宇多丸 Perfumeのコールドスリープ(活動休止)を語る

宇多丸 Perfumeのコールドスリープ(活動休止)を語る アフター6ジャンクション

宇多丸さんが2025年9月22日配信のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』の中でPerfumeのコールドスリープ(活動休止)について話していました。

(宇多丸)さて、そんな頃ですね、世の中的には話題沸騰だったのはなんとPerfumeがですね、活動休止ことコールドスリーコールドスリープをするという風に発表されたという件です。当然のことながら、この件もたくさんメールいただいてました。ちょっと今日は放送内に入りきれなかったんでこの放課後扱いになって申し訳ありませんけれども。たとえばこちらの方。「初めてメールさせていただきます。9月21日、Perfumeが2026年からのゴールドスリープを発表しました。ファンの反応はおおむね、25年間走り続けてきた彼女らやPerfumeチームへの感謝というもののように思います。はるか昔から彼女たちを支えておられた……」。支えてはいませんけども。

「宇多丸さんには遠く及ばないと思いますが、私もアルバム『COSMIC EXPLORER』の頃に彼女たちの魅力になぎ倒され、全国ツアーを見届けるべく飛び回ったのはいい思い出です。今では環境も変わり、ツアーを追いかけることはできていませんが地元に来てくれた際は可能な限りライブに参加しておりました。残念ながら今日、明日の東京ドームには参列できませんが急遽決まった配信には参加する予定です。復活を期しての活動休止と承知しているものの、25年走り続けての休止との考えると寂しさは大きなものがあります」と。

で、まあとにかく「番組で特集してはいかがでしょうか」ですって。「1カ月、まるまるPerfume特集をと言いたい気持ちはやまやまですが、他のトピックもおありでしょうが1週間かけてじっくりと特集いただくというのはいかがでしょうか? 勝手なメールで恐縮ですが何卒、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます」というようなこととか。

あとはこちらの方。この方は「Perfumeの東京ドーム、行ってきました」ということで。「Perfumeとしての活動を休止するという選択肢をポジティブな気持ちで選んだ3人の決断を心から応援しようと思える、とてもいいライブでした。そして3人の『必ずパワーアップして戻ってくる』という気持ちもしっかり受け取りました。最後のMCを聞きながら宇多丸さんがよくおっしゃっている『休みやすい、戻りやすい』という言葉を思い出して今、メールをしています」。まあだから、「終わりじゃないよ」ってことじゃないですか?

「宇多丸さんはご謙遜なさると思いますが、Perfumeに宇多丸さんたちが与えた影響というのはとても大きかった……」。いや、それはどうでしょうね? 「と思います。ありがとうございました。乱文、失礼いたしました」ということをおっしゃってますけど。ということでですね、まあねー……でもまあ、僕ね、その『ネビュラロマンス 前・後篇』っていうこれがね、もうね、「予想してたという」とちょっとあれだけど。まあ、これはかなり、かなりこう、なんていうかな? 「極めたな」っていうか。要するにわざわざ「前・後篇」だなんて。「この後どうすんだよ?」級のを出して。だからこれは結構、一区切りだなと思ってはいたんです。内容、クオリティーから言って。だってほら、マブ論でもさ、25年間……まさに25年間、連載していきて「最高峰がきちゃった」なんて言っていて。

なので、だからそのコールドスリープ……しかもコールドスリープ。「解散だ」っつったらそれは私も泣きますけども。コードスリップだって言っていて。僕はだから別にまあ、いいんじゃないですか?っていうか。私ども、ライムスターも一旦、活動休止というのを経てやってるんで。よく後輩とかで「活動休止しようと思うんです」っていう人たちには「どんどんしなさい。無理して続けて空中分解が一番良くない。いいんだよ。そんなの、休め、休め。そんなもん」なんて言ってます。まあその後、やるかどうかも含めてですね、休むのは全然、選択肢です。

RHYMESTERも活動休止経験あり

(宇多丸)だし、まあ彼女たちは先ほどのメールもあった通り、言うまでもなくもうこの25年間、特にブレークしてからはもう、なんというか休む間もなくフル回転してこられて。しかも、なんて言うんですかね? やっぱり開拓してきた人たちだから。前人未到のところばっかりに行ってきた人たちだから、その単に売れている人たちにはない体力の使い方をしていると思うんです。チャレンジャーですし。あと、もっと言えばそのMIKIKO先生のああいう振り付け。ああいうのってもう、アスリート的なものが求められる。だって氷で体を冷やしてるわけだから。ライブが終わった後。それこそ『COSMIC EXPLORER』のライブの時だってさ、もう氷で体を冷やしてやっているような人たちなわけだから。そのメンテナンス……保つっていうかね。維持だけでも相当、もちろん気も張るでしょうし。

だから一方でやっぱり彼女たちもちょっと落ち着いている人生、見直したいとか、いっぱいあるでしょうから全然全然、そんなもんは……それで「コードスリープだ」って言ってくれてるんだから。そんなもんは何が悪いことがありましょうか? どうぞうどうぞっていう。だって2枚組の、しかも新曲、新録がやべえ曲だらけのこんなのをドスンと残してくれていて。「じゃあ、お前らは十分に聞き込んだんですか?」ってことよ。「あと過去の曲、全部聞き込んだんですか?」って。

私がほら、Perfumeミックスをやったじゃないですか。それでやっぱり驚くじゃないですか。「えっ、こんなかっこいいの?」って。で、しかもその後に2枚組を出しているんだから。だから、もう十分すぎるほどの作品もすでにありますし。じゃあ、そこをちゃんと咀嚼できてるんですか?ってこともありますしね。いいことじゃないかという風に私は思っていますよ。ということでまあ、なんていうかこれは「全然いい」っていう風に思っています。まあその間、またいろいろとあの人たちが本当に自分たちの人生をちょっと……本当にあの、普通に過ごしてくださいっていうか。穏やかに……「穏やかに」かどうかはわからないけども、ご自身なりの感じでぜひぜひ過ごしてくださいという風に本当に思いますよ。というようなことでございまして。

まあ、ドームに行った方はね、お疲れさまでございました。本当、それこそ東京女子流のその来年に解散というのを発表して。それでちゃんと文句なしのアルバムを出して、きっちりライブもいっぱいやって。だから「ああ、これはいい解散だ」って。だからね、そのなかなか……あれは解散だけど。なかなかいい感じで休んだり解散って、みんなもうクッタクタになってをそれやっちゃうから、できないんですよ。できなかったところが多いのね。これまでは。で、ファンはやっぱりそれでさ、突然終わっちゃったりとかあるわけよ。解散コンサートもない、卒業コンサートもない。したところで、あんまりいい雰囲気じゃないとか、そんなのはいくらでもあるんですよ。

だから、そういうもちろん過去の悪い例とかも皆さん、学んだのもあるんでしょう。だからとってもいい形っていうかな? そういうことだと思いますよ。

(古川耕)そういう意味だとPerfumeは本当にいい締めくくりというか、一区切りができて。そこに立ち会えているんだから、いいですよね。

(宇多丸)これは寿ぎしかないです。そう思ったりします。ということで、残る年内……Perfumeに関しては年内ですけども。あとは皆さんね、とはいえ……もちろんこれ、Perfumeファンがメールを送ってくれているけども。「えっ、マジでわかってんの? 『ネビュラロマンス 前・後篇』、お前らマジでこの程度の騒ぎ方なのが俺は納得できないね!」っていう風に思っていて。

超名盤『ネビュラロマンス 前・後篇』の時点でもっと騒ぐべき

(宇多丸)日本のこういうアイドルポップ、ガールポップ、ダンスポップ、いろんな言い方があってなんでもいいですけど、もう究極の最高峰が2枚組で出ているわけで。本当にね、俺は全然もう東京ドーム2日っつったってそんなの、当たり前だろうって。もっともっとみんな、騒ぐべきです。それでだからコールドスリープって発表されて「ああっ!」ってなってるかもしれないけど。「はあ? いつもそうだろ? ずっとそうだろ、こんなもんはよ。ずっとそうだし、ここに来てこの2枚なんだからその時点で騒げよ! その時点でネットニュースにしろよ。『すげえアルバムが出た』ってネットニュースにしろよ、そんなもんはよ」って。

だから俺に言わせれば「はあ? うるせえよ、今更、そんなもん!」っていう風な感じですよね(笑)。いや、それぐらいやっぱり「はあ? なんでみんな、もっと騒がないの?」っていう風に思っていますよ。

自身もRHYMESTERとして活動休止経験のある宇多丸さんの心のこもったコメント、素敵です。宇多丸さん、自身の連載「マブ論」や番組でもずっと「Perfume『ネビュラロマンス』がとんでもない」とおっしゃっていましたよね。文句なしにかっこよかった『ネビュラロマンス』、たしかにみんな、もっと騒ぐべき!

宇多丸 Perfume『ネビュラロマンス』を語る
宇多丸さんが2025年5月7日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』の「聴くマブ論!6月号」内でおすすめアイドル的楽曲としてPerfume『ネビュラロマンス』を紹介していました。

『アフター6ジャンクション2』放課後ポッドキャスト

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