野沢雅子 レッドリボン軍・トイレ中の悟空銃撃シーンのすごさを語る

野沢雅子 レッドリボン軍・トイレ中の悟空銃撃シーンのすごさを語る TOKYO M.A.A.D SPIN

野沢雅子さんと森下孝三さんが2023年9月25日放送のJ-WAVE『ゆう坊&マシリトのKosoKoso放送局』でアニメ『ドラゴンボール』で印象的だったシーン、トイレに入っている悟空をレッドリボン軍が銃撃するも、それを「痛ってぇー!」で済ませてしまったことについて話していました。

(Naz Chris)野沢さんがいくつか、思い入れのあるシーンっていうのを挙げられていて。ひとつがレッドリボン軍との戦いのところで、スノっていう女の子が出てくるんですけど。彼女の家に立てこもっている時にドンドン!って来るという、あのシーン……。

(野沢雅子)そうなの! だってレッドリボン軍が来て、もう世の中が大変なことになっちゃって。で、その彼女の家に入ってくるじゃないですか。そうすると、みんなこんなになっちゃって。「どうなっちゃうんだろう?」って。で、悟空はその時、トイレに行っていたんですよね。で、「悟空、トイレに行っているけど、どうなっちゃうんだろう? こんなにレッドリボン軍がいるけど……」って思って。そしたら悟空がトイレが終わって出てくる時にぶつかって。

(レッドリボン軍がトイレに向かって銃を乱射したけれど)悟空が「痛ってぇー!」って出てきたもんで、みんなレッドリボン軍もびっくりしちゃったっていう。「ええっ? こういう出方をするの?」って(笑)。それでもう、何事もなく、レッドリボン軍の兵を倒しちゃったったっていう。「はー、すごいな。鳥山先生は。悟空のトイレでこんなすごいシーンを終わらせられるんだ!」って思って。

(Naz Chris)そうですね(笑)。

撃たれても「痛ってぇー!」で済ませてしまう

(野沢雅子)役者もみんな、こんななったんですよ。「どうなっちゃうの?」って。「みんな、ダメになっちゃうのかな? これでおしまいかしら?」って。おしまいになっちゃうかもしれないじゃないですか。ダダダダダッ!って撃たれてね。

(鳥嶋和彦)だからあのへんの独特のユーモアとか無邪気さっていうのはね、彼じゃないと描けないものですからね。

(野沢雅子)そうなんですよね。

(Naz Chris)他の声優さんも野沢さんを見習ってというか、真似して、先のことはあまり知らないようにしてた方が結構いらっしゃったっていう。

(野沢雅子)ああ、そうですか。私、みんなに「真似しちゃった」とか言われて。「ああ、本当? いいんじゃない?」なんて。私なんて、冗談でそういうのを言っているから(笑)。

(Naz Chris)他にも、印象的だった『ドラゴンボール』のシーンっていうのはありますか?

(野沢雅子)私ね、『ドラゴンボール』のシーンで印象的なのは、悟空が本当に食べ物も知らないんですよ。食べられるか、食べられないかって。たとえば、みかんが出てきたら「これ、食えるんか?」って。それが……もう私はそのシーンが大好きで。そういうシーンが出てくると「ああ、またきっと言うだろうな」って。もう、これは私はわかってるわけじゃないですか。だからその「わかってる」っていうことがちょっとでもセリフに出ちゃったら、もうおしまいなんですよね。悟空じゃなくなっちゃうわけじゃないですか。

(鳥嶋和彦)ああ、悟空じゃなくなっちゃうんだね。

(野沢雅子)それをなんにも……「私も知らない」っていう風にやってかないといけないんで。それがすごく楽しみでしたね。私は。

(鳥嶋和彦)それ、今の野沢さんの話を聞いていてよくわかるのは、悟空はやっぱり戦うのが好きで。別に相手が憎くて戦ってるわけじゃなくて。だから、相手に散々やられて最後に相手を倒しても、結局そこで終わりなんですよね。恨みはないんだよね。

(野沢雅子)そうですよ。全然ない。

(鳥嶋和彦)そこが鳥山さんのキャラクターの独特のスケール感というか、器なんですよね。

(野沢雅子)いいですよね。

鳥山明の描くキャラクターのスケール感

(鳥嶋和彦)あれですか? それで言うと森下さん、印象に残ってるシーンとかって、ありますか?

(森下孝三)やっぱり、あれだよね。人気の面でいけば、元気玉ですよ。だってあれ、本当に困ったんだもん。先生の続きが……だってそれこそ、小山さんの本にならないじゃない? それをさ、2人で一生懸命考えてさ。「もういい?」「いや、まだ行ける、まだ行ける」って。

(野沢雅子)「本にならない」(笑)。

(森下孝三)本にならない。要は、完結しないのよ。で、八奈見さんの予告のナレーションばっかり考えていて。「次回こそ……」とか。それが一番印象に残っているね。

(鳥嶋和彦)ああ、なるほどね。一番苦労したんですね。

(森下孝三)一番苦労した。

(野沢雅子)そうでしょうね。

(森下孝三)昔はよかったもんね。鳥嶋さんもそうだし、今フジテレビの専務になっている清水賢治さんもプロデューサーじゃない? でもね、僕と小山さんに全部、任せてくれて。2人でシナリオを打ち合わせやるわけよ。で、自分たちさえよければいいから。「もういいんじゃないの、これで」って。それであとは僕が各話の演出に説明すればいいの。「こことここをもっと厚くしてくれ」とか。

(鳥嶋和彦)でも、それは本当にその通りで。あれだけ苦労して『Z』になってうまく回り始めたら、あとは信頼をしてるんで。かえって、逆に僕らがチェックすると邪魔なんだよね。だから、おまかせで。

小山&森下組におまかせしてくれたフジテレビ&集英社

(森下孝三)今ね、10人ぐらい来るんですよ。シナリオ打ち合わせって。テレビ局2人と集英社2人。で、うちが3人ぐらい来るでしょう? するとね、1人1ヶ所直すとね、10ヶ所直さないといけなくなる。本にならない。

(鳥嶋和彦)当時、だから小山さんと森下さんと2人っきりで。

(森下孝三)いい加減だから「いいよ、いいよ。野沢さんがなんとかしてくれるよ」って。

(鳥嶋和彦)アハハハハハハハハッ!

(野沢雅子)私は事前に読んでいったことはないんです。絶対に。読んじゃうと、先がわかっちゃうじゃないですか。私は常に悟空でやりたいんですよ。次のページで何が起こるかわかんないっていうので。その方が、気持ちが出るじゃないですか。わからない方が。

(鳥嶋和彦)そうですね。

(野沢雅子)わかっていると、どうしたってその気持ちが出ちゃうから。

(森下孝三)ああ、そうだ。思い出した。『ドラゴンボール』ってさ、だからチーフディレクターを置かなかったんだよ。

(鳥嶋和彦)だって森下さんが兼任でやっていたんでしょう?

(森下孝三)演出はやらないけど。プロデューサーなんだけど、絵コンテから全部。だから小山さんと2人で。チーフディレクターはいなくて。

(鳥嶋和彦)だから僕が冒頭に言ったように森下さんと小山さんと野沢さんのアニメーションだっていうイメージなのよ。

<書き起こしおわり>

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