緒)ウォーター・・・?
(ピエール瀧)ウォーターフォールブルー。滝の青。
(赤江珠緒)ああ、それで覚えている。なるほどね。そうか。そんないろいろついてるんですね。
(大山顕)あのね、『アヴァンギャルドブロンズメタリック』とか。
(赤江珠緒)嘘でしょ?(笑)。本当?
(大山顕)あります、あります。いままでのところ、僕が見つけた長い名前は『スパークリングブラックパールクリスタルシャイン』です。
(赤江珠緒)もはや、ちょっと待って・・・
(大山・瀧)スパークリング、ブラック、パール、クリスタル、シャイン・・・
(赤江珠緒)シャイン?
(大山顕)スパークリングとクリスタルとシャインの輝き方の違いはなんなのか、よくわかんないんだけど全部入っている。
(ピエール瀧)でもベースは黒なんかい!っていう(笑)。
(大山顕)そうそうそう(笑)。これがね、最近スイーツ化が始まっていて。一部で。やっぱり、軽に多いんですけど。女性に買ってもらおうっていうのがあると思うんですけど。
(赤江珠緒)あ、『ココア』みたいなところもありますよね。
(大山顕)あ、そうそう。ココア、ありますよね。あのね、『アズキマイカ』とか。『キナコメタリック』。キナコメタリック、おかしいでしょ?
(赤江珠緒)キナコメタリック!?
(大山顕)キナコメタリックは体に悪そうだよね。混入してそうな。あと、『クリームブリュレマイカ』とか。
(ピエール瀧)クリームブリュレマイカ?(笑)。
(大山顕)そうそうそう。あとね、『シンジュパールマイカ』っていうやつがあったの。
(赤江珠緒)(笑)
(大山顕)『頭痛が痛い』みたいな感じの(笑)。
(ピエール瀧)シンジュパールマイカ。あー、なるほど。
(大山顕)これね、なかなか見てると面白いです。
(赤江珠緒)面白いですね。
(ピエール瀧)やっぱりそれはあれですかね?単純にレッドとか色の名前があったとしたら、そうか。『旧車のペンキをまた使っているのか』って思われると嫌なんで、多少いろんなアレンジもあるんでしょうけど、そこの部分でそういう名前になっていっちゃうんですかね?
(大山顕)車における塗装ってすごい重要らしくて。少なくともメーカーさん側は気合を入れてるので。やっぱり日々、技術革新が起こっているので。『いい名前、いい名前』って言って、おっしゃるように、前とは違う、マイカが新しくなっているっていう。そういうんで長くなっていってるんだろうなという。
(赤江珠緒)なんか、技みたいになってきてますもんね。
(大山顕)そうそうそう。プロレスの技っぽいんですよ。
(赤江珠緒)前よりも盛っていく感じなので、どんどん長くなったり。
(ピエール瀧)『キラキラシライ』みたいなことでしょ?前の『シライ』よりもキラキラしてる。
(赤江珠緒)そうか。それ、おもしろいですね。
(大山顕)おもしろいですよ。
(ピエール瀧)これ、どのメーカーが顕著とかあるんですか?これ、日本・外国メーカー問わずですか?
(大山顕)これがね、日本だけかと思ったら、外車も結構・・・アメ車の現地のウェブサイト見に言ったら、ちゃんとそういう名前、ついてましたよ。似たような。『ミラノホワイト○○』とか。向こうね、地名を使うのが多い。
(赤江・瀧)ああー。
(大山顕)『シャンハイ○○』とか、そういうのが多いな。だけど、ベンツもそうでした。ベンツもテンション高い。これね、世界中に見られる現象。車の文化で世界問わずあるんでしょうね。わかんないんですけど。
(ピエール瀧)フェラーリは変えてほしくない気がするね。フェラーリレッドはフェラーリレッドで。
(大山顕)ああ、フェラーリは。あそこまで行ったら、やっぱり突き抜けるんでしょうね。フェラーリがブラッキッシュアゲハとか言い出したら、ちょっとガッカリですよね。
(赤江珠緒)そうか。
(ピエール瀧)色でわかるから。そうか。あそこはいじれないんだ。
(赤江珠緒)日本車でも、特に傾向みたいなの、あるんですか?
(大山顕)そこね、全部僕、テキスト化して。どういう言葉が使われているか、全部分析して。エクセルの表かなんかに落としてカウントしたんです。そしたらね、日産は輝きがち。
(ピエール瀧)ああ、シャイン系。
(大山顕)『ブリリアント』とかよく使う。でね、ホンダはね、もうちょっと価値というか質感というか。そっちに来てね。『ディープ』とか『プレミアム』とか。そういう感じで行くんですよね。というように、メーカーごとにちょっと、つけがちな・・・
(ピエール瀧)構えが違う感じなんですね。
(大山顕)そうそう。
(赤江珠緒)『ディープブラウン』みたいな感じなんですかね?へー。
(ピエール瀧)まあでも結局、言われたところで、たぶん色聞かれただけで選べない。結局だから実車を見ないと決めれないと思うんですよね。たぶんその感じというか。なんで、そこの見た感じだから、どうでもいいのかもしれない。もしかしたら。
(大山顕)そう。もしかしたら。そこはまあ、どうでもいい。携帯と一緒で、手にとって見て。
(ピエール瀧)モックで見てはじめて、っていう。
(大山顕)そうそうそう。ただ、こすった時、傷がついた時に直すペンとか売ってますよね。あれはだからその名前をちゃんと踏襲しているから。車の部品屋さんとかに行くとね、あの名前をたぶん言わなきゃいけないと思うんですよ。『すいません。ブラッキッシュアゲハ・・・なんだっけ?』みたいになる。
(赤江珠緒)瀧さんはそういうストーリーがあるから覚えているけど。普通は覚えてないですよ。『うちのは白』みたいなぐらいしか。
(ピエール瀧)『なんか、シルバー系』みたいな。『暗めのシルバー』とか。『明るめのシルバー』みたいな。
(大山顕)だからそういうところで口に出す機会があるのかもしれないですね。
(赤江珠緒)ええー。その時、ちょっと恥ずかしい!って思いそうですけどね。
(大山顕)ですよね。
(ピエール瀧)そうでしょう。『キナコ』って言いたくないでしょ?こすった後に。『いや、キナコなんです』って。
(赤江珠緒)キナコメタリック(笑)。
<書き起こしおわり>
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