吉川きっちょむさんが2026年8月25日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』の中で『HUNTER×HUNTER』の好きなキャラクターについてトーク。ヒソカを挙げ、「ヒソカはある意味、『HUNTER×HUNTER』という物語を体現するキャラクターだ」と話していました。
(宇多丸)吉川きっちょむさんの好きなキャラプレゼン、お願いします!
(吉川きっちょむ)はい。メインキャラっていうことで、ちょっとムズいなとも思ったんですけれども。メインキャラは、ヒソカです。
(上坂・渡辺)おおー!
(吉川きっちょむ)いやー、やっぱりすごいキャラですよ。最初、出てきた時はもう本当、とんだ殺人ピエロだな、みたいな。
(宇多丸)殺人ピエロ?
(吉川きっちょむ)はい。最初のハンター試験から出てくるんですけど。で、キメラアント編以外、ほぼほぼ全部に出てくるんですよ。だからまあメインキャラと言っていいだろうという風に僕も思ってるんですけど。で、このキャラクターが実はこの『HUNTER×HUNTER』を表してるキャラクターなんじゃないかっていうのを最近、僕はピエール手塚さんっていう漫画家さんと『HUNTER×HUNTER』の対談をするような機会がありまして。これは自分のYouTubeで出してるんですけど。そこでそのピエール手塚さんがそうおっしゃられていて。
(吉川きっちょむ)で、それはなぜかというと『HUNTER×HUNTER』という物語自体が選別の物語だと。選別……選び取ること。で、それはもう本当に随所随所でずっと選んでるんですよね。ハンター試験から始まる意味っていうのもそうだっていうのをおっしゃっていて。それを聞いて、すごいハッとしちゃって。で、「ヤバい……ヒソカ、めっちゃ好きかも?」って直近で思ってきたんですよ。それまではやっぱりジンだったり。主人公ゴンのお父さんだったりとか。いろんなキャラクターが好きだったんですけど。ちょっと最近、ヒソカヤベえな、みたいに思ってて。そのヒソカっていうのが本当、時には少年である主人公のゴンを導くセクシーなミステリアスお兄さんであり。で、結構、変態であり……。
(渡辺範明)ド変態ですよね(笑)。
(吉川きっちょむ)そうなんですよ。ド変態なんですよ。ずっと手の内が読めないし。戦いでしかその性的興奮を得られないみたいな感じもあったりしてもう、すごいヤバいキャラなんですよね。
(宇多丸)さっき俺、あるコマを見ていて「えっ、何これ? こんなこと……この描写、いいの?」みたいな。
(吉川きっちょむ)そうなんですよ。たとえばその漫画的な面白さでいうとゴンとかに興奮しちゃって。で、裸で水浴びしたりするんですけど。吹き出しが「グ……グググ……」って大きくなっていくみたいな。
(渡辺範明)しかも上にスライドして上がるんですよね。
(宇多丸)ああ、ちゃんと表現している。
(吉川きっちょむ)大きくなるみたいなのを表現していたりだったりとか。
ヒソカの水浴びシーン「グ……グググ……」
ヒソカの水浴びシーン、舞台でどう表現するんやろ~と楽しみにしてたら期待の上を行く演出で笑い&目の保養だった。全人類ハンターの舞台見てほしい pic.twitter.com/K3BMDlLTG8
— 間宮 (@mamiya_gg) June 12, 2025
(吉川きっちょむ)冨樫さんもたぶんすごく楽しんで描かれてるんですよね。で、意味のない嘘をついたり。本当に魅力的なキャラクターなんですよ。
(渡辺範明)ちょっとトリックスターっていうか。
(吉川きっちょむ)そうなんですよね。「本当、こいつは何をしたいんだ?」って思いながら、でも最近ようやくそのしたいこと……ヒソカは本当に戦いたいバトルジャンキーだったんだっていうのがちょっとわかってきたりとか。今、その幻影旅団っていうヤバい盗賊組織みたいなのがいるんですけど。そことのバトルをちょっとずつこう進めていく段階に入っていたりとか。もうとにかく魅力的なんですよね。で、このヒソカなしでは実は物語が成り立たないんじゃないか、みたいなぐらいの重要キャラなんですよ。だから物語を読む時、ヒソカがどういう位置で今回はどういう役割として物語に接しているのかっていうのに着目してみると、すごく楽しいと思います。
(宇多丸)その選別の物語であるところっていうのと、その本質……そのヒソカさんがすごく関わってくるっていうか、体現してる?
(吉川きっちょむ)はい。ヒソカは常に人に点数をつけてるんですよ。で、自分と戦うんだとしたらこいつ何点かな、みたいな。あとその最初のハンター試験の段階でも試験官ごっこをして、自分で「こいつはよし。こいつはダメだ」とかっていうのをやっていたりするんですよね。
戦いをSEXと捉えているのでイケメン(カストロ、クロロ)や可愛いショタ(ゴン、キルア)と闘いたがってる説、選挙編の点数の付け方の法則がなんとなく分かってしまってダメだった pic.twitter.com/TEThnpHgNY
— 🖌超ボルボックス🖌 (@vol__vol2) November 5, 2024
(吉川きっちょむ)で、その『HUNTER×HUNTER』全体で、要はメルエムが王としてふさわしいのかとか。王位継承戦でも誰が王としてふさわしいのかって選ぶ、選ばれる話でもあって。その中でも、それの体現をしているのがヒソカだよね、みたいな。
(渡辺範明)全キャラに対してその選別の視線を持っていて。しかも揺るがない基準があるっていうことですよね。富樫先生、やっぱり変態を描くのがめちゃくちゃうまいんですけど。その変態も単に変な人なんじゃなくて、その人の中の揺るがない基準があるっていうのがめちゃくちゃ大事だと思うんですけど。ヒソカは最近、たしかにだいぶわかってきましたよね。その基準が。
(吉川きっちょむ)そうなんですよね。
(宇多丸)へー! でも最初から出てたキャラクターのあれがようやくわかってきたっていう?
(吉川きっちょむ)ずっと謎だったんですよ。
(渡辺範明)で、この戦闘を性的なこととして捉えてるっていうことはなんとなく今までもわかってたんだけど。「ああ、そこまで性的に捉えてるんだ」っていうのが最近、出てきて。たとえば「自分はノーマルだから」とか言うんですよね。だから多人数と同時に戦闘するのあんまり好きじゃないとか。あと人間以外と戦闘するのあんまり好きじゃないっていうので。だからキメラアント編の時、それで戦闘に参加してなかったのか、みたいな。
ヒソカがキメラアント編に登場しなかった理由
ヒソカ、「一対一じゃないと燃えないのだ♦︎」とか言ってるけどチーム戦のドッジボールを滅茶苦茶たのしんでたのを読者は知ってるんだからなテメー! pic.twitter.com/PaM7RvvEbt
— 朽尾明核(日比野響) (@hibiki_hibino) November 3, 2024
(吉川きっちょむ)キメラアント編では出てこなかったんですよ。
(宇多丸)ああー。でもそれが最近、わかってきたっていうけど。そのキメラアント編に出てこないってことは、冨樫先生的にはそれも込みで?
(吉川きっちょむ)まあ後付けなのかもしれないですけど。
(渡辺範明)納得はいくっていう。
(吉川きっちょむ)そういう理由をちゃんとつけてくれてるっていう。
(宇多丸)あと、わかんない。聞いてると人のことをそうやってジャッジしてるってことは、ちょっと視線がメタっていうか。だから読む人に対しては整理をする機能があるっていうか。そんな感じもあるかもしれないね。
(吉川きっちょむ)そうですね。だからヒソカから見て戦いに値するのか、強いのかっていう目線もちゃんとわかりやすくなってたりするので。「ああ、こいつを気に入ったってことはこいつ、いいぞ!」みたいな目線もあったりするわけですよ。で、やっぱり主人公のゴンとかキルアをめちゃくちゃ気に入っていて。熟すまで待ってるんで。で、育てたりして。
(宇多丸)ああ、戦う相手として。
(吉川きっちょむ)だから「おお、いいぞ。実ってきたぞ!」みたいな。ゾクゾクゾク!ってなったりするわけですよ。それがたまんないですね(笑)。
(宇多丸)すごいなー。少年誌にしてこういうキャラクターが。
(渡辺範明)これも育成目線だからある種、読者の視点を代弁してるとも言えるし。
(上坂あゆ美)あとジンがハンターで大事なことっていうので「道草を楽しめ」っていうセリフがあるじゃないですか。あれを実は一番体現してるのヒソカかもしれないですね。
(渡辺範明)たしかに。ずっと楽しんでますね。
(上坂あゆ美)ずっと楽しんでるから。『HUNTER×HUNTER』っていう漫画を体現したキャラかもっていうのは「なるほど」と思いました。
(吉川きっちょむ)そうなんですよね。
(宇多丸)さあ、ということでメインキャラはヒソカさんを選んでいただきました。


『HUNTER×HUNTER』を一番体現しているのがヒソカというお話、とても納得感ありますね。ジンの言う「道草」を最も楽しんでいるの、たしかにヒソカかも!(笑)。
