宇多丸さんが2023年12月4日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』の中で大好きな脚本家の山田太一さんの訃報について、話していました。
(宇多丸)でですね、ちょっとお話が変わりまして……というか。『アトロク・ブック・クラブ』宇多丸分室第10回。先週ぐらいですか? あの配信になりました回で私は山田太一さんの未発表脚本という本が出てますよという。頭木弘樹さんという方が編まれた本で。『ふぞろいの林檎たち』のパート5の幻の脚本があったという感じで私がさんざん読み上げなんかしてですね。「石原真理子さんの声で聞いてください」なんてね、やってました。そんなことをキャッキャキャッキャとやっていた矢先に、皆さんもいろんなニュースでご存知かと思いますが。
『ふぞろいの林檎たち』パート5・未発表脚本
(宇多丸)11月29日水曜日にその山田太一さんが老衰のためお亡くなりになったというニュース。だから、びっくりしました。ちょうど熱くいかに山田太一脚光というのもが……すごく私も大ファンだし。たとえば台本読み上げるだけでこんなに生き生きと、その山田太一的世界というものが浮かび上がってくるのか?っていう話をしたばっかりだったんで、びっくりしてしまって。こちらにもリスナーの方からメールをいただいてるんで、ちょっとご紹介しますね。
「『ふぞろいの林檎たち5』をご紹介いただいたタイミングでの山田太一さんの訃報でした。還暦の私にとっても山田太一さんの脚本ドラマは青春の大切な作品群でした。人間の本質を描き続けた山田太一さん。時代を超えた感動として生き続けるんでしょうね。ご冥福をお祈りします」という。他の方からもいっぱい、いただいていて。たとえばこちらでは「アトロクで山田太一特集をしてほしいです」という。10年前、ウィークエンド・シャッフル時代に『ふぞろいの林檎たち5』特集っていうのをやっていて。「そちら、素晴らしかったです」っていう風にこの方もおっしゃっていただいてるんですが。
その時に1回、山田太一特集をやっているはやっている。単行本『敗者たちの想像力: 脚本家山田太一』というのを書かれた長谷正人さんという早稲田の教授。私は非常に尊敬している方なんですけども。長谷さんをお招きして、山田太一特集を1回、やったんですが……。まあ、追悼的な何かをやってもいいかもしれませんね。リスナーの方からもメールをすごくいっぱいいただいておりますし、私もすごくいっぱい、言及もしてますし。影響というのは偉そうですけどね。考え方の根幹にいろいろやっぱり、あると思いますし。
といったあたりで、本当にまずはご冥福をお祈りしつつ、でも山田さんの残した素晴らしい仕事の数々、味わい尽くしていこうかなと思っております。
<書き起こしおわり>