菊地成孔さんがTBSラジオ『粋な夜電波』の中で、映画監督のウェス・アンダーソンについて語っていました。リスナーからの『ウェス・アンダーソン作品への意見を聞きたい』という質問に対して答えています。
(菊地成孔)はい。あのー、スティーリー・ダンがウェス・アンダーソンに対してメッセージを掲載したのはご存知でございます。読んでございます。えー、まあそうですね(笑)。あんまガチで言ってもね、今日はそういうノリじゃないですよね。あの、ウェス・アンダーソンはたぶんあれじゃないかな?WOWOWでいま特集してるんですよ。ウェス・アンダーソン。WOWOWの話まで出しちゃったらキリがないですけどね。ええと、『天才マックス(の世界)』、『ライフ・アクアティック』、あとその他いくつかっていうのをね、連続で上映したんで。それも関係あるのかな?ちょっとわかりませんけど。
ウェス・アンダーソンに関しては、嫌いです
えー、ウェス・アンダーソンに関しては、嫌いです(笑)。嫌いってまあ、そんな別にね。いま、『嫌い』っていうとすっげえ、もう怨念がらみの、もう殺してやる!みたいなね。こう、毒々しい、なんて言うかこう、荒々しい世の中ですけど。まあ、『嫌い』って同族嫌悪もありますよ。あんま好きじゃないなっていう。まあ、気持ちわかるだけにね、ちょっとねっていうところ、ありますね。ウェス・アンダーソンはね。とても素敵だとは思いますけどね。
あの、安心して嫌いって言えるもんがね、あった方がいいですしね。安心して嫌いって言えるもんが、いまだとどうなんだろうか?若い方とかどうなんだろうか?難しい・・・微妙ですけどね。私個人に関して言えば、年取ってからの方が、まあ安心して、『まああんまり好きじゃないね』って言える余裕が・・・余裕っていうかね、言っても許される風に。まあ勝手に思っているだけですけども。まあまあ、心の底から別にね、憎んでいるわけでもないんで。
たとえば、園子温監督の映画って私ね、嫌いだったんですよ。あんま、怖いからね。なんですけど、この間『TOKYO TRIBE』見たら、好きになりましたね。こう、変わることもあるんでね。好き嫌いはね。私もよく言われますよ。『最初嫌いだったんだけど、よくよくいろんなのを見たら好きになってきた』なんかね、誰でも言われることですからね。はい。
だからまあ、ウェス・アンダーソンのこともこれから好きになる可能性はあんまりないと思いますけども(笑)。まあ、それはともかくこんなメールもウェルカムでございます。
<書き起こしおわり>