菊地成孔さんがTBSラジオ『荻上チキSession22』にゲスト出演。名物となったロイヤルホストトーク、そして長年の研究テーマであるドリンクバー調合について語っていました。
(荻上チキ)今夜はジャズミュージシャンの菊地成孔さんをお迎えしております。
(菊地成孔)はい、どもー。よろしくお願いします。
(南部広美)よろしくお願いします。セッション袋とじです。スペシャルウィーク恒例でございます。菊地さんをお迎えして、5回目ということで。
(菊地成孔)毎月毎月出てるような気がするんですけど。大丈夫でしょうか。
(荻上チキ)毎回お土産みたいなものをいただいて。
(菊地成孔)あ、そうですね。まあつまらないものですが。
(荻上チキ)ありがとうございます。ということで、毎回ロイヤルホストの話をうかがったりとか、前回は伊勢丹の・・・
(南部広美)そうそうそう。本館の話。チキちゃんはメンズ館に行って、メンズ館感満載だねって評があったっていう。
(荻上チキ)鼻水出そうになった。最近は、いろいろとまた開拓はしてるんですか?お出かけしながら。
(菊地成孔)開拓というと?近所を?あんまりできないですね。さっきも行ったように、あんまり眠れないし、結局戻っちゃいます。歌舞伎町にね。夜メシ食いに行ったり。
(荻上チキ)店がないわけではないんですよね。
(菊地成孔)すごいいっぱいありますよ。反対側に行くと、荒木町っていう高級なゴールデン街と言われている飲み屋さんやバーやトラットリアがぎっしり。道をペロッと1枚またいだらこんなにあるの?っていうぐらい。まあ、なんて言うんですかね?オヤジ系女子会の人の間では聖地と言われている荒木町がすぐなんで。に、行ったりしてますけど。ただやっぱり、歌舞伎町、伊勢丹の方に、伊勢丹の方に流れてますね。結局。
(荻上チキ)古巣に、じゃないですけど。帰巣本能みたいなもんですかね?
(菊地成孔)そうですね。今日もね、しばしロイホに行ってなかったんで、『いけねー、今日セッションなんだけど、ロイホ行ってねーや』って、滑り込みで行ってですね。マネージャー待たせて。
(荻上チキ)(笑)。そうですよ。あの、無視してましたけどね、カメラ持ってきてますからね。今日もまた。
(菊地成孔)そうですね。
(南部広美)菊地さんのカメラがコトリと置かれていて、『あ、これからまたいろいろと見せてもらえるのかな?』と思っていたら。
(菊地成孔)とはいえ、もう年の瀬ですしね。爆笑するというあれでもないですから。まあ、味わい深く見ていくだけですけど。まあ最新の、グランドメニューじゃない方のシーズンメニューは、たまねぎとじゃがいもフェアなんですね。
(荻上チキ)いまは。
(菊地成孔)はい。いまはたまねぎとじゃがいもフェア。まあ、そのタイトルが、『Discover たまねぎ & じゃがいも』。
(荻上・南部)(笑)
(荻上チキ)魅力をね、見つける。
(菊地成孔)もう1回、見つけるんです。これね、相当すごいですよ。
(南部広美)(笑)。コンタクト、外れた!
(菊地・荻上)(笑)
(荻上チキ)1枚目ですよ!?
(菊地成孔)これ、『Discover たまねぎ & じゃがいも』なんで。
(荻上チキ)Discover!力強いですねー。大地の力を感じる。
(南部広美)なにが発見されたんでしょう?どこに発見しに行ったんですか?
(菊地成孔)栗山町です!
(荻上・南部)(笑)
(南部広美)北海道だ!
(菊地成孔)栗山町に発見しに行ったんですけど。
(南部広美)栗山町、この場所にあるのかな?
(菊地成孔)これはあると思いますね。まあ、前科一犯ありますからね。北米のほとんどが中西部だっていう前科がありますが、これはピンポイントでしょう。たぶん。というのは、現在のシーズンメニューの表紙がですね、これもロイホじゃないとあり得ないんですけど。これなんですけど。これ、私ですけども。
(南部広美)あ、菊地さんの顔と一緒にメニューを出されると、Discoverは割と小じんまりと書かれているんですね。もっとでっかく、ドン!と来てるものなのかなと思っていたんですけど。
(菊地成孔)表紙画ですね、あの、業界紙になってるんですね。メニューじゃなくて、業界紙化していて。とにかく開くと、こういった写真が山ほど出てくるんですね。これ、社長です。
(南部広美)(笑)
(菊地成孔)社長はとうとう名前も明かすようになりまして。まあまあ、昔、伏せられてたわけではないんでしょうが。写真のキャプションにですね、『矢崎精ニ』さんと。
(南部広美)名前がフルネームで。
(菊地成孔)だからタレント稼働まで射程に入れてますね。社長はね。
(荻上チキ)この前、ドキュメンタリーとかに出てましたから。
(菊地成孔)はい。おそらく、すしざんまいの社長の影響が大きいと思いますけど。
(荻上チキ)経営者本とか、これから売っていく気満々なんでしょうかね。
(菊地成孔)テレビには出てくるでしょうね。きっとこれ、事務所に入ると思いますけど。
(荻上チキ)事務所に(笑)。
(菊地成孔)まあ、わかりませんけど。たまねぎはたまねぎで、社長自らね。顔を出してますよと宣言です。
(南部広美)ちゃんと現地に赴いて、生産者の方たちとコミュニケーションを取りながら。
(菊地成孔)はい、そうです。
(荻上チキ)ちゃんと選んだぜって感じですからね。
(菊地成孔)とにかくね、開いた1ページ目に料理がないんですよ。社長が土地の生産者の方と一緒に土から。この写真でいっぱいなんで。
(南部広美)やべー。見に行かなくちゃだわ。
(菊地成孔)これね、開いてから出てくるんですね。
(南部広美)え?メニューなんですよね?
(菊地成孔)メニューですよ。メニューの1ページ目が業界紙化していて。それをもう1ページ開くと、料理が出てきます。この、おすすめハウスワインってあるんですけど、1種類しかないんで。おすすめも何も、これしかないんで。
(荻上・南部)(笑)
(菊地成孔)これは(笑)。気持ちがこもりすぎて。おすすめしてるんですけどね。ただ普通、リコメンドっていうのはいっぱいある中で私はこれを勧めますっていうんですが。1種類しかないのに、おすすめしてるんだっていう。
(南部広美)選べないんですよね?
(菊地成孔)選べません。
(荻上チキ)まあ、世の中のワインからね、これをおすすめしたんでしょうね。
(菊地成孔)そうですね。これをおすすめしてるってこともありますね。
(荻上チキ)強気ですね。
(菊地成孔)はい。あとは、この『さらさらレッドのタルトフランベ』っていう。タルトフランベっていう言葉自体がね、あまり日本では一般的でないので、説明してるわけですね。フランスのアルザス地方の料理だと。で、こういう風になって。まあ、食べ方も書いてある。『おりたたんでどうぞ』っていう。折りたたんで食べてくださいっていうのが入ってますね。
(南部広美)チーズを?
(菊地成孔)いや、タルトフランベを。全体を折りたたんでどうぞっていう。
(南部広美)食べ方をちゃんと教えてくれてるんですね。
(菊地成孔)まあでも、こんなもんですね。あとはよくある・・・これはもうセッション向きじゃないっていうか、私の数少ないロイホマニアの仲間だけでの話なんですけど、西田さんが痩せてしまったっていう。
(南部広美)(笑)。あの、お料理する人ですよね?
(菊地成孔)西田さんはね、あまりに痩せてしまったんで。これ、過去の西田さんです。で、わかりやすいように並べてみました。これ。
(南部広美)あ、本当だ!え?ダイエットなさったんですかね?
(菊地成孔)これがね、よくわかんないですけど。ご病気じゃないことを祈るのみです。この時は恰幅がよかったんですけどね。まあ、コック服を脱いで食材を取りに行ったところ。隣にいるのは社長ですけど。だから懐刀ですよ。ちょっとお痩せになってしまったので、これはファンの間では話題になってますね。西田さんが痩せた!って。
(荻上チキ)激痩せ。
(南部広美)心配ですね。
(荻上チキ)コックの身体状況を心配するなんて、もうロイホファンは熱いですね。優しい。
(菊地成孔)熱いですね。優しい・・・まあまあ、愛ですね。いま、じゃがいもの料理を食べると、ランチョンマットに『POTATO』って書いてあるっていう(笑)。
(荻上・南部)(爆笑)
(南部広美)そこまで!そこまで徹底してキャンペーンだ!
(菊地成孔)これはヤバいです。POTATOって書いてある。これ、じゃがいもの料理ですから。嘘偽りないんですよ。
(南部広美)ランチョンマットにじゃがいもの写真?
(菊地成孔)で、POTATOって書いてあります。
(南部広美)どこまでも?
(菊地成孔)はい。これ、今日私が食ったものですね。
(南部広美)見せてください。
(菊地成孔)私が食ったものですか?あの、御膳ですよ。
(南部広美)え?御膳と、ちゃんとこのフェアも。
(菊地成孔)食べました。もちろん。出たら食べないといけないんで。味見しないといけないですからね。
(荻上チキ)よく食べましたね。こんなに。
(菊地成孔)大食いです。私は。3・4人前ぐらい食べます。
(南部広美)1回にですか?
(菊地成孔)はい。ものすごい食べます。
(荻上チキ)よく太らないですね。
(菊地成孔)太りますよ!太ります。
(南部広美)幅が大っきいっておっしゃってましたよね。
(菊地成孔)そうです。痩せたり太ったり。あとは、これもロイホクオリティーなんですけど、この秋冬はクリスマスシーズンに向けて、デザートメニューがいちごとチョコレートなんですね。趣味、いいですよね。何の説明もないんです。これ。Discover たまねぎ & じゃがいもに隠れて。ただ最後のページにこれがのっているだけっていう。
(南部広美)本当だ。
(荻上チキ)デザート、あまりプッシュしてないですね。
(菊地成孔)そう。ロイホのね、なにかに情熱が偏りすぎて、なにかが置き去りになるっていう。まあ、ロイホクオリティーなんで。これ、均等にできないんです。ロイホは。
(荻上チキ)美味しそうですけどね。
(菊地成孔)美味しそうですよ。マカロンが入ってるんだもん。もうちょっと上げていいはずなんですけど。今回、じゃがいもに力が入りすぎて、こっちが投げっぱなしになっているっていう。
(南部広美)あ、忘れちゃったってことなんですかね?
(菊地成孔)これもまたロイホマニアにはたまらない。今回はデザートが置いてけぼりになったんだっていう。まあ、もうロイホ的にはこんな感じですね。あとは、突然なにを考え出したのか、タコス。ハンドメイドのタコスが。
(南部広美)『Enjoy!』って書いてありますよ(笑)。
(菊地成孔)『エンジョイ!』『Enjoy!』って2つ書いてあるですよね。
(荻上チキ)本当だ。2ヶ所書いてある。
(菊地成孔)これね、料理の名前が書いてある脇に、なにか囃子言葉みたいにまたそれが英語で書いてあるっていうのも、これもそろそろ覚えていただきたいロイホのマナーで。『エンジョイ!タコスボード』っていうタコスボードの脇の空白のところに、セリフのように『Enjoy!』って書いてあるっていう(笑)。
(南部広美)掛け声みたいに(笑)。
(菊地成孔)掛け声みたいに、Enjoy!って入ってるんですよ。これはやんないといけない。
(荻上チキ)『よっ!』みたいな感じですね。
(南部広美)見た人は言ってくれ!みたいな感じですかね?
(菊地成孔)いや、もうこのぐらい楽しんでもらいたいんだ!っていう気持ちの表れ。全部気持ちの・・・矢崎社長の気持ちの表れですから。
(荻上チキ)でもタコス、エンジョイする食べ物ですかね?
(南部広美)これ、たぶんアクションを楽しんでくれっていうことなんですかね?
(菊地成孔)そうですね。タコスが出てくるんじゃないんで。卓上でメイドする。
(南部広美)自分で加減して作ってくださいねっていうことですよね。こう、乗せてくださいよっていう。その楽しみをエンジョイしてくれって。
(菊地成孔)あ、これが業界紙。
(南部広美)これ、1ページ目でこれですか!?
(菊地成孔)これ。普通のファミレスのメニューじゃないですよね。
(荻上チキ)うん。社長の顔が写ってる。
(南部広美)本当に、じゃがいもとたまねぎ。
(菊地成孔)と、生産者の方と社長が写っているだけですから。
(荻上チキ)NPOの活動報告でこんなのありますよね。
(菊地・南部)(笑)
(荻上チキ)『復興をお手伝いしました』みたいな。
(菊地成孔)なんかピースボートみたいなね、感覚なんですけど。ペロッとめくると出てくるんですよ。
(荻上チキ)1ページ目みたら、これがメニューだとは思わないでしょう。
(菊地成孔)そうですね。もう最近は、たぶん私の活動だと思うんですけど、社長が『やっていいんだ』っていう確信を得たと思うんですね。もうここまでコミュニケーションもないまま、お互いグルーヴし続けるんだっていう。2・3年間でしたね。この先はないですから。もう、テレビタレントさんになっちゃうと、私も手が出ませんので。
(南部広美)じゃあ今年の菊地さんがロイホでいちばん美味しかったのってなんですか?美味しかったのっていうか、ロイホオブザイヤー。
(菊地成孔)今年でいちばん美味しかったのは、みなさんおすすめしますけど。いまだと御膳になってますが、メンチカツですね。クオリティーはハンパじゃないので。
(南部広美)大きいですよね。
(菊地成孔)かなり大きいです。これね、カスタマイズっていうか、『ソースを半分だけかけてください』って言ってください。みなさん。半分はソースがかかっていないところが出ますから、これをですね、『胡椒を持ってきてください』って言って、卓上で塩胡椒で半分食べて。で、デフォルトのソースで半分食べるっていうのがマニアの食べ方ですね。
(荻上・南部)へー。
(菊地成孔)今日、私急いでたんでたのむ暇がなくてですね。マネージャーの顔、チラ見してだったんで、たのむの忘れて全体にかかっちゃってますけど。だらしなくかかっちゃってますが、半分ずつにしていただいて。
(荻上チキ)マニアの食べ方って、どこで共有してるんですか?
(菊地成孔)自分で考えてるんですね(笑)。
(南部広美)他におすすめの食べ方ってないんですか?
(菊地成孔)食べ方ですか?っていうか、ドリンクバーで自分でノンアルコールカクテルを作るのは、これはロイホに通うものは絶対にやらねばならないことですね。ドリンクバーっていってるんですよ。あんだけスイッチがあってですよ、まあ出口は3つ4つですけど。ドリンクバーだ!飲み放題だ!ってコーラ、バーッ!って飲んでたら、これはなんて言うか無芸大食ですよね。
(荻上チキ)そうですね。
(菊地成孔)やっぱりこれはちょっとずつ混ぜていかねばなりませんので。
(南部広美)え?ジュースを?
(菊地成孔)はい。混ぜます。
(荻上チキ)高校生の時とか、やりませんでした?
(南部広美)やったこと、ない。
(菊地成孔)これはね、やった方がいいですよ。本当に。南部さんが混ぜて飲んでいるところが目に浮かびますね。
(南部広美)ええー!やったことないですよ。
(菊地成孔)あのね、カルピスの炭酸が入っていない、いわゆるカルピスウォーターを7。オレンジジュース、今回グリーン方向行くとメロンソーダがありますので。メロンソーダを2。これにウーロン茶を1か2。
(南部広美)ええーっ!
(荻上チキ)ウーロン茶?
(菊地成孔)ウーロン茶です。これ、間違いないんで。
(荻上チキ)どう完成するんですか?味は。
(菊地成孔)味は、これは『カルピスメロン緑』という。まあ、本当は緑茶がいいので『緑』がついてますけど。この場合、忸怩たる思いとともに『カルピスメロンウーロン』ですね。
(南部広美)緑茶があったら緑茶でもいいんですか?
(菊地成孔)緑茶があるところでは、カルピスメロン緑にしますね。
(荻上チキ)味の説明をもとめたのに、名前で答えられちゃった・・・
(菊地成孔)味的には・・・よくありますよ。香港なんかでよくあります。乳酸菌飲料とお茶が混じってるのは。
(荻上チキ)はあはあ。
(菊地成孔)そこになにかしらの。赤方向だとオレンジが入りますし、緑方向だとメロンソーダですね。
(荻上チキ)うーん。オレンジカルピスとかオレンジカルピスソーダぐらいはみんな作りますね。
(菊地成孔)これ、お茶がかかってくるのが東南アジアおよび北東アジア。日本にだけないものって結構あるんですよ。日本にしかないものもありますけど、日本にだけないもの。たとえば夜市の文化ね。夜市っつって、夜中じゅう。フードコートがデカくて。東南アジアは夜市の文化が当たり前なんですね。で、日本だけ通り越して北東アジアまで突き抜けて、韓国にまで夜市の文化はあるんで。
(南部広美)ほー。
(菊地成孔)伊勢丹の8・9階のレストランフロアのお蕎麦屋さんで、『隣の寿司を持ってきてください』といったようなトラブルが絶えなかった時期もありますね。あの、フードコートだと思ってるんで。
(荻上チキ)あー、来たお客さんがね。外からの。
(菊地成孔)半島から来たお客様とか、大陸から来たお客さんは。
(荻上チキ)でもやりたいですね。逆にね。そういったの。
(菊地成孔)まあ、やっちゃうと会計がグチャグチャになっちゃうんでね。できないんですけど、お断り差し上げるんですが。店員に移入してますけどね。
(荻上・南部)(笑)
(菊地成孔)夜市なんかも日本、ないでしょ?日本って本当、変わった国で。アジア全域から見ると、日本だけ本当変わってるんですよ。文化が。で、乳酸菌飲料・果汁にちょっとお茶が入るっていうのも、どこにでもあります。フィリピン・・・
(南部広美)ぜんぜん知らなかったです!
(菊地成孔)だから作るんですね。美味しいですよ、これ。私、これ2年間研究しました。
(南部広美)オレンジでもいいってことですか?
(菊地成孔)オレンジでもいいです。
(南部広美)基本、カルピス7にジュースを2いれて、お茶系のものを1いれる。
(菊地成孔)お茶もね、緑茶・黒茶・黄茶っていろいろありますね。プーアルみたいなのも美味しいし。いろんな浸透圧で、色もキレイなんですよ。エメラルドみたいになったりしてね。
(荻上チキ)ティーパックでやったりもするんですか?
(菊地成孔)ティーパックやるんじゃなくて、基本的にはティーパックがポットに入るようになってるんで、まずティーブレンドから始めるんですよ。で、ティーブレンドしたものに、てんこ盛りの氷を入れたグラスに混ぜていくんです。するとノンアルコールカクテルができますんで。これ私、1冊の本にまとめて後で出版しようと思ってるんですけど。
(荻上チキ)ドリンクバーのまとめ方みたいな。
(南部広美)やってみようっと。
(菊地成孔)これ、美味しいです。本当に。
(荻上チキ)高校生の時にイタズラだけで考えてたからなー。
(菊地成孔)いちばんダメなのがね、『スリーティー』っていうのがあって。まあいろいろ名前は。どうぜ誰もつけないんで自分でつけてるんですけど。紅茶とコーヒーとウーロン茶が混じったやつ。
(南部広美)ええー!飲めないでしょ?それ。
(菊地成孔)これね、私の研究ではもっともいちばん下に来てるんですけど。
(荻上チキ)逆にコーヒー入れて成功するブレンドってあるんですか?
(菊地成孔)コーヒーはね、結構潰しですね。で、ミルクは結構大変な触媒で。どんなものでも1つにしますよ。
(荻上チキ)コーヒーとカルピスはなんとかイケるのかな?
(菊地成孔)カルピスコーヒー、美味しいですよ。
(荻上チキ)美味しいですか?
(菊地成孔)美味しいです。いま、ちょい乗せだとかなんとか言って、もうなんでもアリじゃないですか。味覚は。第三次だか四次だかの味覚メチャクチャ時代って言われてますよね。
(荻上チキ)誰が言ってるんですか?
(菊地成孔)俺が言ってるんです(笑)。シュークリームをカップヌードルの上に乗せてお湯をかけるとそれが溶けて、胡椒をかけるとカルボナーラみたいになるだとか言って、食ったら・・・最初はゲロゲロ、食ったら意外と美味いなんて、10年ぐらいやってますよね。あれに比べたら、こんなのキレイなもんですよ。
(荻上チキ)シュークリームのやつは結構話題になりましたよね。結構前ですよ。あと昔、浜崎あゆみがね、納豆にキムチ入れて、チーズとかかけてグルグル!ってやって、そのまま食べて。菌がすごい生きる!みたいに言ってて。
(南部広美)ええー!
(菊地成孔)(笑)。行き過ぎちゃってね。チョコレートに山椒が入ってたり、チョコレートに胡椒が入ってたなんてことは、いま当たり前じゃないですか。だけど、なにか昭和の男にとってはビックリしますよね。チョコレートに胡椒!?って。だから越境してるの。ポストモダンっていうか。
(荻上チキ)塩キャラメルでも俺、驚きましたもん。
(菊地成孔)塩キャラメルも結構驚きますよね。でもいまや当たり前ですよ。このぐらいはなんでもないんだっていうことですね。
(荻上チキ)ブレンドはね、その人に合せてカスタマイズできるわけですからね。
(菊地成孔)楽しいですよ。本当に。
(荻上チキ)他にやっている人、います?ロイホで。
(菊地成孔)あの、たまにいるんで。その時はギリギリ声かけちゃいますね。
(南部広美)え?なんて声、かけてるんですか?
(菊地成孔)まあ、かけないんですけどね。心の中でエールは送ってます。わかってるな!って。大抵の人はね、ただメロンソーダが飲みたい。ガーッ!ってメロンソーダ出して、ゴクゴクゴクッてメロンソーダ飲んで、わー、飲み放題だ!ってもう1杯メロンソーダ飲むんですよ。もう1回言いますけどね、無芸大食ですよ、これは。本当に。
(南部広美)私、それだな。
(菊地成孔)ほとんどの方がそうなんですけどね。混ぜるべきです。なんでも。
(荻上チキ)そうかー。でも混ぜないでください、みたいな暗黙のルールがあるのかと思った。
(南部広美)混ぜると危険!みたいなの。じゃあ。どれとどれと。
(荻上チキ)混ぜるのがダメなんじゃなくて、残すのがダメなんですよね?混ぜて失敗したから、うわー飲めねーわ!って。罰ゲームで回す爆弾扱いにするってやつ?
(菊地成孔)でもね、どうやったって、飲めないのはできないです。僕、飲めないの追求した結果ね、かなり追求した結果、スリーティーに行き着いたんですね。
(荻上チキ)なるほど。それ以外はだいたい飲めちゃう?
(菊地成孔)だいたい飲めちゃう。スリーティーもね、喉渇いてる人で、氷をたくさん入れて薄めにして、ワインかなんか飲みながら。
(荻上チキ)チェイサーみたいな。
(菊地成孔)そうそう。口直しにパッとやったら、美味いっていいますよ。ソフトドリンクは結構、そういうもんですよ。本当に。
(荻上チキ)(笑)。そこまで努力して飲むのは、ソフトじゃないですよね。
(菊地成孔)そうですね。まあこれ、『ジュー研』って名付けてたの。勝手にね。ジュース研究会っていう。で、『ジュー研道』っていう名前で数年間研究したんですけど。まあ、もうやり尽くしましたね。本当に本、出そうと思います。
(荻上チキ)ちょっと免許制度をつくってね、しっかり体系化していって。人に配っていくっていうところまでいけば、一儲けですね。
(菊地成孔)そうですね。
(南部広美)どうしよう?それで飲み物がさ、売りだされたりしたら。コンビニに行ったらさ、菊地さんの顔の。
(荻上チキ)シールが貼ってあって。
(菊地成孔)あー。まあまあ、そこまで・・・焼酎のボトルが入れられるんですよ。ロイヤルホストは焼酎も。いまはあるのかな?焼酎があった時代があって。そしたら、焼酎こっちに置いて、いろんなサワーが作れるっていうのを楽しんでいる人とかいますよ。結構。
(荻上チキ)焼酎があればね、サワーはイメージわき放題じゃないですか。ノンアルコールじゃなくて。普通にカクテルを作りましょうって。
(菊地成孔)そうそう。安い焼酎は飽きるから、いろんなサワーにするっていう。
(荻上チキ)サングリアみたいなのは、できたりするんですか?
(菊地成孔)サングリアになるでしょうね。私はサングリア・・・これね、打てば響くみたいなのであれなんですけど、サングリアもやっておりまして。安いワインで。最後に赤ワイン入れて〆ちゃうっていう。
(荻上チキ)それはなんか想像できますね。でも僕、想像できない味、嫌いなんですよ。僕、味覚が雑で。なんていうか、ハンバーグ!っていうハンバーグが好きなんで。ジュースも変化球だとね、ちょっとなんかたじろいじゃうんですよね。
(菊地成孔)なるほどー。クランベリーソースがかかったハンバーグとかは?
(荻上チキ)クランベリーがわかんないもん。
(南部広美)あんまり日本じゃ見ませんよね。クランベリーって。
(菊地成孔)そうですね。果物っていうのは基本的に肉料理のソースですよね。
(荻上チキ)ああ、あの赤っぽいあれですか?
(菊地成孔)そうそうそう。
(荻上チキ)ちょっと分かりました。たまにステーキにかかってたりする。
(菊地成孔)そうそうそう。
(荻上チキ)っていうレベルですから。混ぜ混ぜはちょっと距離感あるんですけど。
(菊地成孔)ジュース混ぜ混ぜは退行した子供っぽい舌にぴったりですよ。カルピス中心のカクテル体系は子供向きですから。
(荻上チキ)そうだな。子供とね、レストラン行くとつい子供が混ぜたがるんで。
(菊地成孔)ああ、子供は混ぜたがりますね。
(荻上チキ)一応、止めてはいるんですけどね。どうせ飲めないんで。残すんで。
(南部広美)楽しめることになったね。今夜ので。
(荻上チキ)飲めるんだったら、やっていいと。そういうルールを我が家では作りましょう。
(南部広美)じゃあ、飲めるものを作って混ぜようと。いいのかな?
(菊地成孔)(笑)
<書き起こしおわり>