町山智浩さんが2025年1月14日放送のTBSラジオ『こねくと』の中でロサンゼルスで発生した山火事とその被害について話していました。
※この記事は町山智浩さんの許可を得て、町山さんの発言を抜粋して記事化しております。
(町山智浩)ロサンゼルスの山火事、大変ですよ。僕はカリフォルニアに住んでるんですけど。ここ5、6年ずっといつ山火事が起こるか、わからない状況が続いてます。僕ね、26年ぐらいこっちに住んでるんですけど。もう本当に気候が変わったんですよ。僕が住み始めた頃からだいたい10年ぐらいは12月から2月にかけて、ずっと雨なんですよ。
ずっと延々と雨が降っていて、だから火事なんて起こらなかったんです。海の方から、西の方から雨雲が来るって感じだったんですね。ところが最近のこの5年ぐらいだと西の方から雨雲が来ず、東……つまり砂漠のあるネバダとか、あっちの方からものすごく温かい空気が吹き込むようになって。風の方向が逆になったんですよ。
しかもその砂漠のところにはすごく高気圧があって。海の方は温かくなると低気圧になるんでね。高気圧から低気圧に向かってものすごい突風が吹き込むんですけど。年に3回ぐらい、時速80キロぐらいの突風になるんですよ。すごい速さです。そうすると、ちょっと火がつくともう、高速道路を走る自動車でも早く火が広がるんでどうしようもないんですよ。という状況が今、起こっているんで。完全にこれは地球温暖化が原因なんですね。
地球温暖化・気候変動が原因
(町山智浩)で、建物の材質については……どうなんだろう? うちはすごく頑丈なんだけども。それは人によると思うんですけどアメリカの家って、すごく頑丈なんですよ。日本の家に比べるとすごく壁も厚いし。だから夏も冬もほとんど室内の温度って変わらないんですよ。暖房とか冷房を入れなくても。そのぐらいなんでどうかな?って思うんですけど。まあ、突風が一番の問題だと思うんですけど。
これでもうトランプさん、大喜びですよ。火事で。めちゃくちゃ言っていて。「カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサムさんがワカサギという魚を守るために水をロサンゼルスに回さなかったからこういう事態になったんだ」っていう風に言ってるんですよ。でも、ワカサギがいるのはうちの近所です。ロサンゼルスまで580キロ、離れてます。そんな距離、水を回せません。東京から盛岡ぐらい離れてるかな? だから「東京が火事なのは盛岡の人が水を回さないからだ」みたいなことを言ってるんですよ。いや、それは遠すぎて関係ないから。
「カリフォルニア州知事が水をロサンゼルスに回さなかった」という言説
(町山智浩)で、トランプさんを支持している人たちも……大喜びでイーロン・マスクがそれを拡散してますよ。で、なぜそんなことをやっているか?っていうと地球温暖化、気候変動というのが実際の原因なんですけども。
彼ら、トランプ政権は「地球温暖化も気候変動も存在しない」っていう主張してるんで。それで地球温暖化の原因となるCO2規制をやめちゃったじゃないですか。パリ協定からも外れて。だから彼らの主張としては地球温暖化は存在しないってなってるんで、他の理由を見つけなきゃならんないんですよね。