NORIKIYO 逮捕・勾留中のアルバム『犯行声明』制作を語る

NORIKIYO 逮捕・勾留中のアルバム『犯行声明』制作を語る INSIDE OUT

NORIKIYOさんが2023年6月5日放送のblock.fm『INSIDE OUT』に出演。逮捕・勾留中に制作をスタートしたという10枚目のアルバム『犯行声明』について、渡辺志保さんと話していました。

(渡辺志保)それではここでお待ちかねの今夜のゲスト、NORIKIYOさんをお迎えしたく思います。NORIKIYOさん、よろしくお願いします。

(NORIKIYO)よろしくお願いします。NORIKIYOです。

(渡辺志保)めちゃめちゃ忙しい時期だと思うんですけれども。お元気で過ごしてらっしゃいますか?

(NORIKIYO)そうっすね。元気っちゃ、元気っすね。

(渡辺志保)ありがとうございます。というわけで、いろいろと皆さんもご存知かと思いますが。今度、6月22日になりますけれども。ニューアルバム。10枚目のアルバム『犯行声明』を出すということが先日アナウンスされました。かつ、その『犯行声明』というアルバムからのシングル楽曲『オレナラココ feat.STICKY』も先日、リリースされたばかりで。かつ、ミュージックビデオも公開されたばかりということですけれども。なにから伺えばいいのやらという感じもしますが。

(NORIKIYO)ですよね(笑)。

(渡辺志保)今回のアルバム、『犯行声明』はいつ頃から作り始めたアルバムになるんでしょうか?

(NORIKIYO)そうですね。逮捕されて獄中に……勾留されてた時から作り始めたんですけど。ちょうど安倍元首相が亡くなった次の日に新聞を見て『犯行声明』というタイトルを思いついたんですよね。それから作り始めたっていう感じです。

(渡辺志保)もうアナウンスとか、告知はされているので皆様、いろいろとご存知かと思いますが。今、特設サイトが開設されていて。そこにアクセスすると、まるで自分たちがゲームの主人公になったような形でストーリーが進んでいくんですが。そこで、NORIKIYOさんからのお手紙を読むことができるという仕掛けになっております。こちらも先に伺いたいんですけれども。なんで今回、こういう仕掛けを作ったんでしょうか?

(NORIKIYO)なんていうんだろうな? 「犯行予告」っていう文を留置場にいる時にですね、弁護士さんからいただくレポートパッドに「刑事さんにこういうことを聞かれた」とか、そういうのを実際にメモっていたっていう。そういうレポートバッドがあって。で、安倍元首相が亡くなられたその次の日に、新聞でニュースを見て。それで『犯行声明』っていうアルバムを作ろうと思った時に「これは犯行予告があったら、面白いんじゃない?」って思ったんですよね。

で、そのレポートパッドにまず犯行予告、予告文を書こうということで書いたんですけれども。それをただ、Instagramとかでバッと載せても、なんかそんなに面白くねえな、みたいな。なおかつ、そのレポートパッドの文をスキャンした時に、文字がめっちゃ小さくなるから。インスタとかに載せても、果たしてどれだけの人が読んでくれるんだろう?っていう風に思った時に、「逆にすげえ手間かけさせよう」みたいに思って。

みんな今、おすすめとかに出てくるものしか見ない時代じゃないですか。TikTokとか……僕、ちょっとやってないからわかんないけど。そのおすすめされた、関連してるものがボンボンも出てくるみたいなものだと僕は認識してるんですけど。そういうものじゃない、そのAIとかそういうアルゴリズムに反したもの。自分で情報を取り行くのにすごい面倒くさい仕掛けみたいなのをやったら、それは逆に目を引くかな?っていうか。

そういう仕掛けがあったら面白いんじゃないかなと思って、友人のシステムエンジニアのやつに「ちょっとこういうロールプレイングゲームみたいな、ドラクエみたいなノリでさ。こういうことをやって、最終的に犯行予告文が見れるみたいな仕掛けとか思いついたんだけど、できる?」っつったら「ああ、できますよ」って言うので。それで作ってもらって、特設ページっていう感じでさせていただいたんですよね。

NORIKIYO『犯行声明』特設サイト

HANKOU YOKOKU

(渡辺志保)そうなんですね。で、お手紙を読むと結構、改めて……今、NORIKIYOさんからの言葉にもありましたけれども。そのAIについての話題なんかもあって。で、AIってここ数年、常にニュースの話題にはなっているけれども。ここ数ヶ月、またすごくChatGPTの登場とかで今、本当に「AIどうなっちゃうの?」みたいな。なんか、いろんなアーティストの声とかを勝手にAIがサンプリングしたり、じゃないですけど。

(NORIKIYO)やばいっすよね(笑)。

(渡辺志保)そういう風になってきているから「ああ、NORIKIYOさん、1年前に書かれた手紙だけどめっちゃタイムリーだな」とか思いながら、改めて読み返したところでした。かつ、「生々しいな」と思いながら直筆のお手紙、レポートパッド3枚にわたるお手紙を読んだわけですけれども。日付を見ると、本当にまさにその安倍元首相が亡くなった翌日の日付になっていて。昨年の7月の日付になってるわけですけれども。今、このラジオを聞いてくださっている皆さんは2023年の6月5日の夜ということなので。今、11ヶ月が経過したということになると思うんですけれども。この約1年間、どんなお気持ちで過ごしてらっしゃいましたか?

(NORIKIYO)なんだろうな? まあ、紆余曲折っていうわけじゃないけど。大変なことになっちまったなっていうのはもちろんありますし。うーん。でも、その「アルバムを作ろう」って思った時に「ああ、俺はラッパーだったわ」って思い出したんすよね。何て言うんだろう? 怪我した時もそうだったけど。なんか「ヒップホップがあってよかったな。ラップっていうアウトプットが俺にあってよかったな」って。それにすがっていたら、メンタリティが保てるっていうんですかね? 自分が自分でいれる手段があるっていうか。健全じゃないと思うんですよ。言いたいことをずっと溜め込んでいる時って。

で、それを「こういう風に吐き出して、面白くエンターテイメントとしてみんなに聞かせることができるな」っていう風に思いついた時からは、もう楽しくなっちゃって。だから檻の中でもずっと「就寝時間が来るの、嫌だな」って。就寝時間になったら、ペンと紙を取り上げられちゃうんで。だからもうずっと、コソコソ声でラップをやっていて。だから、もう見回りに来る警察官とかはそれを見て「なにやってんだ?」「ああ、曲を書いています」「おい、俺のこと、書くなよ」「いや、書きますよ」みたいな(笑)。

そういうやり取りとかもあったりして。割と、なんだろうな? 「楽しく」って言ったら変だけど。なんていうんだろうな? モノクロだった日々に色がついたっていうかな? 蛍光灯で日中も夜も照らされてる世界なんですけど。少しは、色がついてきたっていう感じはありました。

(渡辺志保)それももうラッパーのNORIKIYOさんだから、まさに言えるっていうことだなとも思いますし。で、昨年末ぐらいからすごくライブ活動もまた精力的にしてらっしゃるなと思って。で、本当に全国いろんなところでライブをしてらっしゃる様子をそれこそInstagramなんかでも拝見してたんですけれども。実際にそこでファンの方、リスナーの方と直接会ったり、話したり、彼らの目の前でライブをするってことが続いたと思うんですが。そこから受け取る気持ちというか、バイブスというか、そうしたものはいかがでしたでしょうか?

(NORIKIYO)いや、もうありがたいに尽きるっていうか。なんていうんだろう? 本当、温かい声援をいただいていて。本当にこっちも元気にならざるを得ないっていうか。ありがたいって本当に……うん。嬉しかったですね。別になんかどう思われようと、いいっちゃいいんですけど。それは人がどう思うっていうのは自分がコントロールできるものじゃないんで。そこに依存してると人生、危なくなっちゃうじゃないですか。メンタルとかも危なくなっちゃうから。

だからそこは俺は切り離して物事を考えてるんで、まあいいっちゃいいんですけど。でも実際、ライブをしていてみんなが「待っていたぜ」とか。僕がライブをして、曲間でしゃべっている時とか、みんなが「これからも待ってるから」とかっていう言葉をいただいて。それで嬉しかったんですけれども「いやいや、まだ俺、実刑、懲役に行くって決まってないからね……」みたいな(笑)。

(渡辺志保)たしかに、そうですよね。これからね、いろんなことが……。

(NORIKIYO)「待っているから」って言われても「いやいや、まだ決まってないから」みたいな。でも、あんまりそういうことも、事件のこともそれほど、このアルバムが出るまでしゃべりたくないなと思っていたんで。それを言えないもどかしさとかはあったんですけど。

(渡辺志保)でも今、おっしゃるようにこのアルバムがあって。その『犯行声明』というアルバムのことですけれども。私はちょっと一足先に、内容を全て聞かせていただいて。本当に、とてつもないことを言ってるなっていう思いです。「よくぞ、ここまで」みたいなところもありますし。このアルバムを作る作業っていうのは……かつ、全曲がBACHLOGICさんプロデュースっていうことで。今までとはまた違う、魂を込めたアルバムになっていると思うんですけれども。この『犯行声明』を作る。そして完成させるまでの一連の制作のプロセスみたいなものは、どうでしたか? ご自身の中でいつもとは違う何か、みたいなものを感じられましたか?

(NORIKIYO)まあそれは、ここ近年作っていた作品とは毛色が違うものになったと思いますね。それは当然。何でか?っていうと、やっぱり自由を奪われていたというか。勾留されてたんで。9割方、勾留中に書いていたものなんで。自然とそういう、何て言うんだろう? 環境が自分の気持ちを作るじゃないですか。なんで、それがスルッと素直に出てるということで。そういった意味では別にファーストアルバムからずっと変わらないんですよ。僕的には。

ただ、その置かれた環境が特殊だったから特殊なものができたし。ファーストアルバムみたいな毛色の、何て言うんだろうな? まあ、法に触れたわけなんで。そういう、ファーストアルバム、セカンドアルバム的なベクトルの楽曲がいっぱいできたのかなっていうか。まあ、自然の流れだったっていう感じはしますけどね。

(渡辺志保)すごいディテールが細かい描写もたくさんありますし。ちょっと、いわゆるスキットみたいなところも非常に……こういう言い方が正しいかどうか、わかんないけど。芸が細かいっていうか。「ああ、こんなところまでネタにしちゃって。さすがのNORIKIYOさんだな」みたいなところもあるんですけれども。その自分に降りかかってきた……「降りかかってきた」っていう言い方もまた、おかしいけれども。

今、ご自身が直面しているその状況をこういう風にアートとして昇華するって言ったらすごい耳障りのいい言葉になるけれども。こういう風にご自身でアルバムという形で吐き出すことに関して、なにかそこにおける葛藤とか、迷いみたいなものはありましたか?

制作を思いついてからは言葉が溢れてきた

(NORIKIYO)迷いとかはなくて。なんか、思いついてからはもう言葉が溢れてきたんで。その『犯行声明』っていうアルバムを作ろうってなった時から、もう言葉が溢れてきたんで。何て言うんだろう? まあ、自然の流れっていうか。今まで溜め込んだものを吐き出すっていうか。創作してそのまま出すっていう作業だったんで。別に、特別なことはなかったんですけど。うーん。そうですね。あれ? どういった質問の意図でしたっけ?

(渡辺志保)まあ、その迷いとか葛藤とかがあったのかな?っていう。

(NORIKIYO)そういうものはなかったかな? たとえば志保さんがさっきおっしゃっていたやつとかも、ずっと黙秘してたから。取り調べ室で結局、僕がしゃべらないと検事さんとか刑事がもうしゃべるしかないじゃないですか。その人たちがどうやったって俺に事実以上の罪を……「言葉のニュアンスとかでなるべく罪を大きくして、こいつを法廷に持っていく」みたいなやつが見えてくるわけですよ。俺は黙っていて、しゃべっているのは向こうだから。だから俺がずっとそれを取り調べたんですよ。無言で。で、それをさっき、犯行予告を書いたレポートパッドに俺はメモっていたから。

それがつぶさにあったから、「これ、全部メモってたやつを全部スキットに使っちゃえばいいじゃん。これ、マジでリアルだし」って思って。「こういうことを言われた、ああいうことを言われた」っていうのがあって。それをスキットにするみたいな感じで。「ああ、これも使える。あれも使える。全部ネタじゃん!」って思ったら、「明日はこういう曲を書くぞー。ワクワク」みたいな。「早く起床の時間にならないかな? ボールペン、貸してもらえないかな?」みたいな。そういう感じでしたね。

(渡辺志保)そうだったんですね。もう、すごいことだと思っていて。かつ、私も今回、アルバムを全部聞くと「あれ?」みたいな。当初、報じられていた、非常にセンセーショナルというか、ケタがバカでかい事件と比べて、なんかそうじゃないのかな?っていうことに気づく。NORIKIYOさんがこのアルバムでおっしゃっている内容と、報道されていた、私たちがいわゆるネットニュースで見ていた内容というのがやっぱり違うのかな?っていうことに気づかされるわけなんですけれども。その辺はどうですか? 意識して書かれた言葉っていう感じですかね?

(NORIKIYO)「意識して」っていうよりかは、もう檻の中にいた時に、俺は接見禁止っつって。誰とも会えないわけなんですよね。弁護士としか会えなくて。家族と手紙のやり取りも……友人とももちろん会えないし。手紙のやり取りもできないわけで。弁護士と接見室っていうのがあるんですけども。そこでも話す以外、あとは全員敵みたいな状態でいたんですよね。で、その時に「ニュースになりました」って、その新聞の記事を読み上げてもらったりとか、ネットニュースをプリントアウトしてきたものを弁護士の方が読んでくださって。

で、弁護士は「これ、事実とは全然違うことで、これはめちゃくちゃ盛っています」って憤慨していて。刑事弁護の専門の弁護士さんに数人、お願いしてたんですけど。弁護士さんを雇っていたんですけども。皆さん、「これはあなたがラッパーであって、人に少なからず知られてる人間だからこそ、こういう風になことが起きているんだろう」って言っていて。

で、僕もそのニュースを見た時に、「こういニュースの報じ方だったら『NORIKIYOっていうラッパーが商売目的で大麻を売っていたんだな。それでこいつはパクられたんだな』って。絶対、みんなそういう風に思うよね。俺だったら、そう思うもん」って思った時に、「これって世の中に出てるニュースとかで、事実と違う嫌疑をかけられて報道された人たちって、たくさんいるに違いないな」と思ったんですよ。で、結局、それが事実とは違って。「ここは違いました」っていうのって、言わないじゃないですか。ニュースにならないじゃないですか。

「ああ、こういうことって普通に起こり得ることなんだな」って思った時に「なんか、それっておかしくない?」って思ったし。「なんで俺だけそうやって実名をさらされて……このまま泣き寝入りをするのは、絶対に嫌だな」と思ったんで、アルバムのブックレットの中に今までお世話になった刑事さんとか、検事さんとか、そういう人たちの実名を載せて。これは取り調べ中も言っていたんですけど。「お前、絶対に有名してやるからさ。待っていろよ?」って言っていたんで名前を載せさせていただいたっていう。「ありがとうございます。あなたたちのおかげでこのアルバムができました」っていう。

(渡辺志保)でもNORIKIYOさんならではの、スペシャルサンクス欄が結構えぐいなって私も思いながら……。

(NORIKIYO)だから配信じゃなくて、ブックレットがついているので、ぜひCDの盤をゲットして、そこも読んでいただきたいなと思ってますけど。

(渡辺志保)そうですね。そんな感じで皆さん、本当にね、たくさんの発見というか、気づきがあるアルバムになってるんじゃないかと思いますので。ここでちょっと早速、リリースされたばかりの新曲をNORIKIYOさんから紹介していただけますでしょうか?

(NORIKIYO)NORIKIYO feat. STICKY(SCARS)で『オレナラココ』。聞いてください。

NORIKIYO『オレナラココ feat.STICKY』

(渡辺志保)ただいまお届けした曲はNORIKIYOさんの新曲『オレナラココ feat.STICKY』。来るアルバム『犯行声明』からの1曲でした。こちらもね、STICKYさんの声を使ってるぞっていうのが割と話題になってたんじゃないかなと思うんですけれども。その辺はいかがでしょうか?

(NORIKIYO)そうですね。これ、だから留置所にいる時にそのSTICKYの「ジェイルがこのゲームの代償」っていうのがもう降りてきて。「でも俺の声まではぶち込めないっしょ?」っていうのを思いついた時に「ああ、これ、書けることがあるわ」って。なんかSTICKYから「お前、これ書けよ」って……。それで『オレナラココ』っていうタイトルにしたら、別に俺がたとえば裁判の結果いかんでジェイル行ったとしても、ジェイルに行かなかったとしても「俺ならここですよ。あなたたちの耳元にいるし。もし、曲を気に入ってくれた人たちがいるんだったら、その心に残るし。僕がいるのはそこですよ」っていう風に。まあ捜査機関の方になにかシニカルな形でお伝えもできるし。それもヒップホップを聞いているリスナーの方だったら楽しんでくださるんじゃないかなっていう思いも込めて。『オレナラココ』っていうタイトルだったらいいんじゃないかなと思って作った曲です。

(渡辺志保)ありがとうございます。KRS ONEの『Sound of da Police』を思わせるようなサウンドとかも入ってて。そのあたりもちょっとね、ニヤッとする方はいらっしゃるのかなという風にも思いましたし。なんか、さっきもNORIKIYOさんが「あらぬ嫌疑をかけられた人、他にもいるんじゃないか?」みたいなことをおっしゃっていましたし。「自分だけ本名を晒されて」みたいにもおっしゃってましたけど。なんかここ最近、ラッパーの方が本当に大麻取締法違反で逮捕されてたりして。

でもその後、不起訴になって帰ってきてる子とかもたくさんいるのに、なんかそこに関しては全然、触れられず。ただセンセーショナルに「逮捕された」っていうことだけ。そこだけがすごく、めちゃめちゃでかいニュースになって世間をお騒がせているように報道されてるような形がすごくすごく嫌だなという風に私なんかも思っていて。

(NORIKIYO)なんかセンセーショナルじゃないですか。その捜査機関の人たちだったりとかはやっぱり手柄……「やってる感」を出したいんですよ。「俺たち、やってますよ」みたいな。それがでかければでかいほど、彼らにとっては点数になるわけだし。なんかよくやっている感を演出する感じだと思うんですよ。だから僕の場合、「18.4キロ」っていう風に出てきたその押収した数字というのも、結局それが起訴された時には「6キロ弱」になっていたわけで。

(渡辺志保)それはなんなんですかね?

(NORIKIYO)「えっ、3倍も盛っているのかよ?」みたいな。で、「結局、これって何なんだろう?」っていう風に弁護士の人と話したら「あいつら、『1億』って言いたかったんすよ。『末端価格1億』っていうことを言いたいから、結局全て、枝葉の部分とかも一応換算して。いろんな植木鉢とか、そういうのも入れて『18.4キロ』っていう風にやっているんですよ。許さん!」みたいな感じで弁護士の方とか、言ってたけど。でも、これがまかり通ってしまうのが今の日本だし。で、その警察が発表した内容をそのまま面白おかしく流すのも日本のそういうマスメディア、マスコミの人たちだし。

結局、じゃあそれを精査して……マスコミの人たちがそれが正しいのか、正しくないのかっていうのを精査していたとしたら、そうすると彼らは警察側からニュースがもらえなくなるわけですよ。警察はマスコミをうまく使ってるし、マスコミも警察のことをうまく使ってるわけなんですよ。センセーショナル方がいいから。数字を取れるし。そういう国に我々はいるんだっていうのを「まあ、そうだよね」って俺も思ったけど。実際、自分の身を持って、自分の体を通り過ぎていって。「うん、やっぱり、そうだよね」っていう風に……。

<書き起こしおわり>

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