ピエール瀧さんがFM COCOLO『THE MUSIC OF NOTE「スチャダラパースペクティブ 〜ANIから貴方へ〜」』に出演。スチャダラパーANIさん、岡宗秀吾さんと最近、日本画や時代劇、演歌の魅力がわかるようになってきたという話をしていました。
(岡宗秀吾)なんかこれ、もうおじいさんになってきて。先週、話したんですけど。なんだっけ?
(ANI)日本画。時代劇。
(岡宗秀吾)演歌。この辺も全然入りますっていう。瀧さん、どうですか?
(ピエール瀧)日本画?
(岡宗秀吾)浮世絵とか。
(ピエール瀧)ああ、日本画。浮世絵とか。若冲みたいなことってこと? まあ、そうですね。だからすごいのはすごいじゃん。国芳とかさ、ああいうやつとか。
(ANI)広重とかね。
(ピエール瀧)広重とか。だからすごいのはすごいなっていうので見てますけど。まあ、そうですね。横山大観って言われると、まあたしかにすごいんでしょうけども……みたいな感じは。屏風か、みたいな。
(ANI)でもあれ、屏風なのがすごいなと思って。額じゃないんだっていう。
(ピエール瀧)ああ、そうね。
(ANI)屏風とさ、掛け軸みたいな。
(ピエール瀧)ああ、とかそうね。襖絵とかね。
襖絵について調べた」(ANI)
(ANI)襖絵ね。襖は調べたもん。最終的には襖絵、1枚ぐらい書いておいた方がいいのかなと思って(笑)。
(ピエール瀧)そうね(笑)。
(岡宗秀吾)ANIくんの襖絵?(笑)。
(ピエール瀧)襖絵、書くんだったらあれ、合わになっているから2枚は書かないと。
(ANI)そうそう。2枚か3枚ぐらい、いかないといけないじゃない?
(ピエール瀧)あれでひとつだからね。なんで1枚なんだよ?(笑)。
(ANI)いや、襖絵ってどうやって? みたいに思って。調べたもん。俺。襖、売ってるからって思ってさ。
(ピエール瀧)まあ、わかる。だから今、言ったようなその演歌みたいなやつとかもわかるし。なんか、そうね。昔のフォークみたいなやつとかも「ああ、なるほどね」っていう感じもやっぱりありますよね。
(岡宗秀吾)でも、その電気のイメージなんかも言ってもお二人ともそうかもわかんないですけど。とんがっていた若い時代があるじゃないですか。それとか、「そんなのは嫌だ」とかっていう時代もあったと思うんですけど。やっぱり変わってきますか?
(ANI)なんか一番遠くに行ったっていう感じもするけどね。掘っていったら、一番遠くに和物があったみたいな(笑)。1回転して。
(ピエール瀧)ああ、地球を一周しちゃってたみたいな?
(岡宗秀吾)えらい近くにあったけれども、無視してたやつに掘っていったら近づいたみたいな。
(ピエール瀧)まあ、それもあるだろうし。ああいう演歌みたいなものとかってさ、ある程度の経験則がないと歌詞で歌ってる内容がイメージできなかったりして。境遇とか、なんかわかんない。生き別れたなんとかとか。
(岡宗秀吾)パートナーの不倫の切なさとかね。
(ピエール瀧)わかってなかったんだろうね。
(ANI)そうだね。わかんなくて興味がなかったみたいなのはあるかもね。
(岡宗秀吾)恋のこともわかってなかったし。なんかこう、『越冬つばめ』とかもさ、ド頭で「娘盛りを無駄にするなと 時雨の宿で背を向ける人」みたいな。わかんなかったです。初め。子供の時。でも今、「なんて映画的なんだ!」みたいなのはグッと入ったりしますからね。
(ピエール瀧)時の流れもそこにふりかけてあるじゃん、みたいなこともね。「娘盛りになったんだ」みたいなね。
(岡宗秀吾)「あの子が」みたいなね。それを言わずに1バース目で来るんだ、みたいな。
森昌子『越冬つばめ』
(ピエール瀧)「娘盛りを無駄にするな?」みたいな。その局面で、みたいな。そういう、今言ったようなもの。古いものとかを見ると、お寺だったりもそうかもしれないし、神社みたいなところとかに行っても「これ、千年前からあるんだ」みたいなのとか。それこそ桜の花とか、撮っちゃうしね。
(岡宗秀吾)もう、おばあさんみたいになってきましたね(笑)。
(ピエール瀧)土手に咲いてる水仙とか撮っちゃったり。1輪だけ咲いてると、なんかそれに意味を見出せるようになっちゃって。「名もなき花こそ美しいんだ」みたいな。
(ANI)メジャー感がない方がね(笑)。
(ピエール瀧)そうそう。そうなっていったりするから、まあそういうのが沁みてくるんだけど。でも相変わらず、わかんないやつもあんの。器とか(笑)。
(岡宗秀吾)ああ、なるほど。でもあるんでしょうね。道がね。
(ピエール瀧)だからそれはいつかわかる時が来るのかどうなのか、わかんないですけど。「なんでもないじゃん、それ」って思うんだけど。実はそれがすごい、みたいな。
(岡宗秀吾)ありますよね。たぶんね。
皆さん、歳を重ねていろいろなものの解像度が高くなってその魅力がわかるようになってきたということなんでしょうね。『越冬つばめ』の冒頭の歌詞なんて気にしたことなかったですけど、今回のこれで「すげえことを歌わせてるな」と思ってしまったりしました。いろいろ掘ってみると面白そうです。