星野源 近所のスーパーで見かけた5、6歳の子供の衝撃発言を語る

星野源 近所のスーパーで見かけた5、6歳の子供の衝撃発言を語る 星野源のオールナイトニッポン

星野源さんが2023年6月27日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で近所のスーパーマーケットで買い物をした際、たまたま見かけた5、6歳の子供が発した衝撃的な一言について話していました。

(星野源)で、(スーパーマリオの映画を見た後に)「本屋に行ってみよう」っつって、本屋に行って。なんか、楽しかったわけ。本を買って。「うわっ、本屋さんで本を買うのなんて、すごい久しぶり!」と思って。いつも、ネットで買っちゃったり、Kindleで買ったりしていたから。

「ああ、なんかホクホクする!」と思って。「すごく、なんかインプットをしているぞ!」と思って、楽しくなって。「よし、帰ろう。晩御飯の食材とか、買って帰ろう」と思って。「ああ、牛乳がないわ。牛乳を買いに行こう」と思って、近所のスーパーに行ったわけ。

で、近所のスーパーもね、歩いて行ったらさ、なんか賑わってるわけ。バザーみたいのやってるわけ。「バザー、やっているじゃん!」って思って。それを覗いてさ。「うわっ、楽しい!」なんつって。もう、すごい人が集まって、和気あいあいとしててさ。「なんかすごい楽しい空間じゃない?」って思って。で、なんかもうお酒とか飲んで。もう夕方前ぐらいなんだけど、みんななんかキャイキャイしているわけ。「いやー、いいなー。こういうの、いいよね。すごい、なんか俺まで幸せ」ってなって。

で、いろいろ他にも買うものはあったのだが、ちょっと何となく牛乳のところを見たら、ほしい牛乳がなかったの。「ああ、ないや」と思って。それで近くにもう1個、スーパーあるから、そっちに行こうと思って。でも、そのスーパーも混んでいるの。なんかもう、そのスーパーの中でさえ、なんていうの? 活気があるわけ。いや、なんかマジで戻ってきたな!って。みんな、もうもっと前に感じてると思うんだけど。久しぶりシャバに出たから(笑)。まあ、シャバに出ているんだけど。なんか、こんなに賑わってるんだなって改めて感じて。

それで、出ようとしたわけ。出ようとしたら、ちっちゃい子供。だから5、6歳ぐらいの男の子2人がワーッて走ってきて。それで俺、動けなくなったの。なんで動けなくなったか?っていうと、やっぱり人間って全く予想してないことを言われると、もう頭が思考停止っていうか。もう、エンジン停止みたいな感じで。パキンッて時間が止まって、動けなくなっちゃうんだなって。

で、なんかたまたま……いろいろ賑わっているんだけど、その出口の付近はもう俺しかいなかったの。で、そのちっちゃい子供が2人、ワーッて楽しげに。それも微笑ましく見てたの。「ああ、なんか楽しそうだな」って。たぶんバザーとかに行って、走ってきてるんだなって。その、スーパーの中に走ってきてるわけ。で、その2人が小走りで来てさ、言ったのよ。「万引きしようぜ!」って。

子供の一言で動けなくなってしまう

(星野源)それでもう俺、固まっちゃって。「ええっ? 嘘だろう?」と思って。「これ、絶対に聞き間違いかな」って思ったの。でも、何度頭の中で反芻しても……なんていうの? それも「おい、万引きしようぜ……」とかじゃないわけ。「万引きしようぜっ!」って。「いや、ちょっと待ってよ。そんな『チョコ買おうぜ』みたいなテンションで言うことじゃないよ」と思って。「うわっ!」って止まっちゃって。

後ろ振り返ってみると、店内に入っていっているわけ。「これはやばい!」と思って。で、ちょっとなんていうの? いろいろギューン!って頭の中が回って。なにか、もしその子たちがやっちゃったとして、たとえば俺がそれを止め。それでたとえばその子たち、逆にトラウマになっちゃって……しかも「星野源じゃん」みたいなったらどうしよう? みたいな。そう。「俺、星野源……俺はどうしたらいいんだ?」ってバーッてなったんだけど。

いや、これはちょっとさすがに、このままでは俺は帰れないと思って。ちょっと振り返って、その子たちを追いかけたわけ。「いや、マジでやめてほしいんだけど」って思って追いかけて。その子たちはなんか楽しそうに、普通に話しながら行くわけ。で、俺はそれを遠目に見てて。で、もういろんな、野菜コーナーとかを抜けて。「ちょっと待って。お菓子のコーナーとか、行くの?」とか思って、こうやって歩いてさ、後ろを行ったわけ。

で、お菓子のコーナーに行くわけよ。それを離れたところで見ているの。俺、魚のコーナーでそれを見ているの。ちょっと、なんていうの? 棚からちょっとだけ子供が見切れるぐらい。で、なんか2人で話しながら……たぶん「これ、好きなんだ」とか言ってるんだよ。それで、お菓子を取ったわけ。「頼むからポケットとかに入れないで!」と思って見てたの。

で、その時に気づいたの。入口に人が立っていて。誰かがこっちを見てるなと思って。それでパッと見たら、警備員さんが俺のこと見てたの。間宮祥太朗さん似の警備員が俺のことを見ていたわけで。で、子供に目線を戻して。まだポケットに入れてないから「よかった」と思って。で、そこで気づいたわけ、「あれ? ちょっと待って?」と思って。「帽子を深くかぶり、マスクをした男性が、子供2人を腕を組みながら見ている……ちょっと待って? 俺めちゃくちゃ怪しくね?」と思って(笑)。

もう、その若き間宮翔太郎さん似の警備員はもう、鋭い眼光で俺を見てるわけ(笑)。「ちょっと待って! 違うんだ。間宮くん、違うんだ!」って(笑)。「俺は、俺しか聞こえなかった一言で今、ちょっとこの子たちを見ているだけなんです!」ってなって。で、もうすごい頭がギューン!ってなって。でも、その子供たちから目を離せないわけ。「あの子たちが万引きしそうなんです」なんてしかも言えないじゃん? なんか言いには行けないじゃん? たぶん「ちょっと裏に来てください」って言われるじゃん? 「ちょっと待って!」と思って。

で、そこでもう、なんか知らないけど、とりあえず子供たちを見ようと思って。間宮くん……「間宮くん」とか言ってごめん(笑)。とりあえず1回、子供を見ようと思って。そしたら、なんか楽しく談笑をしている。よかった。そこで、俺はどうしたらいいんだろう?って考えて。「そうだ、俺は役者だ。これはなにか、自然なことをせねば……」と思って、とりあえず目の前にあったパスタとかを取って。「うーん」みたいな(笑)。なんか急にめちゃくちゃ下手な芝居を……「これ、買おっかなぁー? この糖質がちょっとない方を買うか、うーんと……」みたいな芝居を急にし始めるみたいな。

でも、とりあえずその警備員さん側からは見えないように見ながら。すごい横目で見ながら。でも、なんかすごいどっちにするかで迷うな、みたいな。どちらかというと、距離があるんで。間宮くんとは。なので、舞台芝居の体の動かし方っていうか。その、ドラマとかのリアルな表情とかじゃない方の、動きでちょっと伝わってっていうようなお芝居の方向で動きながら。「ちょっとお願いだから……お願いだから私を捕まえないで。間宮くん!」と思いながら。

で、そしたら子供たちがワーッて行ったわけ。「あれ? なんかどこか行った!」と思って。それで見たら、レジに行ったわけ。「よかったー!」って思って。それで私はパスタを置いて、お店を出ました! よかったー!って。それでもう、早足だとは思われないぐらいの早足で行って。それで横目でその子供がポッケからお金を出して払ってる様を見て「グッドラック! よかったー!」と思ってスーパーで出たんですよ。「よかったー!」って。

それで思ったわけですよ。「さっきのは何だったの?」って。そしたら、とりあえず考えられることといえば「冗談」。なんていうか、軽口と言いますか。「でも、子供がそんなこと言うか?」って歩きながら思ったの。その時、心臓はバクバクしてるんだけど(笑)。もしかしたら、後ろに鋭い眼光の間宮くんがいるかもしれないって思って。ただ、そこで振り向いたら追いかけてきそうだと思ったから。とりあえず、前を向きながら歩いていて。「でも、そんなことを子供が言うか?」って思ったけど。

意外と子供はえぐいことを言う

(星野源)「いや、ちょっと待てよ? 俺が子供の時って、普通にそういうことを言ってた気がする。それこそ5歳とかでも、結構えぐいこと言ってたよな」と思って。だからなんか、自分は普段から、こういう風に音楽を作ってたり、いろんなことをしたりしてる立場で。表現をしたりして、作品を届けたり、エンターテイメントの仕事をしている者ですけども。なんていうか、「子供向け」って思いたくなくて。そういうものは作りたくないから。たとえば子供を……『ドラえもん』の主題歌もあれは子供向けじゃないんですよ。「ドドドドド……♪」とか言ってるけど、全然子供向けじゃなくて。あれは「ニューオリンズをやるぞ!」みたいな気持ちで作ってるわけ。

で、だからそういう子供っていうものを同じ地平っていうか。それは「子供の目線に下がる」とかじゃなくて、同じ地平にいる者として見るっていうのを自分で癖づけているんだけれども。それで「そんなこと、子供が言うか?」と思った時に「ああ、俺、もしかしてまだやっぱり子供のことを子供って思ってる気がするな」と思って。子供って、もうちょっとえぐい時間に生きていて。それこそ大人にめちゃめちゃ俺は気を使ってたし、空気を読もうと頑張ってたし。

その中で、学校とかの友達とかからえぐい話を聞いて、それが流行になったりとかも全然してたよなって。で、その時に「子供って何だろう?」ってすごい思ったの。それで「ああ、これはこのラジオで聞こう」と思って。リスナーのあなたに。今日のメールテーマは「子供って何?」っていうか。「子供らしいって何?」っていうか。あとは自分が子供らしくなかった時とか。あとは、お子さんがいる方は子供らしくない瞬間みたいなものをして僕は知りたいわけ。

で、子供ってなんぞや、みたいなことをもうちょっと、答えを見つけたくて。で、たぶん「あんまり変わらない」っていうのが答えな気がするの。今の自分と、たぶんあんまり変わらないみたいな。それこそ、社会の制度とか、その社会の枠組みの与えられる場所が違うだけで、そんなに変わらないんじゃないかとは思っているんだけど。だから、そんなメールテーマにしようと思ったんで。そんなことがあった昨日でした(笑)。

うん。いろんな……そのマリオの映画を見て、街の賑やかな時間に心をほっこりさせて。そして警備員さんに睨まれてビクビクするっていう(笑)。あと子供が万引きしなくて本当に良かったっていうのは思いました。はい(笑)。

<書き起こしおわり>

星野源『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の素晴らしさを語る
星野源さんが2023年6月27日放送のニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中で多忙でずっと見れなかった映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をやっと見に行けたことについてトーク。その素晴らしさを話していました。
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