高田文夫さんが2024年11月22日放送のニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』の中で桂雀々さんの訃報について話していました。一回り下の同じ子年ということもあって、毎年12月に「チューチューマウス会」というイベントを一緒に開いていた高田先生と雀々さん。
その告知のために毎年11月に『ラジオビバリー昼ズ』に出演し、高田先生と公共の電波を使っていちゃいちゃしているのが名物となっていただけに、高田先生も訃報にショックを受けていたようでした。
(高田文夫)今日は11月22日ね、本来はね、今日のゲストがね、雀々さんだったんだよ。雀々さん、抑えてあったんで。「体調が悪いんだ」なんて連絡があって。だから今日、ゲストで来てもらって。いつも毎年、チューチューネズミ会。12月は恒例だから。俺と一緒の子年で。一回り下のネズミが雀々さんで。それで2人でさ、国立演芸場とか伝承ホールで会をやっていたんだよ。
(松村邦洋)僕も見に行って。
(高田文夫)そうだろう? 今年も12月22日に予定していたんだけど「キャンセルしてください」って言われて嫌な予感がしていたんだよ。そうしたらさ、まあね……こうして立て続けだから、ちょっとな寂しいな。いろんなことが。
(松村邦洋)ビバリーによく来られていた方がね。
雀々さんの訃報にリスナーたちも大きく反応。訃報に過去最高クラスのメールが番組に寄せられたそうです。そんなリスナーたちのメールを紹介しながら、高田先生は雀々さんとの思い出話をしていきます。2022年に行われた桂雀々さんの芸歴45周年記念公演(ゲスト:明石家さんま)を見に、仲間たちと連れ立って大阪に行ったという高田先生。一緒に行った松村さんとその時の模様を振り返ります。
明石家さんまとの芸歴45周年記念公演
(高田文夫)俺たち、行ったもんな。みんなでさ、散歩会のメンバーで「行くぞ!」っつってさ、大阪の新歌舞伎座。2日間、やるっつーんで。1日目がゲストが志の輔さん。で、2日目がさんまちゃんなんだよ。で、「松村、2日目に行くからな。みんな、チケット取って、行くぞ!」って。
(松村邦洋)修学旅行みたいで、楽しかったですよ。僕は。
(高田文夫)雀々独演会に行ってさ。「お前、行ったんだよ。わざわざ」「いや、ほんまは目的、さんまちゃんやろ? どうせ、ワシやなくて」「図星だな、お前」って(笑)。「さんまちゃんを見たくて来たんだよ」って(笑)。
(松村邦洋)そうですね。さんまさんの舞台も面白かったですね。
(高田文夫)さんまちゃんも昔から雀々さんをかわいがってな。だからパーティーとかもさ、必ず来てスピーチするんだよね。結婚式とか、40周年のパーティーとか。だからみんな、来てさ。
(松村邦洋)昔からの絆、すごい深いですよね。
続いて、「高校時代に『ぎんざNOW!』に出ていたのを見て桂雀々さんをはじめて知った」というリスナーからのメールを紹介した高田先生。雀々さんの生い立ちから、高校生で『ぎんざNOW!』に出演して勝ち抜き、その賞金で生活していたという時代のエピソードを紹介します。
『ぎんざNOW!』で賞金稼ぎ
(高田文夫)あの人はね、本当に家族に恵まれないんだよ。かわいそうなんだよ。だって小学生の時にさ、お父さんがもう博打とかやるか。ギャンブルやるから。小学生の時にお父さんが出ていっちゃったんだよ。蒸発しちゃったんだよ。
それでお母さんがその後、逃げちゃって。あいつ、1人で……小学生なのに自分で学校に行ってさ。ご飯を作って食べて。1人で。お金がないからずっと。それで中学、高校になってそこでやっていた『ぎんざNOW!』の素人コメディアン道場。それでさ、賞金で暮らそうと思って、大阪から通ってたんだよ。
それで毎週、優勝してたんだよ、あいつ。高校生の時、その賞金を持って帰って、それで生活して。また東京に来て。それで、枝雀さんのところに行くからね。そしたらあんなにかわいがってもらっていた枝雀さんも亡くなっちゃって。不幸な最期だったでしょう? 本当、かわいそうなんだよ、あいつな。「なんかかわいそうなところ、あるな」と思ってさ。あんだけ面白いのにな。不思議なもんだよな。
必ず飲むと言うんだよ。「先生の師匠筋の前川宏司さんが審査委員長で。浅井企画の浅井会長と2人が審査委員長で。怖いんですわ、これがまた。先生のお師匠さんによく怒られましたわ」なんてさ。それで、1人で通ってたんだよ。それで家に帰ると夜中に「ドンドンドンドンッ!」って。
怖いヤの字のつく人が「おい、金出さんかい!」って来るんだよ、毎晩。借金取りが。すごいよ、取り立てが来るんだから。それを小学生がさ、応戦すんだから(笑)。すごいよね。それはもう詳しくはね、『必死のパッチ』っていう本。今、もう文庫になってるけど。これに克明に書いてあるんだけど。これが名著。もう最高の本なんだよ。
こんな風に雀々さんとの思い出話を披露していった高田先生。「今までのビバリー史場、一番多いんじゃないか? 訃報のメールで。どんだけ雀々さん、愛されていたのかってね」と語り、リスナーたちからも愛されていた雀々さんの死を悼んでいました。
ビバリーを聞いていると年に1回、チューチューマウス会の告知のために雀々さんが登場するのがとても楽しみになりますよね。高田先生のトークにも雀々さんのエピソードがよく登場するので、ビバリーファンとしてもとても悲しい訃報でした。しかし雀々さん、両親がいなくなってしまって1人で孤独にサバイブしていた過去があったなんて、全然知りませんでしたわ。小学生ながら1人で借金取りと対峙していたなんて……高田先生がおすすめされている『必死のパッチ』、面白そうなんでちょっと取り寄せて読んでみたいと思います!