上坂あゆ美さんが2026年8月25日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』の中で『HUNTER×HUNTER』の好きなキャラクターについてトーク。キルアを挙げ、主要キャラクターたちの中で一番、情緒が安定していて素晴らしいと話していました。
(宇多丸)さあ、続きましてじゃあ上坂さん。メインキャラとサブキャラをそれぞれ、推薦お願いいたします。
(上坂あゆ美)はい。本当にメインキャラというか。もう好きなキャラを問われて、ものすごい焦って。私、この1ヶ月ぐらいずっと苦しんでいたんですけど。
(宇多丸)ごめん、ごめん……ごめんって!
(上坂あゆ美)あの、えっと、決めました。好きなメインキャラはキルア・ゾルディックです。
(吉川・渡辺)ああーっ!
(上坂あゆ美)もうメインもメインで行かせていただくんですけど。『HUNTER×HUNTER』ってみんながイメージするメインキャラでいうとゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、あとヒソカかなと思うんですけど。この中で誰と友達になりたいか、みたいな話を私は普段、一生してるんですけれども。キルアってこの5人の中で実は一番、人間として情緒が安定しており、人として素晴らしい人ってキルアなんじゃないかと思ってるんですね。っていうのがクラピカとかって一見、シゴデキな人みたいな。頭脳明晰・冷静みたいなキャラなんですけど。宇多丸さん、すいません。この人がクラピカなんですけど。
(宇多丸)ああ、自習してました(笑)。ありがとうございます。
(上坂あゆ美)なんですけど、クラピカって実はめちゃくちゃ感情的で。煽りにも弱いし。そのくせに自分も煽りまくるし。結構、人間的に「大丈夫そ?」みたいな場面がめちゃくちゃあるんですね。
(渡辺範明)まあちょっと不安定ですよね。
(吉川きっちょむ)友達にはちょっとなりたくないところ、ありますよね。
クラピカは情緒不安定
(上坂あゆ美)そうなんですよ。とかがあるんですけど。私、キルアがすごいなって思ってるのが、キルアって自分の一番の呪いが家庭にあるんですよね。いわゆる、なんだろうな? こう言っていいかわからないけど、機能不全家庭で育った子なんですよ。
(宇多丸)暗殺者一家って書いてありますね。
(上坂あゆ美)そうです。暗殺者一家で。そのせいで特殊な訓練も受けて、友達もできないし、同年代の子には引かれるしっていうのがキルアの闇なんですけれど。なんかゴンと仲良くなる理由っていうのもそこにあって。キルアがどこでゴンを信用したか?っていうと、ハンター試験の時の飛行船の中でゴンが「キルアのお父さんとお母さん、何やってんの?」って聞いたらキルアが「殺人鬼」って答えるんです。で、キルアは「引くだろうな」とか「冗談だと思うだろうな」って思いながらそう言ったら、ゴンが「えっ、2人とも?」って言うんですよ。そこでキルアは「こいつ、引かないんだ。俺の家のこと言ってもこいつ、何も思わないんだ」っていうのでゴンを信用するんですよね。おそらく、あそこが最初だと思うんですけど。
で、もし私がキルアだったら……私もちょっと家庭にいろいろあって。そういうことを作品に書いてたりするので、すごいキルアに共感しながら読むんですけど。私がキルアだったら、もっとめちゃくちゃゴンに依存してる気がするんですよ。ゴンを神聖化しちゃって。「もう俺にはこいつしかいない!」みたいになってもおかしくないところを、キルアはちゃんと対等な人として付き合って。そしてアルカ編でキルアが自分の弟(アルカ)を救い出すっていうところがパートがあるんですけど。そこを経て「ちゃんと俺はゴンと距離を置く」っていう選択を1回、取るんですよね。あれ、私だったらできないなとか思って。
(宇多丸)この間、お越しいただいた時もね、友人との関係性の話でそれ、出ましたもんね。
(上坂あゆ美)そうなんです。そうなんです。もう私はメロスとセリヌンティウスの世界の友情だから。「お前と一緒に死ぬ!」ぐらい、私がキルアだったら行きそうなところを、キルアってなんかクラピカとかレオリオよりよっぽど大人というか。
(宇多丸)個として。
(上坂あゆ美)そうなんです。たとえばクラピカにビスケの情報を電話で教えてあげるシーンがあるじゃないですか。王位継承編編で。その時に、なんかその対応もめっちゃ大人だし。クラピカは教えてもらったのになんかキレ散らかしていて。で、キルアが「まあいいよ。言うことは言ったから」みたいな感じで。それが「めっちゃ大人だな。偉い!」みたいな感じで。素晴らしいなと思っています。
あとからキルアに、「そこまで言えとは言ってねーよ…」と言われたクラピカ好き。
キルアは「オメーのことだからおそらく揉める」って二人のことよく理解してるね(笑)なんだかんだビスケと良い師弟関係でほっこり。
そして、クラピカってやっぱり顔は良い扱いなんだな。ゴレイヌだったら果たして? pic.twitter.com/WoZYOhT9zo
— つばき (@tubaki921) August 19, 2026
(渡辺範明)なんかこのゴンとキルアっていう2人のその親友関係を描くのに、この2人がとにかく距離が近づいていくとか、べったりするっていうことをゴールにするんじゃなくて。お互いが適切な距離感を取ったりとか、独立するっていうのをゴールにするのってめっちゃ大人の友情感ですよね。
(上坂あゆ美)本当にそうなんです。
(宇多丸)しかもそれってなんかね、少年漫画では珍しい感じで。
(渡辺範明)そう。それを少年漫画で描くことって、すごいと思う。
(上坂あゆ美)実は途中、ちょっと依存しかけている描写もあるんですよ。たとえばグリードアイランド編でドッジボールをやってる時、「キルアじゃなきゃダメなんだ」とかゴンに言われて。キルアが自分の指をボロボロに折られても無言で耐えるみたいな。「大丈夫そ?」みたいな場面とか、本当にあるんですけど。
(宇多丸)すごいな……。
ドッジボール、ゴンとキルアの友情と信頼が極まってて最高なんだよな……信頼してる相手だからこそ、自分のワガママを聞いてくれることも、自分のワガママに応えてくれることも、全部分かっててキルアに頼って、キルアはそれが何よりも嬉しいことなのがな… pic.twitter.com/pgZVKlkwoM
— 俺知ら@青アフ読 (@oresira) May 17, 2021
(上坂あゆ美)そうなんです。だから基本、ゴンってなんか愛情も友情も全部パワーが強いキャラなんですよね。で、それを普通だったら依存関係になるところをちゃんと自立していくキルアの変化っていうのが描かれているなと思って。作中、メインキャラでもしかして一番、人間的成長を……家庭のトラウマを乗り越えて、友達とも対等に接してっていうのがあるのが実はキルアかなと思っていて。
(吉川・渡辺)キメラアント編の時に……。
(吉川きっちょむ)やっぱりそこですよね!
(渡辺範明)あの後、やっぱりちょっと関係性やばくなってる時、ありましたからね。
(吉川きっちょむ)もうゴンが突っ走っちゃって。キルアすら目に入らなくなっちゃう状況があるんですけど。そこでも寄り添って。ひどい言葉をかけられても「でも俺がここにいるんだ」って言って一緒にいるわけですよね……。
(上坂あゆ美)本当にそうなんです!
(吉川きっちょむ)あれがもう……この年齢でなんて大人なんだ!っていう。
(上坂あゆ美)すごすぎますよね。なんか「キルアはいいよね。関係ないから」みたいな。めちゃくちゃひどいこと言われるんです。その後のキルアがそれに対してそれをギャグとして笑って。「お前さー」って終わらせてあげるんですよね。マジで大人じゃないですか?
(吉川きっちょむ)めっちゃ大人。笑いに変えるって高等テクすぎますよね。すごい!
友達だと思っていたゴンに「キルアはいいよね…関係ないからっ」って言われて2枚目1コマ目の消えてしまいそうなキルア
…からの気持ちを切り替えてやっぱりゴンの為に声を掛け続ける優しいキルアが大好きです
画像2枚目の3・4コマ目の口下のわずかな変化で表現するのも冨樫
#ハンターハンター芸人 pic.twitter.com/IHxtD1Gark
— へなもん (@hirakegomaggg) May 24, 2018
(宇多丸)なんか伺ってると、さっきのそのシステム的に見てくとある種、キャラクター類型みたいなのをそれこそ、ちょっと言い方あれだけど順列組み合わせで面白くしてくみたいな感じが設定だとして。でも聞いてると、「そんな類型でこうなると思うじゃん? 少年漫画ってこういうことになりがちだけど俺、そういうのは良くないと思っていて。こういう方が良くない?」みたいなことを……。
(渡辺範明)そうなんです。そこから作劇で予想を全て、上回っていくんですよ。
(宇多丸)だからさっきの設定はあくまで設定で。そこからやっぱり冨樫先生なりの何て言うかな? エンタメ論であり、そのより良き何か論みたいなところを常に提示しようとしてる感じがしてる。読んでもいないのにすいません!
(吉川きっちょむ)でも本当に物語のためにキャラがいるんじゃなくて。キャラがあってその先に物語が展開してるっていうのがすごくわかるんですよ。だからすごくみんな生々しい感情を持っているし、すごくリアルなんですよね。
(渡辺範明)逆に物語の展開は結構、書きながら変わっている気がしますね。キャラの在り方はもう、あるべきものをたぶんちゃんと持ってるんですけど。
(宇多丸)はい。ということで上坂さん、感極まっております。キルア・ゾルディック、メインキャラとして挙げていただきました。


主要キャラクターたちの中で最も情緒が安定しているのはキルア。クラピカは情緒不安定すぎて友達になれないという視点、めっちゃ笑ってしまいました(笑)。
