菊地成孔 おすすめ昭和歌謡コンピレーションアルバムを語る

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菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、おすすめの昭和歌謡コンピレーションアルバム『Nippon Girls 2』を紹介していました。


(菊地成孔)労力士には声労力士っていうのもあって。で、この人とこの人の歌い方、歌いまわし、あるいは声そのものが似てるんだシリーズもあるんですが。今日は逆労力士、やってみたいと思いますね。これ、誰だ?ッて言う。リスナーの方で、このいまから聞く曲を歌っている女性ボーカルですが。『俺、この人知らないわ』っていう人はおそらく1人もいらっしゃらないと思うんですよね。全員ご存知だと思います。

えー、『Nippon Girls 2』というコンピレーションアルバムです。これ、イギリス人が作りました。私は新宿者ですから、歌舞伎町こそ出ましたが、まあ、ただ遊びに行くだけだったら歌舞伎町も行きますし。まだ。二丁目も行きますし。あっちゃこっちゃと新宿中で遊んでるんですが。ゴールデン街なんか行くと、昭和歌謡バーとかね、昭和歌謡、昭和歌謡なんつって。『昭和歌謡はいいよね』って。まあ、そういう人たちは大抵、『J-POPはダメだよね』っていう、まあ堅物なんですよね。まあ、人の好みにケチつけちゃいけないんですけど。

昭和歌謡、昭和歌謡ってあんまり言い過ぎる人たちが愛でる昭和歌謡を私はあんまり好きじゃないです。センスが悪いと思います。はっきり。昭和歌謡、昭和歌謡ってやたら言う人ね。とにかく。かならず、決まってるんだもん。『雨の御堂筋』とかさ。それはもう、名曲ですよ。もちろん。ですけど、選曲していく幅が狭くて。あるいは80年代が好きな人は中森明菜さん、小泉今日子さんって出てくるんだけど。なんかね、思い出の方が好きで・・・『いや、その通りだよ』って言われたら、それっきりですけど。音楽が好きなんじゃなくて、音楽の内実を食って味わってるんじゃなくて、自分のノスタルジーに浸っているだけという感じがしちゃうと、ちょっと私、冷めちゃうんですよね。

で、その点、このね、外人がやったりすると、ちゃんと内実を・・・無名な曲なんだけども、よく出来てるよねっていうのが集まっていて。これ、本当にいいコンピレーションなんですよ。私、昭和歌謡コンピレーションみたいなのは、選者がどなたのとか、野暮ったいことは言いませんよ。いずれにせよ、あんまり聞かずに、持ちもせず、なるべくオリジナル盤を買うタイプでいたんですが。コンピもいいなと初めて思わされたコンピです。これ。UKです。イギリス人がやっています。さて、いまから聞く曲ですね。69年の歌謡曲です。『BOY & GIRL』という曲ですが、歌っているのは誰でしょうか?



(菊地成孔)はい。まあ簡単すぎましたかね?これはもう、言うまでもなく和田アキ子さんなんですけども。和田アキ子さんって、もうこんな、すごかったんです。ファンキー。いわゆる、まあファンクスタイルですよね。で、加齢というか、ある年齢に達したころに、まあそれは欧米の歌手でも多いんですけど、ファンキースタイルで一生こう、不良っぽく踊りながら歌っているのもどうかな?ってことで、人生賛歌みたいなことにも行きてえなという風に、だいたいなるんですね。誰でもね。アメリカでも日本でも。

で、和田アキ子さんも、歌唱のスタイルをファンキーな、とにかくワンフレーズかツーフレーズを体をグラインドさせながらシャウトしてて。もうそれだけでいいよ、最高!っていうようなスタイルの、もう完成された方だったんですけど。ある時、ラスベガススタイル。ベガスのディナーショーっていうか、まあディナーはなくてもいいんだけど。ある時から、歌唱をこのファンキースタイルから、ラスベガススタイルにちょっと変えて、マイクの位置なんかもね、思いっきり口からおヘソの間ぐらいまで落として歌い上げるっていうスタイルに変えてからですね・・・

まあ、こんなの、芸能界のいちばん偉い方にね、意見するわけでもなんでもないですけども。ファンキースタイルが得意だったと思うんですよ。で、ラスベガススタイルに乗りそこねたとは言いませんけど。ただね、いまの若い方とかが、和田アキ子さんがラスベガススタイルとかでこう、いい歌を朗々と歌い上げる時に、なんか、あんまり上手くないなって思われていたらすげー損だなと思って。若い頃のファンキースタイルの和田アキ子は半端ねえよ!っていうことをイギリス人はわかってるなっていうような感じのCDですね。

『Another journey into the wild world of mid-late 60s girls pop Japanese style』という名前がついている『Nippon Girls』の2です。気になった方は、他にも入っている曲は、えっ?こんな曲!?キラキラ星のごとくいる有名歌手のみなさんの無名曲のいい曲がぎっしり入ってますね。まあ、そういえば和田アキ子さんと言えば、労力士というコーナーの生みの親というかね。和田アキ子さんと優木まおみさんが全く同じ顔で、特に笑った時は区別がつかないっていう話から、この労力士が始まっているっていうね。4年前のことですね(笑)。あれから4年っていう感じですけども。いま、あんまり最近は似てないんですけどね。なんででしょうね?これ以上、言っちゃいけないんでしょうか。はい(笑)。

<書き起こしおわり>

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