ジェーン・スーさんがザ・トップ5仲間の高野政所のPodcast『アシッドたんぱ大放送』に2011年に出演した際のトークです。スーさんが大好きな六本木ヒルズTSUTAYAの人間ウォッチングについて、こんな風に話していました。
(ジェーン・スー)あの六本木ヒルズのTSUTAYAが好きなんですよ。ギラギラした人がいっぱいいて。すっごい楽しいんですよ。
(高野政所)意識の高い人が(笑)。
(ジェーン・スー)そう。『俺はやってやった』みたいなオラオラした人が、『私やってやってる』みたいなカマし犬の土佐犬と高級プードルみたいなのが夜中にすっごいでっかいサングラスとかしてるのを見てるのがすごい好きで。
(浮き輪)いいですねー。
(高野政所)意識たけーなー!
(ジェーン・スー)そこにワーッて友だちとママチャリで行って、シャーッて止めてスタバで一杯だけ買って、ずーっとこう見ている・・・
(浮き輪)ウォッチしている。
六本木ヒルズのTSUTAYAでギラギラした人をウォッチ
(高野政所)そういう意識の高い人たちは、そこに何をしに来ている・・・本当にカマしに来てるんですか?不特定多数にカマしに来てるんですか?
(ジェーン・スー)たぶん本当に雑誌とか本を買いに来ている人もいると思うんですけど、それ以外に『六本木ヒルズで今イケてる俺』っていう・・・(代官山)TSUTAYA書店も行ったんですけど、あそこはちょっとスノッブ過ぎるんですよ。自意識もっと高いんですけど。
(高野政所)代官山のTSUTAYA書店がちょっとお洒落スポットになってるんですよ。
(ジェーン・スー)でも、分かりやすくオラオラ感を出してきたりしないので、つまんないんですよ。見てて。
(高野政所)つまんない(笑)。それ、面白いとかつまんないの問題で行ってる・・・ウォッチしに行くっていう。
(ジェーン・スー)そこに、まみれに行くのがすごい楽しくて。結構外国雑誌を束ねて呼んでみたりとか、ソイラテを飲んでみたりとか。
(高野政所)(笑)それ・・・美味しいんですか?
(浮き輪)(爆笑)
(高野政所)ソイラテって何ですか?美味しいんすか、それ?
(浮き輪)飲み物ですか、それ?それ・・・食えるの?(笑)
(高野政所)まあまあ、そういう舶来の飲み物のんだりとかして。
(ジェーン・スー)そう。舶来の飲み物のんだりして。しかも、「無脂肪で作ってください」みたいに牛乳を変えたりして。そういう所にまみれている自分も好きなんです。私、もしかしたらそこに、『同族感』を・・・嫌悪してみたり、ユナイトしてみたりっていう。
(高野政所)複雑だなー!
(浮き輪)かなり高等な遊びですよ、これ。
(ジェーン・スー)ってやってたら、本当にほぼすっぴん状態でウシシって感じで行って、「ウェーイ、今日も楽しかったね」って友だちと2人で家帰ったら、『六本木TSUTAYA、いらっしゃいましたよね?』って。
(高野政所)ギャー!見てるつもりが見られてる!
(ジェーン・スー)私が見てたはずなのに・・・
(高野政所)そういう状況ですからね。でも意識はしない。どうでもいい。
(ジェーン・スー)どうでもいいですね。
(浮き輪)むしろその遊びのほうが面白そうだなって印象になってきましたよね。
(ジェーン・スー)すっごい楽しいですよ!敢えてそういう格好をしていく時もあるし、誰かのフリをして行く面白さってあるじゃないですか。で、これ下手するとすごい自意識過剰なラジオの人みたいな・・・
(浮き輪)いや、でもそうですよね。
(高野政所)非常にだから、でもそっち側ですよね。普通の方が見ていたら。『何、ジェーン・スー、カマしに行ってるの?』みたいな感じになりますよね。
(ジェーン・スー)ちょっと出来なくなっちゃって、それは寂しいですね。
(高野政所)なるほどね。
(中略)
(ジェーン・スー)1%以下ですよ。私たちのことを認識している人なんて。全国で。
(高野政所)それこそ過剰な・・・自意識過剰というやつですよね。
(浮き輪)だから過剰になっていると六本木ヒルズにいる人みたいに、常にON感がある感じになる・・・
(ジェーン・スー)それがまたいいんですよ。
(高野政所)見てる分にはいい(笑)。
(ジェーン・スー)超たのしいんですよ!今度、行きます?
(高野政所)ちょっと行ってみたいですね。
(浮き輪)解説してもらいたいですね。この人はどういう心づもりでいるのか?って。
(ジェーン・スー)で、何がスゴいって、私ビックリしたんですけど。昔、知り合いの男の子がヒルズに、いわゆるお店の仕事をしてるんで、休日が不規則なわけですよ。つまり土日休みじゃなくて、月曜とか水曜に普通に休みがある。で、何かでヒルズまで行ったんですって。TSUTAYAが出来たばっかりだから。いわゆるIT長者とかの時ですよ。手ぶらで。で、何があるのかなっていわゆるレンタルビデオのところで見てたんですって。ビデオを。そしたら女の子、いわゆるかわいい、だけど明らかに大人になってから造形を修正されたような子が寄ってきて、「よく来られるんですか?」って話かけられたんです。
(高野政所)逆ナンみたいな。
(浮き輪)えっ、つっかけスタイルが?
(ジェーン・スー)そう。で、その子も「今日はじめてプラっと来ました」っていうのは恥ずかしいから、「いや、たまに・・・」みたいなことを言ってたら、「この辺にお住まいなんですか?」って。結局だから、平日その時間にそこに来られるIT長者で軽装の男っていうのを狙って逆ナンしている女がいるんですよ。
(浮き輪)高等遊民みたいなのを。すげえ!
(ジェーン・スー)怖い!っていう。
(高野政所)すげー・・・
(ジェーン・スー)ガッチリした格好してたら、外から来た人じゃないですか。
(高野政所)あ、『イキってんな、こいつ』っていう。
(ジェーン・スー)だけど、つっかけでレンタルのビデオをあそこで見てるってことは、あそこで借りてあそこに返せる人だから・・・
(浮き輪)そこまで計算してるの!?すげーな!その貪欲さよ。
(ジェーン・スー)で、「家はどこなんですか?」とかすごい聞かれて、ついてこられそうになったって言って。その後会ったんですけど、本当に怯えていて。
(高野政所・浮き輪)(爆笑)
(浮き輪)そんな怖い(笑)。
(ジェーン・スー)今まで自分の人生で起きたことがないタイプの出来事だったらしくて。『捕獲される!』っていう。
(高野政所)これはでも、全国の無職の人はチャンスっていう。適当にそこでカブしていけば・・・
(浮き輪)六本木ヒルズにつっかけで行って、昼間ぶらぶらしてればいい。女に声かけられるっていう。
(ジェーン・スー)Tシャツにビーサンみたいな感じで。手ブラで。こうロマンス系(のビデオの)とこを見てればいいんじゃないですか。ラブコメのところとか。
(浮き輪)ハーレクインとか見てるんですか(笑)。
(高野政所)何かそれ、見てるものとかも見てるんですか?クロコダイル・ダンディーとか借りてたら、ダメですかね?
(ジェーン・スー)まあ、ダメでしょうね。
(浮き輪)『つるピカハゲ丸』とか手に取っていたら、多分ダメでしょうね。
(ジェーン・スー)クリント・イーストウッドぐらいの感じでで。
(浮き輪)ラブロマンスとか、そういうのね。
(高野政所)そこまで、意識の高い女性ですよね。
(ジェーン・スー)いるんですよ。で、代官山にはそういう人はいないんですよ。ちゃんと、キチンと自分を律して生きている文化度の高い人たちが多くて、『面白くないな、この人たち』って思って。
(高野政所)ああ、そうなんですか。代官山とやっぱ違いますか。
(ジェーン・スー)いいんです。代官山、すごくいいんです。本屋としてはめちゃめちゃいい。空間としても素晴らしい。造形としても素晴らしいと思います。ただ、イキってる人がいないっていう意味でつまんない。
(浮き輪)あー、ウォッチング方面で不作ということで。
(ジェーン・スー)ウォッチングはやっぱり・・・
(高野政所)イキってればイキってるだけ面白いっていうことですか?これ、天狗みたいなことですか?
(浮き輪)だから代官山の方が『こまっしゃくれ』なんですよ。
(ジェーン・スー)そうそう。『こまっしゃくれ』。
(浮き輪)『こまっしゃくれ』の総本山なんですよ。
『こまっしゃくれ』の総本山
(高野政所)ああ、なるほどなるほど。六本木は『成り上がってやったぜ!』みたいな。
(浮き輪)ドヤ!ドヤ!
(ジェーン・スー)ドヤ!
(高野政所)ドヤ!しに来てる
(浮き輪)ワイのメガネ、ドヤ!
(高野政所)(観客のツッコミに反応して)『ドヤ街』!?
(浮き輪)(笑)
(高野政所)ドヤ街六本木ヒルズみたいな(爆笑)。全然ちげーよ!
(ジェーン・スー)デビスコくん(デビルスコーピオン)が。ボソっとつぶやいたと思ったら、『ドヤ街』っていう。
(浮き輪)ドヤ街、ヤバイ(笑)。
(高野政所)あれはドヤ街ですね。a.k.a ドヤ街。
(浮き輪)六本木ヒルズTSUTAYA a.k.a ドヤ街。
(高野政所)ドヤウォッチしに行くと面白いと。
(ジェーン・スー)そうです。
<書き起こしおわり>
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