吉田豪さんがbay fm『with you』で亡くなったばかりの大瀧詠一さんの楽曲特集をしていました。あまり取り上げられることはない、変わり種曲を中心にチョイスされています。
(松本ともこ)じゃあ、デイリーwith you『ホントのところ』。今日の、2014年の最初はなんでしょうか?
(吉田豪)はい。予定を変更しての大瀧詠一特集ですかね。
(松本ともこ)そうですね。12月30日に。びっくりしましたけどね。今日はどういう感じで?吉田豪さんの大瀧詠一特集ですけど。
(吉田豪)まあね、もちろん好きではあるんですけど。本当に大瀧詠一とかビーチボーイズとかって死ぬほど好きな人が異常に多いんで、僕がわざわざ口を挟む必要はないと思って。結構、静かにしてきたんですけど。もちろん嫌いなわけもないというか。
(松本ともこ)もちろん嫌いなわけがない。このコーナーを聞いている方にはね、通じるところあると思いますよ。
(吉田豪)そうなんですよ。いま、キョンキョンの『怪盗ルビイ』を流してますけど。
小泉今日子『怪盗ルビイ』
(松本ともこ)もう出会いといいますか・・・
(吉田豪)出会いは僕、あれですよ。やっぱりビートルズも聞いたのが30すぎてみたいな感じで。そういう王道というか、名盤とされるものって避け続ける人生をおくってきて。僕の出会い、裕木奈江ですからね。
(松本ともこ)あ、裕木奈江。
(吉田豪)裕木奈江がはっぴいえんど大好きで、ライブでカヴァーしてたんですよ。MCで『はっぴいえんどって知ってますか?』とか言いながら。裕木奈江がはっぴいえんど好きが高じて松本隆プロデュースで細野晴臣とか鈴木茂とかが参加するアルバムを作ったりとか。はっぴいえんどフレイバーのあふれることをやってて。僕、それが最初なんですよ(笑)。
(松本ともこ)でも、すっごいいい影響力ですよね。裕木奈江さんという存在があったとして。もうすごかったじゃないですか。
(吉田豪)原曲聞いたら、原曲すげーいい!って(笑)。
(松本ともこ)(笑)。それもまた、あれだけど。そうだったんだ。で、じゃあ今日は曲をいろいろね、ピックアップしていただきたいんですけど。なにからいきましょう?
(吉田豪)でもまあ、こういう僕のコーナーなんで、たぶん正攻法でやってもあれなんで。みなさんね、大瀧詠一の名曲なら知ってるわ、ボケ!っていう感じだと思うので、ズラします。
(松本ともこ)ズラしますか。
(吉田豪)たぶんあんまりオンエアーされたことがないような。
(松本ともこ)with youでは、『幸せな結末』、『春よ来い』などなどをちょっと選んでかけさせていただいたんですが。
(吉田豪)素晴らしい名曲の数々ですね。これも素晴らしい曲なんですが、bay fmでかけるのが非常に勇気がいったというね。酒井法子がカヴァーした『カナリア諸島にて』というのをね(笑)。のりピーが81年リリースの『A LONG VACATION』収録のナンバーのカヴァーがありまして。『Moments』っていう2003年の曲ですね。
(松本ともこ)私物ですね。それ。
(吉田豪)私物です。これがね、まあいいんですよ。アレンジも素晴らしい。
(松本ともこ)一度もたぶん私ね、聞いたことがないと思うんですが。じゃあ、聞いてみましょうか。オンエアーしましょう。
(吉田豪)はい。酒井法子で『カナリア諸島にて』。
酒井法子『カナリア諸島にて』
(松本ともこ)もう、出だしから『おおー!』っていう。
(吉田豪)アレンジも声もいいですよね。半笑いで聞こうとしたら、いい!っていう(笑)。
(松本ともこ)いい!そうですか。これをアルバムの中に収めてたと。これ、自分で買ったアルバムですか?
(吉田豪)もちろん。完全にこれ目当てで買いましたよ。
(松本ともこ)これ目当てで。
(吉田豪)祝!のりピーbay fm、解禁!
(松本ともこ)解禁!祝!
(吉田豪)やった!流れた!
(松本ともこ)bay fmでこれからちょっと、のりピーのいい曲をまたね、発掘して。
(吉田豪)僕はね、元々のりピー上がりでね。リリー・フランキーさんとものりピーで意気投合した男ですからね。
(松本ともこ)そうなんですか?リリーさんものりピーの良さってのは・・・
(吉田豪)リリーさん、のりピー大好きっ子ですからね。
(松本ともこ)どこにハマりました?
(吉田豪)僕がだからちょうどアイドルから離れていた頃に戻したのはのりピーとかですよ。89年ぐらいに。『のりピー、異常にかわいくないか?いま』みたいな。リリーさんに会った時に、『ね!』っていう(笑)。
(松本ともこ)じゃあ、大事な存在で。今日かけられてよかったですー。じゃあ続いての大瀧詠一さん特集ですので。なんでしょうか?
(吉田豪)もう1個、変化球いきます。山中秀樹&濱田典子というフジテレビのアナウンサーですね。
(松本ともこ)山中アナと濱田アナ。
(吉田豪)による、『Tシャツに口紅』というね。83年リリースのラッツアンドスターのシングルのカヴァーなんですけど。フジテレビのアナウンサーのコンピ盤っていうかオムニバスがあるんですよ。『才色兼備』っていう。96年ですね。八木亜希子アナとか佐藤里香アナ、大坪千夏アナ、近藤サトアナ、中村江里子アナ。その時代の人たちですけど。選曲がいいんですよ。正直、歌とかは『うん、カラオケ!』っていう感じのレベルなんですけど。
(松本ともこ)(笑)
(吉田豪)『ドゥ・ユー・リメンバー・ミー』とか『う・ふ・ふ・ふ』とか『君の瞳に恋してる』とか。非常にベタな名曲をこの人たちが歌ってるんですよ。
(松本ともこ)これを作りたいと思ったプロデューサーさんの趣味がたくさん入っている。
(吉田豪)の、センスがいいんでしょうね。だと思います。
(松本ともこ)じゃあ、山中アナと濱田アナ。
(吉田豪)まあ、デュエットにするなっていう感じなんですけど。そもそもね(笑)。
(松本ともこ)これ、デュエットにしちゃってるっていうことですか?興味あります。
(吉田豪)いってみましょう。山中秀樹&濱田典子で『Tシャツに口紅』。
山中秀樹&濱田典子『Tシャツに口紅』
(松本ともこ)男女で歌っているってことね。デュエット。
(吉田豪)なんでしょうね?このフジテレビの忘年会に紛れ込んだ感は(笑)。
(松本ともこ)(笑)。待って待って。でもちょっとさ、bay fmの忘年会もこんな感じだったから、これ組み込みましょう。『Tシャツに口紅』。歌いこみたい。
(吉田豪)山中アナ&濱田アナバージョンですよ。濱田アナの声がか細いんですよ(笑)。
(松本ともこ)あの、そこがいいな。ラッツアンドスターのカヴァーなんですね。
(吉田豪)そうですそうです。まあ、シャネルズを見出したようなもんですからね。大瀧さんがデビュー前から抜擢してましたからね。お笑いのセンスを認めたっていう。
(松本ともこ)そこが気になったっていうことですね。いやー、すごい方だなー。まあでもこういう形で聞くこと、なかなかないので。意外なる選曲でしたが。では、もう1曲いけます。
(吉田豪)もう1曲はね、ちゃんとしたのをね。まあ、のりピーも意外とちゃんとしてました。普通に僕がいちばん好きなカヴァーを入れたいですね。ということで、『HAPPY END PARADE』っていうはっぴいえんどのトリビュート盤があるんですけど。その中の曽我部恵一さんの『空いろのくれよん』のカヴァーがすごい良くて。
(松本ともこ)曽我部恵一さんはもうね、何も言わせないところがあるすごい方ですけども。
(吉田豪)カヴァーのセンスが本当、毎回いいっていうか。僕ね、こう言うと失礼ですけど、曽我部恵一さんが二枚目だったら日本のロックの歴史は変わってたと思ってて。
(松本ともこ)二枚目ですよ!二枚目!
(吉田豪)まあ、味のあるルックスの人じゃないですか。
(松本ともこ)まあね。私はすごい好きな顔なんですけど。
(吉田豪)シュッとしたイケメンだったら、たぶん歴史は変わってますよ。
(松本ともこ)イケメンだったらってことですよね。でも、じゃない人のが好きな人もいっぱいいるから、曽我部ワールドがあるんだけど。言いにくいけど・・・わかる?言いたいことはすごく。イケメンだったらちょっとまた変わってたね。でも曽我部さん世界をここでかけるのは、すごくうれしいです!
(吉田豪)はっぴいえんど再評価をね、やって来たような人ですからね。
(松本ともこ)うん。この後、引っ張っていく人ですもん。ずっと。でもいっぱいいろんなのがある中で、今日は『空いろのくれよん』?じゃあ、曲紹介を改めてお願いします。
(吉田豪)はい。曽我部恵一さんで『空いろのくれよん』。
曽我部恵一『空いろのくれよん』
(松本ともこ)曽我部恵一さんの『空いろのくれよん』を聞いていると、ああやっぱり去年、本当に亡くなってしまったんだなって。ちょっと切なさが。さっきまで、ああいい曲だな、楽しいなって思ってたんですけど。しんみりしちゃったなと。
(吉田豪)素晴らしいアレンジで。
(松本ともこ)はい。大瀧詠一さん特集をお送りしてきました。まあ楽曲、もっともっともっとあるので、いろいろ発掘してみるっていう楽しみをね、教えてもらいました。
<書き起こしおわり>
裕木奈江『いたずらがき』(作詞:松本隆、作曲:細野晴臣、ギター:鈴木茂)http://t.co/yFlplDaoxH
— 吉田光雄 (@WORLDJAPAN) 2014, 1月 9