古川登志夫 自分が演じた歴代の強い男ランキングトップ5

古川登志夫 自分が演じた歴代の強い男ランキングトップ5 ザ・トップ5

声優の古川登志夫さんがTBSラジオ『ザ・トップ5』に出演。ご自身が演じた数々のキャラクターの中から、強い男ランキングを作成。そのトップ5を紹介していました。

(藤森祥平)レジェンド声優 古川登志夫さんが選ぶ、自分が演じた歴代の強い男ランキングトップ5。

第五位:シン(北斗の拳)『力こそが正義!いい時代になったものだ』
第四位:ポートガス・D・エース(ONE PIECE)『出来の悪い弟を持つと、兄貴は心配なんだ』
第三位:カイ・シデン(機動戦士ガンダム)『こういう時は臆病なくらいがちょうどいいのよね』
第二位:ピッコロ(ドラゴンボール)『魔貫光殺砲!』
第一位:諸星あたる(うる星やつら)『ねえ君、お茶飲まない?』

以上、レジェンド声優 古川登志夫が選ぶ、自分が演じた歴代の強い男ランキングトップ5でした。

(中略)

(藤森祥平)それでは、改めまして今夜のゲストをご紹介いたします。声優界のレジェンド、古川登志夫さんです。よろしくお願いいたします。

(市川紗椰)よろしくお願いします。

(古川登志夫)こんばんは。古川登志夫です。よろしくお願いします。

(藤森祥平)古川さん、もうこれまでに演じてきた役の数はもう100以上と。あの、私は『ドラゴンボール』世代どっぷりでしたので。もう・・・

(市川紗椰)ピッコロ。

(古川登志夫)ピッコロ。マジュニア。はい。

(市川紗椰)でも、『ドラゴンボール』はブルー将軍もそうですからね。

(古川登志夫)あ、そうですね。やっぱり詳しいですね。本当に。

(市川紗椰)いえいえ、好きなので。私はやっぱり『ガンダム』でカイ・シデンとかもそうなんですけど。やっぱりサンライズ好きとしてはね、『ザブングル』とかも。

(古川登志夫)某番組でお会いした時もそうおっしゃってましたね。

(市川紗椰)そうなんです。そうなんですよ。もう『ザンボット3』だったり『ザブングル』だったり。本当にもう、ワクワクしちゃいます。

(藤森祥平)これ、じゃあさっそくランキングとともにお話をうかがってよろしいですかね?

(古川登志夫)はい。

(藤森祥平)古川さん、まず第五位に『北斗の拳』のシンですね。

第五位:シン(北斗の拳)

(古川登志夫)そうですね。『強い男ランキングトップ5』ということなんですけどね。かならずしも、格闘技的な意味での強さだけではなくて、いろんな意味での強さということでランキングしてみました。で、五位は僕の中では『北斗の拳』のシンなんですよね。

(市川紗椰)はい。

(古川登志夫)先ほどご紹介していただきましたけれども。このシンっていうのは最初登場した時は非常に強い男で。一発で主人公のケンシロウを倒してしまいまして。胸に7つの傷を負わせますよね。そしてその恋人であるユリアを略奪していって。勝ち誇って笑いながら去っていくというシーンでかっこよく出てくるんですが。

(市川紗椰)ええ。

(古川登志夫)最後は結局、復讐されるというかケンシロウにやられて。そして、ユリアの心もついぞ自分の方に向けさせることができなかったという悲劇的なキャラクターですよね。そして、実際にユリアが投身自殺をしてしまった後を追うように、自分もですね、自分の城から飛び降りて投身自殺をしてしまうという。サザンクロスからですね。

(市川紗椰)衝撃のシーンでした。

(古川登志夫)というところで、死んでしまうという意味において、強い男なんだけれども、まあ五位ぐらいが妥当かな?ってな感じで五位にしてみました。

(市川紗椰)ちょっと弱さも。繊細さはやっぱりありますもんね。

(藤森祥平)さあ、その中で今度四位になるのが・・・

第四位:ポートガス・D・エース(ONE PIECE)

(古川登志夫)四位はね、『ONE PIECE』のポートガス・D・エースなんですけれども。彼も白ひげ海賊団の二番隊隊長という非常に強いイメージで出てくるわけなんですけども。結局その白ひげ海賊団の中でティーチ。黒ひげと言われる俗称を持っているその男がですね、仲間殺しというあってはならない掟破りの犯罪を犯してしまう。それを復讐するために、捕まえるために追っかけて行くわけですが、返り討ちにあって、インペルダウンという監獄に幽閉されてしまうんですね。

(市川紗椰)はい。

(古川登志夫)で、その後、最終的に海軍の本部でありますマリンフォードで処刑されるという段取り。そこをルフィが助けに行くんですけれども、結局は赤犬というキャラクターにやられて。胸にドーン!と穴を開けられて死んでしまう。こういう意味で、強い男なんだけれども、やはりシンと同じように最後殺されてしまうという意味でエース。四位ぐらいかな?と。

(市川紗椰)たしかに。しかもその弟をかばってっていうところもやっぱりね、強さなのか弱さなのかっていう。

(古川登志夫)いいシーンだったんですけどね。

(市川紗椰)いやー、もうボロ泣きですよ。うん。

(藤森祥平)続きます。第三位。

第三位:カイ・シデン(機動戦士ガンダム)

(古川登志夫)三位は、これは市川さんお好きな『機動戦士ガンダム』のカイ・シデンというキャラクターなんですね。これは市川さんよくご存知だと思いますけどね。最初に出てきた時にですね、セイラにバチーン!ってビンタを食らいましてね。『軟弱者!』とか言われるんですね。たしかにそういう軟弱者って言われても仕方ないような部分とか、世の中を斜めに見ていたり。ちょっとこう、ひねくれ者だったりするようなところ。あまり強い男のイメージという感じしないんですけども。

(市川紗椰)はい。

(古川登志夫)まあ、先ほど言いましたように、かならずしも格闘技的な意味での強さではないんだけれども、途中からホワイトベースにミハルという女スパイが潜入してきますよね。そこで擬似恋愛のような関係になって。しかし、そのミハルも戦死してしまう。そのような事件を通してカイ・シデンが人間としてもパイロットとしても、戦士としてもたくましい男に育っていくわけですね。その過程がよくて。

(市川紗椰)うん。

(古川登志夫)しかも、ずーっとホワイトベースの乗組員の何人か、亡くなっていったりもするんですが。カイ・シデンはずーっと生き残るんですよね。最後まで。そして、現在でもいろんなスピンオフの作品などでも登場しますし。実際に、『ユニコーン』などにも登場してくるんですよね。チラッチラッと。

(市川紗椰)いますよね。はい。

(古川登志夫)その、いなくならないという意味で先ほどの2人と比べて。生命力の強さ。

(市川紗椰)たしかに。

(藤森祥平)もうだって市川さん、いろんなカイ・シデンの名シーン、心に刻まれている場面、あるんでしょ?

(市川紗椰)はい。

(藤森祥平)たとえば、なんか?

(市川紗椰)いや、でもこれはやっぱりカイらしいセリフですし。私が古川さんの前で語るのもすごいおこがましいですけども。ガンダムの中で本当に成長がわかりやすいキャラクターなんですよ。みんなの前で。だから演じることにあたって、それってどうやって表現するとか、意識する部分とかあったんですか?

(古川登志夫)そうですね。最初は小さい役で脇役だと思っていたんで。ぜんぜんね、あまり重要視してないでやっていたんですね。かっこいいシャアとかですね、アムロとか。いろいろ主人公たち、出てくるでしょ?だけど、大人になって見ると、このカイの良さがわかるんですね。

(市川紗椰)うん!

(古川登志夫)だから市川さん、さすがに大人なんですね(笑)。

(市川紗椰)(笑)

(藤森祥平)いまスタッフもね、カイ・シデンファン、多いんですよ。

(古川登志夫)割りとね。カイ・シデンのファンクラブみたいなのができたりして。なかなか難しいキャラクターだったんですが、最初は脇役だと思ってそんなに重要視しないで、なんか軽くやっていたんですよね。で、後で通して見たら、結構面白い役だったなって自分でも思いました。で、ひねくれ者のような感じを、他のキャラクターとは違う演じ方をしようと思って。なるべくそういう軽い調子でやってはみたんですけども。

(市川紗椰)あ、はい。

(藤森祥平)なるほどねー。さあ、そして?

第二位:ピッコロ(ドラゴンボール)

(古川登志夫)第二位ですよね。これはね、『ドラゴンボール』のピッコロじゃないかな?と思うんですよね。まあピッコロはZ戦士として登場してきて、まあ強いわけですよね。最初はみんな宇宙最強の戦士として登場して。天下一武道会とか。

(市川紗椰)そうです。最初、おっかなくてしょうがないですよね。最初は。

(古川登志夫)そういうピッコロなんですが、しかし容赦もなく何度も殺されたり、やられたりするんですよね。でもドラゴンボールが揃うとまた生き返っちゃうというこのね、基本的な上手い設定に助けられて、ずーっと生き返るんですね。

(市川紗椰)上手い設定って(笑)。

(古川登志夫)で、こういうところでなかなか死なない。それから、戦闘時だけじゃなくて平和な時代になっても、たとえば悟飯とビーデルの子供のパンっていう女の子。赤ちゃんが生まれるんですが、この赤ちゃんをゆりかごに入れて足でこうやって揺らしながら、それをあやしているという、ただの子守おじさんみたいになっている。平時においても生き残っているんですよね。そうやって。

(市川紗椰)ええ。

(古川登志夫)戦いがないから、もういなくなるかな?と思ったらいなくならない。そういうその、ずーっと生き残っちゃう強さ。生命力の強さ。これもまあ、ある意味カイ・シデンと似たようなところがあって。

(市川紗椰)たしかに。

(古川登志夫)生き続けているという意味で、そういう強さで二位にランクしてみました。

(藤森祥平)ギャップというか、最初はあれだけ恐れおののいていたキャラクターがだんだん見せる素顔。『えっ、ピッコロ、それでいいの?』みたいな。

(市川紗椰)もう悟飯にはデレッデレですからね。あの2人の関係性、いいですよね。

(古川登志夫)もう悟飯の保護者みたいな。

(市川紗椰)そうですよね(笑)。

(藤森祥平)これ、『魔貫光殺砲!』っていうやつを実は私たちも、みんな休み時間になったら、みんな人差し指と中指をおでこにつけてね。もうところ構わず指してやるんですよ。指先から出るわけじゃないのに。

(古川登志夫)そうですよね。こういう格好。これ、僕は『二千円貸して』って言うんですけどもね(笑)。

(市川・藤森)(笑)

(古川登志夫)これ、こう『魔貫光殺砲ーっ!』っていうような感じでね。

(市川紗椰)おおっ!

(藤森祥平)そうですよね!

(古川登志夫)やってごらんになりますか?(笑)。

(市川紗椰)藤森さんバージョン。ちょっと『魔貫光殺砲』だとか。聞いてみたいです。ちょっと。

(藤森祥平)これはね、当時みんな見てましたから。で、ふざけてやらないの。この魔貫光殺砲はみんな本気になるの。

(市川紗椰)えっ、やってくださいよ。

(藤森祥平)ちゃんとやりたいの。

(市川紗椰)ちゃんとやってください。

(藤森祥平)『マカンコウサッポォォォォォー!』。

(古川登志夫)あ、いいじゃないですか。すごくいいですよ。

(市川紗椰)おっ!

(古川登志夫)で、この声は僕はうんと低い声で。僕の音域から言うと出せない声なんですね。

(市川紗椰)あ、そうなんですね。

(古川登志夫)もっと低くてね。たとえば、『ベジータ、それがお前の究極の技か?』。もっと行く。『ベジータ、それがお前の究極の技か?』ってどんどん下げていくと、声がなくなって。息声だけになるんです。で、息を使ってやっているんですよね。(低い声で)『ベジータ、それがお前の究極の技か?』と、こんな感じで。こんなのね、誰でもできるっちゃあできるんですけど。

(市川紗椰)いや、そんな!?

(古川登志夫)息声にすれば似ますから。

(市川紗椰)息声。やってみて。藤森さん。ちょっとチャレンジしてみますか?

(藤森祥平)(低い声で)『市川、それでいいのか?』。

(古川登志夫)あ、ほら、近くなってきた。

(藤森祥平)(低い声で)『大事にしろ、市川・・・』。

(市川紗椰)いや、やっぱ違う(笑)。

(藤森祥平)そりゃそうですよ!(笑)。ごめんさい。本当、みなさんごめんなさい。ファンの方、ごめんさい。

(市川紗椰)ちょっと聞いてみたいですね。でも。

第一位:諸星あたる(うる星やつら)

(古川登志夫)それで一位ですかね。このね、最後。この一位はこれこそが意外な感じがされると思うんですけども。

(市川紗椰)びっくりしました。(諸星)あたる。

(古川登志夫)『うる星やつら』の諸星あたるなんですけどもね。これはですね、実は彼は何の武器も技も持っていないわけですよね。ただ、しいて言えば、技ではないかもしれないんですけど、すごい強烈な煩悩があるわけですよね。しかも、異性に対する煩悩ですね。常にその異性を追いかけ回しているというようなところが。そのエネルギーたるやすごいものがある。

(市川紗椰)たしかに(笑)。

(古川登志夫)誰に蹴られても殴られても、空に飛ばされても電撃を食らってもですね、ずーっと生きていて。ボロボロになってやられながらも、あちこちから髪の毛から煙が出ているようにボロボロ、黒焦げになりながら、右の手で女の子、美女の肩を抱き、左の手で別のかわいい女の子のお尻を撫でているというようなところがあって。

(藤森祥平)ブレませんね。

(古川登志夫)このブレないところ。この普通の人間らしいところ。この普通の人間がいちばん強いんだな!と思わせてくれる。これは天晴。まあちょっと男の人が憧れるようなところもあるじゃないですか。自分の好きなラムちゃんはずっと自分のことを思ってくれていて。

(市川紗椰)ねえ。

(古川登志夫)そういう意味での強さということで諸星あたるを一位にしてみました。

(市川紗椰)たしかに生命力があるってことですよね。こんなに。ハートも強いし。

(藤森祥平)ひとつひとつ伺っていると、もう古川さんのそれぞれのキャラクターに込めている愛があふれて伝わって来て。

(市川紗椰)そうなんですよ。

(古川登志夫)異論があるでしょうね。でもこれが一位で強いって(笑)。

(藤森祥平)いやいやいや、そうなんだなと思って。

(市川紗椰)いやー、でもすごい面白い。やっぱり演じてる方だからこその意見ですからね。

(古川登志夫)さあさあ、以上、レジェンド声優 古川登志夫さんが選ぶ、自分が演じた歴代の強い男トップ5をお送りしました。

<書き起こしおわり>

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