竹田ダニエルとSKY-HI「Z世代」を語る

竹田ダニエルとSKY-HI「Z世代」を語る DIVE TO THE NEW WORLD

竹田ダニエルさんが2024年6月15日放送のJ-WAVE『DIVE TO THE NEW WORLD』の中でSKY-HIさんと「Z世代」について話していました。

(SKY-HI)今夜はゲストにZ世代ライター、竹田ダニエルさんをお迎えしました。ようこそ。

(竹田ダニエル)ありがとうございます(笑)。

(SKY-HI)久しぶりです。

(竹田ダニエル)久しぶり。本当、会うのは初めてなんですけどね。

(SKY-HI)会うの、初めてみたいだね。なんかそんな感じ、しませんでした。

(竹田ダニエル)全然、日高さんはその事実を認めてくれないんですけどね。

(SKY-HI)「いや、だって会ったことあるもん。絶対に」っていう(笑)。このぐらい、連絡を取ってる期間が長かったら、それはもう「会った」ってことでいいんじゃないかな?って思って。

(竹田ダニエル)それはそうかもしれないね。魂は会っている。たぶん(笑)。

(SKY-HI)そうそう。ソウルフレンド(笑)。なんか、なみちえがあれだったんだよね。

(竹田ダニエル)そうそう。なんかTwitterではじめ、繋がって。で、なみちえと日高さんが繋がっていたから、「3人でグルチャを作ろう」っていうことになって。ずっと連絡してましたね。

(SKY-HI)なんかね、あの時期にあのグループチャット、盛んでしたよ。

(竹田ダニエル)でもすごいあれ、楽しかったっすね。

(SKY-HI)楽しかったですね。

(竹田ダニエル)なんか結構、「これからどうしようか」みたいなことをね、みんなが思ってる時だったから。その時はまだビーファとか、番組とかもできてなかったから。その構成段階みたいなところで話してたんだなって、今になって思いますね。

(SKY-HI)そうそうそう。なんかやっぱりやるのとさ、思うのじゃ大違いじゃんね(笑)。だから思ってはいるが、まだ始まってないから。うまくいく保証も当然ないしね。そういう意味では、人と話するのが楽しかったな。まあ、今も楽しいんですけど(笑)。最近、本当に「Z世代ライター」って言うぐらいで。だから、世代とかパーソナリティーが出て。どういう視点で世の中を見てるのか?っていうのが世の中にアティチュードとして出せるようになってるっていうのがすごく、その当時とは変わっていて。そのバックボーンが見えることによって、説得力が出ると思うんですよね。それで世の中に対してアプローチするきっかけって、いろいろあるじゃないですか。SNSもそうだし、ライターとしてもそうだし。それから逆にそのエージェント……音楽を作る側の人間でもあるわけだから。プロダクト通して。そうやって、いろんな形で世の中に対してアプローチしていけると思うんですけど。何に一番、自分としてはやりがいを感じますか?

(竹田ダニエル)そうね。でも、なんか世の中に対するアプローチっていうのも自分の場合は何かを変えたいとか、何かを説得したいとかいうよりも、実は自分がここで何かをしなかったり、言わなかったことによって自分が後悔するっていうことだったりとか。

(SKY-HI)めっちゃわかる(笑)。

言わなかったことによって自分が後悔する

(竹田ダニエル)あとは、その「知識を持ってるやつが偉そうにしてる」みたいな風によく言われるんだけど。その自分が持っている、なかなか一般的ではない変わったバックグラウンドだったりとか、経験だったりとかを何かしらの形で残すことによって、自分が後で参考にするなり。あとは誰かが参考にしてくれるなら、それはそれですごい価値のあることだと思っていて。それって本当に知識とか経験って、独り占めすることこそが一番もったいない気がしていて。

(SKY-HI)そうだね。ナレッジはね。

(竹田ダニエル)そういう意味でも、たとえばアーティストに関してだったらより、曲を作ったり、ディレクションするだけじゃなくて。やっぱり1 on 1で意見を交わすだったりとか。結構アーティストって、日高さんが一番わかってると思うけど。誰かと話すっていう機会が実はすごい少なくて。

(SKY-HI)そう。コミュニティーがすごい閉ざされてることになりがちなんだよね。

(竹田ダニエル)そう。で、やっぱり100%価値観が一致しないと、すごいなんか爆発的な喧嘩になっちゃったりとか。信頼関係がすぐ崩れたりとかがあるから。逆にそこは自分は100%、アーティストじゃなくて。ある意味、ちょっとバイスタンダーとして手助けできることだったりとか。それは結構、ある意味レアな存在として、すごいやりがいを感じるし。同時にたとえば、ツイートとかそういうSNSの発信は適宜、自分が記憶するためにやってるようなところもあって。たとえばそれをまとめる形としての本を出すとかいうのも、まあ「このご時世に誰が読むんだよ?」って感じもしなくもないのね。

(SKY-HI)みんな、読んだよ?

(竹田ダニエル)読んでくれてる人はすごいありがたいんですけど。やっぱりそれって図書館に置かれたりとか、そういうのを考えると、自分の読書体験とか映画鑑賞体験とか音楽とかも全部、そうで。いつの曲がいつの自分に響くかわかんないし、とか。そういうのを考えると、すごい価値あることをやらせてもらってるなっていう風に思いますね。

(SKY-HI)ああ、すごく感じる。そうだね。活動を通して、いっぱいあるよね。今、話してたことでさ、自分が「竹田ダニエル、面白いな」って思うのの1個は、視点が面白いとか、価値観が面白いとか、そういうのもあるけど。「深い」っていうところが面白いよね。「こう感じる」とか、「世の中でこう思われている」っていうところの理由みたいなところとかをさ、すごく深く知識として知っているじゃない? それってどういうあれなんですか? どうやって身に付いていったものなんですか?

(竹田ダニエル)でも、なんだろうな? たぶんアメリカでマイノリティとして生活していたりとか、学問自体もすごい自分がマイノリティだったりとか。あと日本でも生活したことがあって、その時はその時で、たとえばアメリカに住んでる時はすごい日本に憧れがあったんですよ。で、なんか当時ストリーミングとかもなかったから、ケーブルテレビで日本の番組を見るしかなくて。めっちゃ話がずれるんだけど。そこでMステとか、NHKの歌番組とかを見ていて。それこそ、そこでSKY-HIの存在とかも知ってたし、めっちゃ見てたんですよ。

(SKY-HI)アハハハハハハハハッ!

(竹田ダニエル)だからそれは、なんだろう? そういう日本のポップカルチャーに対する憧れって、すごい異常にあって。でも日本に暮らしたら日本で暮らしたで、そこにも生きづらさというものはあるんだとか。なんだろう? 溶け込まなきゃいけないことの大変さだったりとかを知って。なんていうか、どこもすごい完璧じゃないっていうのもわかったし。

(SKY-HI)世の中って全部、いびつだもんね(笑)。

(竹田ダニエル)そう。だし、自分のたとえば足りないって感じたところも、たとえば別の環境に行ったらすごい強みになるっていうことだったりとか。なんかいろんな価値観を……すごい曖昧な言葉を使うけど。すごいいろんな価値観を知ったり、自分の立場をいろんなところに置く機会があったことによって、結果そういう風になったんじゃないかなって。

(SKY-HI)なるほどね。「Z世代ライター」っていうのが冠で付くのは、ダニエルさんの意思ってことですか?

(竹田ダニエル)それはすごいいい質問なんだけど。一番、わかりやすいかな?っていうので無理やりっていうことでもないんだけれども。肩書……たとえばSKY-HIだったら、なんだろうな?

(SKY-HI)俺の肩書、なんだろうな?(笑)。

(竹田ダニエル)たとえば「ラッパー」とかだったら「じゃあ、ラップしかしねえのかよ」みたいな感じなのと一緒で。なんかめちゃくちゃ書きたいことが多いからこそ、すごい迷うところもあって。でも、そこも最近、ちょっと変えるようにしてて。最近は結構、案件ごとに変えていて。たとえばリサーチ系のやつだったら、「ジャーナリスト・研究者」とかってしていたりっていうのはあるんだけども。ラジオとからと割と、みんなが一般的にその文章を書いてる人だったら「ライター」って書いてるから、そうしてるんだけど。で、なんかその「お前はZ世代代表って言いたいのか?」って言われると、全然そうではなくて。どちらかというと、自分が書いていることがZ世代に関してのことが多いから、Z世代ライターっていう肩書きをなんか好む人が多くて。制作側の人がね。

制作側が好む「Z世代ライター」という肩書

(SKY-HI)ああ、わかる、わかる。キャッチーだよね。キャッチー。たしかにでも、実際にZ世代の人でZ世代を自称する人って、これまでにあんまり会わなかった気もするんだよね。だから、なんかそこらへん、ちょっと興味深いなとか思って。当然さ、世代によって共通する価値観とかさ、違う世代だから交わりづらい価値観とかさ、あると思うんですけど。あくまでも、ダニエル的な目線で言った時に竹田ダニエルの世代。いわゆるZ世代と呼ばれる世代の価値観の特徴的なものって、どういうことがあるっていう風に思いますか?

(竹田ダニエル)そうですね。一応、説明すると自分が言ってる「Z世代」って基本的にはアメリカのZ世代の話で。もちろん、日本のZ世代にもクロスオーバーすることってすごいもちろん同じ世界に生きてる以上、あって。さらにインターネットを使ってるから、やっぱりすごい近いところもあって。特にZ世代の価値観で言うと、たとえば生まれた時からインターネットに対するアクセスができるっていうことだったりとか。あとは生まれた時から結構、その「社会の絶望」っていうことを私は言っていて。たとえば環境問題だったりとか、世界中での格差とか。自分は日本も最近、この風潮が出てきた気がするんだけど。アメリカに関しては「自分の親世代よりも裕福になれない。頑張っても資本主義社会に搾取されるだけだ」みたいな。そういう資本的な意味での絶望だったりとか。だから全部、繋がってるんですけどね。環境問題とか。

(SKY-HI)うんうん。

(竹田ダニエル)それに加えて、特にアメリカの場合は学校銃撃事件とかがすごいやっぱり重要な意味合いを持っていて。そうなってくると結局、政府だったりとか法律、大人は自分たちのことを守ってくれないから。連帯するなら自分たちの間で何かしないといけないっていう、そういう価値観だったりとかに関してを私は割と発信してますね。

連帯するZ世代とネオリベ的世代

(SKY-HI)なるほど、面白いよね。「連帯がすごい強い」っていうのはなんかすごくしっくりくるところが日本でもあるし。自分の世代ってさ、社会に対する絶望や不安みたいなのは共通項としてある中で、周りの同世代って本当に多いんだけどさ。ネオリベ(新自由主義)がすごい流行ったんだよね。ネオリベがすごい多くて。つまり、個人責任。「社会は当てにならないから」までは一緒なんだけど。

「なので、個の力で……」っていう人が多い。だって俺と同い年のスポーツ選手って、本田圭佑とダルビッシュ有だよ? 象徴的でしょう? まあ、それは置いておいたとして。とにかく何となく、そういう世代の空気があったのをすごい思うんだよね。自分たちが20代前半の時に流行ってる本とかさ、そういう風潮はすごい感じたんだけど。それがダニエルの世代でその「連帯」っていうワードがすごい出てくることとか。あとは実際に連帯してるところをよく見たりとかするのがね、すごい興味深いなと思っています。

(竹田ダニエル)あと、やっぱり結構インターネットができたことによって、悪いこともすごいたくさんあるんだけど。同時にやっぱり社会問題だったりとか、「実はこういうことが起きてたんだよ」っていう、その物事の裏みたいなのがすごい透けて見えるようになっていて。

(SKY-HI)ああ、嘘をつけないよね。わかる。

(竹田ダニエル)それはやっぱり今までのそのテレビ、ラジオ、新聞みたいなメディアのあり方とは全然違っていて。それによって本当、アーティストのあり方も変わってると思っていて。もちろんアーティスト本人が自分で発信しなきゃいけないっていう更なる課題も増えたと同時に、でもやっぱりその人間としての弱さだったりとか。それと同時に、組織としての正しさみたいなものもすごい求められることになってると思うし。社会との繋がりみたいなところがね、すごい強くなったと思うんですよね。

(SKY-HI)たしかにすごいそれは感じる。

<書き起こしおわり>

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