ジェーン・スーが語る 雑誌『オリーブ』の呪い

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未婚のプロ ジェーン・スーさんがTBSラジオ『ジェーン・スー相談は踊る』の中で、雑誌『オリーブ(Olive)』から受けた強い影響と、そこから植え付けられた『呪い』について語っていました。

(ジェーン・スー)41才、華のないジェーン・スーがここ最近、いちばん楽しみにしていたのが、雑誌『GINZA』。ございますよね。女性誌でファッション誌で、GINZAっていうのがあります。まあ、すごい名前ですよ。GINZAって。もう結構長い間。もう20年ぐらいあるのかな?十数年かな?そのGINZAっていうマガジンハウスが出している雑誌で、オリーブ(Olive)の特集をやるよというのが告知で出たわけです。で、最近コンビニの雑誌は全部とじているじゃないですか。中が見れないし、もうオリーブ特集だったら私たち1980年代、90年代を頑張って生きてきたオリーブ少女たちはですね・・・もうオリーブおばさんですけど。私たちは。こればっかりは立ち読みしないで、ちゃんと買って読もうと思って、買って読んだんですけど。

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GINZA Olive特集に感じた違和感

(ジェーン・スー)ま、ちょっと私が期待していたものとは違ったんです。なんかちょっとGINZAっぽいっていうか。概念としてのオリーブっていうのが少しお洒落にエディットされていて。面白かったですよ。面白かったんですけど、もうちょっとなんかこう、あの当時の、あのザラ紙の感じがほしかったな、みたいなのをウジウジ思っていて。まあ、でもね、41にもなってまだオリーブの話をしてるって思わなかったですよ。自分も。でもなんか、この話は結構いろんなところから聞いて。いろんな人が、女性陣が『オリーブの特集、やるらしいよ。GINZAが。本家がやるんだから、結構期待できるね』みたいなことで、言ってたんで。たぶんオリーブ病のおばさんたち、まだいっぱいいると思うんですよね。

で、なんか『オリーブってなんですか?』っていうおじさんもいると思うんで、改めて。あと、若い方とかね。説明しようと思うんですけど。80年代の初頭から2000年代の頭ぐらいまであった、マガジンハウスが出していた女性誌っていうよりも、少女向けの、ティーン向けのファッションカルチャーマガジンみたいな。月に2回ぐらい出たんですけども。これがね、ある種の呪いになってるんですね。私たちの。で、なんでか?っていうと、若い女。私たち、その時10代だったんですけど。いま41の私が10代だったんですけどね。若い女に『主体性』っていうのを植えこんだのがオリーブなの。

つまりね、『男の子にモテるより楽しいことがあるよ』っていうのを教えてくれたの。オリーブ。だけど、『男の子にモテるより楽しいことを追求していくと、モテなくなるよ』っていうことは教えてくれなかったの。当時。これ、すごい情報としてはね、欠損だと思うんですよ。なんて言うんですかね?リターンを教えてくれたんだけど、リスクを教えてくれなかったわけですよ。で、そのことによって、なんかこう・・・難しいんだ。オリーブってとにかく。私たちが、なにがどうオリーブだったか?っていうのも、自分で上手く説明できないんですけど。

なんか、『ガーリー』っていうファッションを押してる割には、子供っぽいことはあまり良しとしないんですよ。メンタリティーとして。で、女の子といえば、つるんで群れてカワイイものが好きで・・・みたいな感じのものもあまり良しとしないんですね。で、中身が子供っぽいことは良しとしないんですけど、肉体的に性的であることもあんまり歓迎されないわけですよ。だってね、いまだったら絶対無理だと思うんですけど。88年ぐらいに、たぶん10代だと思うんだけど、女の子の上半身裸の表紙だったんですよ。


↑リンク先でオリーブ表紙が見れます

(ジェーン・スー)10代の女の子の裸で表紙って、たぶんいま、もう無理でしょ?だけど、まったくいやらしくないんです。それが。これが良しとされちゃったことで、なんて言うんですかね?性的に無自覚というか。性的対象であることを無自覚化させる雑誌。それがオリーブ。で、そのまま大人になった女。それが私っていうね(笑)。だから、なんつーのかな?オリーブってね、あの、初めてフラれた彼氏みたいな感じなんですよ。すっごい上手く付き合っていると思っていたのに、ある日突然ポイッと、モテモテ女みたいな方に行っちゃって。もう一生の傷になった男とか。

あとは、すごい仲良かった親友の女の子なんだけど、ある日突然プイッと宗旨替えして、他のグループ行っちゃったみたいな。そういうなんかトラウマティックな、なんだっけ?PTSD?長いよ!20年ぐらいPTSDだよ、もう。で、それが改めて読める!っていうので大喜びで行ったら、またハシゴ外された。マガジンハウスはね、ハシゴ外しすぎ!これ、光文社とかだと違うんですよ。光文社っていう雑誌社は、男性。ここまで聞いてトンチンカンな男性にわかりやすく言うとですね、ハシゴを外さない雑誌っていうのは、たとえばジャンプとか、ああいうマンガ誌。

ジャンプがあって、そっからどんどん大人になっていくたびに、いろんなジャンプがあったりとか。あと、スピリッツだ、スペリオールだ、ビッグコミックだって、どんどん。オリジナルとかあるじゃないですか。つまり、ここから始まったら、ゆりかごから墓場まで、一応大人になったらどんどん読んでいくものがありますよ。あとは、取捨選択は自分でやってくださいっていう。その方が儲かるんだよ。絶対的に。と、思うんですよ。

たとえば『JJ』。これを読んでいた人たちは、モテたい、かわいい。いわゆるその、オリーブと逆ですね。逆の主体性を持っていた雑誌なんですけど。これ、『CLASSY. (クラッシィ) 』っていう雑誌に行って、それが20代後半ぐらい。で、その次は『VERY (ヴェリィ) 』っていう奥様雑誌に行って。その後、『STORY(ストーリィ)』っていう雑誌に行って・・・とか、いろいろですね、ちゃんと受け皿があって。ハシゴを外さないんですけど。あのね、オリーブはこのまま行くと、まさに今回、GINZAで特集を組まれたように、『GINZAを読め!』ってことだと思うんですけど。

あの、チープシックって言って、お金がなくてもアイデアだけで古着とか安い服で素敵なお洒落ができるよって言っていた雑誌が大人になったら、なんで5万10万のスカートとか載ってんの?チープシックのまま爆走した私が、いまnissen女ですよ。完全に。これ、ちょっと違うんだけど。ごめん。いまのは完全に言いがかりです。申し訳ない。謝ります。だけれども、なんかこうねー、パリが憧れっていう時点で気が強そうだしさ。なんか、オリーブっていうのはね、なかなか上手く説明できないですけど。まあ、高校生の女子が読む雑誌の連載で中島らもさんの連載があったっていう時点で、やっぱりちょっと、いらん情報をたくさん入れられたと言いますか。

まあ、モテとは反対側の主体性を持った。でも、感謝はしてるんですよ。それによって私の人生は相当面白くなったから。オリーブによって私の人生は相当面白くなったんですけども、ちょっと恨んでもいる。そんなことをですね、今日は思いました。そんな土日でした。ちょっとみなさん、もしGINZAのオリーブ特集を読んだよとか、私もまだPTSDがリカバリーできてないオリーブ少女ですとか、オリーブおばさんですっていう方はいらっしゃいましたら、ぜひぜひメールいただければと思います。まあ、しかしね、このまんまだとあれですよ。こういう感じの、若い女にモテ以外の主体性を持たせる雑誌って、実は形を変えてどんどん増えていって。

時代が変わっても、まだまだある。いまだとね、『LARME (ラルム)』っていう雑誌だったり。これ、甘々の雑誌なんですけど。いま、20万部とか30万部とか売れてるのか?ラルムっていう雑誌があるんですけど。これ、甘すぎて男の人が見たら、たぶんオエーッ!ってなっちゃうような。パフェをそのまま、まとったような女の子なんですよ。

(ジェーン・スー)で、その前はね、『BLENDA (ブレンダ) 』があったりとか、『ViVi (ヴィヴィ) 』があったり、『KERA』があったり、『CUTiE (キューティ) 』があったりとか。まあこれ、詳しく説明していると時間がないんで飛ばしますけど。なにが言いたいか?っていうと、主体性を持つ価値観の雑誌っていうのがずーっと形を変えて続いているので。このまま未婚は増えていくと思います。未婚は増える。で、PTSDのバリエーションも増える。ハシゴは外される。覚えておいてください。参った参ったっていう感じですよね。

<書き起こしおわり>

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